日本内科学会雑誌
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86 巻 , 7 号
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  • 森 徹
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1109-1110
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 紫芝 良昌
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1111-1116
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患の診断・治療はホルモンや抗体の微量測定が進歩したおかげで,大変楽になった様に見える.しかし,患者を前にして,問診,触診,考えながら検査を選ぶ重要性は昔も今も変わらない.このような意味で,問診の段階から検査の選択まで,出来る限り現場の実際に即した形で,診断の要点を記載したつもりである.甲状腺ホルモンの組織における作用に良いindicatorのない現状では,症候や理学所見からのスケーリングが大切なことも理解していただきたいと思う.
  • 横沢 保, 深田 修司, 宮内 昭, 松塚 文夫, 小林 薫, 隈 寛二
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1117-1125
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    日常臨床で,超音波(以下エコー)が,甲状腺疾患に役立つと実感できるのは,触診で迷ったときすぐに,びまん性か,結節性かの鑑別や,嚢胞性か充実性かなどをチェックできることである.更に,習熟すると,以下のような使い方がある. 1.結節性疾患;結節性疾患では, a.嚢胞性か充実性か, b.結節の局在・サイズ・数, c.石灰化の種類(砂粒小体など), d.良性か悪性か, e.癌の甲状腺外浸潤, f.転移リンパ節腫大の有無などが,ある程度診断可能である.しかし,癌の診断と治療方針の決定に対しては,細胞診またはエコーガイド下穿刺吸引細胞診(UG-FNAB)の併用が必要になる. 2. UG-FNAB;エコーガイド下細胞診すると,従来診断が困難で診断がつかないまま外科に送られていた症例を減少させることができる.その主な適応は, (1)触診困難な微小病変, (2)腺内転移(多発癌), (3)嚢胞変性腫瘤, (4)慢性甲状腺炎やバセドウ病に合併した腫瘤, 5.触診細胞診で充分細胞が採れない再検例(石灰化例等), 6.大きな良性結節に合併した小さな癌, 7.甲状腺癌術後の局所リンパ節腫大の診断,などである.当院にUG-FNABが導入されてから5年が経過したが,症例数は年々増加し, 1996年現在,総細胞診例の約8割の症例がUG-FNABを行っている.ただ,新技術の導入によって起こった最大の問題は,微小癌をどうするかということであった.現在,我々は,独自の微小癌への対策基準を設置して実際に行っている. 3.びまん性疾患;びまん性疾患では, 1.バセドウ病や慢性甲状腺炎の結節合併の有無, 2.体積測定, 3.亜急性甲状腺炎の診断と治療効果判定,などに有用である.
  • 笠木 寛治, 御前 隆, 小西 淳二
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1126-1130
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺腫の性状の評価には超音波検査(US)がもっとも広く行われている.結節を高感度に検出し,特に腺腫様甲状腺腫の診断に有用である.甲状腺中毒症の原因検索のため123Iまたは99mTc甲状腺シンチグラフィーが行われる.特にバセドウ病と無痛性甲状腺炎との鑑別に有用である.可逆性甲状腺機能低下症では摂取率高値を示す.分化型甲状腺癌の転移巣の早期発見は131I治療効果を考えた場合重要であり,最近開発された99mTc-MIBIが注目されている.
  • 赤水 尚史
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1131-1135
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の分子生物学の進歩によって, Basedow病の発症および病態形成の機序に関して以下のような著しい進展が認められている. (1)同病の遺伝因子の解析, (2)主要自己抗原であるTSHレセプターに関する分子レベルでの研究, (3)抗TSHレセプター自己抗体の遺伝子レベルでの研究, (4)T細胞に関する分子レベルでの解析, (5)同病のモデル動物の開発, (6)同病合併症の病因的解析,などである.
  • 小林 功
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1136-1141
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれ,特有な甲状腺組織像と血中に甲状腺自己抗体が証明される,代表的な臓器特異性自己免疫疾患である.その疾患頻度は潜在性自己免疫性甲状腺炎を入れると,実に成人女性10人に1人の割合になる.橋本病の大部分の症例の甲状腺機能は正常範囲に留まるが,一部の症例は原発性甲状腺機能低下症に陥り,特有な臨床症状が出現する.近年,橋本病を背景として出産後の甲状腺機能異常をはじめ,多彩な臨床型が存在することが明らかとなった.しかし,国際的に認知された橋本病の分類はまだ確立されていない.また,現在でも橋本病の成因は幾多の学説が提唱されたが,なお不明な点もある.一方,特発性粘液水腫を除いて甲状腺腫と臨床症状に注意し,血中甲状腺ホルモンとTSHの組合せ検査と甲状腺自己抗体の存在を確認できれば,その診断は比較的容易である.
  • 玉井 一
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1142-1146
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Basedow病の治療には抗甲状腺剤を用いる内科的治療, 131Iを用いる放射性ヨード治療ならびに甲状腺亜全摘を行う外科治療がある,抗甲状腺剤治療後の再燃を予防するために,治療中,治療後に甲状腺ホルモン(T4)を投与し, TSH (thyroid stimulatory hormone)を抑制するとよいという報告がなされたが,追試では満足すべき結果が得られなかったという報告が出た.現時点では抗甲状腺剤治療の期間は少なくとも1~2年以上とし,その時点でTSH受容体抗体が陰性化し,しかもTSHが正常値になり,サイログロブリン値は80ng/ml以下に低下した際に抗甲状腺剤治療の中止を考える.また,放射性ヨード治療後のBasedow病眼症の悪化が指摘されているが, Pincheraらの仕事から同時にステロイドを追加することで予防しうることが明らかとなった.
  • 高須 信行
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1147-1155
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能低下症の原因の殆どは橋本病(自己免疫性慢性甲状腺炎)である.橋本病による甲状腺機能低下症の診断と治療,そして可逆性甲状腺機能低下症についてまとめた.甲状腺機能低下症は一生の病気で,甲状腺機能低下症と診断されたら,一生甲状腺ホルモンを服用するものと考えられてきた.しかし橋本病による甲状腺機能低下症の患者の中には低下症から回復し,甲状腺機能が正常化するものがいる.可逆性甲状腺機能低下症がある.
  • 吉田 克己, 木曾 喜則
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1156-1161
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    亜急性甲状腺炎および無痛性甲状腺炎は,ともに甲状腺濾胞の崩壊が本質的な病変であることから,破壊性甲状腺炎とも呼ばれる.甲状腺組織の破壊に伴い,濾胞内に貯蔵されていたホルモンが血中に漏出し,甲状腺ヨード摂取率の低い一過性の甲状腺中毒症を惹起する.その後euthyroid期ののち,機能低下症期を経て回復期に移行し,正常化する.中毒症期にはバセドウ病と低下症期には原発性甲状腺機能低下症との鑑別が重要である.
  • 西川 光重
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1162-1166
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    老年者甲状腺疾患の診療にあたっては,甲状腺機能の生理的変動と各甲状腺疾患の年齢別特徴を知る必要がある.老年者では甲状腺ホルモン分泌が生理的に低下するとともに,血中T3濃度の若干の低下がみられる.老年者では甲状腺機能亢進症,甲状腺機能低下症とも,症状・所見が典型的でなかったり,加齢による一般的症状と見分けがつかなかったりするために,診断が遅れることがある.甲状腺悪性腫瘍は,若年者では比較的予後が良いが,高齢になるほど予後が悪くなる.特に,老年者で発症頻度の増加する未分化癌と悪性リンパ腫に注意が必要である.
  • 網野 信行, 多田 尚人, 日高 洋
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1167-1174
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患は,妊娠の経過に影響を及ぼしうる合併症であり,逆に妊娠による甲状腺機能が変動がおこりうる.この小論では,妊娠による甲状腺機能の変動についてのべ,甲状腺疾患の妊娠中の治療についての注意点,甲状腺自己抗体の児への影響について解説する.また,出産後の甲状腺機能異常症は頻度が高く,産後婦人の生活の質を維持する意味で注目されるので,発症の予測・観察の目安についてやや詳しく述べる.
  • 岡村 建, 佐藤 薫, 藤島 正敏
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1175-1179
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己免疫性甲状腺疾患の素因をもつ症例は,インターフェロンα投与により橋本病の分娩後甲状腺機能異常に類似した病態を高頻度に示す.これは複雑な免疫修飾作用によるものと考えられる.抗TSH受容体抗体も一過性に検出され,バセドウ病や橋本病などの臨床像の発現が,サイトカインによって影響されることが示唆される.
  • 山下 弘幸, 野口 志郎
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1180-1183
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺良性結節は濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫に大別され,一般的に前者は腫瘍が単発で境界明瞭であり,後老は結節が多発性で過形成と退行性変化をきたしたもので,結節内の出血,壊死,石灰化などがみられる.癌が疑われるもの,腫瘤が大きいもの,周囲臓器を圧迫しているもの,機能性結節などが切除の適応となる.当院における手術症例の検討では, 1.腺腫様甲状腺腫に癌が合併する頻度が高く術前診断率が低かった, 2.濾胞腺腫は濾胞癌との鑑別が困難であったが,腫瘍径が大きいほど,血清サイログロブリンが高いほど悪性の割合が高かった.
  • 三村 孝, 伊藤 國彦
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1184-1189
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺分化癌の治療方法として先ず挙げられるのは手術であることに異論はない.しかし手術方法,甲状腺切除の範囲,リンパ節郭清の要否,範囲については,甲状腺専門医の間でも論争が続いている.米国では甲状腺全摘(total-thyroidectomy)ないし准全摘(near total-thyroidectomy)を行い,術後131Iを用いたアイソトープ治療(以下RI治療)を勧めるものが多い.リンパ節郭清にはあまり重点がおかれていない.これに対し,わが国では,亜全摘(subtotalthyroidectomy)ないし葉切除(lobectomy)を行い,これにリンパ節郭清(modified neck dissection)を加える方法が一般的である.どちらの治療法が優れているか,現在のところ,術後成績,予後についてはそれほどの差違は見られず.一概に優劣は判定できない.
  • 隈 寛二, 松塚 文夫
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1190-1195
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺悪性リンパ腫は橋本病を発生母地として生ずる非ホジキンB細胞腫である.主症状は急速増大する甲状腺腫であり診断には低エコー超音波像の部を狙って穿刺吸引細胞診を行うことで大部分の症例では容易である.診断困難な例には遺伝子診断によるMonoclonalityの証明が病理診断の決定に有用である.治療は放射線照射とCHOP 6コースの化学療法の併用で良好な成績が得られる.
  • 筒井 一哉
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1196-1201
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺未分化癌の診断は,超音波と穿刺吸引細胞診で可能になった.治療は発見時,癌が既に全身化しているため化学療法が中心である.われわれの行っているシスプラチン(CDDP)を中心にした化学療法, EAP (Etoposide, Adriamycin, CDDP)およびEP療法で,抗腫瘍効果は7CR+13PR/29,奏効率は69%であり, MST (Median Survival Time)は149日, 1年生存率38.4%と良好であった.絶望的な本疾患も,比較的早期に診断可能になり治療に灯火が見えてきた.
  • 小原 孝男, 神戸 雅子, 飯原 雅季, 山口 建, 二見 仁康
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1202-1208
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    髄様癌は,甲状腺癌全体の中では1~2%を占めるに過ぎない.甲状腺C細胞に由来するのでカルシトニンやCEAを産生・分泌する性質があり,それらは診断・治療後の経過観察の面で極めて鋭敏な腫瘍マーカーとして役立つ.髄様癌には,散発型と遺伝型とがあり,遺伝型髄様癌はMEN2型の主要な構成疾患として発現することが多い.最近, MEN2型の原因がRETプロト癌遺伝子の点突然変異によることが判明して,診断・治療に新しい局面が開けている.
  • 森 昌朋, 村上 正己
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1209-1214
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺腫瘍の発生,更には癌への進展はadenoma-carcinoma sequence説に基づいて,複数の癌関連遺伝子異常が段階的に,かっそれらが蓄積される結果生ずることで理解される.遺伝子異常としてDNAメチル化及びras, p53遺伝子異常, retと染色体間で再構成した3種類の遺伝子異常があげられ,また甲状腺癌は通常非機能性である機構も解明されている.一方機能性甲状腺腫の遺伝子異常も判明されている. de novo甲状腺癌発生は不明である.
  • 長瀧 重信, 芦澤 潔人
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1215-1221
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    情報が錯綜しているチェルノブイリ原子力発電所事故の健康に対する影響について1990年から現地で医療調査に従事して来た経験をもとに紹介する. 10年目に明らかに臨床的に確認された健康傷害は134名の急性放射線症(28名が3カ月以内に死亡)と800名の小児甲状腺癌(3名が死亡)だけである.被曝線量に不確的要素が多いために放射線傷害の調査は続行中であるが, 4~5年で癌の発症が100倍以上になったことは前代未聞であり,現地の癌の発生を予防するためにも一般的な癌発生の機序の研究にも国際的な協力体制が望まれる.
  • 田仲 紀子, 仲野 孝, 一色 啓二, 長門谷 克之, 辻江 道子, 中山 祐治, 柿原 昌弘, 山田 義夫, 鎌田 武信, 阿部 裕
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1248-1250
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は49歳女性.眼球乾燥,手関節・膝関節の疼痛と腫脹,両側前腕・下腿の浮腫の出現のため,精査加療目的で入院した.骨単純X線,骨シンチグラフィーにて両手関節の滑膜炎を認め,リウマチ因子は陰性, HLA検査はB7, Cw7が陽性であった.またSchirmer testは陽性であった.以上よりSjögren症候群に合併したRS3PE Syndromeと診断し,ステロイド剤と非ステロイド系抗炎症剤の併用により症状が消失し退院した.その後ステロイド剤の少量単独投与にて1年間の経過中再燃を認めていない.
  • 粟飯原 賢一, 宮田 雅代, 金崎 淑子, 加藤 修司, 玉木 康民, 木村 成昭, 武市 俊彰, 藤本 浩史, 増田 和彦, 白神 〓, ...
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1251-1253
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は63歳女性.高血糖と高HDL血症の精査で入院.日中最高血糖値278mg/dl,尿中Cペプチド35.4μg/日より,インスリン非依存性糖尿病と診断. HDLコレステロールは213mg/dlと著しく高値で,コレステリルエステル転送活性は欠如.患者白血球DNAを用いたコレステリルエステル転送蛋白(CETP)遺伝子のPCR産物に対する制限酵素切断試験で, CETP完全欠損症(イントロン14第1塩基のG→A変異のホモ接合体)と診断した.
  • 松尾 宏俊, 芦原 英司, 原島 裕, 浮田 義一郎, 伏木 信次
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1254-1256
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は77歳,女性.尿路結石の疑いにてdiclofenac sodiumを投与され徐々に意識障害が出現し,当院受診.血圧・体温の低下,著明な代謝性アシドーシス, DIC,多臓器不全を認めた.抗ショック及びDICコントロール目的に治療を開始したが,症状の改善はなく発熱と頻回に痙攣発作が出現し死亡した.肝のnecropsyにおいてHE染色では脂肪変性を伴う肝細胞壊死像を認め,電顕像では膨化したミトコンドリアを認めた.本症例はdiclofenac sodium投与によりReye症候群と思われる病態を呈した稀な一例と考えられたので報告する.
  • 金原 秀雄, 宮永 健, 林多 喜王, 中井 継彦, 平井 雅晴, 岸田 繁, 服部 和良, 桑山 明夫
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1257-1258
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は32歳,男性.甲状腺腫があり, FT3とFT4の軽度上昇を認めたが, TSHは正常範囲であった.画像上, MRIにて下垂体に径8mmの腫瘤を認めた.下錐体静脈洞のサンプリングにおいて, TSH, α-subunitの上昇がありTSH産生下垂体線腫が考えられた.その後, Hardyの手術を施行し,摘出組織の免疫学的染色でTSH-β及びα-subunitのみが陽性であった.以上のように, FT3, FT4上昇にもかかわらずにTSHが抑制されない場合, TSH産生腫瘍等の二次性甲状腺機能亢進症を念頭に入れる必要がある.
  • 小林 英之, 宇都宮 保典, 宮崎 陽一, 徳留 悟朗, 川村 哲也, 橋本 隆男, 酒井 紀, 高橋 聡, 東條 有伸, 浅野 茂隆
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1259-1261
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は41歳男性.慢性骨髄性白血病でインターフェロンーα2b (IFN一α2b) 500万単位/日の投与を受け, 39カ月後に蛋白尿が, 55カ月後には腎機能障害が出現し,漸次増悪した. 66カ月後, Ccrは44m1/minと低下し,一日lg前後の蛋白尿,血小板減少およびハプトグロビンの低値を認めた.腎生検所見から本例の腎障害に溶血性尿毒症症候群類似の細小血管レベルでの内皮細胞障害の関与が示唆され,原因としてIFN-αの関与が強く疑われた.
  • 西田 教行, 宮本 勉
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1262-1268
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒトのCreutzfeldt-Jakob disease (CJD)やヒツジのスクレイピーなど特微的な脳組織の海綿状変性を呈する疾患群は,かつて遅発性ウイルス感染症に分類され長い間病原因子は不明であったが,核酸を持たない病原体, “プリオン”の概念の提唱とその後のプリオン蛋白およびプリオン遺伝子の発見以来,分子レベル,遺伝子レベルでの解析が進み,異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積し,神経変性を起こす疾患群を総じてプリオン病と呼ぶようになってきた.正常型プリオン蛋白は通常の脳組織に存在すること,そしてプリオンの感染(あるいはプリオン遺伝子異常に伴うアミノ酸置換)によって正常型から異常型への構造変換が起こり,異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積するという,既知の病原体あるいは遺伝子病とは全くことなる新たな病態像が明らかになりつつある.プリオンにはいわゆる“種の壁”の存在が認められ動物からヒトへの感染はこれまで確認されたことはなかったが,十数年来の英国におけるウシ海綿状脳症の大流行と近年同国の若年者に発生した新型CJDの報告は,ウシからヒトへと伝播した可能性が否定できず,世界を巻き込んでのパニックを引き起こした.科学的結論を得るには時期尚早であるが,いまだ治療法のない致死性疾患であり,食肉および医薬品の使用に関しては十分な安全対策が講じられるべきである.
  • 溝口 秀昭
    1997 年 86 巻 7 号 p. 1269-1274
    発行日: 1997/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    トロンボポエチンは最近発見された血小板産生を調節する造血因子である.トロンボポエチンは巨核球系前駆細胞に作用し,巨核芽球への分化を誘導し,さらに巨核球の成熟を促す作用がある.トロンボポエチンの産生部位は肝細胞と腎の近位尿細管細胞である.トロンボポエチンの血中濃度は血小板数が減少すると高値になり,血小板数が増加すると低下する.その機序は主に血小板がトロンボポエチンを吸着することによる.ただし,巨核球が増加するような血小板減少症ではトロンtボポエチンの増加は顕著ではなく,それは巨核球によるトロンボポエチンの吸着が関与している.現在,トロンボポエチンの臨床応用を目指した治験が進行中である.トロンボポエチンの第I/II相試験の結果が発表されたが,血小板増加効果は明らかで大きな副作用がないという結果である.
  • 1997 年 86 巻 7 号 p. 1316
    発行日: 1997年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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