日本内科学会雑誌
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87 巻 , 11 号
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  • 嶋田 甚五郎
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2175-2178
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 井上 松久, 久我 明男, 矢野 寿一, 島内 千恵子, 野々山 勝人, 岡本 了一
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2179-2184
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    数多くの抗菌薬が上市されている状況下では,それぞれの経験を基盤とした治療,いわゆるemperic therapyを行っても十分な効果を挙げ得る.しかし,一方で抗菌薬療法そのものがうまくいかないこともある.この様な場合,耐性菌が関わることが多いため,感受性テストの結果は単に抗菌薬の強弱を知る手掛かりとするだけでなく,薬耐性菌の増減や僅かの分離菌の変化の情報源とすることも戦略的抗菌薬療法を行う上で重要である.
  • 山崎 伸二, 竹田 美文
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2185-2190
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸管出血性大腸菌感染症の診断法は検査室における迅速で感度の高い方法とベッドサイドで行う簡便で迅速な方法に分けて考えることができる.また,菌体表面のO抗原を検出することにより菌そのものを検出する方法と,主要な病原因子であるVero毒素を検出することにより腸管出血性大腸菌を検出する方法がある. O抗原やVero毒素を検出する方法としては,免疫学的にそれぞれの抗原を検出する方法とそれぞれを遺伝子レベルで検出する方法がある.それぞれの方法について,高感度化及び迅速化に関する研究が進んでいる.
  • 斎藤 厚
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2191-2196
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    レジオネラ症の確定診断には特殊検査を必要とする. 1990年時点のWHOの基準ではLegionella属菌がBCYE培地で培養されるか血清抗体価が陽性であることを必要とする.この他に補助診断として直接蛍光抗体法による検体中の本菌の確認, EIAによる尿中菌体抗原の検出があげられ,遺伝子診断(DNAテクノロジー, PCR法)はその真真価を検討中であった.しかるに,現在ではPCR法の感度,特異度がともに優れていることとその迅速性が臨床医の要求に極めて合致し,本症診断の中心的役割を果たすほどになっている.
  • 岸本 寿男
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2197-2202
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae: C. pn)は,ヒトからヒトに経気道的に伝播し,肺炎などの呼吸器感染症の約1割に関与する重要な起炎菌であり,ときに集団小流行を起こす呼吸器感染症の病原体である.最近では動脈硬化性疾患との関連でも注目されている.診断法として,分離が容易でなく, DNA診断法が期待される.通常血清診断法が利用されるが,一般化が遅れている.最近,本邦でELISA法による特異抗体測定キットが開発され,臨床応用可能となり,今後その有用性が期待されている.
  • 渡辺 彰
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2203-2210
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細胞分裂に長時間を要する抗酸菌は診断と治療にも長時間を要する.従来の,迅速性に富むが感度の低い塗抹法と感度は高いが長時間を要する培養法に加えて,近年, PCR法, MTD法などの感度が高く迅速性に富む診断法が開発されて極めて有用であるが,偽陽性の問題もあり,従来法と併せて総合的に診断したい.非定型抗酸菌の検出は容易になったが起炎性の判定が困難であり,現時点では米国胸部疾患学会の診断基準が最も有用である.
  • 前崎 繁文, 河野 茂
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2211-2217
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    深在性真菌症は免疫不全患者に発症する目和見感染症であり,早期診断,早期治療が予後に大きく影響する.そのため,血清診断や遺伝子診断などの補助診断法が開発されている.血清診断には(1, 3)-β-D-グルカンやクリプトコックス莢膜多糖抗原などが臨床的に有用であり,アスペルギルス症にはELISA法によるガラクトマンナン抗原検出が試みられている.また,遺伝子診断としてはPCR法による血清中のアスペルギルスDNAの検出がアスペルギルス症の診断に有用と考えられ,今後の臨床応用が期待される.
  • 永淵 正法, 南嶋 洋一
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2218-2222
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ウイルス感染症では,ウイルスの分離はしばしば困難であり,臨床診断の比重が大きい,実験室診断法としては,現在では抗体検査による血清診断が中心である.病原診断に関しては, PCR(polymerase chain reaction)法によるウイルス核酸の増幅検出法が普及しつつあり,免疫染色による抗原検出も有用な場合がある.化学療法剤を適用できるウイルス感染症の診断は,治療方針決定上重要であり,迅速さと正確さが要求される.
  • 山口 惠三
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2223-2227
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,微生物の分離技術や同定技術には着実な進歩が認められ,とくに同定キットやモノクローナル抗体を用いた特異度の高い診断用抗血清の登場,あるいは自動機器の普及などによって,同定精度は飛躍的に向上し,技師の能力差による同定成績のばらつきは以前ほど問題とはならないようになっている.従って,起炎微生物の決定に際しては,同定技術よりはむしろ如何にしてより適切な検査材料(検体)を得るかが重要な鍵となっている.すなわち,いくら分離・同定技術が優れていたとしても,提出された検体が感染部位を反映していなかったり,無菌的に採取されたはずのものが汚染されていたりした場合には,たとえ菌が分離されそれが正しく同定されたとしてもあまり意味がなく,むしろ誤った診断を行うことにもなりかねない.従って,真の病原体を分離するたには,先ず第一に如何に正しく検体を採取するかを心掛けなければならない.
  • 大泉 耕太郎
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2228-2233
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    β-ラクタマーゼによる耐性菌に対処するため, β-ラクタマーゼ阻害薬をβ-ラクタム薬に配合した経口薬と注射薬が開発された.また,新規かつ強力なβ-ラクタム薬としてカルバペネムがある.新マクロイドは経口吸収に優れ,半減期も長く細胞内移行も良い.マイコプラズマ,クラミジアなどに強い活性を示す.ニュー・キノロンの中で,最近開発されたものは従来弱かった肺炎球菌に対しても強い抗菌力を示すに至っている.
  • 古西 満, 善本 英一郎, 三笠 桂一, 成田 亘啓
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2234-2239
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    敗血症の臨床像は患者の基礎疾患で異なり,ショックや播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した症例は予後が不良で,敗血症治療時には合併症治療も行なう必要がある.敗血症性ショックの病態は末梢血管拡張と血管透過性亢進とによる循環障害で,治療の基本は体液補正である.敗血症によるDICは線溶抑制型で,より臓器障害を起こし易いので積極的な治療が求められる.したがって感染症治療時は原因治療とともに全身管理が重要な課題となる.
  • 岡 慎一
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2240-2244
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    2年前から可能になった3剤併用療法は, HIV感染症治療において初めて欧米でのエイズによる死亡者数を減少させた.それから2年,その効果は持続しているが,一部治療失敗例の耐性ウイルスの問題や,薬剤の継続服用の難しさ, lipodystrophy syndrome等の予期せぬ副作用など,新たな問題点も浮き彫りにされてきた.しかし,種々の新薬も開発されてきており,エイズ治療は,まちがいなく新しい時代に入ったといえる.
  • 銭谷 幹男, 戸田 剛太郎
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2245-2249
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    かつて,わが国の慢性肝疾患はB型肝炎ウイルス感染特に母子間感染によるキャリアからの発症が多かったが,ワクチンの普及により新たなキャリア発生は殆ど零となっている.現在,慢性肝疾患の約7割はC型肝炎ウイルス感染によるものである.インターフェロン治療の進歩,輸血時スクリーニングによる新たな発生の抑制より患者数は減少している.今後は治療抵抗性の慢性ウイルス性肝炎に対する対策確立が課題である.
  • 舟田 久
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2250-2256
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の敗血症は医療の進歩と不可分の関係にある.原因菌はグラム陰性桿菌からグラム陽性球菌へ変貌をみるが,新たな耐性菌の出現が抗菌薬治療を困難にしている.敗血症の発症と進展の機序の解明が進み,その概念と定義も明確になってきた.しかし,この成果がまだ予後の改善,とりわけ敗血症性ショックの治療成績の向上に反映されるまでには至っていない.こうした事実は,感染予防,特に院内感染対策の整備の重要性を示している.
  • 渡邉 一功
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2257-2262
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    真菌がヒトと同じ真核生物に属し,細胞構成がヒトとほとんど同じであるため,真菌にのみ作用し,ヒトに作用しない薬剤の開発が困難なため,深部真菌感染症の治療薬は,本邦では, (1)ポリエン系のアムホテリシンB, (2)フルオロピリミジン系のフルシトシン, (3)アゾール系のミコナゾール.フルコナゾール,イトラコナゾールの5剤を数えるのみである.重篤な深部真菌感染症は増加傾向にあり,新たな抗真菌薬の開発が切に望まれる.
  • 下山 孝, 柏原 渉, 奥井 雅憲, 新谷 繁之, 高田 富美雄
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2263-2267
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pyloriの胃への感染が提示されてから15年経ち,除菌治療の有用性が認識されるようになった.しかし,どの疾患からこの菌を除菌すべきなのか,また安全かつ有効な治療にはどのようなregimeを選択するか,除菌判定方法や抗菌剤耐性菌をどう扱うか,さらには逆流性食道炎など除菌後に新たに発生する病変の問題など, Helicobacter pylori感染に関しては今後検討を要する課題が数多く残されている.
  • 小林 宏行
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2268-2273
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細菌biofilmの形成とその特性,生体への影響,さらにはその対策について記した. biofilmを有する疾患はそれ自体難治性であり,臨床的には感染症状の持続や反復が特徴的である.さらにとくに呼吸器疾患においては,これら病態の背景に自己免疫的要因が成立している.このことは単に急性感染症の遷延化ではなく,慢性感染症特有の病態が病像の進展に強く関与していることなどについて述べた.
  • 大友 弘士
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2274-2279
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    熱帯熱マラリアは悪性マラリアともいわれ発症後迅速に適切な治療を開始しないと重症化し,致命的な転帰をとる危険がある.しかも熱帯各地において近年,病因原虫の薬剤耐性株が出現し,従来に増してその治療を困難にしている.しかし,熱帯熱マラリアは早期診断に基づく適正な治療により容易に治癒させることが可能な疾患であり,それに関連した最近における重症マラリアの病態生理の解釈や治療法の進歩などについて紹介した.
  • 小田 寛, 大野 道也, 大橋 宏重
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2309-2310
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は49歳女性.凍傷に対し数年前よりA社製漢方薬の当帰四逆加呉茱萸生姜湯を近医にて投与されていたが, B社製品に変更後まもなく全身倦怠感が出現し約20日間で内服を中止した.その後2カ月で7kgの体重減少をきたし,蛋白尿および糖尿を指摘され来院した.臨床上Fanconi症候群を呈し,腎生検では高度の尿細管間質性腎炎の所見を認め,徐々に腎機能が低下した.漢方薬中のアリストロキア酸による,いわゆるChinese herbs nephropathyの1例と考えられた.
  • 比嘉 慎二, 植松 正保, 佐藤 宜正, 藤本 卓司, 金万 和志
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2311-2313
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性.発熱,排尿時痛,悪寒を主訴に入院.基礎疾患に糖尿病があり,左肘関節,両肺,肝,腎,前立腺にわたる広範囲な膿瘍形成を認め,血液,採取した膿のすべてから培養にてKlebsiella pueuntoniae (K. pneumonine)を分離した.インスリン治療,抗生物質投与,排膿ドレナージが奏効し軽快退院した.糖尿病を背景としたK. pneumoniaeによる膿瘍形成の症例は多いが,今回のように多臓器への膿瘍形成は稀と思われたので報告する.
  • 国定 浩一, 西村 誠明, 佐藤 賢, 永瀬 亮, 小野 敬子, 巻幡 清, 依光 聖一, 三宅 晋, 町田 健一, 高橋 功
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2314-2315
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    25歳女性.失神発作にて入院.顔面浮腫状, TSH著明高値,甲状腺ホルモン低値,甲状腺自己抗体陽性から慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症と診断した.同時にTrousseau徴候陽性,低カルシウム血症, PTH低値を認め,特発性副甲状腺機能低下症の合併と診断した.甲状腺剤,ビタミンDおよびカルシウム剤の補充療法にて臨床症状の改善が認められ,失神発作も抗痙攣剤の投与によって,以後発作を認めていない.
  • 金谷 誠司, 徳田 圭亮, 田中 政史, 平野 浩二, 古賀 義則, 今泉 勉, 鈴木 重光, 青柳 成明, 加藤 誠也, 古賀 章正, 鯵 ...
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2316-2318
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は26歳男性.強直性脊椎炎,潰瘍性大腸炎にて近医加療中であったが, 1カ月前より心不全を来たし入院した.心エコー図で,大動脈弁閉鎖不全症および著明な左室拡張と収縮不全を認め,カテコラミンなどの内科的加療を施行したが,心不全コントロールが困難であり,緊急大動脈弁置換術を施行し救命し得た.本症例は,術前の画像診断で上行大動脈の著明な拡張と大動脈壁の肥厚が見られた.大動脈の組織所見では,中膜,内膜の線維化,炎症細胞の浸潤,弾性線維の崩壊などを認め,大動脈弁閉鎖不全の原因として,強直性脊椎炎に合併した大動脈炎が考えられた.
  • 阪本 勝彦, 上田 季穂, 川端 徹, 原田 夏樹, 紀田 康雄, 丹生 智史, 古家 大祐, 羽田 勝計, 吉川 隆一
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2319-2321
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は61歳,女性.左下肢の腫脹のため入院となった.低補体,各種自己抗体陽性と共に, MRI上左内及び外腸骨動静脈周囲に軟部組織の増生と,静脈造影で側副血行路の発達を伴った左外腸骨静脈の狭窄を認めた.後腹膜線維症により左外腸骨静脈が圧迫され,左下肢の腫脹を来したものと思われた.唾液腺生検上腺房構造の消失を認め, Sjögren症候群の合併を認めた.自己免疫疾患に伴う後腹膜線維症を経験したので文献的考察を加え報告する.
  • 成澤 邦明
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2322-2328
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本稿では主として単一遺伝子病の遺伝了診断について述べた.しかし,多くの一般的な疾患にも遺伝子異常が関与していることが次第に明らかにされていることから,日常診療にあたる臨床医も遺伝子に関する十分な知識が必要になりつつある.
    遺伝子診断は保因者診断,出生前診断,発症前診断および発症後の確定診断と種々の目的に使われ,発症の予防,適切な治療へ道を拓く新たな武器として期待される.しかし,一方ではこれまでの検査と異なり,得られた異常結果がただちに疾病の診断や予知に繋がるという極めて重大な意義を持っている.従って,治療法のない難治性疾患を発症前に診断したり,出生前診断をするにあたっては検査前・後のカウンセリング体制を整えたり,本人や家族や親類が不利益を被ることのないように特別な配慮が必要となる.
  • 多田 正大
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2329-2334
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    表面型(II型)腫瘍,特に表面陥凹型早期大腸癌が注目されている.表面陥凹型腫瘍(IIc型, IIc+IIa型など)は癌であれば小さいうちから深部浸潤をきたす危険性が高く,臨床上の取り扱いが問題になる.自験例では大腸腫瘍のうちで表面型腫瘍は10.3%を占めるが,その過半数は表面隆起型(IIa型, IIa+IIc型)であり,表面平坦型(IIb型)は0.2%,表面陥凹型(IIc型, IIc+IIa型)は4.7%にすぎず,表面陥凹型腫瘍はまれである.しかし担癌率をみると表面隆起型は7.0~7.6%であるが,表面平坦型は100%,表面陥凹型は57.1~83.3%であり極めて高い.表面型陥凹型腫瘍の見つけ出し診断は難しいが,僅かな凹凸の変化,淡い発赤や褐色などの色調変化を捉えることが大切である.陥凹面の形が面状を呈する場合には癌であることが多い. Pit patternも良悪性の鑑別の指標として有効であるが,これらの所見は電子内視鏡の画像解析によって簡単に識別できる.大腸癌の組織発生をめぐって, de novo癌とされている陥凹型早期癌は重要な位置づけを占めるが,定義,病理診断基準などで未だ統一されていないことが課題である.
  • 堀江 重郎
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2335-2342
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    常染色体優性遺伝嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease: ADPKD)は,約1000~2000人に1人に発症する,遺伝性腎疾患の中で最も頻度が高い疾患であり,疾患遺伝子PKD1, PKD2がクローニングされている. PKD1遺伝子産物であるPolycystinlは,細胞接着,細胞間相互作用に関わると予想されるモチーフを持ち, Cキナーゼを介して,細胞外基質などの遺伝子の発現を調節していると考えられる.また, Polycystin1と, PKD2遺伝子産物Polycystin2が協調して機能している可能性がある. ADPKDが極めて頻度の高い遺伝性疾患であるのはなぜか,その原因は未だ明かではないがゲノム構造からの解析も進みつつある.
  • 鈴木 洋通
    1998 年 87 巻 11 号 p. 2343-2348
    発行日: 1998/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    造影剤による腎障害は現在病院で発症する急性腎不全の最も多い原因のひとつにあげられている.近年従来のイオン性造影剤にかわり浸透圧の低い非イオン性の造影剤が開発され,腎機能が正常や糖尿病を有しない場合には腎障害がおこりにくくなった.しかし,腎機能が低下している,あるいは糖尿病を合併している患者では腎障害の発症は依然減少していない.さらに,糖尿病性腎症では非イオン性造影剤といえども高率に腎障害を起こすことが報告されている.非イオン性造影剤で何故腎障害が発症するかについてはまだ決定的な証拠は見つかっていない.血行動態を介してあるいは尿細管への直接障害によるとされている.すなわち,造影剤は腎血流量を低下させ,その結果糸球体濾過量を減少させる.一方,尿細管への直接障害ではカルシウムが関与しているとされている.この造影剤による腎障害をいかに阻止するかについてはいくつかの試みがなされているがその中でもカルシウム拮抗薬やアデノシン受容体拮抗薬を前投与すると腎障害を予防できる可能性が報告されている.
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