症例は慢性甲状腺炎, Sjögren症候群の30歳,女性で,尿細管性アシドーシス(RTA)による骨軟化症,偽骨折の合併を認めた. 1977年18時,甲状腺機能低下症と診断. 1985年Gum試験3ml, Schirmer試験3mm,唾液腺造影,ロ唇生検陽性でSjögren症候群と診断. 1988年より,腰痛,下肢痛あり,歩行困難となる. 1989年3月,鎮痛薬にて薬疹あり,入院.骨痛にて寝返りも困難で,骨スキャンにて多数の病的骨折と骨X線像で偽骨折を認めた.骨生検にて骨軟化症と診断された.血清Ca 3.8mEq/
l, PTH-C 0.48ng/ml,動脈血pH7.34, HCO
3 19.8, BE-5.0でSjögren症候群に近位および遠位型RTAの合併が認められ,骨軟化症を来したと考えた, Albright液, lα(OH)D
3, Ca内服にて症状改善し, 4週後より歩行可能となった.
抄録全体を表示