日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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86 巻 , 12 号
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  • 高久 史麿
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2199-2200
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 五十嵐 徹也
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2201-2205
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患は内分泌領域では最も多く見られ,病歴聴取と理学所見で甲状腺機能異常の有無を,甲状腺触診ではび漫性か結節性かを正確に診断することが重要である.甲状腺超音波診断は極めて有用な補助検査である.諸検査や剖検で結節は極めて高頻度に存在することがわかったが,結節が悪性腫瘍である頻度は10%以下で,しかも生命予後は良好なことが多い.微細針吸引細胞診は極めて有用な診断技術で不要な手術件数を減らせる.
  • 山木戸 道郎, 森谷 知恵
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2206-2212
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸器疾患患者の診察は視診,触診,打診,聴診の順に行われる.視診では体位や呼吸状態,チアノーゼ,バチ状指などから換気状態,呼吸困難の程度をよみとり,触診では胸郭の動きや声音振盪から胸郭やその内部の異常をよみとり,打診,聴診では音響学的信号情報から肺内の異常をよみとることが可能である.最近は音響計測技術の進歩に伴い肺音をより客観的に評価し分析することも可能になっている.
  • 篠山 重威
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2213-2218
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    W. Oslerの遺した数多くの講演の中で最も有名なものに1889年ペンシルバニア大学で行った平静の心と題するものがある.この中で彼は医師にとって不可欠な資質は沈着な姿勢であることを語りかけた.患者を診察しているときには何事にも動じず明晰な判断を必要とする.そのためには幅広い経験と詳しい知識を備えておかねばならない.本項では循環器系疾患の診断に関して手技と思考の過程を述べた. “沈着さと確信,この二つの約束された祝福の穂”を刈り取るための基本である.
  • 金子 榮藏
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2219-2224
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    効率的かつ侵襲を考慮した診断計画を立てる上で,詳細な病歴の聴取とともに,正しい理学的所見の採取は不可欠である.また初診時理学的所見の正確な診療録への記載は,疾患の推移を知る上でも重要である.腹部の所見を取る上で重要な点は,第一に如何に患者の緊張を少なくするかであり,次いで健常者で認められる所見を確実にとらえることの出来る技術である.本小論はそのような点に重点をおいて述べた.
  • 荒川 正昭
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2225-2228
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎・尿路系の診察は,あくまで全身診察の一部であることを認識し,病歴,排尿状態を含めた自覚症状,尿検査,血液生化学・血清学検査,経静脈性腎盂造影,腹部CTあるいは超音波検査の結果と関連づけて評価することが大切である.双手触診法により腎を触知すること(renal ballotment),腹部の聴診により血管の狭窄によるbruitを聴くこと,直腸診にて前立線を触知することなどは,症例を重ねて修得してほしい技術である.
  • 柴崎 浩
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2229-2232
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年特に発達が著しい画像診断法の大部分が脳・神経系の形態を診断するのに対して,神経学的診察はその機能を評価できる点で,極めて重要かつ有効である.なかでも病歴聴取は解剖学的診断と病因診断の両者にとって最も大切であり,そして理学的診察が解剖学的診断と障害程度の把握にとって重要である.そして解剖学的診断と病因診断から暫定的臨床診断に到達するという3段階診断法を用いる.なお神経学的診察に際しては,常に全身理学的所見に注意を払うことが極めて重要である.
  • 増田 寛次郎
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2233-2234
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    視力障害はQOL (quality of life)を著しくそこなう.早期発見・早期治療によってこのような悲劇はさけられる.早期発見のポイントは患者さんからの訴えられる症状を早く適確にとらえ予想診断を下すことである.急激あるいは慢性的な視力障害,眼病の中にはいろいろな疾患が含まれている.
  • 宮地 良樹
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2235-2238
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    内科医にとっての皮膚診察は,内科診断学の一助として,皮膚色や粘膜病変,爪変化などを観察すること,内科疾患を反映するデルマドロームとしての皮膚疾患や全身疾患の一臓器症状としての皮膚病変を把握すること,さらに,一般医として見逃してはならない皮膚疾患を的確に診断すること,の三点に集約される.日常しばしば遭遇する皮膚症状をとりあげながら,この三つの視点から実際的な皮膚診察法についてまとめた.
  • 池田 康夫
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2239-2240
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    リンパ節腫脹は多くの疾患の一徴候としてみられる.問診で診断の為の重要なヒントが得られることもある.触診に際し,大きさ,圧痛の有無,可動性の有無,硬度などに特に注意し,それを参考に鑑別診断をすすめて行く.
    血液検査,画像検査の後,長期にわたって縮小しないものや,大きなサイズのリンパ節については生検を行う.通常の病理組織標本作成以外,スタンプ標本作成,培養,種々の分子生物学的,細胞生物学的検査も同時に行うと良い.
  • 曽根 三郎
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2244-2249
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸器疾患に伴う症状として咳,痰,呼吸困難などが多いが,鑑別診断を進めていく上で身体診察による異常所見の詳細な把握が必須条件であり,病状の程度を知る上でも大切である.そのためには,全身状態を系統的に診察していく手順を身につけておくことが前提となる.そのような手順の中で呼吸器症状を念頭において胸部,肺を診察し,異常所見を総合的に判断することにより最終診断に結びつけていくことが可能となる.
  • 道場 信孝
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2250-2254
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    循環器疾患の診察の手順はシステム化されており,問診,全身所見,頸静脈波,頸動脈波,前胸壁拍動,そして,聴診のそれぞれの正確で完壁な所見は,ほとんどの心疾患の形態と機能の異常について問題解決の主要な手がかりとなり,加えて病因や重症度についても相当程度に問題の抽出に役立つ情報を与えるものである.患者のもたらす主観的情報と最も簡単なベッドサイド技術から迅速で正確に問題解決を図る繰り返しの訓練が必要である.
  • 島田 和幸
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2255-2257
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高度な循環器診断機器の普及に伴い,血管の理学的診察はともすれば軽視される傾向にある.しかし,注意深く,系統的に血管系を視診,触診,聴診することによって,極めて簡単に,血管局所の異常のみならず,心臓も含めた循環系全般の障害を発見する端緒を得たり,またその疾患の重症度・予後を判定し,経過を観察することができる.各々の診察法は,時の試練を経て最も有用であることが証明されたものであり,日常の診察手技にとりいれるべきものである.
  • 福田 真作, 棟方 昭博
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2258-2263
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腹部症状を主訴として受診する患者は,一般外来,救急外来を問わず比較的多い.いかなる腹部症状であっても,腹部の診察は問診とともにその診断過程で,有用な情報を与えてくれる.特に救急の場ではその理学所見が,緊急性の判断に極めて重要である.
  • 小泉 俊三
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2264-2267
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    系統的な身体診察(complete physical examination)とは,直腸を含む身体の開口部も余すことなく,患者の全身を診察することである.特に研修医は患者入院時の診察の一部として必ず肛門直腸診を実施する習慣をつける.外来診療でも, 1)排便時の肛門出血や疼痛, 2)便通異常や下腹部痛, 3)癌の早期発見目的,の場合必ず肛門直腸診を行なう.肛門直腸診に際しては,診察の必要性をよく説明し,プライバシーに配慮する.体位はSims氏の体位が簡便である.肛門鏡はディスポーザブル式になっているものが使いやすい.まず視診を注意深く行なってから触診,直腸指診に移る.触診でまず確認すべきことは肛門付近の硬結と圧痛の有無である.直腸指診で指の届く範囲の腫瘤や圧痛の有無を確かめた後,肛門鏡による観察を行なう.急性腹症の場合には,急性の炎症に伴う骨盤腔の圧痛,波動などを確かめることが出来る.
  • 庄司 進一
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2268-2271
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭痛・めまい・脱力(運動麻痺)・しびれ(感覚障害)・痴呆の5つの症状に対して,問診の注目点と実際の診察(一般理学的診察と神経学的診察)上の注目点と鑑別点を中心に概説した.この5つの症状は意識障害・失神・痙攣などと共に,神経関連の症状の中で日常診療で最も多く見られる症状である.神経系の診療において診断には,問診が最も重要で,診察を加えてほぼ完了でき,検査は確認のために行うことが多い.
  • 今村 直樹, 渡辺 毅
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2272-2273
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    四肢は解剖学的には,皮膚(爪),皮下組織,筋肉,骨・関節,血管・リンパ管,神経から構成される比較的単純な器官で,これら構成組織を念頭においた慎重な視診と触診が理学的診察の基本である.また,四肢は基本的に左右対称な運動,感覚器官である特徴から,左右対象性の比較,自動的・他動的可動性の観察,徒手筋力試験や種々の知覚試験などが必要である.勿論,四肢に関する主訴や現症での異常に関して,充分な問診が診断の前提であることは論を待たない.
  • 野沢 胤美
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2274-2280
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    意識障害は種々の原因により発症するが,意識障害の程度に関係なく,早期の診断,治療を要する.近年CT, MRIなどの画像診断法の発達により中枢神経障害の診断は容易になった.しかし代謝障害や脳梗塞の発症直後では画像上明らかな所見がみられないことは周知の事実である.しかしベッドサイドにおいて一般身体所見,理学的所見さらにハンマーを用いた従来からの神経学的検査により有益な情報を得ることが可能である.
  • 中村 喜久, 山谷 秀喜, 真智 俊彦, 田口 富雄, 堀田 祐紀, 平井 洋, 宮森 弘年, 斎藤 靖人, 北川 駿介, 中村 忍, 松田 ...
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2301-2302
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    70歳の女性が,腰痛と左下肢痛に引き続く意識混濁で搬入された.体温は36.7°Cで血圧低下と頻呼吸を認めた.白血球増加,肝機能障害,腎機能障害を認めた.敗血症性ショックと考え,直ちに集中治療を開始した.第2病日,体幹と左下肢に発赤と腫脹が出現し,入院時の血液培養からA群レンサ球菌が分離され,劇症型A群レンサ球菌感染症と診断した.幸い救命されたが,これには無熱にもかかわらず行った血液培養による早期診断が一因と考えられた.
  • 櫻井 清陽, 久保田 功, 高橋 健太郎, 友池 仁暢, 田村 真明, 小松 尚
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2303-2305
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    72歳,女性.平成8年6月4日咳嗽,高熱のため入院.胸部X線写真にて心〓内ガスが認められた.食堂造影を行ったところ食道から心〓腔と左下肺への交通路が認められ食道-心〓瘻と診断された.本症例では臨床症状,検査所見より食道潰瘍由来の心〓気腫を疑った.その原因として2年前の食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法の慢性期合併症を考えた.外科的治療を行ったが不幸な転帰をとり,剖検の結果左下肺原発の小細胞癌の縦隔転移により食道-心〓瘻が形成されたとの診断に至った.
  • 湯通堂 仁大, 天野 和彦, 寺井 洋, 西 勝久, 村瀬 雅美, 細見 洋一, 福井 信, 吉原 良祐, 田中 泰史, 山下 正人, 塩沢 ...
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2306-2308
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は47歳女性.呼吸困難,発熱あり,胸部単純写真及び胸部CTにて両肺野にびまん性に不均等な濃度上昇を認めた.各種抗生物質投与するも効なく,ステロイドパルス療法施行し一旦は改善したが,再度増悪し呼吸不全にて死亡.経過中に大腿筋の把握痛とCPKの著明高値を認めた.肺,大腿筋肉よりオートプシー施行,悪性リンパ腫diffuse large cell typeと診断した.肺野病変,筋肉内浸潤を伴う悪性リンパ腫は稀であり報告した.
  • 鈴木 康代, 波江野 茂彦, 前田 豊樹, 千住 みどり, 岡田 全司, 鈴木 友和
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2309-2310
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は55歳の男性.閉塞性黄疸により膵頭十二指腸切除術を受け約6年後,両下腿から足のしびれ感が出現した.血中の脂溶性ビタミンは低値でビタミンEは測定感度以下であった.ビタミンEの非経口的投与,消化酵素の大量食前投与及び経腸栄養剤投与により症状は改善した.ビタミンE欠乏による神経障害は比較的稀であるとされているが,消化管の広範な切除例を長期にわたって観察すると,もっと多いのではないかと考えられ報告した.
  • 李 鐘碩, 金子 礼志, 菱川 隆史, 関川 巌, 戸叶 嘉明, 高崎 芳成, 橋本 博史, 太田 洋, 鈴木 宏昌, 住吉 正孝, 山口 ...
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2311-2313
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は41歳,男性.全身性エリテマトーデス(SLE)発症4年後に,心不全症状を呈した.心筋生検により心筋炎の病理学的所見を認め, SLEによる心筋炎および心不全と診断した.プレドニゾロン60mg/日による治療を行い,心機能の改善を認めた.
  • 篠山 重威
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2314-2319
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全に関する臨床試験では従来,心機能や運動耐容能,自覚症状の改善度などを中心に評価されて来た.一方,最近の心不全の概念は心機能障害が生存率の低下を伴う症候群であると考えられており,その治療は死亡率を減少させることを究極の目的としている.上述の如きサロゲイトエンドポイントに対する治療効果は死亡や心事故の改善効果と相関しない.予後に関して信頼すべき結論を得るには,多くの患者をリクルートした大規模試験を行わねばならない.我が国ではまだこのような予後をエンドポイントとした臨床試験は行われたことが無いし,これを行うための制約があまりはこも多いのが現状である.外国から次々に発表されている予後試験の成績を参考にして,我々も真剣に新しい方向性を求めなければならない.
  • 橋本 浩三
    1997 年 86 巻 12 号 p. 2320-2325
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己免疫性視床下部・下垂体疾患としては,現状ではリンパ球性下垂体(前葉)炎やリンパ球性漏斗神経葉炎があげられる.リンパ球性下垂体炎は女性に多く,約6割が妊娠中や分娩後に発症する.橋本病,自己免疫性副腎炎, IDDMなどの他の自己免疫姓疾患を合併することが多く,抗甲状線抗体,抗下垂体抗体陽性例も多い.組織学的には下垂体前葉にCD4陽性のTリンパ球や形質細胞の浸潤,線維化,下垂体の破壊像が見られる.リンパ球性漏斗神経葉炎では,自己免疫性炎症が漏斗後葉系に生じ,尿崩症の原因になっている. ACTH単独欠損症の原因は単一ではないが,自己免疫疾患の合併が多く,抗下垂体抗体の陽性例も多いことより,自己免疫性の下垂体炎がかなりの例で原因になっていると推定されている.抗下垂体抗体の測定は,これらの疾患の診断の参考になるが,現状ではその方法や意義にまだ問題が残されている.
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