日本内科学会雑誌
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84 巻 , 11 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 黒川 清
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1789-1790
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 井上 洋西
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1791-1797
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年気管支喘息の病態の理解がすすみ,またヨーロッパを中心とした吸入ステロイド療法など,喘息をより効果的に管理する方策が開発された.それらを背景に1990年代に入り,特に欧米諸国を中心に喘息の診断,治療のガイドライン作りが進められてきた.これらの動きを統合する形で, 1992年にNIHが“国際喘息ガイドライン”を作成1),次いで1995年WHOが後進国を含めた“世界喘息ガイドライン”を発行2),さらに現在WHOによりプライマリーケアの医師,看護婦,パラメディカルや患者向けに“喘息管理プラクティカルガイド”が作成されつつある3).今回はこのプラクティカルガイドの内容を踏まえ,日本のアレルギー学会の最新のガイドライン, “成人喘息の診断と治療(4)”とも対比しながら,今後の展望についても言及したい.
  • 澁谷 由江, 田中 裕士, 阿部 庄作
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1798-1803
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺血栓塞栓症は近年増加傾向にある疾患のひとつである.しかも,突然の発症より急速に重篤になる症例もあり,迅速な診断と治療がその後を左右する.臨床状況から本症を想起し疑った時点でただちに抗血栓療法を開始すべきである.治療はヘパリン,ウロキナーゼに加え,最近tissue-type plasminogen activatorや遺伝子工学による新しい血栓溶解薬も開発され今後の臨床的評価が待たれる.
  • 三田村 秀雄
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1804-1809
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    不整脈には頻脈性のものと徐脈性のものとがあり,いずれも致死的となりうる.救急治療にあたっては,まず不整脈の背景を把握し,次にQRSの幅,規則性,形,あるいは副伝導路の有無やQT延長などを分析し,その機序を推定し,適切な薬物を選択する.抗不整脈薬のイオンチャネル,ポンプ,受容体への作用を理解し,その電気生理学的効果,あるいは心機能への影響を認識し,催不整脈作用や副作用の出現を避ける配慮が必要である.
  • 伊西 洋二, 山口 徹
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1810-1814
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心不全・心原性ショックの治療の原則は,心不全・ショックに対する対症的治療と並行して誘因の除去,基礎疾患の治療を行うことである.急性心不全の薬物治療は利尿薬,ジギタリス製剤,および血管拡張薬が基本であるが,重症例・ショック例ではカテコールアミン, PDE阻害薬, ANPを用い,なお治療抵抗例では人工呼吸管理, IABP, PCPS, ECUMなどが必要となる.回復期には生命予後の向上を目的としてACE阻害薬の投与を行うが,最近ではCa感受性増強薬やイオンチャンネル抑制薬などの新たな強心薬も使用されつつある.
  • 朝倉 均, 本間 照, 杉村 一仁
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1815-1820
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎とCrohn病の多くは慢性に経過する疾患である.これら疾患の治療は,リンパ球レベル,単球・好中球レベル,サイトカイン・活性物質レベルおよび微小循環レベルで試みられている.両疾患の救急時の診断は自覚症状,他覚所見,炎症反応,各種画像検査を組み合わせて総合的に病状を捉える必要がある.救急時の薬物療法は抗炎症作用と免疫抑制作用があり,速効性の副腎皮質ホルモンの大量投与を行うが,感染巣の有無とその治療の対策を考えておかなければならない.
  • 坪田 昭人, 熊田 博光
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1821-1825
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎の病態が各分野から解明されつつあるが,決定的な治療法がない故に未だ死亡率の高い疾患である.また高度化する医療の中でその成因や対処法・治療法も徐々に変わりつつある.遺伝子工学の進歩により明らかとなった成因と発生機序に関する最近の知見や,現在までに普及している治療法を概説し,日常診療から最前線・最先端の医療における“劇症肝炎”について再考してみたい.
  • 大槻 眞
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1826-1831
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性膵炎の治療は全身管理を含めた合併症の予防ならびに治療と膵障害の進展防止が目的であり,各治療は早期より積極的に行われなければならない.循環動態の異常に対しては十分な輸液が,膵障害の進展抑制と修復促進のためには膵外分泌抑制と適切な栄養補給が,さらに蛋白分解酵素活性の抑制と播種性血管内凝固症候群や多臓器障害の予防と治療には抗酵素薬の投与を行う.そのうえ呼吸器や腎など多臓器の機能不全に対する治療も行わなくてはならない.
  • 小林 祥泰
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1832-1836
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    劇症型脳出血は減少したが,高齢化社会になると共にアミロイドアンギオパチーによる脳出血の増加が注目されている.脳血栓でも比較的若年者では動脈硬化以外にlupus anticoagulant症候群が注目されており治療上重要である.脳塞栓には従来線溶療法は禁忌とされてきたが, t-PAの出現により,超急性期線溶療法の治験が進み有効性が確認されつつある.脳塞栓の早期再発予防には抗凝固療法が必要である.
  • 葛原 茂樹
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1837-1842
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性・亜急性の脳脊髄膜炎には,ウイルス,細菌,結核菌,真菌などによる感染性のものと,アレルギー性の機序によるものがあるので,髄液,細菌学的・血清学的検査, CT, MRIによって,厳密に鑑別する.感染性の場合の治療は一刻を争うので,検体を採取したら直ちに起因病原体に対する治療を開始し,併せて脳浮腫や癒着に対する治療を実施する.アレルギー性脳脊髄膜炎では,ステロイド投与が基本であり,重症例や難治例ではパルス療法を実施する.
  • 森田 須美春, 春日 雅人
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1843-1847
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病性昏睡は頻度は減少しているものの生命に関わる病態として重要な糖尿病性合併症の一つである.インスリン欠乏とそれに伴う高血糖,ケトーシス,高浸透圧による意識障害が主病態であり,治療は少量インスリン持続静注と著明な脱水を補正するための輸液である.本症の発症には種々の誘因が関与し,患者及び医師側の知識の向上によって多くの場合発症を防ぐことが可能である.近年,ペットボトル症候群と呼ばれる新しい発症形態の糖尿病も出現しているが,このことは糖尿病の教育が広く一般にも行われる必要があることを意味している.一方,低血糖性昏睡においてもその背景は同様であり,患者教育の充実と医療側の配慮によりほとんど発症を予防することができる.
  • 對馬 敏夫
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1848-1851
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患において緊急処置を必要とする代表的な病態はBasedow病クリーゼと粘液性昏睡である.これらの病態は比較的まれであるが,いったん発症するとその予後は重大である.しかし早期に診断し的確な治療を行えば救命することが可能である.もともとBasedow病や甲状腺機能低下症自体は容易に治療できる疾患であり,上記の合併症によって致命的な結末を迎えることは絶対に避けなければならない.他の疾患の場合と同様,これらの重篤な病態を診断するためにはその可能性を常に念頭に置いておく必要がある.一般に上記の病態の確定診断には血中ホルモンの測定が不可欠である.しかし一般にホルモンの測定にはある程度の時間が必要であり,緊急時にはそのデータを直ちに得ることは困難である.従ってこれらの病態の可能性がある場合には確定診断を待たずに治療を開始しなければならない.本稿ではその診断と治療法について概説するが,最も重要なことはこれらの病態の発症を予防することである.
  • 安東 克之, 藤田 敏郎
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1852-1857
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性腎不全は原因別に腎前性・腎性・腎後性に分けられ,治療に際してはこの鑑別診断が重要である.乏尿性腎性急性腎不全では血液浄化療法を行うことも考慮し,非乏尿性腎不全への変換につとめる.腎前性腎不全では利尿薬を使わない水分負荷が原則で,腎後性では尿路閉塞の解除を行う.これらの治療においては体液管理,特に電解質異常への配慮が重要である.
  • 八幡 義人
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1858-1864
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    播種性血管内凝固症候群(DIC)について,その基礎疾患,発現頻度,病態,臨床症状,病型,凝血学的特徴などから, DIC診断基準(厚生省研究班)とDIC準備状態の診断基準(厚生省研究班)の設定論拠が良く理解できる様に,最新の凝血学的成績も加えて概説する.本症の治療については,新しい低分子ヘパリン療法を中心に述べる.
  • 市川 陽一, 山田 秀裕, 野口 淳
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1865-1869
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膠原病は一般的に慢性疾患に属するが,ときに救急療法を必要とする場合がある.また,治療に伴う合併症が救急療法を必要とすることも少なくない.そこで,慢性関節リウマチにおけるメトトレキサートによる急性間質性肺炎,全身性エリテマトーデスにおけるループス・クリーゼと血液障害,強皮症の腎クリーゼ,多発性筋炎/皮膚筋炎の急性間質性肺炎,および結節性多発動脈炎を取り上げ,それらの早期診断と救急治療法についてまとめてみた.
  • 舟田 久
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1870-1875
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    敗血症は致命的疾患から治療可能な疾患となった.原因菌の推移に対応した抗菌薬の進歩がこの予後改善の主役である.しかし,適切な抗菌薬治療といえども敗血症の治療には限界があり,予後はおおむね敗血症性ショックの合併に左右される.最近の炎症性サイトカインを中心とした敗血症の病態生理の解明は,敗血症の診断や敗血症性ショックの治療に新たな展開をもたらした.
  • 薄井 勲, 沢 丞, 井上 昭, 朝日 寿実, 高田 康光, 大角 誠治, 小林 正
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1904-1906
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は23歳女性. 11歳で感音性難聴を, 19歳で糖尿病を発症した.遺伝子解析によリミトコンドリアロイシンtRNA 3243変異が指摘され,本異常症による糖尿病の症例と考えた.血中乳酸,乳酸/ピルビン酸比の上昇,内因性インスリン分泌能の著明な低下,不安発作が認められた. coenzyme Q大量療法により,不安発作の消失,血中乳酸値の低下が認められ,本疾患に対する有効な治療法であると考えられた.
  • 新生 忠司, 井口 信夫, 藤平 隆司, 森本 勲夫, 江藤 澄哉
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1907-1908
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は54歳女性,夕食後突然,呼吸促迫出現し,意識は昏迷状態となったため近医受診.受診時,胸・腹部・神経学的にも異常を認めず,血糖・頭部CTにても異常はなかったが,頸部にstrumaを触知.また体重減少,手指振戦,甲状腺肥大が認められたため甲状腺クリーゼが疑われ当科緊急入院.直ちにクリーゼに対する治療を行い急速に意識状態は改善した.突然の意識障害にて発症する甲状腺クリーゼは非常にまれであり1)報告した.
  • 中村 洋一, 中村 英代, 松瀬 厚人, 門田 淳一, 下田 照文, 河野 茂, 原 耕平, 増本 英男, 浅井 貞宏
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1909-1911
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68歳男性.咳嗽,喀痰,発熱および呼吸困難で発症し,胸部X線上左中肺野の結節影と両側性の線状,網状影が認められ,気管支鏡検査にて結節影は肺結核,両側線状,網状影は肺胞蛋白症と診断された.肺胞蛋白症に対し全身麻酔,体外循環併用下に右側肺洗浄を行ったところ,洗浄側のみでなく非洗浄側も転快するという興味ある経過を示した.
  • 丹羽 淳一, 田口 栄一, 武田 章敬, 今村 一博, 鷲見 幸彦, 馬渕 千之, 石黒 義浩, 岩崎 明彦, 西村 英二
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1912-1914
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68歳女性.繰り返すと下痢と意識障害の既往あり.異常行動にて入院し,代謝性アシドーシスと高アンモニア血症に伴う代謝性脳症と診断した.肝,腸管には異常なく,骨シンチグラフィーにて結腸全体に異常集積を認め,膀胱造影にて膀胱回腸瘻と診断した.脳症発現にアシドーシスに加え,尿中日和見感染菌によるアンモニア産生と腸管からの吸収の寄与が考えられた.
  • 加藤 ゆみ, 山本 雅敏, 山本 ゆかり, 吉田 利明, 相原 真理子, 上島 紳介, 長谷川 辰雄, 加藤 芳郎, 加藤 良一, 小栗 隆
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1915-1916
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の女性.主訴は粘血便.平成3年6月に潰瘍性大腸炎と診断され, sulphasalazine投与約6カ月後より大球性貧血が出現,葉酸値の低下ならびに骨髄所見より葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血と診断された.葉酸投与により症状は速やかに改善した.炎症性腸疾患に起因した葉酸吸収障害,栄養障害等も関与した可能性はあるが,臨床経過よりsulphasalazineが本症候の主因と考えられた.
  • 余 明順, 本田 武司
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1917-1925
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食中毒(広く食水媒介性腸管感染症を含む)は日本国内の発生で見ても,旅行者下痢症としてもここ数年若干減少傾向は見られるものの,なかなか克服できない感染症である.特に開発途上国においては毎年多くの乳幼児が腸管感染症で命を落としている現状を考えると,食水媒介性腸管感染症の発症機構の解明とそれに基づく予防と治療法の開発が切に望まれる.ここでは最近病原性発現機構の解析(分子遺伝学的,分子生物学的,生理学的)が著しく進んでいる腸管感染(食中毒)原因菌を取り上げて紹介する.
  • 岡島 史和
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1926-1933
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多くのホルモン,神経伝達物質,オータコイドは細胞膜受容体-三量体G蛋白を介して細胞内ヘシグナルを伝達する.本稿ではこのシグナル伝達メカニズムとその異常,特に受容体・G蛋白遺伝子変異に基づく疾患について解説する.
  • 唐沢 正光
    1995 年 84 巻 11 号 p. 1934-1938
    発行日: 1995/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    従来よりX染色体遺伝子の不活化現象を利用しクローン性の判定が行われてきた. FialkowらのG6PD (glucose-6-phosphate dehydrogenase)変異をもちいた方法がそれであり,種々の疾患においてクローン性を証明し,病態の理解に多大の貢献をしている.しかし,特定の人種以外ではヘテロ接合の頻度が極めて低く,検討対象が限られるという大きな制約があった.近年Vogelsteinらにより開発されたX染色体遺伝子のRFLP(restriction fragment length polymorphism)とDNAメチル化を組み合わせた方法により検討可能な対象が飛躍的に拡大した.またクローン性の検討に応用可能なX染色体遺伝子数も増加し, PCR (polymerase chain reaction)法をもちいた方法の導入により微量の検体の検索も可能となっている.クローン性の検討により概念に修正を要したり,新たな側面が判明した造血器疾患も少なくない.
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