症例は76歳の男性,高度の発熱と体重減少,炎症反応強陽性,好酸球増加を伴う白血球増加症精査のため入院中,突然,多量の喀血,呼吸困難に陥り,胸部X線にて急速に広がる肺浸潤影を認めた.同時に,急速に進行する腎機能不全が出現し,血清クレアチニン5.0mg/dl,尿素窒素117.4mg/dlに達した.腎生検で,細動脈の炎症性細胞浸潤やフィブリノイド壊死を認め,さらに間質への著しい細胞浸潤も見られたため, microscopic PNと診断した. methylprednisoloneとcyclophosphamideの併用療法が著効を示した.肺出血を伴うmicroscopic PNはきわめて予後不良と言われ,免疫抑制薬併用療法をもってしても,本例のように肺浸潤影,腎機能の改善した症例はまれであるため報告する.
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