日本内科学会雑誌
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84 巻 , 8 号
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  • 豊田 隆謙
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1213-1216
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 康
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1217-1220
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満は脂肪の過剰な蓄積によって起こっていることは間違いないことであるが,それが病的な意味を持つ時とそうでない時があることがあきらかになってきた.内臓に蓄積する時,皮下に蓄積する時に分類される診断法が確立され,前者に合併症の発生が多くみられることがわかり,内臓型肥満と診断される.一方皮下に蓄積するタイプを皮下型肥満と診断され多くの合併症の発生には関与しないとされる.
  • 井口 利樹
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1221-1225
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食欲調節機構は動物モデルの知見をもとに解明されつつあるが,いまだ臨床的病態を解説するまでには至っていない.肥満成立の主要要因である過食の調節機構も十分に明らかでないが,肥満の臨床においては食欲に連動する摂食行動の是正および中枢性食欲抑制薬が食欲制御の治療手法として導入され,一定の成果を上げている.肥満の成因のみならず治療の面からも,肥満者の食欲調節機構の一層の解明が期待される.
  • 福土 審, 本郷 道夫
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1226-1230
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食行動は栄養代謝の最も最初の部分に位置する重要な行動である.ヒトにおいては動物一般に共通する中枢の制御機序のみならず,様々な社会要因から学習された行動科学的に規制される側面を有する.食行動異常の病態には中枢における5-hydroxytryptamine(5-HT)代謝異常が注目され,治療的側面からの研究が進められている.また,遺伝子の側面からの研究も緒についたところであり,今後の研究の進展が期待されている.
  • 徳永 勝人, 石川 勝憲
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1231-1235
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    視床下部は摂食行動の調節に重要な役割を果たしている.ヒトでは脳腫瘍, Fröhlich症候群, empty sella症候群など視床下部の器質的・機能的な障害があれば食欲の調節異常を招来し肥満をきたす.このような機作による肥満を視床下部性肥満と呼んでいる.ラットでは視床下部の破壊により肥満を生じ,ヒト肥満の成因および病態解明にVMH破壊肥満ラットやPVN破壊肥満ラットなど実験肥満動物モデルが用いられている.
  • 村田 光範
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1236-1240
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    小児肥満では良性肥満と悪性肥満を区別して悪性肥満に対する初期対策を充実することと保護者の理解を得ることが重要である.それには身長と体重の成長曲線のパターンを検討すること,肥満してくる要因の分析を行うこと,保護者に対する社会的支援体制を整えることが必要である.小児肥満に対応する際にもっとも重要なことは保護者から真の信頼を得ることで,これなくして最終的な問題解決に到らないことを認識することである.
  • 大内 尉義, 神崎 恒一, 秋下 雅弘
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1241-1245
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満,特に内臓型肥満と高血圧はしばしば合併し,減量により血圧は低下する.肥満における高血圧の成因として心拍出量の増加などの血行動態の異常, Na摂取,食塩感受性の増大,交感神経系活動の亢進,高インスリン血症/インスリン抵抗性,睡眠時無呼吸症候群などの関与が考えられている.肥満に伴う高血圧の治療としては,減量を基礎とし,脂質代謝異常,インスリン抵抗性などを悪化させないか改善する降圧薬を選択する.
  • 及川 眞一, 佐々木 明徳
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1246-1250
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満は脂質代謝異常,耐糖能異常,高血圧などの動脈硬化の危険因子と密接に関連し,動脈硬化性疾患の発症および進展因子として重要である.この背景にはインスリン抵抗性が存在し,その結果,血管障害の進展を促していると考えられる.肥満は粥状動脈硬化に対する独立した危険因子であると同時に糖尿病における細小血管障害にも関与している.
  • 小林 正
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1251-1255
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    エネルギーの過剰摂取により,脂肪が畜積し肥満になると,インスリン抵抗性が生じる.そのメカニズムは不明であるが,血中高遊離脂肪酸濃度など脂質代謝やTNF-αが関与している可能性があり,解明が待たれる.インスリン抵抗性による高インスリン血症によりインスリン受容体数,その機能の低下を招き,更に抵抗性が増す.分泌に関するある遺伝因子が存在するとインスリンの過分泌は保てなくなり糖尿病が発症する.
  • 小泉 順二, 馬渕 宏
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1256-1261
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満に伴う脂質代謝異常として,高トリグリセライド血症および低高比重リボ蛋白コレステロール血症が認められ,コレステリルエステル転送蛋白の増加による影響が推察されている.また,肥満者ではインスリン抵抗性によるリポ蛋白代謝異常や耐糖能障害,血圧上昇が認められ早発性動脈硬化症の重要な病態と考えられている.原発性高脂血症である家族性複合型高脂血症(FCHL)ではインスリンの増加に伴うアポBの増加や耐糖能障害が認められ,インスリン抵抗性症候群への関与が考えられた.
  • 赤岡 家雄, 山内 俊一
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1262-1266
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高尿酸血症と肥満や高脂血症(特に高中性脂肪血症)とは密接に関連し,共通の成人病的疾患概念で理解しようという考えも進みつつある.すなわち,肥満と高尿酸血症の関係を分けて考えることはむしろ困難であることを,両者の成因の中でも述べた.
  • 田中 俊一
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1267-1272
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満者,肥満モデル動物において様々な免疫異常が報告されている.細胞性免疫能の異常としては,末梢血,脾臓,リンパ節のT細胞数(CD3陽性)の減少がみられ,サブセットを解析すると主にαβ型TCR陽性細胞が減少している. CD4, 8サブセットについては両者とも均等に減少している.数的変化ばかりでなくT細胞のマイトージェン刺激に対する反応性も低下しているが,これらの変化は体重の減少により回復する可逆的変化である.一方,液性免疫能についてはB細胞数や血中抗体濃度には特に変化がみられない.また,肥満者,モデル動物においてinvivoで炎症性サイトカインの一種であるTNF一α産生が亢進しており脂質代謝やインスリン抵抗性との関連において注目される.
  • 中村 丁次
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1273-1278
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満の成因はエネルギー出納の調節機能障害にあると考え,その調節に関与する食事内容を考察し,調節機能を改善すべき食事療法のあり方を検討した.その結果, 1カ月に1~2kgの減量を目標とした低エネルギー食で,全ての栄養素の必要量が満たされる低脂肪・高食物繊維食が優れていることが解った.また,欠食や夜食を避け,ゆっくり食べるなどの食行動の改善と効果的な栄養教育も大切である.
  • 阿部 隆三
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1279-1283
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満者の運動療法は,体重を減少させることが最も大きな目標だが,食事療法とともに行うことが成功の秘訣である.また,肥満には糖尿病や高血圧,あるいは高脂血症が合併しやすいので,これら疾患の運動療法の効果についても説明する.また,運動療法の実際面について,運動の強さ,継続時間,頻度についてのべる.成人病の運動療法は効果があることが大事だが安全であることも重要なので,運動開始前の十分なメディカルチェックを忘れないことである.
  • 坂田 利家
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1284-1289
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食欲は物質で調節され,その主座は視床下部にある.しかし,ヒトでは食行動の動機づけに,脳の高次機能(認知)が加わって来る.肥満症ではこの認知機能に歪みを生じるため,特有な食行動異常を起こしてくる.行動療法の主目的は,この認知障害を修復することにある.グラフ化体重日記や咀嚼法が有用なのは,感覚系を通じて,異常な食行動を修復できるからである.認知の修復に有用な治療技法,この開発が今後とも必要になる.
  • 池田 義雄
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1290-1294
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食欲調節の多くが中枢性になされているところから,薬物による食欲抑制については古くから関心がもたれていた.わが国におけるこの方面の臨床研究は, mazindolの導入とともに本格的に行われた.その結果,全国の多施設による二重盲検比較試験ほかの成績を踏まえて, 1991年に本薬は劇薬,向精神薬の指定下で健康保険の適用を受けるに至った.ここでは,食欲抑制薬による抗肥満効果について,わが国で唯一使用可能な高度肥満症患者を適応とするmazindolの適正な用い方,留意点などを中心に解説した.
  • 川村 功
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1295-1299
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満に対する外科治療は,特に適応を厳密に吟味する必要がある.体重では標準体重の2倍程の高度肥満で,肥満に関わる合併症が重篤な状態に陥っている重症肥満が適応になる.特に難治性である重症肥満に対し,必要十分な減量をもたらし,体重の再増加を防ぐ目的で行われる.手術法は,垂直遮断胃形成術,胃バイパス術などの胃縮小術,消化吸収を減少させる胆膵バイパス術などが主なもので,それらの成績に言及した.
  • 巽 信之, 植田 正, 鈴木 典子, 小畠 昭重, 尾崎 正一, 仲島 信也, 荒川 哲男, 小林 絢三
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1322-1324
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,男性.右季肋部の疝痛発作と褐色尿にて発症し,腎不全,胸膜炎,心膜炎, DICと多彩な病像を次々に呈した.腹部血管造影により結節性動脈炎(PN)と診断され,右季肋部の局所症状はPNによる胆嚢障害と考えられた.
  • 水谷 昭衛, 深谷 修作, 井上 義基, 吉田 俊治, 鳥飼 勝隆, 黒田 誠
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1325-1326
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は35歳女性.上気道炎より急速に肺炎に進展し,呼吸不全のため死亡した.剖検肺にて壊死性細気管支炎, smudge cellを認め,アデノウイルス3型が多量に分離された.さらに,その血清中和抗体価は有意な上昇を示した.免疫不全を生じる基礎疾患は,調べ得た範囲では認めなかった.アデノウイルスによる肺炎は,健常成人においては,極めてまれである.しかし,急速に増悪し,致死的となる場合もあり,留意すべきと考え報告した.
  • 久山 文子, 丸川 将臣, 山口 和男, 塩田 雄太郎, 佐藤 利雄, 小野 哲也, 加地 正郎, 佐々木 なおみ, 谷山 清己
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1327-1328
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性.気管支喘息が先行, 5年後に下肢のしびれ,疼痛,歩行障害出現,さらに気管支喘息の増悪にて入院,組織所見で好酸球浸潤を伴う肉芽腫性血管炎を認め, Churg-Strauss症候群(CSS)と診断.入院時,抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性を示し,ステロイド・パルス療法にて加療後,陰性化.本症例のごとく血管炎の存在する疾患においてANCAが診断および活動性の指標となる可能性が示唆された.
  • 山田 拓郎, 石原 真一, 秋山 真人, 藍原 正幸, 西島 敬之郎, 長坂 一三, 富岡 眞一, 山路 達雄, 桜井 信司, 細村 泰夫
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1329-1331
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は73歳男性. 20年前に貧血精査の結果Osler病の診断を受けた.また,この時原因不明の肝腫大を認めた.その後貧血の増悪,心不全により入院となり加療を行うも吐血しショックにて死亡した.本症の剖検例の報告はほとんどないが,本例では肉眼的な粘膜の血管拡張だけでなく,顕微鏡的に肝臓には門脈枝の拡張,肺・膵臓等の多臓器に毛細血管拡張を認めた.また,肝臓の萎縮と特異な結節性変化はOsler病によるものと考えられた.
  • 小松 武生, 藤原 佳典, 槇林 弘之郎, 金津 和郎
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1332-1333
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は30歳男性. 27歳時の腎生検で, lipoprotein glomerulopathyと診断され, 28歳ころより,ネフローゼ症候群となった.ネフローゼはカクテル療法などの治療に抵抗性であったが,平成5年12月,突然左眼視力に異常を訴え,網膜中心動脈切迫閉塞と診断された.
  • 丹羽 寛文
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1334-1337
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化器内視鏡の領域では,多くの方面から検討が続けられ最近著明な進歩が認められる.特に消化管の中でも胃,腸のみならず,胆道,さらに膵管への内視鏡の導入など内視鏡検査の対象臓器の拡大などは特筆に値しよう.また新しい内視鏡である電子スコープの特殊機能を生かした診断上の発展も著しい.内視鏡を利用しての早期癌の粘膜切除あるいは腹腔鏡的胆嚢切除術を始めとする内視鏡的治療も,現在脚光を浴びつつある.これらの診断治療の進歩の上に内視鏡機器自体特に電子スコープの進歩発展が貢献するところは極めて大きい.本文では電子スコープについての最近の進歩とそれを利用しての診断上の発展の幾つかを述べてみる.
  • 飛田 渉
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1338-1343
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    左右肺の分離換気による全身麻酔法,軟性胸腔鏡,手術器具およびビデオモニタリング胸腔鏡システムの開発により非侵襲的に胸腔内疾患の診断や治療が可能となりこれまでリスクが高く困難とされていた新生児,小児,高齢者および重症呼吸器疾患患者の胸腔内疾患へのアプローチが可能となった.診断的には特に間質性肺炎などびまん性肺疾患の肺生検に威力を発揮する.その他,胸膜疾患や胸水貯留の原因の検討,縦隔リンパ節生検,肺癌や食道癌のTNM分類さらには診断的肺腫瘍切除に応用される.治療的には自然気胸にたいするレーザー治療の際汎用されているが,最近では肺気腫にたいするレーザー治療に用いられつつある.特にブラを伴う肺気腫の治療に有用と言える.その他,肺腫瘍の切除,胸膜剥離,胸膜癒着,縦隔腫瘍切除,胸部交感神経切除,心膜開窓術および食道腫瘍切除等にも適応が拡大しつつある.胸腔鏡は今後益々期待される手段といえる.
  • 浅井 篤
    1995 年 84 巻 8 号 p. 1344-1349
    発行日: 1995/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    臨床医学倫理学(clinical ethics)とは,個々の患者治療に関する倫理的問題を,同定,分析,解決することを目的とした医学である.患者が治療を拒否したときどうするか,医師の患者に対する守秘義務はどのような状況下で放棄されるか,どこまで終末期医療を継続すべきか,真実告知とインフォームドコンセントの関係をどう捉えるか,などの問題を対象にしている.この他にも日常臨床で生じ得る葛藤や不一致すべてを課題として含んでいる.米国では30年の歴史を持ち,教育法も確立し,多くの医学部で臨床医学として教えられている.インフォームドコンセント,真実告知,安楽死の是非が盛んに議論され,価値観や死生感の多様化が進む今日,日本の医療にも臨床に即した医学倫理学教育が不可欠である.米国で発達した臨床医学倫理学とその教育方法を学び分析することで,日本に適した医学倫理教育の方法論を確立することができると考えられる.
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