日本内科学会雑誌
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81 巻 , 8 号
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  • 山口 洋, 松田 泰雄
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1151-1153
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 友池 仁暢
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1154-1158
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    疫学調査の結果,急性心筋梗塞の発生に関連した危険因子が明らかにされた.これらの冠危険因子は冠動脈粥状硬化の進展を規定する素因である.発症早期の冠動脈造影所見や血栓溶解療法の成功は,梗塞発生の引金として冠動脈硬化病変部位における血栓形成の重要性を明らかにした.閉塞性血栓の成立における素因と誘因の詳細が明らかになれば心筋梗塞の予防法や治療法の原則がより明解になろう.
  • 藤原 久義, 篠山 重威
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1159-1163
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋虚血に対する第一の治療は速やかに再灌流を行い梗塞量を小さくしかつstunningを改善することである.しかし再灌流障害という概念は再灌流時に薬物を併用したり,動脈血以外の再灌流液を用いることにより再灌流心筋の形態的,機能的,代謝的障害をさらに軽減しうる可能性を示した.現状ではmodified reperfusionはstunningや不整脈に対しては明らかに有効であるが,梗塞sizeの縮小効果については否定的で今後の循環器学の重要課題の一つである.
  • 青木 英彦, 平盛 勝彦
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1164-1168
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症候論的に,新規発症または増悪した狭心症を不安定狭心症と呼ぶ.狭心症は狭心発作により死亡することはまれで,その予後は心筋梗塞症に移行するか否かで決まる.不安定狭心症はこの両者をつなぐものである.不安定狭心症の病像は多彩で,冠動脈造影所見などから実体が明らかになった病型もあるが,その本態の全貌は不明である.また,冠動脈内血栓が心筋梗塞症の原因か結果かの議論には,未だ結論が出ていない.不安定狭心症の予後の改善と心臓突然死対策には,不安定狭心症の本態の究明と心筋梗塞症の発生機序の解明が必須である.
  • 山口 徹
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1169-1173
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞の治療は,再灌流療法の出現によって積極的に心筋壊死を阻止する治療に変った.従来にまして早期診断,早期治療の可否が治療効果を左右するようになった.過剰診断を恐れずに,急性心筋梗塞が疑われる例では診断確定に努力する.心電図をとれば多くの症例では診断がつく.呼吸困難,意識障害,上腹部痛など胸痛以外を主訴とする患者における早期診断には,急性心筋梗塞を思い浮べるか否かが全てである.日頃からの注意深い診察態度と,心電図をとることを面倒がらないことが早期診断の重要なポイントである.
  • 吉本 信雄, 松尾 博司
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1174-1179
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞の心電図所見は,その梗塞の部位,発症の仕方,基礎疾患,合併症の有無,治療効果などにより種々の変化を示す.梗塞類似の心電図を呈する疾患も多く,経時的に検査をおこない,その変化を検討することが重要である.伝導障害合併例,再梗塞,非Q梗塞,右室,後壁梗塞などでは診断が困難なことがあり,他の検査結果と総合して判断する.
  • 田中 弘允, 安部 智
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1180-1185
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞の生化学的診断法は, (1)早期診断, (2)再疎通の診断, (3)梗塞量の推定などに応用されている.早期診断と再疎通の診断にはミオグロビン, CKアイソフォーム,心筋型脂肪酸結合蛋白が適しており, CK, CK-MB,心筋トロポニンTも用いられる.梗塞量の推定には心筋ミオシン軽鎖,心筋トロポニンTが最も適しているが,ミオグロビンを用いると極めて早期に結果が得られる. t-PAが臨床に応用されはじめた今日,生化学的診断法の役割はますます大きくなりつつある.
  • 高野 照夫, 子島 潤
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1186-1191
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞の重症度評価には,かつて患者背景をスコアー化し総合判定するNorrisやPee1の指数が用いられていた.最近では本症の本態が心筋壊死であり,重症度は梗塞サイズに直接影響されるという考え方に変遷した.かかる観点から,心筋逸脱酵素,冠状動脈病変や心筋壁運動異常から梗塞巣の大きさを推測し重症度を知る試みがなされている.しかしこれらのみでは重症度を規定するに十分でないと考え,臨床の場で遭遇する個々の病態を中心に概説した.
  • 光藤 和明
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1192-1197
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞に対する緊急冠動脈造影は,発症6時間以内であって,非観血的に確定診断のできない時,血行動態の不良な時や再開通療法としてPTCA, PTCRを選択する時などが一般的適応となる.さらに冠動脈造影による情報は,左室自由壁破裂,心室中隔穿孔など機械的失調の予防にも役立つし,それらの合併症が発生した時の対処も速やかにできるという効用もある.発症6時間以上経過した場合も24時間以内ならlate reperfusionの効果も期待し得るので, PTCAやPTCRを選択する時は緊急冠動脈造影の適応となる.血行動態不良の時(機械的失調を含む)は発症早期と同様積極的な適応である.
  • 内田 康美
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1198-1202
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細径のfiberscopeとその誘導systemの開発とにより人体のほとんどの血管系と心臓内腔が経皮経管的に直視出来るようになった.すなわち,消化管等におけるごとく肉眼病理学的診断がある程度可能となった.冠動脈病変についても同様であり狭窄病変,とくに急性心筋梗塞や不安定狭心症によくみられる血栓と動脈硬化病変の鑑別,動脈硬化病変の性状の判断,各種治療の効果判定などの面で有力な手段となりつつある.
  • 神原 啓文
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1203-1207
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1.ポジトロンは180度の正反対方向に511keVのγ線を放出するので,対向カメラで同時計測を行うと,空間分解能のよい,定量性の高い画像を作成することができる. 2.血流測定用として13N-アンモニアと15O-水が用いられるが,後者では心腔内血液のカウント補正が必要である. 3.脂肪酸のβ酸化をみる化合物として11C-パルミチン酸が利用できる(半減期20分). 4.ブドウ糖代謝を知るためには18F-FDG(半減期110分)が用いられる.虚血部で摂取率が亢進し,梗塞部残存心筋の描出に有用である.
  • 大林 完二
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1208-1212
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞のプライマリケアでは発作直後の患者を,いかに早く診断し医師の監視の下に安全に専門施設へ搬送するかが重要で,そのために一般市民への啓蒙,重症不整脈の予防と治療法の確立, mobile CCUやドクターカーの導入,救急救命士の誕生,救急搬送体制の整備などに努力が払われ種々の成果が上げられてきた.また,近年開発された静注用t-PAは入院前から使用が可能であり,その効果が期待されている.
  • 上松瀬 勝男, 梶原 長雄
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1213-1217
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞急性期の血栓溶解薬の静注法はその簡便さから他のどの方法よりも早期の冠再開通が可能である.特に, t-PAの登場により70%前後の再開通が得られるようになり, UKの冠動脈内投与法に匹敵する成績が得られている.臨床症状,心電図所見,血栓溶解療法の適応基準,禁忌事項を遵守し, CCU,除細動器があれば使用可能である.冠動脈造影を施行しなくても施行できることから解離性大動脈瘤破裂などへの誤投与には注意が必要である.
  • 延吉 正清
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1218-1224
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞症に対する再疎通療法として血栓溶解療法(PTCR)とPTCAがある.急性期は責任冠動脈には高頻度に血栓があるため,治療のfirst choiceとしては血栓溶解療法が有用な方法である.ただ血栓溶解薬を用いると重篤な副作用が起こる症例や心原性ショックなどで,少しでも早くreperfusionを必要とする患者にはdirect PTCAをfirst choiceとする.ただ血栓溶解療法では再疎通が起こらない場合にはPTCAを追加(rescue PTCA)する.
  • 斎藤 宗靖
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1225-1230
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞後,より早期により質の高い社会復帰を行わせるためには,リハビリテーションが必須である,近年,急性心筋梗塞症における再灌流療法の普及によって,発症早期からより安全に急性期リハビリテーションを進行させることが可能となったが,それに伴い外来ベースで行う回復期リハビリテーションの必要性が高まっている.本稿では,再灌流療法時代の急性期の早期リハビリテーションと回復期の運動療法の実際について述べる.
  • 木全 心一
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1231-1235
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    再梗塞の最大の危険因子は冠動脈病変である.障害枝数がますに従って再梗塞の危険がます.運動負荷によって心筋虚血の誘発される症例で高い.このため,梗塞後は出来るだけ冠動脈造影をして,必要な症例にはPTCA,冠動脈バイパス術をするのが良い.同時に,日常生活の矯正と薬物療法により血清脂質を改善し,禁煙させる.また, aspirinなどの薬を用いることも有効である.
  • 伊井 敏彦, 大井 長和, 塩屋 敬一, 河野 鉄, 中原 聖子, 松倉 茂
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1261-1262
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は67歳の男性. 1976年四肢の筋萎縮を伴った弛緩性筋力低下からSPMAと診断. 1983年呼吸筋麻痺が出現, 1985年より臥床のまま人工呼吸管理中.その後難治性の腹部膨満と腸内ガス貯留が出現し,モチリン様作用を有するエリスロマイシンを経口投与したところ症状が著明に改善した.休薬とプラセボ投与では症状が再増悪した.本薬は慢性神経内科疾患による長期臥床患者にみられる腸管運動障害に有効と考えられた.
  • 村手 隆, 大橋 春彦, 市川 篤, 堀田 知光, 斎藤 英彦
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1263-1265
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    貧血精査を目的に受診された47歳男性で, monoclonal gammopathyと赤芽球癆の合併例を経験した.血清のMタンパクはIgG-λタイプでIgGは1042mg/ml, IgA, IgMは著明に抑制されており,鉄代謝は極度の低形成を示し,骨髄像では赤芽球が著減し形質細胞が20%弱を占めていた.両疾患に病因論的な相関があるものと考えてステロイド治療を試みたところ, 10日後より著明な貧血の改善及び骨髄中の形質細胞の減少を認めた.
  • 中田 安彦, 町田 雪乃, 新里 達志, 島袋 充生, 伊志嶺 みち子, 大城 康一, 長嶺 文雄, 村上 啓治, 三村 悟郎
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1266-1267
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    56歳,女性.頻回の失神発作を主訴に入院.心エコー図では右室負荷所見が認められ,心臓カテーテル検査では肺高血圧症と心拍出量の低下を認めた.肺血流シンチにより肺塞栓症と診断した.血栓溶解療法により失神発作は消失したが,肺高血圧症の改善がみられないため降圧薬を併用した.併用療法6ヵ月後の検査では本症の増悪は認められなかった.本例では抗凝固療法と肺血圧降圧療法の併用により病状の進展を阻止し得たと考えられた.
  • 清水 直子, 棚橋 忍, 白子 順子, 二村 貢, 広瀬 良和, 高桑 薫, 亀谷 正明, 時光 直樹, 米山 哲司, 横尾 直樹, 奥村 ...
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1268-1270
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は多飲酒歴のある55歳の男性.平成2年9月より腹部膨満感が出現し10月15日入院した.大量の腹水と血清,尿・腹水中アミラーゼの高値,炎症反応を認めた,画像診断にて慢性膵炎,膵嚢胞を認め, ERCPにて膵嚢胞からの造影剤の漏出を確認した. 11月9日嚢胞空腸吻合術を施行し術後経過は良好.本邦報告44例の検討では,平均約46歳で男性が40例, 37例に多飲酒歴があり,慢性膵炎は31例,膵嚢胞は28例に合併,死亡例は7例であった.
  • 小玉 俊典, 方波見 重雄, 田巻 知宏, 東 直樹, 吉田 博清, 増川 丈児, 木下 博, 藤田 勉, 西山 弘文, 谷内 昭
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1271-1272
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25歳,女性.全身倦怠感,発熱のため受診.全身に斑状丘疹,口腔内粘膜にKoplik斑を認め,両肺に湿性ラ音を聴取し異型麻疹と診断し入院.入院時肝機能検査でGOT 982IU/l, GPT 557IU/l, LDH l760IU/lと肝機能異常が指摘された.血清学的にHBs抗原, IgM型HBc抗体, 1gM型HA抗体, HCV抗体は全て陰性であった. IgG型麻疹抗体は陰性であったが, IgM型麻疹抗体が高値陽性であった.斑状丘疹, Koplik斑の改善とともに血清トランスアミナーゼは止常化した.肝生検所見は急性肝炎の回復期像であった.電子顕微鏡所見ではウイルス粒子は検出されず,肝組織よりのウイルス培養でも麻疹ウイルスは検出されなかった.麻疹肝炎はまれな疾患であり肝障害の成因は不明であるが,免疫応答に伴う急性肝炎と考えられた.
  • 浅野 泰
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1273-1278
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性透析療法が一般化されて約20年となるが,その間の技術的進歩や合併症対策の改善により,慢性維持透析患者数は年々増え続け, 1990年にはわが国で10万人を超えた.しかしながら,透析療法は腎の働きを完全に代償しているだけではないので,透析患者では多くの代謝異常や合併症を伴い,それは全身に及ぶ.なかでも腎性貧血の存在は患者の社会活動や生活意欲の抑制につながり,また循環器系合併症は透析患者の死因の過半数を占めるに至っている.最近,エリスロポエチンの臨床使用が可能となり,腎性貧血から透析患者を解放したが,副作用等まだ十分に解明されていない点がある.一方,循環器系合併症の発生には腎不全または透析療法に特有なものがあり,これらの原因追求,予防,治療が長期透析患者の予後にとって重要と考えられる.
  • 藤原 茂芳
    1992 年 81 巻 8 号 p. 1279-1283
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳のアミロイドアンギオパチー(cerebral amylold angiopathy: CAA)は,脳出血の原因の一つとして,重要視されている.典型例では,高血圧の既往の無い高齢者に,再発性の脳葉型の脳出血を来し,重篤な身体後遺症のほか,脳血管性痴呆の原因ともなる.脳外科的処置が禁忌となるなど,高血圧性脳出血とは異なる治療が必要であるが,術前診断は,従来困難とされていた.アミロイド蛋白の分析や遺伝子解析が進み,最近,髄液中のcystatin Cの濃度を測定することにより,術前・生前診断の可能性が開けてきた.本稿ではCAAの基礎から,臨床像を振り返り,新しい診断法について述べ,新たな治療法の可能性を探る.
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