日本内科学会雑誌
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86 巻 , 2 号
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  • 泰江 弘文
    1997 年 86 巻 2 号 p. 189-190
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 博之, 吉本 信雄
    1997 年 86 巻 2 号 p. 191-195
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Holter心電図などの虚血診断法の進歩により,虚血性心疾患患者はしばしば無症状の心筋虚血発作を有することが示された.虚血が無痛である機序は完全には解明されていないが,その臨床的意義は狭心痛を伴う発作と同様であり,虚血性心疾患の診断,治療にあたり症状の有無のみならず,無症候性の虚血の有無を考慮すべきであることが明らかになった.
  • 野田 俊之, 藤原 久義
    1997 年 86 巻 2 号 p. 196-200
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭心症は,一過性心筋虚血に起因する胸部絞扼感・圧迫感などの発作を生ずる症候性疾患である.症状に関する問診は診断上重要な役割を果たす.痛みの性状,部位および放散,広がり,持続時間,始まり方,頻度,誘因,寛解のしかたなどを詳しく聞き取ることにより,かなりの症例で胸痛が狭心症によるものか否かを鑑別できる.胸痛がSAVES(突然発症,前胸部,漠然とした不快感,労作による発症,短い持続)という5つの特徴をもっていれば労作狭心症が強く疑われる.ニトログリセリンが有効であれば更に確実である.一方,胸痛発作が安静時,特に夜間から早朝にかけて起こりやすい場合は冠れん縮性狭心症が強く疑われる.発作時間はしばしば長く,全身症状を伴うこともある.鑑別すべき胸痛をきたす疾患としては,心筋症,不整脈などの心血管疾患,心臓神経症,食道けいれんなどの消化器疾患,頸椎疾患などがある.
  • 堀 正二
    1997 年 86 巻 2 号 p. 201-207
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋虚血に起因する心機能低下に関して,新しい知見が集積されつつある.従来,心筋虚血における心機能低下は単に心筋壊死によるとの認識であったが,心筋梗塞再灌流法や冠血行再建術の普及によりstunned myocardium (気絶心筋)やhibernating myocardium (冬眠心筋)の病態が注目されている.これらの心機能障害について解説すると共に,心筋壊死の成立におけるischemic preconditioningのメカニズムについても述べる.
  • 平井 忠和, 井上 博
    1997 年 86 巻 2 号 p. 208-213
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心電図による狭心症診断のポイントは,一過性に出現する心筋虚血時の心電図変化を捉えることにある.一般に狭心症発作の多くは, 1~5分で消失し長くとも20分以内で終了するため,この短時間に起こる心電図変化を症状出現時に記録するか,あるいは誘発することが必要となる.発作中の心電図変化から心筋虚血の程度とその範囲を判読でき,狭心症の重症度から治療効果の判定まで幅広く応用されている.
  • 西村 恒彦
    1997 年 86 巻 2 号 p. 214-219
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭心症における画像診断として, 201Tl運動負荷心筋血流シンチグラフィが負荷心電図以上に心筋虚血の検出精度が高いことから,日常診療で汎用されている.さらに,最近, 201Tlに代わる99mmTc標識心筋血流イメージングに加え123I-BMIPP, 123I-MIBGなどの心筋代謝や交感神経機能を反映する新しいトレーサの出現により,不安定狭心症や冠れん縮性狭心症などの診断に対する新しいアプローチがなされつつある.
  • 村田 和也, 松崎 益徳
    1997 年 86 巻 2 号 p. 220-225
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心エコー・ドプラ法は左室壁動態や心・血管内の血流動態を非観血的に観察でき,虚血性心疾患の診断,経過観察に必須の検査法となっている.負荷心エコー法により,安静時に壁運動異常を伴わない狭心症の診断も可能となり,特にドブタミン負荷心エコーはその診断感度,特異度とも負荷心筋シンチグラム,負荷心電図にまさっている.今後狭心症診断における心エコー法の役割はさらに高まることが期待される.
  • 斎藤 穎, 本江 純子, 森内 正人, 小沢 友紀雄, 上松瀬 勝男
    1997 年 86 巻 2 号 p. 226-236
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患の診断には,従来冠動脈造影が“gold standard”であったが,最近開発された血管内超音波法は,血管壁の正常及び構築を内腔から直接観察できる方法として注目されている.本法により,動脈硬化巣の定量的評価のみならず質的診断も可能となり,今後の幅広い臨床応用が期待されている.本稿では,最初に血管内超音波法の基礎的側面として,カテーテルの特性及びin vitroにおけるエコー像について述べ,次に臨床応用の実際としてヒト正常冠動脈及び各種intervention後のエコー像の特徴をあげ,解説する.
  • 水野 杏一
    1997 年 86 巻 2 号 p. 237-241
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血管内視鏡は血管内腔を詳細に色調ある画像として観察できる.本法を用いることによりプラークや血栓の性状診断が可能で,肉眼的病理診断ができる.従来の診断法では明らかでなかった不安定狭心症,梗塞後狭心症,冠れん縮性狭心症の病因がより明確になった.かかる狭心症の発症原因として内膜(プラーク)障害が重要な役割を果たしていることが明らかになった.特に,不安定狭心症では易破綻性の黄色プラークの存在が重要である.
  • 寺本 民生
    1997 年 86 巻 2 号 p. 242-247
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭心症の管理を動脈硬化の予防という観点から述べた.プラークの形成予防として高脂血症管理が重要である.コレステロールは200mg/d1以下が理想値であり, 220以上もしくはHDL-C(high deneity lipoprotein-cholestero1)が40mg/d1以下であれば治療の対象となる.食事療法を行っても効果がなければ薬物療法を考慮する.一方,血栓形成の予防も重要であり,低用量アスピリンが有効である.また,高血圧,肥満などもインスリン抵抗性を考慮した対策が必要である.
  • 相澤 忠範
    1997 年 86 巻 2 号 p. 248-253
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    冠れん縮性狭心症の治療目標は,無症候性心筋虚血を含む心筋虚血発作を消失させ,急性心筋梗塞への進展や突然死を予防することにより,患者のquality of lifeならびに生命予後を改善させることにある.必要十分量の薬剤投与と,服薬コンプライアンスを考慮した処方計画が要求される.たった一回の発作が突然死に結びつく可能性を説明し,服薬の重要性を患者に認識させることが重要である.
  • 野々木 宏
    1997 年 86 巻 2 号 p. 254-258
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    不安定狭心症は幅広いスペクトルを含み均一な症候群ではない.その病態理解に薬物治療への反応性の検討が有用である.薬物治療に反応する群は3/4と多数を占め, 0枝, 1枝病変が多く薬物単独治療が半数であった.一方,治療抵抗群では多枝病変例が多く,冠血栓を伴うST上昇例が約半数に認められ,侵襲的治療を要した.このように不安定狭心症の治療法の選択においては病態の理解が不可欠である.
  • 岸田 浩, 草間 芳樹, 本間 博, 斎藤 勉
    1997 年 86 巻 2 号 p. 259-264
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患における薬物療法の目的は,心筋虚血の治療による長期効果,内皮細胞傷害の治療による冠血流予備能の改善や心室リモデリングの予防効果,高脂血症の治療による冠動脈疾患イベントの発症防止など,総合的に行うことである.抗心筋虚血作用として,冠血管拡張作用ならびに心拍数減少や心収縮力抑制作用の奏効機序を有する薬剤が有用であり,高血圧症の合併の有無など,病態に応じて薬剤を選択することが重要である.
  • 山口 徹
    1997 年 86 巻 2 号 p. 265-270
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭心症に対するバルーンPTCAは安定した成績で行える血行再建術であるが, PTCA不適病変の存在,血管損傷に伴う合併症からの確実な離脱法の欠如,慢性期再狭窄などの弱点を克服できなかった.ステント,アテレクトミーなどのnew device,特にステントの臨床導入により合併症は減少し,複雑病変への冠動脈インターベンションの成績は向上した.ステント植込み可能病変では再狭窄率が半減したが,今後に残されたインターベンション最大の問題点はなお再狭窄である.
  • 須磨 久善
    1997 年 86 巻 2 号 p. 271-275
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Catheter interventionの発達にともなって冠動脈バイパス手術の適応となる症例の多くは重症多枝病変を有する高齢者となった.しかし,対象例の重症化にもかかわらず,長期開存性に優れた動脈グラフトを用いる手術手技の向上,常温手術や心筋保護法の進歩などにより, qualityの高い手術が安全に行われている. catheter interventionの利点を充分に活かしつつも,過度に適応を拡大することなく,バイパス手術の安全性と有効性をよく理解して,時期を失せず手術適応を判断することが重要である.
  • 後藤 葉一
    1997 年 86 巻 2 号 p. 276-282
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    現在わが国では,狭心症,急性心筋梗塞症,心臓手術後の心臓リハビリテーションに対して保険適応が認められている.狭心症に対する心臓リハビリテーションは,虚血発作を減少させ運動耐容能を改善する.冠血行再建不能例や不完全血行再建のため虚血が残存し日常生活が障害されている例が対象となる.またPTCA後患者に対する運動療法が再狭窄率や心事故率を増加させるという事実はない.今後高齢患者の増加に際し,心疾患による寝たきりを防止するため,家族を交えた患者教育を含む心臓リハビリテーションが普及することが望まれる.
  • 五熊 丈義, 山口 雅生, 西岡 啓介, 田中 英久, 山崎 裕美子, 伊藤 眞紀, 三澤 眞人, 大江 与喜子, 甲斐 俊朗, 原 宏
    1997 年 86 巻 2 号 p. 307-309
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は27歳,男性.発熱,有痛性リンパ節腫脹にて発症した.リンパ節生検, CT等により骨盤腔内巨大腫瘤を伴う予後不良の性腺外胚細胞腫瘍と診断し,自家末梢血幹細胞移植(以下PBSCTと略す)併用大量化学療法の適応と考え,施行した.以後1年以上の間,現在にいたるも良好な経過を見ており, PBSCT併用大量化学療法が著効したと考えられる症例を経験した.近年,より強力な化学療法を可能にする支持療法としてのPBSCTを併用した大量化学療法が,予後不良の難治性悪性腫瘍に対して行われるようになってきた1).今回我々は,巨大腫瘤を有する性腺外胚細胞腫瘍に対し, PBSCT併用大量化学療法を施行し,良好な経過をとっている1例を経験したので報告する.
  • 櫻川 浩一郎, 香江 篤, 羽野 修, 貝原 宗重, 岩本 啓二, 平田 哲也, 植山 千秋, 早野 元信, 矢野 捷介, 吉村 俊朗
    1997 年 86 巻 2 号 p. 310-311
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,男性.労作性呼吸困難を主訴とし,著明な心拡大と高度徐脈にて来院した.心電図や心臓電気生理学的検査等からtotal atrial standstillと診断した.基礎疾患は,幼少時からの肘関節拘縮と経過の緩やかな筋萎縮や筋力低下が特徴のX連鎖筋ジストロフィー症であるEmery-Dreifuss症候群であった.本症候群は心臓伝導障害による突然死も多く,心臓ペースメーカー植え込みなどの対応が必要である.
  • 長倉 敬智, 平川 秀紀, 板坂 勝良, 櫻田 俊郎, 峯田 武興, 湯田 文朗
    1997 年 86 巻 2 号 p. 312-313
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,女性.無症状で肝障害を指摘され入院した.肝生検組織では間質に印環細胞が多数浸潤した肝硬変の像を呈していた.右腋窩リンパ節の腫脹を認め,摘出の結果乳腺小葉癌の転移であった.原発巣は指摘できず,肝病変は潜在乳癌の肝転移によるいわゆる“carcinomatous cirrhosis”と診断した. CAF療法とtamoxifen投与で肝機能検査値と肝組織の改善を認めた.本病変は門脈圧亢進症を呈し予後不良であるが,本症例は治療により劇的に予後を改善した.
  • 植松 正保, 塚口 真知子, 金万 和志, 木谷 照夫, 奥山 正樹, 川崎 高俊, 里見 隆, 星田 義彦, 花井 淳
    1997 年 86 巻 2 号 p. 314-316
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.心不全にて入院し,偶然血液第VII凝固因子活性低下が発見され,抗原定量,補正試験,家族歴より先天性第VII因子欠乏症[CRMR型]と診断した.その後,突発性脾破裂のためVII因子補充療法を行い緊急手術を施行. 7か月後,心筋生検にて心アミロイドーシスの合併も見つかり, 1か月後突然死した.剖検より原発性の全身性アミロイドーシスと診断.特異な経過を辿った,非常にまれな疾患の合併例であり文献的考察を加え報告した.
  • 上村 知子, 陣内 嘉和, 田口 達也, 井手 宗一郎, 白石 恒明, 大泉 耕太郎, 崎濱 秀樹, 笹井 陽一郎
    1997 年 86 巻 2 号 p. 317-318
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は45歳,男性.頭痛・発熱・有痛性隆起性紅斑を認め,病理所見よりSweet病と診断した. Sweet病(急性熱性好中球性皮膚病: acute febrile neutrophilic dermatosis)とは,発熱・有痛性隆起性紅斑ないし結節・好中球増加を特徴とする疾患で,臨床所見のみではBehçet病との鑑別が困難とされる.今回我々は,多彩な臨床経過をとったSweet病を経験したので報告する.
  • 久世 文幸
    1997 年 86 巻 2 号 p. 319-323
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    耐性結核の新たな出現は,初回治療における併用化学療法の不完全さと不規則さに起因することが多い.耐性菌発現の理論的な側面を概説し,結核の治療における薬剤併用の必須さに言及した.未治療患者にみられるprimary drug resistanceは,すでに存在する耐性結核患者からの感染の結果であると考えられ,治療困難な感染源を増加させないためにも,感受性結核の初回治療完遂の重要性を強調した.わが国での未治療多剤耐性結核患者はなお少ないが,再治療例で感染源となり得る多剤耐性患者は少なからずみられ,今後の多剤耐性結核の帰趨は,結核治療に対する真剣な取り組みと感染対策の持続にかかわっていることを述べた.また,現在の感受姓検査の問題点も追加した.
  • 北 徹
    1997 年 86 巻 2 号 p. 324-329
    発行日: 1997/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1949年米国Framinghamにおいて,心血管系疾患に対する初めての大規模な疫学調査が行なわれた.その結果リスクファクターという概念が確立し,高コレステロール血症が,虚血性心疾患のリスクファクターであることが明らかにされた.従って,血清コレステロール値を低下させることが虚血性心疾患の発症率を下げられるかという一次予防試験が行なわれることになった. WOSに代表されるように, HMG-CoA還元酵素阻害薬によるコレステロール値の低下が,冠動脈イベントの発症を減少させること,また治療開始6か月目から,その効果が現われることがわかった.この成果は,粥腫の安定化,血管内皮細胞機能の改善により説明できる効果であることが判明した.また二次予防試験も,あい次ぎ行なわれているが, 4Sに代表されるように,コレステロール低下により再発が抑制されたこと, 65歳以上の高齢者でも同様の効果がみられることも合わせて明らかにされた.
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