日本内科学会雑誌
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86 巻, 4 号
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  • 小俣 政男
    1997 年 86 巻 4 号 p. 535-537
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 滝川 一, 山中 正己
    1997 年 86 巻 4 号 p. 538-543
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    黄疸とは,血中ビリルビン値が上昇し,皮膚や粘膜にビリルビンが沈着し黄染した状態をいう.ビリルビンは主に老廃赤血球のヘモグロビンより生成され,肝に運ばれ抱合を受けて胆管を経て十二指腸に排泄される.このいずれかのステップに異常を来すと黄疸が生じることになるが,グルクロン酸抱合およびそれ以前の過程での異常では間接型が優位に,抱合された後の異常では直接型優位に血中ビリルビンが上昇する.黄疸の鑑別診断はこの点を念頭において行う.顕性黄疸の実践的鑑別には,まず超音波検査で閉塞性黄疸であるかどうかを鑑別し,それ以外のものは肝酵素の上昇パターンによって,肝逸脱酵素が高値であれば肝細胞性黄疸,胆道系酵素主体の上昇であれば肝内胆汁うっ滞, LDH (lactate dehydrogenase)のみ高値であれば溶血性黄疸,肝酵素が正常であれば体質性黄疸をまず念頭に置き,さらに各々を鑑別診断していくことになる.
  • 与芝 真
    1997 年 86 巻 4 号 p. 544-550
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肝炎・劇症肝炎ともに黄疸を主要症状とする.通常の急性肝炎の際の黄疸は肝からのビリルビンの排泄障害を表現したものだが,劇症肝炎ではビリルビンの抱合の障害を表現したものとなる.前者は肝障害が軽度でも出現するが,後者は肝障害が重篤になって初めて出現する.この差が診断上の意義の差となる.
  • 荒川 泰行, 田中 直英, 石塚 英夫
    1997 年 86 巻 4 号 p. 551-556
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝硬変症でも,代償期には血清総ビリルビンが2mg/dlをわずかに越える程度の上昇はあっても顕性黄疸を呈さないのが普通である.しかし,非代償期に移行して肝不全症状が強くなると黄疸は顕性化して高度となるが,急速な増強と直接ビリルビン/総ビリルビン比の低下は肝の重症度とほぼ平行する.したがって,血清ビリルビン値は,非代償性肝硬変症ではビリルビン代謝が破綻してくるために病態診断や予後判定に役立つ.かかる病態下では,肝のビリルビン処理能の低下のほかに,網内系機能亢進による溶血亢進によりビリルビンの生成量が増加していることも高ビリルビン血症の増強に影響している.
  • 恩地 森一
    1997 年 86 巻 4 号 p. 557-564
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    薬物性肝障害の多くはアレルギーに基づき,胆汁うっ滞が出現することが多く,胆汁うっ滞に関連して黄疸が出現する.黄疸は1カ月以内に,また胆汁うっ滞も1~2カ月の経過で軽快することが多いが,白血球増加と赤沈亢進のある細胆管周囲炎を伴う症例では胆汁うっ滞が数年に及ぶことがある.診断では病歴の聴取が最も重要で,起因薬物の同定法にはリンパ球幼若化試験を行うが偽陰性例にも注意を払う.新薬による新たな肝障害も重要である.原則として休薬で軽快するが,遷延例にはUDCAなどを使用する.
  • 織田 正也, 亀谷 宜隆, 横森 弘昭
    1997 年 86 巻 4 号 p. 565-573
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性肝内胆汁うっ滞の代表的疾患であるPBC, PSCはともに終末は胆汁性肝硬変に至る予後の悪い疾患である.抗M2 (PDH)抗体価の定量測定とERCPの普及によって両疾患の診断法は長足な進歩を遂げた. PBCに始まったUDCA療法がPSCにも応用され,いずれも副作用もなく血液生化学的異常が改善されることが確かとなった.しかし,同療法によって患者の生存期間が有意に延長され得るかが今後の大きな問題である.当面終末期のPBC, PSC患者の救命は肝移植によってのみ可能であり,本邦では成人における生体肝部分移植がさらにPBC, PSC患者に向けられていくことを願いたい.
  • 足立 幸彦, 上硲 俊法
    1997 年 86 巻 4 号 p. 574-581
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    体質性黄疸は肝細胞の先天的なビリルビン代謝異常により発症する黄疸で,高間接ビリルビン血症のGilbert症候群, Crigler-Najjar症候群I, II型と高直接ビリルビン血症のDubin-Johnson症候群, Rotor症候群に分類される.近年,高間接ビリルビン血症の3症候群が同一遺伝子の異常による事が明らかとなり,又Dubin-Johnson症候群についても毛細胆管側肝細胞膜上の有機アニオン輸送蛋白の欠損が判明し,病態の理解が飛躍的に進展した.
  • 1)超音波内視鏡
    山雄 健次, 大橋 計彦, 古川 剛, 中村 常哉, 鈴木 隆史, 印牧 直人, 中村 雄太, 寺本 佐世子
    1997 年 86 巻 4 号 p. 582-587
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸か否かは通常,体外式超音波検査で容易に診断されるが,原因疾患の究明には限界がある.閉塞性黄疸をきたす疾患の中でも特に中・下部胆管および乳頭部に発生する病変のEUSによる診断能は極めて高い.閉塞性黄疸が疑われた症例に対しては経皮的あるいは経乳頭的なドレナージなどの可及的な減黄処置が必要であるが,可能な限り早期にEUSを実施し治療法を決定すべきである.
  • 2)腔内超音波検査法
    小井戸 一光, 長川 達哉, 波江野 力
    1997 年 86 巻 4 号 p. 588-596
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸の原因疾患に対する腔内超音波検査法(IDUS)の意義について述べた. IDUSは胆管癌の進展度診断,特に胆管壁の深達度診断と膵・肝動脈浸潤診断に有用である.また総胆管結石摘出術後の遺残結石診断にも応用できる検査法である.但し観察範囲が限られているため,他の検査法との併用が必要である.
  • 3)胆管鏡-経口・経皮経肝胆管鏡による診断を中心に-
    真口 宏介, 柳川 伸幸, 長川 達哉, 宮川 宏之, 藤永 明, 須賀 俊博
    1997 年 86 巻 4 号 p. 597-601
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胆管鏡検査は,閉塞性黄疸の有無に関わらず胆管内病変の質的診断,胆管癌の水平方向診断に有用な精査法の一つである.また,結石破砕や内瘻化など治療に際しても重要な役割をもつ.アプローチ法には,経口的と経皮経肝的の二つがあり,原疾患と病態によって選択すべきである.特に経口胆管鏡検査は胆管癌の早期診断に有用である.
  • 赤羽 正章
    1997 年 86 巻 4 号 p. 602-607
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    MRCPはMRIの高度T2強調画像を用いて胆汁・膵液を強調表示することにより造影法に類似した画像を得る検査法である. MRCPは再構成画像とその元画像から成り立っており,胆石や悪性腫瘍の評価には元画像の観察が不可欠である.閉塞性黄疸の診断にMRCPが担う役割については検討を要するが,緊急ドレナージの必要が無い症例については非侵襲性という利点を生かして第一選択の検査となる可能性が期待される.
  • 森山 紀之, 縄野 繁, 村上 康二, 佐竹 光夫, 関口 隆三
    1997 年 86 巻 4 号 p. 608-614
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸に対してCT, MRIの検査を行う場合,検査方法によって診断能は大きく左右される. CT, MRIともに造影剤を用いない検査では,腫瘍自体の検出能は低く,造影剤の使用は不可欠である.胆管ドレナージが行われている症例では,ドレナージチューブから造影剤の注入を行い, CT検査に際しては胆管系の閉塞部位の目安を立ててから2mm~5mm幅のX線を使用し,経静脈的な造影剤の投与を行うことが大切である.
  • 梶山 梧朗
    1997 年 86 巻 4 号 p. 615-619
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    黄疸は腹痛,発熱と共に胆石症の三主徴と言われるが,その発生は主として肝から分泌され十二指腸に排泄される主胆汁流路の通過障害を伴う時に起こる.これに伴って発生する胆汁うっ滞は胆道の細菌および胆汁酸やリゾレシチンなどの胆汁化学成分による強い炎症を伴い急性化膿性閉塞性胆管炎と呼ばれる状態に発展する危険性もある.通常,黄疸は胆石のうち総胆管結石やMirizzi症候群などで発生するが,いずれも胆汁うっ滞の解除が最も大切である.
  • 向井 秀一, 中島 正継, 安田 健治朗, 平野 誠一, 望月 直美, 田中 聖人, 宇野 耕治, 東條 正英
    1997 年 86 巻 4 号 p. 620-628
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胆道癌の早期診断においては,スクリーニング検査法として体外超音波検査法(US)が,精密検査法として内視鏡的逆行性胆膵管造影法(ERCP)と内視鏡的超音波検査法(EUS)が重要な役割を果たしていた.また,治療方針の決定には術前の進展度診断が不可欠であり,各画像診断法を比較した結果, EUSと管腔内超音波検査法(IDUS)が優れていた.なお,手術不適応例における閉塞性黄疸の治療は患者のQOL (quality of life)を考慮する必要があり,比較的患者への負担の少ない内視鏡的逆行性胆管ドレナージ術(ERBD)が最も有用な治療法と思われる.
  • 木村 克巳, 藤田 直孝, 野田 裕, 小林 剛, 八子 章生, 浮田 雄生
    1997 年 86 巻 4 号 p. 629-633
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸を来す膵疾患としては,通常型膵癌が高頻度で,臨床的にも最も重要である.画像診断法としては体外式超音波検査が簡便,確実で,次いで超音波内視鏡検査, CT,さらに精査法の中心となる内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)へと進めるのが理想的である.特に膵疾患においては, ERCPにて胆管,膵管双方の状態を把握することが不可欠で,引き続いて内視鏡的胆道ドレナージも行うことができる.
  • 小松 裕, 小俣 政男
    1997 年 86 巻 4 号 p. 634-639
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    内視鏡技術の進歩により閉塞性黄疸の治療は一変した.経乳頭的,もしくは経皮経肝的に胆道へのアプローチが安全かつ容易にできるようになり,その治療は単なる閉塞胆汁のドレナージにとどまらず,根治手術不能な悪性胆道閉塞の胆管ステント留置術,内視鏡的総胆管結石除去術などが広く普及している.今後さらに発展が予想されるこの分野においては,十分な技術をもってそれぞれの治療手技の適応と限界を十分にわきまえたうえで診療にあたることが肝要である.
  • 今山 裕康, 中山 和道, 木下 壽文, 奥田 康司, 原 雅雄, 福田 秀一, 蓮田 啓
    1997 年 86 巻 4 号 p. 640-645
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸は,胆道の機械的閉塞に起因する胆汁流出障害で,それに続く病態は非常に重篤であり,腹部救急疾患として認識する必要がある.治療上の重要なポイントは早期に胆汁流出障害を取り除くことである.胆道閉塞の原因,部位により病態が異なりそれに適切な治療法を選択することが大事で,最初の選択を誤るとその後の治療に難渋する.また,悪性腫瘍の治療成績は乳頭部癌以外では不良で外科的切除以外に集学的治療が必要となる.
  • 竜 崇正, 木下 平, 小西 大, 河野 至明, 古瀬 純司, 岩崎 正彦, 吉野 正曠
    1997 年 86 巻 4 号 p. 646-651
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸を来たした切除不能悪性疾患に対しては,有効な化学療法はなく,放射線が治療の主体となるが,外照射単独では根治線量を照射するのは不可能である.胆管癌に対しては胆管腔内照射と外照射の併用が,膵癌に対しては局所進行癌に対する術中照射と外照射の併用により根治線量が照射でき有効であった.場合によっては対症療法や無治療が,最良の治療法である事を認識して治療にあたるべきである.
  • 松田 哲久, 大門 正一郎, 野村 英樹, 金森 一紀, 北川 正信
    1997 年 86 巻 4 号 p. 675-677
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    perinuclear pattern anti-neutrophil cytoplasmic autoantibodies (p-ANCA)陽性の急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis: RPGN)にて維持透析導入となり,透析導入後も喀血を繰り返した症例を経験した.抗MPO (myeloperoxidase)抗体が,肺出血の出現に先行して上昇し,ステロイド増量で肺出血が改善するとともに低下した. p-ANCA陽性の肺出血を伴うRPGNによる透析例において,抗MPO抗体測定は肺出血の経過予測に有用であると考えられる.
  • 西岡 可奈, 秋保 直樹, 国分 勝, 高橋 正樹, 山陰 敬, 遠藤 文朗, 杉山 正春, 遠藤 一靖, 古川 洋太郎, 鈴木 彦之
    1997 年 86 巻 4 号 p. 678-680
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は50歳の女性.糖尿病性3症を呈して利尿薬抵抗性のネフローゼ症候群となり,腎機能低下,全身浮腫にて入院.血液凝固系検査から血管内血液凝固を考え,ヘパリンによる抗凝固療法を試みた.その結果,凝固系データの改善に伴い浮腫,胸腹水は著減し,腎機能悪化を抑制することができた.凝血学的異常を呈する糖尿病性腎症に対し,ヘパリン持続皮下注療法は考慮すべき治療法と考えられた.
  • 武隈 清, 新井 裕一, 山内 博正, 牧野 博, 高桜 英輔, 福井 米正, 安井 伸一
    1997 年 86 巻 4 号 p. 681-683
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,男性.発熱にて入院.その際,右下腿伸側に痂皮を有する丘疹を認めた.入院後,全身の発疹,意識障害,項部硬直,不随意運動が出現.髄液検査では細胞数15/μ1(リンパ球84%),タンパク70mg/d1であり,また脳波は全誘導で徐波化していた.臨床所見, Rickettsia tsutsugamushiに対する血清抗体価上昇より,新型つつが虫病に髄膜脳炎が合併した状態と診断した.本症での脳炎症状の併発はまれであり報告した.
  • 吉野 功二, 猿井 宏, 山田 浩司, 柴田 敏郎, 大洞 尚司, 宗 友厚, 宅野 洋, 石塚 達夫, 安田 圭吾, 嘉村 正徳, 原 明
    1997 年 86 巻 4 号 p. 684-686
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺小細胞癌による異所性ACTH産生症候群に対し, cisplatinとetoposideによる化学療法を行ったところ,腫瘍は著明に縮小したにもかかわらず,血漿ACTH,コルチゾール(F)が急激に上昇した(ACTH, F:治療前, 373pg/ml, 13.7μg/dl,治療後, 1200pg/ml, 99.4μg/dl).化学療法時,腫瘍縮小と同時にACTHが上昇する可能性を示唆しており,ホルモン産生腫瘍の化学療法に際し,念頭におくべき症例と思われ報告する.
  • 野坂 生郷, 竹下 政一, 清住 雄昭, 相良 勝郎, 高森 啓史, 蔵野 良一
    1997 年 86 巻 4 号 p. 687-688
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例61歳,男性,大腸癌術後, fluorouraci1の内服中,溶血性貧血をきたし,血清検査の結果fluorouracilが原因薬剤であることが証明された.休薬と安静により改善した.長期投与を行う際には血液検査による注意深い観察が必要と思われる.
  • 横山 仁
    1997 年 86 巻 4 号 p. 689-694
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年各種炎症性疾患で注目されている白血球の走化性に関与するサイトカインであるケモカインについて主に好中球に作用するC-X-Cファミリーを代表するインターロイキン(inter1eukin, IL)-8ならびに単球・マクロファージに作用するC-Cファミリーに含まれるmonocyte chemotactic and activating factor(MCAF/MCP-1)を中心に腎炎における役割を概説した.ヒト腎疾患ならびに各種腎炎モデルにおいてIL-8の発現は好中球浸潤を含む急性炎症性病変とよく相関し,腎炎惹起後数時間以内に発現のピークが見られる.一方, MCAF/MCP-1は臨床的には糸球体の硬化性病変ならびに尿細管間質病変と相関し,腎炎モデルにおいてはC-X-Cファミリーの発現に引き続き誘導される.これらの結果より尿中ケモカイン測定は臨床病理学的指標としても有用と考えられる.さらに腎炎モデルにおいてケモカインに対する特異抗体投与による腎炎の抑制が認められ,抗ケモカイン療法による腎炎治療の可能性が示された.
  • 小山 哲夫, 小林 正貴
    1997 年 86 巻 4 号 p. 695-701
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年われわれは,これまで報告されているブドウ球菌感染症に伴う腎炎とは臨床病理所見を異にする腎炎,すなわち,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus, MRSA)感染後に発症する腎炎(MRSA腎炎)を報告した.さらに,その発症にスーパー抗原としてのMRSAの外毒素の関与を報告した.本稿では, MRSA感染におけるスーパー抗原の腎炎発症への関与を中心に,細菌性スーパー抗原と糸球体腎炎の関連について概説する.
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