日本内科学会雑誌
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87 巻 , 1 号
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  • 豊嶋 英明
    1998 年 87 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 西 宏文
    1998 年 87 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    若年者の突然死の最多の原因である肥大型心筋症では,現在までに7種類の原因遺伝子が明らかになっている.心筋収縮には数多くの収縮蛋白が関与しているが,これらの7種類の原因遺伝子産物は,いずれも収縮単位であるサルコメアを構成する分子であった.ミオシンーアクチン連関の機能不全やトランスジェニックマウスの作成などの研究により,遺伝子異常から疾患発症へのメカニズムも次第に明らかになってきている.
  • 星野 洋一, 永井 良三
    1998 年 87 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    QT延長症候群は致死性不整脈を呈し突然死の危険性が高い.以前より心臓交感神経系の不均衡が原因の一つとして考えられていた.近年,家族性QT延長症候群の原因として心筋イオンチャネルの遺伝子異常が同定された.遺伝子の同定によりQT延長のメカニズムのみでなく,心筋イオンチャネルの生理機能の解明も進んだ.心筋イオンチャネルの生理機能を解明することにより,不整脈治療への応用も期待される.
  • 鈴木 亨, 永井 良三, 矢崎 義雄
    1998 年 87 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    大動脈の急性障害は,虚血性心疾患に次ぐ突然死の原因となる循環器疾患である.急性の大動脈疾患は臨床症状が多彩で,診断・治療の進歩が日進月歩の今日でも,見落としや,診断の遅れが小なくない.また,致命的な合併症を併発する可能性が高いため,ハイリスク患者の同定や発症後の早期診断は,予後を決定する重要な要因である.この意味でも疾患の予防・早期発見を目標とした遺伝子・生化学的診断法は,最適な手段であり,開発・確立が急がれている.
  • 佐藤 俊明, 小川 聡
    1998 年 87 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動は心臓突然死を招くが,その原因となる器質的,電気生理学的異常には未だ不明な点が多い.短い連結期の期外収縮で誘発される心室細動例と右胸部誘導の持続的ST上昇と右脚ブロックを認めるBrugada症候群が知られている.抗不整脈薬による特発性心室細動の予防的治療は確立されておらず,植え込み型除細動器による治療が必要となる.突然死が予防できれば,その予後は悪くなす.
  • 中野 赳, 平岡 直人, 藤岡 博文
    1998 年 87 巻 1 号 p. 32-38
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺塞栓症は,その約10%が発症後1時間以内に突然死するといれわており,自験例でも32%が発症後24時間以内に死亡している.本症は担癌患者や長期臥床中の患者のほか,手術後,血管造影後に,排便・排尿などの体動に伴い突然発症することが特徴で,医原病的な側面もある.肺塞栓症による突然死への対策として,本症の正しい認識を持ち,発症早期の対応と,発症の予知,あるいは原因疾患である深部静脈血栓症の発症予防が重要である.
  • 山口 巌
    1998 年 87 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ホルター心電図装着中の心臓突然死の解析によるとそれに関与する不整脈の80%が心室頻拍・細動であり, 20%が徐脈性不整脈あるいは電気収縮解離である.前者の多くに器質的心疾患の診断を受けた既往歴がある.リエントリーの発生要因である伝導遅延,一方向性ブロックは器質的障害によっても発生するが,機能的な刺激伝導と心筋の不応期の不均質性も重要な成因になる.これらの直接的な要因の背景には自律神経の関与がある.
  • 野原 隆司
    1998 年 87 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞と突然死の関係については,心筋構造の変化に機能的な修飾が加わり,心室性期外収縮発生から致死的な不整脈に到ることにより生じるとされる.実際の急性期梗塞が病理的に証明されるものは20%程度であるが, acute cornary syndromeより致死的になってしまうものも多い筈である.日本では,諸外国より,梗塞を含む虚血性心疾患の突然死率は低いが,その意義は重要である.現在判明している病態生理についてここで簡便に解説を加えた.
  • 志水 秀行, 上田 敏彦, 川田 志明
    1998 年 87 巻 1 号 p. 52-57
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 岩本 廣満, 清原 裕, 藤島 正敏
    1998 年 87 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害による突然死の多くは,脳出血とクモ膜下出血に起因する.最近では高血圧治療の普及により,脳出血は減少・軽症化し脳血管障害による突然死も減った.突然死に至る病態生理学的機序としては,出血そのものによる直接的な脳幹部の損傷と,脳室内穿破や脳ヘルニアなどの二次的病変による間接的な脳幹部の障害による場合がある.また,脳血管障害発症後に起きた致死的不整脈や呼吸異常も突然死の原因となる.
  • 仲川 義人
    1998 年 87 巻 1 号 p. 63-71
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近の新薬は効果も優れているが,一方,副作用発現にも十分注意する必要がある.また,薬物相互作用についても注意が求められる.そんな中で,薬剤による常用量での致死的な副作用発現は何としても回避しなくてはならない.心室性頻拍,不整脈,心停止といった突然死, β2刺激薬の吸入剤による喘息死,その他,薬剤アレルギーや全身痙攣といった副作用は予測が困難であるが故に,日頃の予防対策としての観察,教育,指導が極めて重要となる.
  • 久木山 清貴, 中尾 浩一, 泰江 弘文
    1998 年 87 巻 1 号 p. 72-76
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    冠攣縮性狭心性は器質性狭心性に比べてその予後は一般的に良好とされているが,冠攣縮発作時に心室粗動,心室細動,高度房室ブロック等の致死性不整脈を合併する例があり,冠攣縮性狭心性患者の突然死の原因となる.攣縮が1枝の冠動脈のみでなく2枝以上の冠動脈に認められる多枝冠攣縮を呈する狭心症患者における冠攣縮発作時には,特に致死性不整脈が合併することが多い.これらの症例にはカルシウム拮抗剤の多量投与を中心とした厳重な管理がなされるべきである.
  • 高田 英臣, 村山 正博
    1998 年 87 巻 1 号 p. 77-82
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    健康増進のためスポーツが盛んに行われているが,スポーツ中の突然死は最悪の事態である.突然死全体からはスポーツ中の発生頻度は多くないが,危険率は高い.スポーツ中の突然死の原因は循環器疾患が多いが,器質的病変がなく生ずる場合もあり,その機序は今なお不明な部分も多い.突然死予防には基礎疾患の把握・適切な運動処方,競技参加者の自己管理の意識,大会主催者の環境因子を考慮したサポート体制が重要である.
  • 徳留 省悟, 松尾 義裕, 畔柳 三省, 小島原 将直, 熊谷 哲雄, 高柳 正敏
    1998 年 87 巻 1 号 p. 83-90
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    東京都監寮医務院の健康群のDOA (prehospital DOA)は34.7%が病死, 65.3%が外傷,健康群の突然死DOAの死因は心・血管系疾患70.2%,脳血管系疾患10.7%,消化器疾患8.2%,呼吸器疾患3.1%であり,比較的冬期に多く,就寝中12.7%,入溶中10.7%に多く,死亡時刻においては午前10時~午前11時,虚血性心疾患は午前9時~午前11時,午後6時~午後7時,午後9時~午後10時に多い.
  • 福田 充宏, 宮軒 将, 小濱 啓次
    1998 年 87 巻 1 号 p. 91-97
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    医師であれば,突然心肺機能停止状態に陥った患者に対して心肺蘇生法を迅速かつ適切に行わなければならない.本法の究極の目的は患者が社会復帰することにあり,そのためにはできるだけ早期に心拍の再開をはかり,心停止時間を短くすることとその後の脳蘇生が重要となる.心肺機能停止患者の社会復帰率の向上をもたらすためには,医師自らが平素より心肺蘇生法について十分な知識とその手技・手順を体得しておく必要がある.
  • 鈴木 智之, 佐藤 紀夫, 青木 英彦, 向井田 春海, 荒川 直志, 水沼 吉美, 室岡 雅子, 中居 賢司, 平盛 勝彦
    1998 年 87 巻 1 号 p. 98-104
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心臓性急死で最も重要なものは急性心筋梗塞症である.心臓性CPAとして救急搬送される例の約4分の3は心筋梗塞発症直後の心停止例である.わが国の,このような例の救命率は欧米の先進地域に遠く及ばない.その要因の一つは,地域住民の役割を重視した初期救命システム作りの立ち後れである.今日の深刻な状況を脱するには,急性心筋梗塞症の発症および急死の実態を正しく把握し,地域住民を啓発し,住民参加を前提とした救急医療体制の確立を急ぐことである.病院にとどまりがちな医療者の視野を院外にも広げるべきことを問うことにもなる.
  • 笠貫 宏
    1998 年 87 巻 1 号 p. 105-116
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1980年代,欧米では心臓突然死の80~90%は心室性頻脈性不整脈(心室細動心室頻拍)によると考えられ,その最も強力な予防法として植込み型除細動器(ICD)は急速に普及している. 1995年には年間新規植込み例3万例を越えている.更に本体およびリードシステムの開発・改良により第1・第2・第3世代から第4世代の時代に入ろうとしている.わが国ではその保険適応は1996年と著しく遅れ,植込み総数も300例に過ぎないが今後は急増していくものと考えられる. ICDの進歩と大規模試験の成績により適応は拡大されつつあるが, ICDの有用性と限界を十分に認識した上で慎重に適応を決定することが必要である.
  • 比江嶋 一昌, 山本 直人
    1998 年 87 巻 1 号 p. 117-123
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    器質的心疾患患者では,心室性期収縮(非持続型心室頻拍を含む)が突然死の引き金になりうるので,その不整脈の抑制が突然死の予防に連なる.しかし,心筋梗塞患者では, I群薬(とくにIC群薬)は突然死の予防に無効か,かえって有害になることが示された.したがって,突然死へのリスクの程度を種々の検査法により総合的に検討し,薬物療法を必要とする場合は,症状や心機能の程度により薬剤を慎重に選択しなければならない.
  • 柴垣 圭吾, 米井 嘉一, 長主 直子, 塚田 信廣, 稲垣 恭孝, 宮本 京, 中澤 敦, 鈴木 修, 川村 陽一, 桐生 恭好
    1998 年 87 巻 1 号 p. 154-156
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は47歳アルコール依存症の女性.自宅にて意識もうろう・尿失禁状態でいたところを発見され来院した.腹部X線上ニボーを伴う大腸・小腸の拡張を認めた.イレウス管挿入・補液にて症状は一時的に改善したが再び増悪した.腹部CTにてS字結腸の狭窄が疑われたが,大腸・小腸造影,大腸鏡検査では器質的病変はなかった.その後甲状腺機能低下症と判明,ホルモン補充療法を施行したところ閉塞症状は軽快した.本例では続発性偽性腸閉塞の原因として甲状腺機能低下症,また誘因としてアルコール依存症が考えられ,興味ある稀な症例と考え報告した.
  • 柳沼 将公, 吉川 徹
    1998 年 87 巻 1 号 p. 157-159
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例1は65歳女性.塩酸カルテオロ一ル投与により,右下肢のしびれと全身の筋硬直が出現し,右腓腹筋の有痛性筋攣縮,左前腕伸筋のミオキミー様筋異常運動を認めた.症例2は47歳男性.塩酸セリプロロール投与により両下肢のしびれと右下肢のぴくつきが出現し,右腓腹筋のミオキミー様筋異常運動を認めた. β-遮断薬中止で筋異常運動と針筋電図上の陽性鋭波は減少した. β-遮断薬による筋異常運動の報告は稀で,興味深い症例と考え,報告した.
  • 國枝 泰史, 後藤 武近, 中村 泰三, 芦原 英司, 原島 裕, 竹上 徹, 永利 満雄, 横村 一郎, 橋本 進一, 岩崎 吉伸, 中川 ...
    1998 年 87 巻 1 号 p. 160-162
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性.頸部痛と貧血で当科に入院した.頸部MRIで第2頸椎の破壊像を認め,診断の得られないまま呼吸不全,黄疸をきたし重症化した. 4カ月伴後に初めて,喀痰の抗酸菌塗抹陽性,骨髄液培養で非定型抗酸菌コロニー陽性,肝生検,骨生検組織の抗酸菌染色でも陽性と判明し,全身播種型Mycobacterium avium症と診断し得た.本症例は,明らかな基礎疾患のない成人男性に発症し,また治療により全身状態の改善を認めた稀な全身播種型非定型抗酸菌症の1例と考えられた.
  • 林 清二
    1998 年 87 巻 1 号 p. 163-168
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    間質性肺炎は間質の炎症とそれに続く修復過程としての線維化によって正常肺構築の破壊にいたる.このいずれの過程も複数のサイトカインに支配されている.肺細胞や気管支肺胞洗浄液の生化学的,分子生物学的解析が行なわれ,サイトカインと病態の関連が明かにされてきた.しかし,ガス交換という肺の特異的機能は正常肺構築の維持に依存しており,間質性肺炎の病態の理解にはin vivoの解析は欠くことができない.このような問題の解決にはトランスジュニック動物や生体内遺伝子導入法が有用であり,肺間質の炎症や線維化とサイトカインとの生体内での関係が明かにされつつある.このような知見をもとに有効な治療法がない肺線維化に対する新しい治療法の開発の試みが行なわれている.
  • 本間 昭
    1998 年 87 巻 1 号 p. 169-174
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    現在, Alzheimer病(AD)治療薬として開発されているものはコリン作動薬が大半を占める.現時点でアルツハイマー病治療薬として認可されている薬剤はCognex, ExelonとAriceptの3つであるが,すべてcholinesterase (ChE)阻害薬である.現在開発中の薬剤には他に, ACh releaser, M 1 agonist, neuropeptide, nootropics, PPCE inhibitor, benzodiazepine inverse agonistなどがある. M 1 agonistの一部では有望な結果が示されているが,他では必ずしも十分な薬効が示されていない.本稿では,これらについて簡単な解説を加え,近年,興味深い結果が報告されたidebenoneの成績を紹介し,今後の課題を示した.
  • 小池 和彦
    1998 年 87 巻 1 号 p. 175-178
    発行日: 1998/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性C型肝炎においては,肝炎以外にもいくつかの肝外症候の合併を示唆されている.それら肝外症候の一つとしてSjögren症候群に類似した唾液腺炎が挙げられているが,その関連性はまだ確かなものとはいえない.我々の作製したC型肝炎ウイルス・エンベロープ遺伝子トランスジェニックマウスでは,肝においては何らの異常も起きなかったが,唾液腺と涙腺においてSjögren症候群に類似した炎症像が発症した.この唾液腺炎はゆるやかに進行性であり,後期には導管の増生や線維化も認められた.これらの結果は,ヒトにおけるC型肝炎ウイルス感染とSjögren症候群類似の唾液腺炎との関連性を確立するとともに,この唾液腺炎の成立においてC型肝炎ウイルス・エンベロープ蛋白が重要な役割を果たしていることを示唆している.
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