日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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88 巻 , 10 号
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  • 東條 毅
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1887-1889
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 西間木 友衛
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1890-1895
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    混合性結合組織病(MCTD)は全身性エリテマトーデス,全身性強皮症,多発性筋炎の症状が混在する重複症候群の一病型で,血清中に抗U1-RNP抗体陽性が診断に必須である.本疾患の基本的治療薬は副腎皮質ステロイド薬と血管拡張薬で,比較的生命予後の良好な疾患であるが,膠原病の中で最も肺高血圧症を合併しやすい疾患であるので,肺高血圧症に対しては十分注意し経過を追う必要がある.
  • 菅井 進
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1896-1903
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Sjögren症候群は涙腺,唾液腺を標的とする臓器特異的自己免疫疾患であるが,全身性自己免疫疾患としての特徴も有し,少数例に悪性リンパ腫を発症するという興味深い疾患である.腺局所ではTリンパ球の活性化は導管上皮細胞による抗原提示とCD80分子による第2シグナルの刺激を通じて行われ,活性化Tリンパ球によるCD40L-CD40相互作用がBリンパ球の活性化と自己抗体産生に決定的な役割を果たしていると考えられる.リンパ上皮性病変はこのような反応の場であり,唾液腺リンパ腫の発生母地となるのであろう.
  • 広畑 俊成
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1904-1909
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Behçet病は,再発性口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状,外陰部潰瘍,眼病変を4大主症状とする原因不明の炎症性疾患である.本症はHLA-B51との有意な相関が認められるが,その病態形成にあたっては, Tリンパ球の異常反応に基づく好中球機能の亢進が中心的役割を果たすものと考えられる.近年,本症の難治性病態の1つとして,進行性の痴呆を引き起こす慢性進行型の神経Behçetが注目されている.本症は,早期より髄液中IL-6の持続性上昇を示すことから,これにより早期診断を行った上で,メトトレキサートを中心とした治療を行う必要がある.
  • 小林 茂人, 矢野 哲郎, 橋本 博史
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1910-1917
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血管炎症候群は血管の炎症を主な病態とする疾患群である.近年の研究の進展により,一部の責任遺伝子の解明やウイルスの関与が明らかにされ,また侵襲を受ける血管の太さと臨床病態の関係についての理解が進み,血管炎症候群の病態・病型が整理されてきた.各種の抗好中球細胞質抗体(ANCA)は臨床病態との関連から診断マーカーとしての重要性がある.このため, ANCAは早期診断,早期治療による血管炎症候群の予後に大きく貢献すると考えられる.現在,治療はステロイド剤と免疫抑制剤が中心であるが,合併する感染症に対する対策を含め,新たな特異的治療法の開発が期待される.
  • 大曽根 康夫
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1918-1923
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性関節リウマチ(MRA)は血管炎をはじめとする関節外症状を認め,難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う慢性関節リウマチと定義される.診断は厚生省特定疾患調査研究班のMRA改訂診断基準に準ずる.病態は全身の諸臓器を系統的におかす全身動脈炎型(Bevans型)と四肢末端,皮膚,筋肉,末梢神経周囲の小動脈をおかす末梢動脈炎型(Bywaters型)に大別される.治療戦略の基本は血管閉塞による組織の虚血・梗塞の改善で,ステロイド薬,免疫抑制薬, D-ペニシラミン,血漿交換療法,血管拡張剤を用いる.
  • 山田 昭夫
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1924-1928
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Felty症候群は慢性関節リウマチ,脾腫,白血球減少の3主徴を有する疾患であり,顆粒球減少などのため感染症を繰り返し,予後不良な疾患である.また血管炎を伴うことが多く,下腿潰瘍,間質性肺炎などを合併することも多い.治療は多量の副腎皮質ホルモン薬が中心であるが,脾摘の可否について論議のあるところである.
  • 吉田 正
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1929-1936
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    成人発症スティル病(AOSD: Adult onset Still's disease)は,疾患特異的な臨床症状や検査成績を示すことは少なく,不明熱の鑑別など診断は必ずしも容易ではない.関節破壊の進行する症例もあり,多臓器障害や播種性性管内凝固症候群(DIC),血球貧食症候群(HPS)など重篤な合併症を呈する例では予後不良である.ステロイド療法やメトトレキサート療法が奏効する症例があり,早期に適切な治療をすることが重要である.
  • 西海 正彦
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1937-1942
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    線維筋痛症(Fibromyalgia)は長期にわたって全身の筋肉の痛みと特徴的な圧痛点を多数認め,通常の臨床検査では殆ど異常が認められないことから診断されるリウマチ性疾患である,他に疲労感,慢性頭痛,うつ状態,睡眠障害などを認める.病因は不明であるが,素因説,脳神経内分泌系の循環または代謝障害説,精神疾患説,免疫異常説,などがある.治療にはアミトリプチリンなどの三環系抗うつ剤, SSRI剤,入眠剤,などが用いられる.
  • 赤真 秀人
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1943-1948
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    リウマチ性多発筋痛症は,高齢者に好発する全身の強い筋痛とこわばりを主症状とする疾患である.微熱,体重減少や抑うつ症状を呈することもある.筋炎や明らかな関節炎は一般に認められない.通常,赤沈値が著明に亢進し,リウマトイド因子や抗核抗体は陰性である.診断に関しては,まず本疾患を疑うことが何よりも重要である.側頭動脈炎を併発していなければ,低用量のステロイドが奏効するが,長期間の治療を要することも多い.
  • 高林 克日己
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1949-1954
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗リン脂質抗体症候群は抗カルジオリピン抗体あるいはループス抗凝集素によって起こされるさまざまな凝固異常と血栓症である. SLEから独立してひとつの疾患群としてとらえられるようになり,またさまざまな血栓症の原因疾患として見出されるようになった.抗リン脂質抗体による血栓症の成因についてはβ2-glycoprotein Iやプロトロンビン, protein Cなど凝固線溶系全体に関わる複雑なものであり,その研究は未だ発展途上である.しかし早期診断をすることで臨床的には合併症の予防を可能にするとともに,動脈硬化を含めた血栓症の基礎的研究の上でも重要な疾患となっている.
  • 土屋 尚之
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1955-1960
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清反応陰性脊椎関節症は, HLAとの強い関連と微生物感染の関与が明らかなことから,リウマチ性疾患のうち,最も本質的な病態解明の手がかりが与えられている疾患群である.特に強直性脊椎炎,反応性関節炎においてHLA-B27はそれ自体が本質的な関与を有すると考えられるが,その役割としては,病因関連ペプチドの提示, B27に特異的な何らかの機能の存在など,いくつかの可能性が検討されている段階である.一方,反応性関節炎において関節内に微生物抗原あるいはDNA, RNAが局在することが近年明らかにされた.また, HLA-B27以外の遺伝因子の存在も示唆されている.これらの疾患群は他の多くのリウマチ性疾患のモデルになると思われ,特に病因解明が期待される.
  • 原 まさ子
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1961-1964
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    好酸球性筋膜炎は瀰漫性の筋膜炎で末梢血と組織の好酸球増多,四肢の浮腫性硬化,屈曲拘縮を特徴とする.診断には皮膚から筋膜,筋肉を一塊に生検し,筋膜の肥厚と炎症細胞の浸潤を確認する.副腎皮質ステロイドに良く反応し,基本的には予後良好な疾患である.
  • 橋本 博史
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1965-1970
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膠原病の治療に用いられるステロイド薬は糖質コルチコイドに属し,強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有する.近年,その分子生物学的作用機序が明らかにされてきた.膠原病・リウマチ性疾患におけるステロイド療法は原因療法とはなり得ず,病態の寛解導入とその長期維持を目標として用いられるが,使用に際してはその功罪に留意する必要がある.ここでは,ステロイド薬の作用機序,適応,用法・用量,副作用を中心に述べた.
  • 大根田 和美, 鈴木 康夫
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1971-1976
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)はリウマチ性疾患の治療に広く用いられている.その代表的副作用である消化管粘膜障害や腎障害はプロスタグランディン(PG)産生抑制により生じる.そのため,副作用が少なく安全なNSAID製剤として,放出制御やプロドラッグなどのDrug delivery system (DDS)応用製剤や選択的Cyclooxygenase(COX)-2阻害薬が注目されている.
  • 黒坂 大太郎
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1977-1983
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗リウマチ薬は,慢性関節リウマチの治療において中心となる薬であるが,その使用方法に確固たる公式がない.この理由として,この分野の臨床データが少ないことが挙げられる.しかしうまく使用すれば,慢性関節リウマチの自然経過を変え,緩解を導入することのできる薬である.このため,慢性関節リウマチと診断できたら早期から使用すべき薬といわれている.また最近では,活動性の高い症例を中心に抗リウマチ薬問での併用療法も行われている.一方欠点としては,遅効性である, nonresponderがいる,重篤な副作用を持つ,などが挙げられる.このため,使用にあたつては十分な注意が必要である.今後,抗リウマチ薬の使用方法についての臨床データが蓄積され,この分野でエビデンスに基づく治療が行われることが望まれる.
  • 近藤 啓文
    1999 年 88 巻 10 号 p. 1984-1989
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膠原病治療薬としての免疫抑制薬では,シクロホスファミドのパルス療法がループス腎炎の有力な治療法として確立した.同薬はWegener肉芽腫症の第一選択薬である.新しい免疫抑制薬として,シクロスポリンがBehçet病,乾癬,そして慢性関節リウマチ(RA)治療薬として認知されてきている.さらにFK506もRA治療薬として治験が行われている.免疫抑制薬は膠原病治療薬として注目されてきた.
  • 鍵岡 均, 木下 愼, 小賀 徹, 田端 千春, 徳久 英俊, 水谷 哲, 藤田 正憲, 南野 正隆, 松田 康孝, 梁瀬 義章, 佐伯 邦 ...
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2020-2021
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性甲状腺炎の治療中,鼻閉,頭痛, myelopathy(以下MY)が出現. proteinase-3(以下PR-3) ANCA高値と鼻粘膜生検所見よりWegener肉芽腫症(以下WG)と診断. cyclophosphamide(以下CY)とsteroid剤(以下ス剤)で症状改善するもス剤減量で増悪. ST合剤追加でもMYは改善せず, MRI上認めた硬膜外腫瘤の切除でepidural lipomatosis (以下EL)を診断,術後MYは改善した.本例はス剤使用中のWGでMYの増悪をみた場合ELも考慮すべき事を示し,又, WGではまれなMYや慢性甲状腺炎の合併も注目された.
  • 保科 孝行, 栗田 俊夫, 木村 一博, 中谷 尚登, 進藤 彦二, 岩崎 格, 大塚 幸雄, 舘田 一博, 山口 惠三
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2022-2024
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は53歳女性.急性腸炎による敗血症を認め感染性嚢胞を合併したが,抗菌薬及び経皮経肝嚢胞ドレナージにて軽快した.血液培養及びドレナージ内容からAeromonas caviae (A. caviae)が検出された. Aeromonas属細菌は淡水,海水または井戸水などの水系に生息する細菌で,本菌で汚染された水・魚介類の経口摂取によりヒトに下痢症を引き起こす1,2). A. caviaeが感染性肝嚢胞の原因菌として検出されたのは本邦初であり報告した.
  • 南 陽介, 吉田 真子, 岩井 雅則, 廣瀬 由佳, 内藤 和行, 清井 仁
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2025-2026
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は, 49歳男性で,骨痛,タール便,発熱など多彩な症状で発症し,入院時検査所見にて,白血球増多,高LDH・Ca血症が認められた.骨髄生検にて骨髄線維症(MF)と診断されたが,後にPh1染色体, bcr-ablキメリズムが証明された.インターフェロン等の治療は一過性の効果が得られたのみで,短い経過で死亡した.本例は, MFで発症した稀なCML症例と考えられた.
  • 中澤 健一郎, 陣内 研二, 杉尾 斗志子, 高橋 桂一, 西田 義記
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2027-2028
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.一過性の意識消失ののち行動異常,傾眠傾向が徐々に進行した.頭部CT上血管造影効果の遅延,同MRI上右内頸静脈上流部に血栓影を認め脳血管造影静脈相で矢状静脈洞,横静脈洞の欠損像を認めた.意識障害が進行し全身衰弱により死亡した.脳静脈洞血栓症は頭痛や痙攣などで急激に発症することが多いが,側副血行の発達によっては緩徐な経過でも発症しうる.意識障害の鑑別上留意すべきと考え報告した.
  • 北脇 年雄, 前迫 善智, 松山 文男, 上田 恭典, 小西 博
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2029-2031
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は46歳男性.急性リンパ性白血病を発症.骨髄細胞の染色体分析によりKlinefelter症候群に合併したものと診断.通常化学療法により,完全寛解を得,第1寛解期に同胞間同種骨髄移植を施行後,長期に寛解維持中である. Klinefelter症候群と血液悪性疾患の関連には定説がなく,症例の蓄積が必要と思われる.その一例として本症例を報告する.
  • 菅井 進
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2032-2039
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Sjögren症候群は中年女性に発症し,口腔乾燥,眼乾燥を主徴とする唾液腺と涙腺のリンパ球浸潤による臓器特異的自己免疫疾患であるが,約半数で病変が腺外性に拡大して多彩な全身性自己免疫疾患としての特徴を示す.また,約25%に何らかのBリンパ球系の単クロ一ン性病変を,約5%に悪性リンパ腫を発症し,自己免疫疾患とリンパ増殖性病変との橋渡しをする疾患である.単クローン性病変の発症要因としてリウマトイド因子閲連胚遺伝子Vgの高頻度使用, CD40L-CD40分子の相互作用を介するTリンパ球によるBリンパ球の持続釣刺激, bcl-2プロト癌遺伝子の活性化によるBリンパ球寿命の延長, c-myc遺伝子などの遣伝子異常の積み重ねなどがある.これらによってBリンパ球が反応性多クローン性増殖から反応性単クローン性病変, MALTリンパ腫へと進展する.さらに, p53癌抑制遺伝子の変異により自律増殖性の高悪性度リンパ腫へ進展する多段階のステップをとると考えられる.
  • 中村 浩淑
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2040-2046
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    転写制御の分子メカニズムに関する研究が,ここ数年顕著に進展している.転写制御に重要な働きを持つ転写共役因子がいくつか同定され,転写促進および抑制機構,転写制御とクロマチンの構造変化の関連などが解明され始めた.転写調節因子としての核内受容体を見たとき,甲状線ホルモン受容体(TR)はレチノイン酸受容体とともにもっとも典型的な転写因子型受容体であり,その作用機構は多くのbig labによって精力的に研究されている.一方,甲状腺ホルモン不応症から見出されるTR異常は, TRの機能と構造に重要な情報を提供してきた.疾患モデルとして,トランスジェニックマウスやノックアウトマウスの作成と解析も行われている.
  • 羽田 勝計
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2047-2051
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症の早期治療にあたっては,まず微量アルブミン尿の検出に基づく腎症の早期診断が必須である.早期治療法としては,厳格な血糖制御,血圧管理が挙げられる.腎症の発症・進展阻止をめざした血糖コントロール目標としては,現時点ではHbAlc値6.5%未満が妥当と考えられるが,糸球体病変の治療という意味では長期に渡る血糖の正常化が望まれる.このために,新しい経口血糖降下薬・インスリン製剤が期待される.血圧管理に関しては,全身血圧の低下のみならず糸球体高血圧是正が重要であり,アンジオテンシン変換酵素阻害薬が第一選択薬と考えられている.さらに近年,腎症の成因が明らかにされつつあり,成因に基づく新しい治療法の開発が期待されている.
  • 成冨 博章
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2052-2056
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    「脳卒中は一旦罹患したら有効な治療法は殆どない」という考え方が,従来,一般住民のみならず医師の頭脳に刻まれてきたと思われる.このため脳卒中が疑われても意識障害がないかぎり寸秒を争って専門医を受診するケースは稀であった.しかし脳梗塞急性期の治療は最近急速な進歩を遂げつつあり,超早期に治療を開始さえすれば劇的な症状改善が得られることも稀ではなくなってきた.現時点で有効性が証明された治療は組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)による血栓溶解療法だけであるが,脳保護薬療法,軽微低体温療法など今後の有用性が期待される治療法は少なくない.虚血に陥った脳が生命を維持しうる時間は3~6時間程度であるとされている.脳梗塞患者が永年の後遺症に悩むか否かは発症後の数時間以内に治療を開始できるか否かにかかっている.
  • 清水 律子, 山本 雅之
    1999 年 88 巻 10 号 p. 2057-2063
    発行日: 1999/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血液細胞は,造血幹細胞から転写因子ネットワークの制御を受けて分化する.近年,遺伝子解析手法の進歩により,多くの転写因子が血液がん発症に関与していることが明らかとなった.白血病の病因には,転写因子機能の失調が深く関与している.そのメカニズムは, 1)通常ではほとんど発現しない転写因子が,高レベルに発現する遺伝子の調節領域に転座して高発現するようになったもの(量的変化), 2) 2つの異なった遺伝子が転座により再融合し,通常と異なった機能を持つキメラ転写因子を創り出すために発症するもの(質的変化),に大別される.このような病因の正確な理解が,正確な診断法や新しい治療法の開発に必須である.
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