日本内科学会雑誌
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84 巻 , 6 号
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  • 並木 正義
    1995 年 84 巻 6 号 p. 845-846
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 井上 正規
    1995 年 84 巻 6 号 p. 847-852
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の成因や治療にバランス説は図式化され,広く受け入れられている.中でも,攻撃因子のうち,酸・ペプシンが重要であることは異論のないところであるが,近年, Helicobacter pyloriが胃粘膜に発見され,この感染による胃粘膜の炎症が消化性潰瘍の成因の一つとして注目されている.また,防御機構が明らかになるにつれ,粘膜防御機構の破綻が最も重要であるとする考え方もあり,消化性潰瘍の成因としてバランス説が示す二元論的考え方も再検討の時期にあると思われる.
  • 寺野 彰, 平石 秀幸, 石田 基雄, 島田 忠人
    1995 年 84 巻 6 号 p. 853-857
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍は,攻撃因子である胃酸,ペプシンなどと,防御因子である粘膜,微小循環などとのバランスの崩れによって生じるとされてきた.そのうち胃酸分泌については, H2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬によってほぼ完全に抑制され,その結果,消化性潰瘍の初期治療は極めて容易となった.しかし潰瘍再発を防ぐことはできず,ここに再発をおこさないよりよい治療の質が求められ,防御因子の重要性が認識されてきたが,この防御因子の本態は多くの研究にもかかわらず,いまだ明らかではない.さらに最近では,消化性潰瘍再発の原因としてHelicobacter pyloriが注目されるようになり,胃粘膜防御機構の概念も少しずつ変化してきている.
  • 福田 能啓, 下山 孝
    1995 年 84 巻 6 号 p. 858-863
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃粘膜におけるH. pylori感染は胃炎を惹起するばかりでなく,消化性潰瘍症例においては治癒遷延因子ならびに再発因子になることが明らかにされつつある.したがって,消化性潰瘍の治療を行う場合にはH. pyloro感染の有無を確認し,感染陽性の時は酸分泌抑制療法に加えてH. pyloriの除菌療法をも考慮すべきである.自験例を示しながら消化性潰瘍治療におけるH. pylori除菌の意義を述べた.
  • 岡山 直司, 伊藤 誠
    1995 年 84 巻 6 号 p. 864-867
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の原因となる薬物で最も頻度の高いものは非ステロイド性抗炎症薬であり,ついでステロイド,抗生物質,抗悪性腫瘍薬などがあげられる.胃粘膜障害を惹起する病態が最も解明されている薬物も非ステロイド性抗炎症薬で, 1)胃粘液減少, 2)胃粘膜内プロスタグランジンの減少, 3)胃粘膜細胞の増殖抑制, 4)胃運動亢進などが主な機序と言われている.また,ステロイドによる胃粘膜障害は, 1)胃粘液および胃粘膜細胞回転の減少, 2)胃粘膜内プロスタングランジンの減少, 3)胃液分泌亢進, 4)抗肉芽作用などが成因とされている.他の薬物による胃粘膜障害の機序は現在も不明の点が多い.
  • 荻原 達雄, 佐藤 信紘
    1995 年 84 巻 6 号 p. 868-872
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性にストレスが加わると自律神経や液性因子を介して胃粘膜血流などの粘膜防御能が低下し胃病変を発生させる.ストレス時の胃粘膜微小循環障害および病変発生の両者に関係する局所因子として1eukotrieneや血小板活性化因子などのケミカルメディエイターがあり,血管収縮因子endothelinや血管拡張因子NOの役割も明らかとなってきた.ストレス時に合成されるheat shock proteinについても病態との関連が示唆されている.
  • 小越 和栄, 加藤 俊幸
    1995 年 84 巻 6 号 p. 873-878
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の難治化の原因は多彩であり,その主な原因としては(1)不十分な酸分泌抑制, (2)潰瘍底の線維化による血流障害, (3)Helicobacter pyloriの感染などが上げられる.近年とくに注目されているものはHelicobacter pyloriの感染である.さらに,難治性潰瘍の内視鏡,およびX線像の特徴としては潰瘍部分の線維化を反映するひだ集中や硬化像である.実際の臨床ではこれら難治化の原因を把握して治療を行う必要がある.
  • 田中 三千雄, 寺崎 禎一
    1995 年 84 巻 6 号 p. 879-884
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢化社会になるとともに,高齢者潰瘍はますます重要な疾患になっている.高齢者の潰瘍にはその臨床像・形態にいくつかの特徴がある.また潰瘍の背景となる胃粘膜にも高齢者特有の形態・機能的な特徴がある.本稿ではそれらの詳細を述べるとともに,防御因子増強薬投与の意味についても若干の考察を加えた.
  • 原田 一道, 並木 正義
    1995 年 84 巻 6 号 p. 885-889
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    子供の消化性潰瘍は増加傾向にある.全国集計の結果から子供の消化性潰瘍は胃潰瘍よりも十二指腸潰瘍が圧倒的に頻度が高く,しかも男子に多い.子供の消化性潰瘍の増加の理由として,現代の複雑な心理社会的環境における精神的ストレスの影響が一つの大きな要因と考えられる.また,子供の時に潰瘍になった者は,成人してからも潰瘍になりやすい傾向が,多数の長期(10~20年以上)観察例から明らかになった.これらの点を含めて,参考事項と具体的症例を示した.
  • 浅香 正博
    1995 年 84 巻 6 号 p. 890-894
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の自然史とは,潰瘍が新生してから治癒に至り,再び再発を繰り返しては治癒に至るという長期間にわたって持続するサイクルを意味することが多い.以前は,このサイクルに影響する薬物がなかったが,近年, H2プロッカーやPPIのような強力な酸分泌抑制薬の開発により,治癒に至るスピードが早くなり治癒率も上昇した.また,病因の一つと考えられているH. pyloriの除菌により,自然史の変更する例も報告されている.
  • 井田 和徳, 原瀬 一郎, 杉本 尚仁
    1995 年 84 巻 6 号 p. 895-899
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    通常内視鏡の治癒判定(とくにS1期の判定)は不正確であり,コントラスト法によるとその約半数が微小陥凹を有する潰瘍期(H3-c期と呼んでいる)である.したがって,現在の治療で潰瘍は高率に治癒するといわれているが,実際には完全治癒に至る例は少なく再燃しやすいことを強調した.胃潰瘍では8週未治癒例のうちコントラスト法による再生上皮の所見から治癒傾向の乏しいものを難治性潰瘍と定義した. Helicobacter pyloriの除菌により高率にしかも短期間に治癒(S1-C期, S2-c期へ移行)することから,難治化と再発(厳密には再燃)は著しく減少すると推測された。
  • 芳野 純治, 中澤 三郎
    1995 年 84 巻 6 号 p. 900-904
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    治療開始8週以内に内視鏡的に白苔が消失しない難治性潰瘍を超音波内視鏡で観察すると, U1-IVの潰瘍で,厚い線維組織を有し,さらに粘膜筋板と固有筋層の筋層融合を有する例(Bf type)であった.これら難治性潰瘍と易治性潰瘍の治癒経過を比較すると,潰瘍の収縮が不良であった. Hp陰性例にはBf typeはみられず, Hpと潰瘍深部の形態との関与が示唆された. PPIが治療に用いられるようになり難治性潰瘍が変わってきている.
  • 矢花 剛, 小林 壮光, 杉山 敏郎
    1995 年 84 巻 6 号 p. 905-910
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の初期治療では,強力な抗分泌薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)とH2ブロッカーが,第一選択薬物として広く普及している.両薬物の使い分けの目安は,個々の症例の酸分泌動態と潰瘍の存在部位におかれている.維持療法ではPPIは一般的でなく,主としてH2ブロッカーが選択される. PPIにはヘリコパクター・ピロリ(Hp)菌に対する抗菌作用もみられ,現在内外で注目されているHp除菌療法に欠かせない薬物として高く評価されている.
  • 郡 大裕, 加藤 貞治
    1995 年 84 巻 6 号 p. 911-915
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍治療におけるH. pylori除菌の意義は潰瘍再発抑制と難治性潰瘍の治癒促進などであり,潰瘍治療を考える場合, H. pylori感染の有無を念頭に置いた治療の選択が必要である. H. pylori除菌にはPPIがその基剤として推奨されるが,今後より安全で確実なH. pylori除菌法の確立が待たれる.
  • 中村 孝司
    1995 年 84 巻 6 号 p. 916-921
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    維持療法は,現状ではなお不可欠の手段である.維持療法は予防投与ではないので画一的であってはならず, 1例ごとにきめこまかく最小必要維持量を定めることが求められる. H. pyloriの除菌は将来有力な再発防止策となることが予想されるが,それまでにはなお安全性を含めた十分な検討が必要である.
  • 田辺 聡, 西元寺 克禮, 横山 靖, 三橋 利温
    1995 年 84 巻 6 号 p. 922-926
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    上部消化管出血は日常の臨床でもよく遭遇する疾患の一つである.原因疾患としては消化性潰瘍の割合が高い.各種内視鏡的止血法の進歩により出血性潰瘍に対する緊急手術率も低下傾向にあるが,いまだに10%前後は緊急手術を行わざるを得ないのが現状である.止血不能例では基礎疾患やショックの合併率が高率であり,噴出性出血の止血率が不良であった.巨大露出血管, 3回以上の再出血例などは外科的治療を考慮する.内視鏡的止血法の限界を踏まえた上での対応が肝要と考えられた.
  • 岩淵 昌康, 飯野 和美, 小澤 恵, 森田 浩, 沖 隆, 吉見 輝也
    1995 年 84 巻 6 号 p. 949-950
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は61歳,女性. 25年前に下垂体卒中の既往があり,全身倦怠,食欲不振を主訴に入院.画像診断ではトルコ鞍のballooningを伴うempty sellaを認め, ACTH, TSH, GHの基礎値は正常範囲にも拘わらず,標的ホルモンであるコルチゾール, FT4,ソマトメジンCは低値を示した.各種負荷試験で下垂体ホルモンの反応性の低下,夜間連続採血では下垂体ホルモンの律動分泌の消失が確認された.これらが下垂体ホルモン基礎値と標的ホルモン値に解離のみられた原因と考えられた.
  • 山下 冬樹, 鈴木 隆之, 竹内 和彦, 古谷 隆一, 米村 克彦, 山本 龍夫, 木村 正人, 菱田 明, 金子 榮蔵, 小林 浩, 寺尾 ...
    1995 年 84 巻 6 号 p. 951-953
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    微小変化群によるネフローゼ症候群の患者にCA125の著明な高値を認めた.胸・腹水消失後も高値が持続し,プレドニゾロン投与によりネフローゼの寛解に引き続いて低下がみられた. CA125の上昇の機序として,経過より胸・腹水の存在が原因とは考えにくく,プレドニゾロンにより抑制される因子の関与が示唆され,蛋白尿を惹起させる因子との関連が疑われた.
  • 中村 厚夫, 丹羽 正之, 加藤 俊幸, 斉藤 征史, 佐藤 幸示, 箇井 一哉, 小越 和栄
    1995 年 84 巻 6 号 p. 954-955
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    24歳女性で, 5カ月にわたる反復性膵炎があり,血清CaとPTH-HSの高値があり,画像診断で上縦隔洞に腫瘤形成と膵頭部に偽嚢胞形成がみられた.以上より原発性副甲状腺機能亢進症に合併した膵炎と診断し,副甲状腺腫瘤摘出術を施行した.組織的には腺腫であった.腺腫摘出術後血清Ca値は低下しており,その後1年間の経過観察では膵炎の再発は見られていない.
  • 伊藤 浩一, 中村 典子, 住友 秀孝, 小泉 博史
    1995 年 84 巻 6 号 p. 956-957
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Raynaud症状を伴う遺伝性ミエロペルオキシダーゼ欠損症を経験した.ミエロペルオキシダーゼ欠損でもRaynaud症状が起こり得たことはRaynaud症状の発現にミエロペルオキシダーゼの関与がない可能性が示唆された.
  • 山田 卓司, 守時 弘恵, 児玉 和也, 菱川 留王, 坂本 丞, 松尾 武文
    1995 年 84 巻 6 号 p. 958-959
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は50歳,男性.発熱を主訴に入院.全身皮膚に出血性紅斑と腹部に刺し口,肝腫大を認めた.リケッチア感染症を疑ってミノマイシン300mgの投与を開始したところ3日目より解熱傾向を認め皮疹,肝障害も軽快した.回復期にWeil-Felix反応にてOX2が陽性化し, Rickettsia japonica(片山株)に対する抗体価の上昇を認め日本紅斑熱と診断した.
  • 小林 祥泰
    1995 年 84 巻 6 号 p. 960-964
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    無症候性脳梗塞とは画像上,脳梗塞と考えられる病変があるにも関わらず,脳卒中発作の既往がなく,またそれに対応する神経症状を有さないものを言い,将来脳卒中発作をきたす可能性が高いものとして捉えられている.脳ドックにおける頻度は加齢と共に増加するが,全体では13.7%であった.危険因子としては高血圧が最も重要である.認知機能に与える影響は少ないが,高度な白質障害については将来脳血管性痴呆になる可能性があり注意が必要である.追跡調査では無症候性脳梗塞を有する群で有意に脳卒中発症率が高かったが,脳出血も20%にみられたことから,高血圧の管理が不十分な状態での抗血小板薬の予防投与には慎重である必要がある.
  • 宮澤 啓介, 外山 圭助
    1995 年 84 巻 6 号 p. 965-971
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄性白血病におけるPhiladelphia転座t (9; 22) (q34; q11)により,キメラ遺伝子bcr-ablが形成され,異常融合たんぽくBCR-ABLが転写翻訳される.このABLとBCRとの融合により,本来核に存在するABLたんぱくは細胞質へと移行し,そのABLの内因性チロシン・キナーゼが恒常的に活性化される.その結果, PLCγ, P13キナーゼ, GAP associated protein (p62/p190)等の種々の刺激伝達機能分子のチロシンリン酸化および分子間結合を誘導する.このBCR-ABLが発するシグナルは, steel factorのリセプターであるc-kit遺伝子産物(KIT)を始めとする造血因子受容体の刺激伝達と多くの点で類似している. BCR-ABLがこのようにリガンド刺激非依存性かつ持続的に増殖・分化のシグナルを送り続けることが,本疾患の直接的病因と考えられる.
  • 芦澤 潔人, 長瀧 重信
    1995 年 84 巻 6 号 p. 972-976
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    放射線は広く活用される半面人体に及ぼす影響がいろいろと懸念されている.放射線の影響を知る上で甲状腺は最適臓器の一つであり,本稿では被爆者の甲状腺疾患および放射線の甲状腺細胞に対する影響について述べる.我々は長崎の原爆被爆者を対象にして甲状線の被爆量(DS86)と甲状腺疾患の相関について最新の診断法を使用して調査したところ従来の甲状腺癌に加えて自己免疫性甲状腺機能低下症も被爆者に有意に多いことが判明した.さらに長崎の経験に基づいたチェルノブイリ周辺地区の実態調査では甲状腺癌が急増していることは認められているにしても未だに放射線との関連は明確ではなく,他の環境因子も考慮する必要があるというのが現状のまとめである.又放射線の甲状腺に及ぼす作用は遺伝子,分子,個体レベルでもさかんに研究が進んでいる.ヒト甲状腺癌ではras, ret遺伝子が特に注目を集めている.
  • 1995 年 84 巻 6 号 p. 1039b
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 84 巻 6 号 p. 1039a
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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