日本内科学会雑誌
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82 巻 , 1 号
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  • 荒木 淑郎
    1993 年 82 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 坂井 文彦
    1993 年 82 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Ad Hoc Committeeによる頭痛頒(1962)は,頭痛を病態に基づき片頭痛型血管性頭痛,筋収縮性頭痛のように分類している.この分類は従来広く使用されてきたが,頭痛の病態生理の研究の進歩に伴い様々な矛盾点が指摘されるようになった.国際頭痛学会では症候に基づいた頭痛の新分類を作成している(1988).それぞれの頭痛の定義,診断基準をはっきりさせており,頭痛を客観的に診断するのに優れている.
  • 下村 登規夫, 古和 久典, 高橋 和郎
    1993 年 82 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭痛は一般の外来診療で多く認められる訴えの一つである.しかし,日本においてはその実態はほとんど把握されていないが,日常診療において,頭痛の疫学的特徴を知っておくことは重要であると考えられる.片頭痛,緊張型頭痛は機能性頭痛の中でも頻度の高いものであり,片頭痛は若年から壮年にかけての女性に多く,緊張型頭痛は中年以後に多く認められる.群発頭痛は中年の男性に認められることが多い.片頭痛は40%以上に家族歴が認められているが,緊張型頭痛でも30%程度の家族歴があり,緊張型頭痛の発症に関してもある種の素因が関与している可能性が示唆される.
  • 横田 敏勝
    1993 年 82 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    痛みを感じる脳頭蓋部の諸構造,それが刺激されたときに痛みを感じる部位,頭蓋内の発痛要因などの基礎的事項を記述した.また,片頭痛と高血圧症による頭痛の病態生理学を解説した.拡延性抑圧を強調した片頭痛の神経説が,血管説に取って代わる勢いであった.ところが最近では,新薬の治療効果を無視できないことも重なって,血管説が復活の気配を見せている.高血圧症による頭痛は,脳血管の自己調節機構と表裏一体である.
  • 荒木 信夫, 福内 靖男
    1993 年 82 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛の発生機序については,従来,血管の収縮とその後の血管拡張が生じるというvascular theoryが広く信じられてきた.しかし,近年大脳皮質のspreading depressionによると考える説(neuronal theory)が登場し,様々な議論がなされてきた.さらにこの両者とはやや異なり,三叉神経と血管の関係“trigeminovascular system”を重視する説も加わり,片頭痛の発生機序についての議論は現在盛んに行われている.さらに最近開発された5HT1Dのagonistであるsumatriptanの効果をめぐりセロトニンと片頭痛の関係が再び注目されてきている.また,自律神経系のカテコールアミン代謝や様々なニューロペプチドと片頭痛の関係なども明らかになってきた.このように片頭痛の病態は様々な因子が絡み合っていると考えられる.
  • 猪木 令三
    1993 年 82 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    現在使用されている頭痛治療薬の作用機序を薬理学見地より解説した.頭痛の発生および病態が種々複雑であるので,使用されている薬物の範囲が広く,なお痛みの発生の機序が未解決の事もあって,薬理学的機序も明確になっていない治療薬のある事は言うまでもない.頭痛の病態機序の解明は,薬物治療面での薬理学的見地からの解釈による事が大きいので,今後の頭痛薬に対しては,病因に適した治療薬の登場が期待されるであろう.
  • 高橋 昭
    1993 年 82 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭痛患者へのアプローチは,常に全身的な分析が必要である.診断の第一歩は注意深い問診であり,発病様式,発現場所,痛みの性質,強さ,持続,頻度,発現時間,随伴症状,増悪,軽減因子などについての情報を的確に得ることが重要である.社会歴や家族歴も重要な鍵を提供することがある.次いで全身のベッドサイド診療と神経学的検査を行い,この所見を基にCT, MRI,髄液検査など特殊検査の計画を立てる.
  • 赫 彰郎, 手塚 博幸
    1993 年 82 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛,群発頭痛は共に血管性頭痛に属しており,発作性周期性に出現し種々の随伴症状を呈することが最大の特徴である.両者の診断は主として詳細な病歴の聴取に基づいて行われ,その特徴を熟知すれば診断に迷う事は少ない.諸検査は他疾患の除外のためにのみ必要であると言っても過言ではない,治療には発作時の頓挫療法と発作を回避するための予防的治療法がある.
  • 濱口 勝彦
    1993 年 82 巻 1 号 p. 50-54
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1962年のAd Hoc委員会の分類で筋収縮性頭痛といわれていたものが, 1988年の国際分類では緊張型頭痛という名称になったので,表題のようなタイトルになったのであろう.しかしいずれにしろ「これは慢性頭痛の代表的なものである.具体的にいえば,睡眠不足になったり,取り越し苦労が続いたり,毎日の生活の疲れによって現れる頭痛である.自分のペースないし許容範囲を超えた,負担のある生活の結果現れる症状と考えられる.したがってその治療方針は,現在の生活のどこを改善したらよいか,毎日の疲れをいかにしてなくするかがポイントである.
  • 加川 瑞夫, 鰐渕 博
    1993 年 82 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血による頭痛の臨床症状,病態生理ならびに診断に関して,最も頻度の多い腦動脈瘤の破裂にまつわる頭蓋内環境を中心に述べ,生命に危険を及ぼすくも膜下出血に対して脳神経外科の専門領域以外のプライマリーケアの観点より,そのアプローチの方法について言及する.
  • 吉本 高志, 小野 靖樹, 藤原 悟
    1993 年 82 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性硬膜下血腫では頭痛,精神症状,麻痺が三大症状であるが,これらが軽重混合することもあり,これらの特徴,発生機序について文献的に述べ,当科例を簡単に分析した.診断については, CTが普及しているが,弱点もあり,最近ではMRIが最も本疾患に診断的価値を有することの根拠を記した.治療は簡便で成績のよい穿頭・血腫洗浄除去が勧められることを述べた.
  • 庄司 紘史
    1993 年 82 巻 1 号 p. 66-69
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    髄膜炎でみられる持続性の頭痛の原因は,脳浮腫による牽引痛,髄膜の炎症組織からのキニン類,ヒスタミンなどの発痛物質による痛覚受容体の刺激閾値低下,さらには発熱による脳内動脈拡張に起因すると考えられている.髄膜炎の診断上,髄液検査による細胞数増加の確認が決定的意義をもつ.ウイルス性,化膿性,結核性,真菌性などの主要髄膜炎の診断・治療について概説した.
  • 朝倉 哲彦
    1993 年 82 巻 1 号 p. 70-76
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭痛は脳腫瘍においては必発といってもよい程高い頻度でみられる.しかし,頭蓋内圧亢進に伴う三大徴候のひとつとしての頭痛という教育が行われているため,発症当初の軽微でいて発生部位を示唆するような頭痛は,かえって不定愁訴ぐらいに扱われて看過されていることが多い.臨床上,高い頻度で発生する脳腫瘍の種類をよく知っておれば,頭痛の愁訴のある時, CTあるいはMRIの応用により腫瘍の診断は,きわめて容易である.無症候性の脳腫瘍すら脳ドックで発見される時代に,頭痛が軽微であるからといって,頭蓋内圧亢進がくるまでまっていて,脳腫瘍を見逃してはならない.
  • 近藤 明悳
    1993 年 82 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    三叉神経痛の確実な治療には,まず正確な診断が必要で,そのために教科書的な三叉神経各枝のtrigger pointsのみならず,鼻翼とか口唇の痛みなどにも留意し,その性質,持続時間,痛みの分布域を慎重に問診することが肝要である.今までいろいろな治療が行われているが,薬物療法としてのTegretol〓は有効であるが副作用が多く,注意を要する.神経ブロック療法は簡便であるが再発をくり返すし,知覚障害を遺す.近年外科的療法として三叉神経減圧術が行われている.三叉神経痛の発生機序は,その起始部における血管の圧迫が原因であり(腫瘍によるものは約10%),手術によりこの血管を神経より遊離し,神経を減圧することにより症状は確実に消失する.1976年よりこの手術法にて治療し,術後1年以上経過した,346例について追跡調査した結果は極めて満足すべきものであり,再発率は3.7%と低率でこの方法は永久的に有効な治療法と考えられる.
  • 阿部 弘, 今村 博幸
    1993 年 82 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頚部疾患による頭痛としては,頭蓋頚椎移行部もしくは上位頚椎の病変によるC2, C3などの頚神経根障害によるもの,頚椎や靱帯の障害により不安定性が生じ,頚部筋に異常緊張がおこり,疼痛がおこるものの二つに大別される.治療は種々の検索により病態を正確に把握し,手術が可能なものには手術を行う.
  • 大橋 弘文, 小方 信二, 尾世川 正明, 柳沢 孝夫, 松本 一暁, 松岡 祐之
    1993 年 82 巻 1 号 p. 110-112
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は46歳,男性.昭和63年汎血球減少を主訴に入院.再生不良性貧血と診断,パルス療法が著効を示した.平成2年1月右上腹部に腫瘤を触知し精査した,腹部CT, Gaシンチ,内視鏡検査,小腸造影などから十二指腸下行脚原発の悪性リンパ腫(びまん性,中細胞型, T cell type)と診断,その他の消化管には異常を認めなかった.十二指腸原発の悪性リンパ腫はまれであり,さらに再生不良性貧血治療後に発症した点,興味深い症例と考えられた.
  • 堀之内 寿人, 岡本 剛, 岡山 昭彦, 丸山 俊博, 橘 宣祥, 津田 和矩
    1993 年 82 巻 1 号 p. 113-114
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性,糖尿病コントロール及び左足化膿創の治療のため当科に入院した.入院時の腹部単純X線写真で,腹腔内に著明な遊離ガス像を認めた.理学所見上腹部に圧痛や抵抗及び腹水徴候は認めず,腹痛や下血の既往もなく,便潜血陰性であった.上部及び下部消化管の造影と,内視鏡検査において異常所見は認めなかった.気腹は,絶食で経過観察したところ40日後に自然治癒した.本症例は腹膜炎の所見を欠いた無症候性気腹で,原因が明らかでない,いわゆる特発性気腹と考えられた.
  • 山縣 さゆり, 佐藤 徹, 大山 眞, 楠原 正俊, 茅野 真男, 小島 勝, 岡田 了三
    1993 年 82 巻 1 号 p. 115-116
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男. 7年前,大動脈弁閉鎖不全に対し弁置換術が施行され,当時炎症反応陽性であった.以後経過観察中,僧帽弁に異常を認めなかったが,今回心不全で入院し僧帽弁狭窄兼閉鎖不全を認めた.炎症反応陽性,抗ストレプトリジン抗体価高値があり,弁置換時の病理組織の再検討によりAschoff結節を認め,リウマチ熱の再燃による弁膜症と確診した。急速に弁膜症が進行する成人発症リウマチ熱の症例はまれであり,報告した.
  • 青木 朋子, 三浦 明, 佐藤 功, 鈴木 千征
    1993 年 82 巻 1 号 p. 117-119
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,男性.発熱と前胸部の皮膚潰瘍を主訴として入院.血液学的検査にてMDSと診断し,蛋白同化ホルモン・副腎皮質ホルモンおよび抗生物質を投与したところ,血液学的所見・皮膚症状は改善した.その後も類似の皮膚の疼痛・発赤・潰瘍を繰り返した. PGと考えアザチオプリンを投与したところ症状は急速に改善した.本例は,発症に免疫学的機序が考えられているPGを合併した, MDSの興味深い症例と思われる.
  • 大野 良三, 濱口 勝彦
    1993 年 82 巻 1 号 p. 122-126
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    免疫異常を呈する神経疾患について,その概念および免疫学的異常の概要を述べるとともに,個々の疾患に対する免疫療法の現状を概説した.多発性硬化症の急性期治療としては,副腎皮質ステロイド薬(CS)の有用性が認められているが,再発予防や症状の進行停止をきたしうる治療法は確立されておらず,安全かつ有効な治療法の開発が待たれている. HAMについてはCSをはじめ,いくつかの療法が一定の効果をあげているが,治療中止による再発例がある.急性炎症性脱髄性ニューロパチーでは, CSの有用性がほ〓否定され,血漿交換療法や免疫グロブリンの静脈内大量療法の有効性が報告されている.一方慢性炎症性脱髄性ニューロパチーではCSが有効である.多巣性の伝導ブロックを伴う運動ニュ-ロパチ-およびその類縁疾患では, CSはほとんど無効とされており, cyclophosphamideなどの免疫抑制薬の有効性が報告されている. IgMM蛋白血症を伴うニューロパチーの治療について一定の見解はみられない.
  • 小川 雄之亮
    1993 年 82 巻 1 号 p. 127-131
    発行日: 1993/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺サーファクタント欠如がその成因である新生児の呼吸窮迫症候群に対する人工肺サーファクタント経気道補充療法は,わが国の新生児集中治療施設における代表的な化学的呼収管理法の一つとしてほぼ確立した.最近では肺サーファクタントの機能的欠如が考えられる病態の呼吸障害に対しても肺サーファクタント補充療法が試みられている.本稿では人工肺サーファクタントの製剤の種類や投与法,効果などの世界の現況について紹介し,臨床応用上の現時点での問題点についても述べた.
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