日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
88 巻 , 12 号
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
  • 高野 照夫
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2309-2311
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 酒井 泰彦, 戸梶 泰伸, 弘田 雄三
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2312-2318
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    救急治療における不整脈の取り扱いについて概説する.不整脈救急では,患者の状態・心電図等から適切な診断と処置を行うと同時に,基礎疾患の検索と治療,不整脈増悪因子の除去を並行して行わねばならない.治療に際しては,各薬剤の作用機序はもとより,抗不整脈薬の陰性変力作用や催不整脈作用を常に考慮し,その症例に最適な薬剤や治療法を選択できるよう,普段から最低限の知識を修得しておく必要がある.
  • 西山 信一郎
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2319-2324
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    粥腫の崩壊と血栓形成という共通の病態に基づく急性冠症候群ではあるが,不安定狭心症,急性心筋梗塞では急性期の治療方針が異なる.不安定狭心症では心筋梗塞への移行を避けるべく重症度の評価を行い,抗血小板薬,ヘパリン,抗狭心症薬による薬物治療を優先し,ハイリスク症例にはインターベンションを行う.これに対し急性心筋梗塞には可及的速やかな再灌流療法(血栓溶解療法ないしprimary PTCA)が予後の改善に必須である.
  • 森田 大
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2325-2330
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心不全症例への対応は重症度の評価と原因の把握から始まる.初期重症度の判断にはKillip分類,胸部X線検査,動脈血Base excess (BE)が有用である.原因疾患を確定し根治的治療を行うまで,循環不全の是正と血行動態の安定化に努める.安静保持,酸素投与,水分や塩分制限のもとに,利尿薬,塩酸モルヒネ,血管拡張薬の投与が基本であり,重症例にはForrester分類に基づいてカテコ一ルアミン,シスピレータ,補助循環装置,体外式限外濾過などの追加使用が必要となる.
  • 高橋 克敏, 藤田 敏郎
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2331-2335
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧クリーゼの鑑別診断と降圧療法について自験例を含めて概説した.重症高血圧と高血圧クリーゼを鑑別するには眼底検査を含めた丁寧な初期評価が必須である.また高血圧クリーゼの適切な管理には,原因疾患に応じた管理方針の違いを十分に理解することが必要である.たとえば,純粋な脳硬塞では220/130mmHg以下では降圧療法を控えるが,高血圧性脳症では積極的に降圧療法を行う.この時,高血圧標的臓器の血流自動調節能の観点からの最大安全降圧度は平均動脈血圧の20~25%程度で,この範囲内で臓器虚血を生じさせない降圧療法を行う.なお,高血圧クリーゼや重症高血圧における安易な速効性ニフェジピン使用は厳に慎まねばならない.
  • 永井 厚志
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2336-2341
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息は,好酸球やTリンパ球が介在した気道の慢性炎症により特異的な病態がもたらされるとみなされている.喘息の対処には,急性発作時の治療と日常の維持管理がある.日常の維持管理には抗炎症薬であるステロイドの吸入が有効である.急性増悪時の発作には重症度に応じて,使用される薬剤の種類や用量を調節するが,通常はβ2刺激薬,テオフィリン製剤などの気管支拡張薬の使用とともにステロイドの全身的投与が行われる.重篤発作時には,換気を保つために挿管し機械呼吸を余儀なくされる場合が多い.
  • 相馬 一亥, 林 宗博, 青山 直善
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2342-2347
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺血栓・塞栓症は救急疾患の一つであり,軽症から重症に至るまで多彩である.近年本邦でも増加傾向にあるが,原因として本疾患に対する認識の高さ,診断技術の進歩,生活様式の変化などが指摘されている.診断は本疾患を常に鑑別診断の一つとして捉え,危険因子が存在する場合には積極的な診断アプローチを行わなければならない.なぜなら来治療であればその死亡率は30~38%といわれ,さらに急性期死亡は発症から24時間以内,多くは1時間以内であり,加えて多くは予防可能だからである.診断では心臓超音波検査,胸部造影CT検査の普及があげられる.治療は抗凝固療法が中心であるが,重症例では血栓溶解療法,外科療法があげられるが,最近では経皮的心肺補助(PCPS)による救命例の報告が増加している.
  • 櫻井 幸弘
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2348-2354
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    上部消化管出血に対する診断と治療はビデオ内視鏡の使用により多人数で,安全確実に診断が可能になった.また各種止血方法の進歩と工夫により,従来に比較し,確実に止血操作が行えるようになり,出血に対して緊急手術を行う機会は激減した.また出血の病態整理も進歩し,従来まれであった出血源が明らかにされ,その治療法も進歩している.出血方法として新たにシアノアクリルやアルゴンプラズマ凝固法が登場した.
  • 山浦 高裕, 六波羅 明紀, 清澤 研道
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2355-2360
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肝不全の成因は様々で内科的治療のみの成績は満足できる結果ではない.急性肝不全に対し病態,成因を考慮し,全身管理・合併症対策を行い,内科的特殊療法を施すことが第一であるが,近年肝移植による治療成績の改善が認められており,肝移植の検討も同時に行う必要がある。しかし,内科的治療により救命し得る症例もあり,肝移植までの橋渡しを行うといった面でも,その重要性は何ら変わるものではない.本稿では急性肝不全の治療の現状と問題点を中心に述べる.
  • 久保田 佳嗣
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2361-2366
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性膵炎の軽症例は保存的治療で軽快するが,重症例では集中治療室管理を必要とし死亡率も高い.膵炎の重症化は,その機序として局所炎症により惹起された全身性炎症反応による遠隔臓器の障害が重要であり,広範な膵壊死や続発する感染(感染性膵壊死)が主要な局所因子である.診療においては,膵局所炎症の程度,全身性炎症反応の強さや多臓器不全の徴候を経時的に観察し重症化に対処することが重要である.
  • 石橋 大海
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2367-2371
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝性昏睡は,劇症肝炎などの急性肝不全でみられる急性型と肝硬変あるいは門脈-大循環短絡でみられる慢性型に分けられる.急性型と慢性型は治療方針が異なるので,区別して対処する.急性型では急性肝不全を改善することが肝性昏睡の治療になる.慢性型の治療原則は, (1)誘因の除去, (2)食事蛋白の制限, (3)腸管の清浄化, (4)特殊アミノ酸製剤の投与が基本である.近年は肝移植が肝不全治療の選択のひとつに加えられるようになった.
  • 小林 祥泰
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2372-2379
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害は心筋梗塞と同じくBrain attackとしての認識が重要である.心臓に比して脳は虚血に弱く発症から治療までの許容時間が極めて短い.初めは軽症に見えても進行する可能性が強く,脳血管障害を疑ったら直ちに専門病院に移送する必要がある.本章では比較的軽症例における救急診断のポイントおよび専門的治療を中心に述べる.
  • 庄司 進一
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2380-2382
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症の患者が急に筋力低下が増強し呼吸困難を訴えることを,クリーゼと呼び,救急処置が必要である.呼吸を確保し,テンシロン・テストで明らかな筋力低下に効果があれば,抗コリンエステラーゼ薬の増量を,明らかな効果が認められない場合や重症でテストを行えない場合は,抗コリンエステラーゼ薬を切る.原則に従って,テンシロン・テストを繰り返し抗コリンエステラーゼ薬の適量を決める.
  • 吉岡 成人
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2383-2387
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病性昏睡は,直接生命に関わる糖尿病の急性合併症として,適切でかつ迅速な治療が望まれる.日常臨床の場にあっては,意識障害の患者を診たら常に血糖値の異常の有無を念頭に置くことが何よりも重要である.低血糖を疑った場合は,簡易血糖測定器により即座に血糖値を確認するとともに,すみやかにブドウ糖を経静脈的に投与する.高血糖による昏睡(ケトアシードシス,非ケトン性高浸透圧昏睡)では,十分な輸液と適切なインスリンの投与が必要となる.
  • 北島 孝一, 花房 俊昭
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2388-2393
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患で救急治療の対象となるのは甲状腺クリーゼと粘液水腫クリーゼである.両者はそれぞれ甲状腺機能亢進症および低下症の兩極端の表現型であり,全身の代償不全を合併しており致命率が高い.まれな病態ではあるが,意識障害の患者を診る際常に鑑別診断に含めておくことが必要.治療にはまず呼吸,循環その他の適切な全身管理の下においた上で,甲状腺機能の補正を行うとともに,誘因となる基礎疾患に対する治療も行う.
  • 今井 裕一
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2394-2399
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性腎不全では初期治療により腎不全を脱する可能性が高いことから適切な対応が望まれる.病歴聴取, BUN/クレアチエン比,腎臓の大きさ,血中・尿中電解質,クレアチニン,浸透圧の測定を至急検討することで腎前性,腎性,腎後性の鑑別が可能である.生命予後にとって重要な点は,肺水腫・呼吸不全と高カリウム血症である.状況を判断し透析療法を適切に開始することが望まれる.主に腎性急性腎不全をきたす代表的疾患について概説した.
  • 御手洗 哲也
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2400-2406
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    カリウム(K)は細胞膜電位の維持に関与するため筋肉の収縮・弛緩に関係し, Kの異常では神経,筋症状と心電図異常が問題となるが,重篤な心電図異常を呈する高K血症や低K血症では緊急の対処が必要である.一方,ナトリウム(Na)は血清浸透圧を規定する主要な電解質で, Naの異常では浸透圧の変化に対応して中枢神経細胞の容量調節機序が変化しており,特に低Na血症の急速な補正は橋中心性髄鞘壊死を引き起こすので注意が必要である.
  • 岡嶋 研二
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2407-2413
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態は,基礎病態の種類に応じて多様であり,そのため, DICの緊急性や重症度も基礎病態毎に様々である. DICの治療は,消費性凝固障害と過剰線溶を抑制し,出血症状を軽減させる治療と,微小血栓形成や血管内皮細胞障害を抑制して,臓器障害を軽減する治療とに分けられるが,いずれも,早期から病態に応じた抗凝固薬剤を用いて治療することが重要である.
  • 山田 治
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2414-2420
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性血小板減少症は,重篤な基礎疾患を背景に持つことが多く,正確な診断と適切な治療が患者の予後を左右する. 6カ月間に外科ICUに入院した症例147例中の52例(35%)に血小板減少症を認め,その死亡率は38%であり,血小板減少症を認めないグループの死亡率20%と比べ,高率であった.また,血小板減少症を起こす病態は, Disseminated intravascular coagulation (DIC),血小板関連IgG (PAIgG)高値,血球貪食症候群(HPS)の頻度が高い.その死亡率は,血小板減少症が補正できれば改善する.
  • 味澤 篤
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2421-2427
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    病棟や救急外来でしばしば遭遇する敗血症は,急速な臨床症状の悪化をたどり患者が死亡することが多い疾患である.敗血症を疑い治療を行うことが重要である.現在では,敗血症はSIRS (systemic inflamatory response syndrome)が感染症に伴って生じた場合と定義されている.治療の基本は,局所感染のコントロール,呼吸循環系のサポート,原因微生物の駆逐およびもともとある基礎疾患のコントロールである.
  • 木村 裕之, 堀 進悟
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2428-2433
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,さまざまな毒物による事件がクローズアップされ,一般市民にもある種の薬物情報が入ってきている.しかし,薬物中毒は同じ薬物が原因であることは少なく,多くの種類の薬物がその原因となりうるのが特徴の一つである.また,拮抗薬も限られているため,ごく一般的な中毒に対する治療や対症治療が主体となる.本稿では,われわれが実際よく経験する薬物中毒を中心に,その対処・治療について解説する.
  • 関本 美穂, 福井 次矢, 畑中 哲生
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2434-2440
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    EBM (Evidence-based Medicine)とは,臨床判断を単なる個人の希望的観測や権威に頼るのではなく,今までに習得してきた知識や技術に文献から得た知識を加え,客観的事実に基づいた医療を行うための,臨床医のツールの一つである.このプロセスで最も重要なステップがエビデンスの質の評価,つまりその内容の妥当性・信頼性の評価である.そのためEBMを行うためには,一人ひとりの医師が論文を批判的に吟味する能力を身につける必要がある.
  • 河本 秀宣, 原 斉, 宮下 孟士, 紙森 隆雄
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2463-2465
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は62歳男性.亜急性に進行する歩行障害,書字困難が出現し入院.両上下肢の協調運動障害を認めた.頭部MRI・髄液所見に異常なし.入院後,肺小細胞癌を発見され,それに伴うPCDと診断した.神経症状は血漿交換療法とステロイドパルス療法で著明に改善し,化学療法と放射線療法による腫瘍の縮小とともに,さらに改善を認めた.肺小細胞癌に合併するPCDは予後不良とされているが,本例は早期治療により良好な成績も収めたので報告する.
  • 湧上 聖, 今村 義典, 平 敏裕, 山崎 富浩, 渡嘉敷 崇, 江頭 有朋, 末永 英文, 前原 愛和, 上地 和美
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2466-2468
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    当院に入院していた経腸栄養患者76人中42人が銅欠乏の状態であった.血清銅値が1~27μg/dlの患者8人に対して,ピュアココア30~45g/日を経腸栄養剤に混注し, 1~2カ月使用した. 8例中2例は嘔吐や下痢のため中断し, 1例は途中で輸血を行った.残りの5例は血清銅が12→101μg/dl,ヘモグロビンが10.9→11.9g/dl,白血球が5380→7600と改善がみられた.ココアが銅欠乏症に有効であることがわかった.
  • 佐野 弘, 北 靖彦, 縄田 泰史, 塚原 佳代, 倉沢 和宏, 高林 克日己, 岩本 逸夫, 齋藤 康
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2469-2470
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,女性. 12年前声門下狭窄で発症後再発を繰り返し,気管切開,気管形成術を施行されていた.喉頭肉芽の再発とともに発熱・関節炎があり,再発性多発性軟骨炎が疑われた. C-ANCAが陽性で,抗体価上昇とともに肺病変・腎病変が出現し,腎生検にてWegener肉芽腫症と診断した.本症例は喉頭病変が長期間先行した後,全身型へ移行した稀な症例と考えられる.
  • 関川 哲明, 岩瀬 さつき, 高原 忍, 伊藤 潔, 山田 順子, 多田 紀夫, 望月 正武
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2471-2473
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は46歳女性.腹部膨満,腰痛を主訴に,他院にて腹部CT上巨大な肝腫瘤を発見された.生検の結果悪性リンパ腫(lymphoplasmacytoid lymphoma)と診断され当院紹介入院.肝右葉を占拠する巨大腫瘤は門脈右枝を完全閉塞し,既に門脈圧亢進症状を呈していた. IgGκ型Mタンパク血症を伴い,免疫組織染色の結果から,腫瘍産生性と考えられた.肝原発リンパ腫としては,きわめて稀な組織型の1例を報告する.
  • 大村 昌夫, 加々見 新一郎, 関 直人, 飯塚 孝, 西川 哲男, 笹野 公伸
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2474-2475
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68歳女性.甲状腺機能低下症で通院中,血圧の上昇を認めたため精査を行ったところ,直径1.5mmのアルドステロン産生腺腫による原発性アルドステロン症と診断された.微小副腎腺腫による原発性アルドステロン症の発症経過を観察しえたまれな症例と考えられた.
  • 関沢 清久
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2476-2479
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳血管障害に伴う夜間の不顕性誤嚥は高齢者肺炎発症の重要な原因の一つであるが,アンジオテンシン変換酵素阻害剤やドーパミン製剤による神経伝達物質の活性化は気道防御反射機能をたかめ高齢者肺炎発症を予防する可能性がある.薬剤による高齢者肺炎予防法の確立が期待される.
  • 荒木 信夫
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2480-2486
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    CADASIL (cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)は,一般に20~40歳で前兆を伴った片頭痛を認めるようになり, 30~50歳台で一過性脳虚血発作や脳梗塞を発症し,徐々に仮性球麻痺や痴呆を呈する常染色体性優性遺伝性の疾患である.病理学的には大脳皮質下の多発性脳梗塞と白質のびまん性病変を生じ,脳血管に特徴的変化を認める.最近,第19染色体19p13のNotch 3遺伝子にミスセンス変異が認められた.一方,片頭痛の中で,前兆として片麻痺を伴う家族性の片頭痛(familial hemiplegic migraine: FHM)においても遺伝子の研究が進み,同様に第19染色体19p13に存在するP/Q-type Ca2+ channel α1A-subunit (CACNA1A)遺伝子にミスセンス変異を認めた.両疾患とも19p13に異常があることが判明したが,遺伝子異常の厳密な場所は異なっていた.しかし,臨床的には両疾患に重なり合う部分がみられるため,今後,遺伝子の面でもその機序解明がなされることを期待したい.
  • 松村 到, 金倉 譲
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2487-2492
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    トロンボポエチン(TPO)は,血小板産生を促進する造血因子としてクローニングされ,数多くのin vitroの研究やノックアウトマウスの結果から, TPOは巨核球系細胞の増殖・分化制御において最も重要な造血因子であることが明らかとなってきた.最近, TPO受容体c-mplは巨核球系細胞のみでなく,造血系を再構築する能力のある多能性造血幹細胞(PHSC)にも発現していることが証明された.また, TPOは単独あるいはIL-3, SCFなどの造血因子と協調してPHSCをPHSCの性格を維持したまま増幅させる能力を有していた.更に, TPOのin vivoへの投与は,抗癌剤などによる骨髄抑制後の血小板数の回復ばかりでなく,貧血や白血球数の回復にも有効であること,末梢血への幹細胞の動員作用も有していることが示された.今後, TPOは血小板増加促進因子としてのみでなく, in vitro, in vivoでの造血幹細胞に対する増殖誘導因子としてもその臨床応用が期待される.
  • 桑名 正隆, 池田 康夫
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2493-2498
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ITPは血小板に対する自己抗体により血小板破壊が亢進し,血小板減少症をきたす自己免疫疾患である.最近の研究成果により,抗血小板自己抗体の産生には血小板膜糖蛋白を認識する自己反応性CD4+T細胞が中心的な役割を果たしていることが明らかにされた.また,血小板膜糖蛋白反応性CD4+T細胞の出現機構や活性化のメカニズムも明らかにされつつある.これらの成績に基づき,抗血小板抗体産生にかかわる免疫機構を人為的に制御することによるITPの新たな治療法の開発も試みられている.
  • 佐々木 毅
    1999 年 88 巻 12 号 p. 2499-2506
    発行日: 1999/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒトパルボウイルスB19 (B19)は,小児の伝染性紅斑(りんご病),成人での急性多発性関節炎,あるいは胎児水腫等を起こす.また,赤芽球障害(Aplastic crisis,赤芽球勞).更には肝障害,急性腎炎,血球貪食症候群発現にも関与しうる.我々は,慢性関節リウマチ(RA)の活動時病変を有する関節滑膜組織において, B19が活性化され,かつB19がTNFα, IL-6らの炎症性サイトカイン産生を惹起することを見出した. B19はRA関節滑膜細胞(SVC)の中でもマクロファージ,芽中心の樹状細胞, T, Bリンパ球に発現し,オートクライン,パラクライン機転で炎症細胞, SVCの活性化と増殖を促すと推定される.この事は自己免疫病(慢性関節リウマチ)発症における免疫系細胞をターゲットとしたB19持続感染の役割を示すものであろう.
feedback
Top