サイトカインは,リンパ球,マクロファージなどの細胞から産生される免疫反応・炎症を調節・制御する因子である.多種類のサイトカインが発見され,呼吸器疾患においてもサイトカインがその病態に関与する事が明らかとなり,あるいは治療に応用されている.主要サイトカインとしては,インターロイキン(IL-1~IL-10),インターフェロン,コロニー刺激因子(CSF),腫瘍壊死因子(TNF)などが知られている.肺線維症においては線維芽細胞増殖に対し, PDGFとIGF-Iが重要な働きをしている事が知られている.サルコイドーシスにおいては, TNF-α, IL-6, PDGF, GM-CSFが肺局所で増加し,肉芽腫形成に関与していると推測されている.気管支喘息では, IL-5は好酸球を活性化し, IgE産生については, IL-4, IL-5, IL-6が促進的に, IFN-γが抑制的に働く.肺癌の治療にはG-CSFが使用されている. ARDSにおいてはTNFの役割が注目されている.
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