日本内科学会雑誌
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84 巻, 1 号
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  • 荒川 規矩男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 基礎研究の最近の進歩
    奈良 安雄, 家森 幸男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    分子遺伝学の進歩に伴い高血圧(表現型)に関係する染色体領域の検索が可能になった.その結果,高血圧モデル動物では食塩感受性高血圧遺伝子の候補領域としてアンジオテンシン変換酵素遺伝子はじめ複数の領域が,また,基礎的高血圧遺伝子領域の一つとしてleukosialin遺伝子領域が明らかになっている.一方,ヒトではアンジオテンシノーゲン遺伝子やSa遺伝子領域が高血圧遺伝子の候補領域として注目されている.
  • 飯村 攻
    1995 年 84 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧と糖尿病の合併頻度が高く,両者を合併すると予後が著しく悪くなる.この合併は偶発的と考えられがちであったが,最近,両者に共通する背景因子として,インスリン抵抗性と(相対的)高インスリン血症が注目されるようになった.インスリン抵抗性症候群といわれるものは,端的には,高血圧,糖質代謝異常,脂質代謝異常の合併で,インスリン抵抗性/高インスリン血症が本態性高血圧症の成因にも関わるというものである.
  • 栗原 裕基, 矢崎 義雄
    1995 年 84 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    エンドセリンは主に血管内皮細胞より産生される血管作動性ペプチドで,内皮による血管緊張性(トーヌス)の調節のほか,さまざまな生理現象に関与していると考えられている.高血圧の病態生理においても,その一部にエンドセリンが関与することがいろいろな角度からの臨床・基礎研究から示唆されている.こうした研究からエンドセリンをターゲットとした新しい高血圧の治療法が生み出されるかどうかが今後の最も大きな課題である.
  • 伊藤 裕, 中尾 一和
    1995 年 84 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ナトリウム利尿ペプチドファミリーは, ANP, BNP及びCNPより成り,一方,ナトリウム利尿ペプチド受容体は膜型グアニル酸シクラーゼそのものであるGC-A, GC-B及びC受容体の3種類存在する.ナトリウム利尿ペプチドは,血管の収縮弛緩や増殖,腎排泄能,レニン・アンジオテンシン分泌調節等血圧,水電解質バランスの維持に関与している. ANP, BNPはそれぞれ心房,心室から分泌される心臓ホルモンとして, CNPは主に血管等における局所因子あるいは神経ペプチドとしての臨床的意義が注目されている.
  • 平田 結喜緒
    1995 年 84 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    内皮由来弛緩因子(EDRF)の本体であるNOは血管トーヌスを制御する重要な血管作動因子である. NOはl-アルギニンを基質としてNO合成酵素(NOS)によって生成される.内皮には構成型NOSが局在し,種々の血管収縮因子によってCa2+依存性に活性化されることから血管収縮に対する代償作用を果たしている.高血圧では内膜依存性弛緩反応が減弱し, NOの生成,放出障害が存在するが,これは高血圧の原因というより内膜機能障害に伴う2次的な結果と推定される.
  • 北村 和雄
    1995 年 84 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒト褐色細胞腫より新しい降圧ペプチド“アドレノメデュリン”を発見した.さらに,アドレノメデュリンのcDNAクローニングを行い,前駆体の構造を明らかにした.アドレノメデュリンは副腎髄質以外に,肺,腎,心,血管などで生合成されている.アドレノメデュリンは強力な血管拡張性の新しい降圧ペプチドであり,高血圧症などで血中アドレノメデュリンが増加していた.これらの特徴を考慮すると,アドレノメデュリンは新しい循環調節因子だと考えられる.
  • 猿田 享男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧の判定は血圧のレベルによるが,その重症度は血圧のレベルと血管障害の状況とを考慮して決められている.これまで用いられてきた判定基準は, WHOあるいは高血圧に関する米国合同委員会による血圧の分類であるが,最近になって収縮期血圧と拡張期血圧の両者を考慮した新しい血圧分類が発表された.新しい分類では高血圧の程度に関して米国合同委員会とWHO/国際高血圧学会の委員会とによる分類とでかなりの差がみられ,混乱が生じてきている.
  • 今井 潤, 阿部 圭志
    1995 年 84 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    家庭血圧,自由行動下血圧測定は一般臨床に広く用いられているが未だその判定基準は確立されていない.本稿においてはこれら測定の臨床的意義を述べ,疫学調査成績の統計処理より暫定的な基準値を設定し,それに基づく地域集団の血圧値の評価を行った.家庭血圧,自由行動下血圧に基づけば,白衣性高血圧は随時血圧による高血圧患者の30%~40%であり,こうした血圧情報の応用は高血圧診療の費用効果を改善すると思われる.
  • 石井 當男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    二次性高血圧の症候がなく,スクリーニング検査で異常所見がなく,軽・中等度の血圧上昇を示すにとどまっている場合には,この段階で本態性高血圧と診断される.高度な血圧上昇,腎疾患を示唆する所見,電解質異常所見,血管性雑音,特殊な体型,激しい血圧の動揺とそれに関連する症状があれば,二次性高血圧を疑う.このような患者に検査を施行する場合には,成因・病態の特徴を適切に把握しうる検査法を選択することが大切である.
  • 尾股 健, 阿部 圭志
    1995 年 84 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    画像診断の進歩により血管性高血圧や腫瘍性病変による二次性高血圧症の診断が容易となってきた.腎炎性高血圧では24時間血圧測定の臨床応用により血圧治療目標の設定がなされた.また,内分泌学的検査法の進歩によりpre-Cushing症候群や原発性アルドステロン症との合併例の病態も解明され,その亜型が存在することが明らかにされた.鑑別診断に免疫組織学的検査法も導入されている.さらに,分子生物学的検査法の導入も試みられ,遺伝性,家族性の疾患の診断や成因の解明がなされつつあるなど,二次性高血圧症の病態解明や診断には長足の進歩が見られる.しかし,病変の存在が明らかにされても確定診断の困難な症例や低機能性で明らかな症候を示さない症例の増加も著しく,今後,新たな二次性高血圧症の解明やその病態の解明が期待される.
  • 久代 登志男, 梶原 長雄, 上松瀬 勝男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非薬物療法は降圧効果が明らかな減量,節酒,減塩,運動療法と,降圧効果はないが危険因子の改善となう禁酒,糖/脂質代謝異常の改善などがある.いずれも高血圧治療の目的達成の上で重要であるが,多くは生活習慣の変容が必要なため長期維持が困難な点が限界となる.非薬物療法と薬物療法は相補的なものであり,優劣を論じるのではなく個々の患者の病態と生活習慣に応じて最も実施可能な治療を選択し併用することが必要である.
  • 長瀬 美樹, 藤田 敏郎
    1995 年 84 巻 1 号 p. 70-77
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    降圧療法の最終目標は高血圧による心血管系合併症(脳血管障害,虚血性心疾患,心不全,腎不全など)を阻止することである.現在利尿薬, β遮断薬, Ca拮抗薬, ACE阻害薬, α1遮断薬, αβ遮断薬が第一次薬に定められているが,患者の病態(年齢,性,高血圧の重症度,合併症,偶発症,他の心血管系危険因子など)に基づき,良好な長期予後をもたらすような,しかも服薬コンプライアンスやQOLをも考慮に入れた降圧薬の選択が望ましい.
  • 日和田 邦男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    軽症高血圧患者の治療について,「軽症高血圧の管理に関する1993年WHO/ISHガイドライン」を踏まえて,著者の経験を交えながら解説した.軽症高血圧であっても,高齢者はすでに心臓血管系疾患に対して高齢であるというリスクを有しているので,降圧薬療法に力点をおき,患者に適した降圧薬を用いて血圧を正常範囲にコントロールする.一方,青壮年者においては,著者らあるいは外国の成績からも明らかにされているように生活習慣の改善によって,約半数近くの患者は高血圧が正常化する可能性がある.したがって,生活習慣の改善に力点をおくが,降圧薬を投与した場合でも,積極的に減量,中止を試みる.ただし,心臓血管系疾患に対する独立したリスクである左室肥大を持った患者では,肥大の退縮作用のある降圧薬を用いて厳格に正常範囲に血圧をコントロールする.
  • 荻原 俊男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 84-90
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    老年者高血圧は加齢に伴う動脈硬化の進展,神経性,体液性血圧調節機構の障害などが関与し,若年,壮年期の本態性高血圧とは病態上も大きな違いがある.合併症や死亡へのリスク度は超高齢期には低下する. 80歳台前半までは心血管系疾患の抑制という意味において治療効果が確認されている.特に収縮期高血圧治療の意義も明らかとなった.緩徐な降圧,過度な降圧をしない,薬物選択には合併症の存在に注意, QOLへの配慮などが重要である.
  • 柊山 幸志郎
    1995 年 84 巻 1 号 p. 91-95
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧の予後は,血圧上昇それ自体の関与が大きい高血圧性臓器障害と粥状動脈硬化が関与した粥状動脈硬化性臓器障害の発症に関わる.わが国の脳卒中の発症率は減少したが,それは脳出血と脳梗塞のなかの穿通枝型梗塞,すなわち高血圧性障害の減少による.一方,心筋梗塞などの粥状動脈硬化性病変は低下していない.最近の発症率調査によると,どの地域においても,脳卒中が心筋梗塞より未だ3~5倍高い.
  • 中村 祥子, 西村 芳子, 大塚 邦明, 菊地 長徳, 渡邊 晴雄, 豊島 孝道, 埜中 征哉
    1995 年 84 巻 1 号 p. 119-121
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全にて発症し拡張型心筋症の疑われた症例において,軽度の筋力低下・筋萎縮・持続性のcreatinine kinase (CK)高値・マクロCK血症を認め,筋生検にて炎症性細胞の浸潤に加えてragged red fiber (RRF)の出現やcytochrome C oxydase (CCO)部分欠損を認めた.多発性筋炎とミトコンドリア異常またはミトコンドリアミオパチーとの合併の報告は少なく,さらに心病変との関連を検討する上で興味ある症例と思われた.
  • 西谷 英樹, 細見 基信, 明石 裕光, 堀 和敏, 北川 浩子, 松本 正行, 中村 好廣, 坂上 隆, 大野 忠嗣, 下山 孝
    1995 年 84 巻 1 号 p. 122-123
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎え,また各種診断技術の進歩,診断機器の開発にともない,重複癌の症例は増加している.しかし,四ないし五重複癌はまれである.我々は腎,肺,胃(異時性重複癌),皮膚に癌を認め,五重複癌全てが治癒切除され,約3年間再発を認めることなく,健全である症例を経験した.日本剖検輯報によると,昭和40年以降平成2年まで五重複癌は35例にすぎない.また全癌が治癒切除され,約3年も健全である症例は検索しえた範囲ではみあたらず極めてまれな症例と考えられた.
  • 牛山 理, 鈴木 憲明, 大田 明英, 山口 雅也, 松本 順二, 内田 昌子, 入江 康司
    1995 年 84 巻 1 号 p. 124-126
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    混合型クリオグロブリン血症の1例を経験した.下腿皮膚に色素沈着と同部位のparesthesiaを認め,腎症状,リウマトイド因子陽性, IgM高値, C4の著明な減少を伴い, SLEとの鑑別が重要と思われた.本症例は,近年指摘されているように,その発症にHCVの関連が示唆された.
  • 中村 秀樹, 高橋 文彦, 松坂 知行, 田中 秀一, 赤石 直之, 佐藤 伸之, 菊池 健次郎
    1995 年 84 巻 1 号 p. 127-129
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性.躁症状に対し炭酸リチウムにて加療中のところ,発熱,食欲低下を主訴に当院精神科を受診した.意識混濁あり,胸部X線像で肺炎様所見,心電図で最長RR間隔が5.5秒の徐脈を認め,体外式ペーシングを施行し当科に入院した.入院時,血中リチウム濃度は4.14mEq/lと重度中毒域を示し,投与中止3日後には治療域に下降,心電図も洞調律に復した.本例の洞機能不全の成因に肺炎,脱水に伴うリチウム中毒の関与が強く示唆された.
  • 大崎 浩一, 迫 康博, 三村 和郎, 千々岩 芳春, 中野 逸郎, 梅田 文夫, 名和 田新
    1995 年 84 巻 1 号 p. 130-131
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頻回の低血糖発作からインスリノーマが強く疑われるも,当初の画像診断にて病変を検出できず経過観察となった症例に対し,人工膵島による内因性インスリン抑制試験および選択的動脈内カルシウム注入法(ASVS法)による診断を試みた.前者は低血糖を来すことなく安全に行える存在診断法として,一方ASVS法は血管造影と同時に行える部位診断法として,従来の診断法に加えて,今後インスリノーマの診断に有用な手段になり得ると考えられた.
  • 木村 裕美, 宮下 義博, 井上 和司, 小川 啓恭, 笠山 宗正, 古賀 正史, 佐藤 文三, 岸本 忠三, 中原 数也, 有田 憲生
    1995 年 84 巻 1 号 p. 132-134
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は20歳女性.トルコ鞍上部原発のgerminoma(胚細胞腫)に対し放射線治療を施行し完全寛解となったが,半年後に血清HCG高値を伴い両側肺と前頭葉への転移で再発した.転移部の組織はchoriocarcinoma(絨毛癌)であった.常用量の化学療法では部分寛解しか得られなかったため,自家骨髄移植併用大量化学療法を施行した.その後残存腫瘍を摘出したところほとんどが壊死組織であった.術後1年6カ月を経た現在もdiseasefreeである.自家骨髄移植併用大量化学療法は頭蓋内原発胚細胞腫の治療抵抗例に考慮されるべき治療法の一つと考えられた.
  • 山本 尚, 森山 裕之, 前川 信行, 荻野 宗次郎, 富樫 満, 熊野 英典, 貝沼 知男
    1995 年 84 巻 1 号 p. 135-137
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は57歳男性.主訴は夜間喘息発作.前胸部に軽い喘鳴を聴取した.末梢血白血球数18700/μl,好酸球87%, IgE3600IU/lと異常高値を示し,軽度の肝機能障害も認められ入院した.胸部X-P, CT,血清抗体価,虫卵検査等では異常を認めなかった.経気管支肺生検,肝生検,骨髄生検などを試みたが確診できず,治療的診断としてpyrantel pamoate(以後PP)を投与したところ白血球,好酸球の減少,肝機能の改善を認めた.さらに経過観察中,糞便中に虫卵が検出され,鉤虫症と診断された.好酸球増加をきたす疾患群の鑑別診断上寄生虫疾患の検索の重要性を示唆する症例であった.
  • 山下 亀次郎, 奥田 諭吉
    1995 年 84 巻 1 号 p. 138-142
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    各種疾患,特に代謝性疾患の治療において食事療法は基本的治療として重要である.近年,栄養学の進歩および生体側の代謝面の解明とあいまって食事療法は著しく進歩あるいは改善している.ここでは最近明らかにされてきた食品の三次機能としての生体調節機能(特に食物繊維とオリゴ糖について),消化管におけるインクレチン効果,さらに糖尿病の食事療法におけるそれらの臨床的意義について概説する.
  • 藤島 正敏
    1995 年 84 巻 1 号 p. 143-149
    発行日: 1995/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    久出町疫学調査からみるかぎり日本人の脳血管障害は,脳出血,脳梗塞ともに死亡率および発症率は減少し,なおその傾向はつづいている.この減少は高血圧の管理治療による影響が大きい.しかし近年,高脂血症,肥満,耐糖能異常者が有意にふえ,かかる代謝異常が脳梗塞の新たな危険因子となることは疑う余地がない.飲酒者や喫煙者が相変わらず多いのも問題である.以上の事実は,今後日本人の心血管病の病因,病態が変わることが予想され,その兆しがすでに久山町において表れている.高血圧による細動脈病変から,代謝異常による比較的大きな動脈の粥状硬化を主体とした欧米型の心血管病が日本人にもふえるだろう.事実,かつてはまれであった頸動脈の硬化性病変が,近年有意にふえている.日本人にとっては,心血管病に占める脳血管障害の比率はなお高く,その予防は重要な課題である.
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