日本内科学会雑誌
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89 巻 , 1 号
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  • 遠藤 光夫
    2000 年 89 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 本郷 道夫, 上野 正道
    2000 年 89 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食道内酸逆流は,下部食道粘膜の消化性炎症による粘膜傷害と胸やけなどの逆流症状を誘発する.食道の粘膜傷害は逆流の程度と相関するが,胸やけ症状は食道粘膜の過敏性に由来するところが大きく,逆流時間の長さとは直接の根関はない.すなわち,食道粘膜傷害と逆流症状とは別の機序によって発現するものである.しかし,その基底にある背景は食道内酸逆流であり,酸性胃内容物逆流防止の治療によって病態が改善・軽快する.
  • 藤本 一眞, 岡本 多代, 岩切 龍一
    2000 年 89 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦での胃・食道逆流症の頻度を内視鏡所見と臨床症状から検討した.内視鏡所見のある胃・食道逆流症の頻度は従来は5%前後と言われていたが,今回の調査では15%前後であった.胸やけは当疾患の最も頻度の高い臨床症状であり,対象者全体の約30%,内視鏡所見のある者の約半分が有していた.本邦の当疾患は高齢者の腰椎後彎症との合併が多いのが特徴である.今後はそれとは別に生活様式の西洋化に伴う胃・食道逆流症の増加する可能性がある.
  • 小林 正文, 岩切 勝彦
    2000 年 89 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃食道逆流の発生機序として, 1)一過性下部食道括約部弛緩, 2)一過性腹圧上昇, 3)低下部食道括約部圧の3機構が一般的に認められている.胃食道逆流は健常者の殆ど全て, GERD患者でも大部分は1)によって起こると考えられている. 2), 3)は健常者では起こらないが, GERD患者では起こる場合がある.胃食道逆流がどのような条件下で起こるか,またどのようにして防止できるかを明らかにすることは臨床上重要である.
  • 高 貴範, 羽生 泰樹, 清田 啓介, 渡邊 雄介, 井口 秀人
    2000 年 89 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃・食道逆流症(GERD)の症候は胸やけを代表とする定型的症候と,耳鼻咽喉科領域の症状,胸痛,呼吸器症状等の非定型的症候に大別される.内視鏡等の検査所見で確定診断に至らなかったり,非定型的症候のみを呈する症例を見落とさないためには詳細な問診と症候全ての把握が必要である.また, GERDにおけるquality of life (QOL)の評価は今後の診療において重要な意義を持つと考えられる.
  • 門馬 久美子, 吉田 操, 榊 信廣
    2000 年 89 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃・食道逆流症(gastroesophageal reflux diseases: GERD)とは,食道内酸逆流により引き起こされる病態すべての総称であり,自覚症状あるいは,他覚所見を有するものである.食道粘膜への過剰な刺激は,食道粘膜の炎症性変化を起こすが,有症状者でも内視鏡有所見者は半数程度であり,自覚症状と粘膜所見の間には乖離がある.内視鏡にて観察される食道炎の大半は,上皮の欠損によるびらん・潰瘍性の変化であり,食道・胃接合部から口側へ,連続的あるいは非連続的に広がり,食道・胃接合部に近い下部食道に最も変化が強い.内視鏡所見を分類するには,ロサンゼルス分類,あるいは,食道疾患研究会の新分類案が使用されている.
  • 黒澤 進, 中村 孝司
    2000 年 89 巻 1 号 p. 36-42
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    24時間食道pHモニタリングは食道内への胃酸逆流(pH)を客観的に測定するGERDの優れた診断法である.主な適応は,内視鏡陰性胃食道逆流症及び非定型GERDの診断,薬剤抵抗性GERDの病態解明,さらに逆流防止手術前後での酸逆流の評価などである.現在, Helicobacter pylori (Hp)が胃十二指腸疾患の病態に大きな役割を担っているが, GERDの病態に対してはpHがHpより重要であり,本法はGERDの診断と治療に欠かせない検査法である.
  • 草野 元康, 河村 修, 三梨 桂子, 森 昌朋
    2000 年 89 巻 1 号 p. 43-52
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒト消化管の収縮運動測定にはinfused catheter法とミニチュア・トランスジューサー法とがある1).長時間の下部食道括約部圧の測定には前者,日常生活下での食道体部運動の測定には後者が用いられ,両者とも食道内pHの同時測定も可能である.食道運動測定はGERDの診断のためには必須のものではないが, GERDの病態生理の解明と個々の患者の病態を理解するうえで食道運動の知識は不可欠である.
  • 山田 哲夫, 滝澤 登一郎
    2000 年 89 巻 1 号 p. 53-61
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃内容物の食道への逆流による病態を広く含む概念として「胃・食道逆流症(GERD)」が盛んに用いられるが,病理診断名としては「逆流性食道炎」が妥当である.逆流性食道炎の病理診断基準は確立されておらず,いくつかの非特異的炎症所見を組み合わせて判断する他はない.逆流の存在が明らかであるにも係わらず食道炎を来さなかった剖検例の検討から,逆流性食道炎の発生には貯留(trap)が不可欠であることを示した.
  • 原澤 茂
    2000 年 89 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    逆流性食道炎は内視鏡的所見が正常であっても,胸やけなどの自覚症状があり,胃・食道逆流症(gastroesophagea1 reflux disease: GERD)を含めて広い意味で理解する必要がある.病態は酸逆流に起因しており,酸の亢進だけではなく,食道と胃の運動機能障害による,ある意味では機能性疾患である.治療は薬物療法が中心ではあるが,患者の日常生活における注意,食事の指導,併用薬の指導など,一般的治療が重要である.
  • 天野 和寿, 木下 芳一
    2000 年 89 巻 1 号 p. 68-73
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    逆流症は軽症例では胃酸逆流は日中の食後に生じていることが多い.ヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)は夜間の酸分泌抑制は強力であるが昼間の酸抑制力が弱いためプロトンポンプ阻害薬(PPI)に比べ逆流症に対する臨床効果が劣る結果となっている.治療方針として自覚症状が強い場合や内視鏡的に食道粘膜障害が明らかな時はPPIを第一選択薬として以後H2ブロッカーや消化管機能改善薬を用いるstep down therapyを行なう.重症例では昼間と同様に夜間にも酸逆流が生じており,さらにPPIを投与していても高率に夜間に酸分泌が回復するという現象(nocturnal gastric acid breakthrough)のため酸逆流が起こり,重症例の治療上問題となっている可能性がある.このようなPPI難治症例に対し,日中のPPI投与に加えて,就寝前にH2ブロッカーを追加すると効果的であることが報告されている.
  • 柏木 秀幸, 青木 照明, 小村 伸朗
    2000 年 89 巻 1 号 p. 74-79
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃・食道逆流症に対する外科治療として,腹腔鏡下噴門形成術は術式の改良とともに,より安全性の高い,治療効果の確実な低侵襲性外科治療となりつつある.その適応は,プロトンポンプ阻害薬の抵抗例や呼吸器合併症を伴う症例であるが,さらに治療を継続する必要のある症例,特に若年者や服薬コンプライアンス不良例に対し適応を有する.すなわち,酸分泌抑制薬による維持療法に代り得る根治的治療法である.
  • 神津 照雄, 吉村 清司, 菱川 悦男, 宮崎 信一, 大沼 ・エドワード・圭, 鈴木 康夫, 中尾 圭太郎
    2000 年 89 巻 1 号 p. 80-84
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦では食道癌の組織型は93%が扁平上皮癌である.一方,欧米では60~70%が腺癌である.この差はどこにあるのか.本邦では従来,食道の円柱上皮化は噴門側からの萎縮の延長と考えられていた.しかし筆者らの経験では逆流性食道炎の陰に隠れ,炎症の中に円柱上皮化がすでに起きており,逆流性食道炎の進行とともにBarrett食道に特徴的な腺組織が上方へ浮き上がり,飛び火が発生するように広がり,面として認識されると考えられた.
  • 星原 芳雄
    2000 年 89 巻 1 号 p. 85-90
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食道裂孔, squamo-columnar junctionおよび縦走血管との位置関係を内視鏡にてprospectiveに検討すると,縦走血管が食道裂孔を越えて胃の円柱上皮下に認められる症例は一例も存在せず,食道胃接合部付近では縦走血管の透見は食道に固有の所見であり,また縦走血管の下端を食道下端と考えるのが妥当と考えられた.従って,縦走血管を指標にすることにより内視鏡的にBarrett上皮の存在を確実に診断することが出来る.
  • 幕内 博康
    2000 年 89 巻 1 号 p. 91-97
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦でも高齢化社会に加えてH. pylori感染率の低下によりGERDの増加およびBarrett食道, Barrett食道癌の増加が予測される. Barrette食道の特種円柱上皮はmalignant potentialを生じやすく,腺癌の発生をみる.そのサーベイランス,精密診断につき述べた.さらに, Barrett食道癌の治療方針の決定,内視鏡治療としてのEMR, PDT, APC,外科的治療として種々の術式,につき解説した.十分な考察を行い,来るべき近い将来に備えたい.
  • 加藤 元嗣, 穂刈 格, 杉山 敏郎, 浅香 正博
    2000 年 89 巻 1 号 p. 98-103
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    H. pyloriが多くの上部消化管疾患と何らかの関連性を持つ一方で,胃・食道逆流症においてはH. pyloriが発症の促進因子というよりは防御的に働いている可能性が指摘されている. H. pylori感染が逆流性食道炎症例やBarrett食道症例に少ないとの疫学報告や, H. pylori除菌後に逆流性食道炎の発症が増加するとの報告がなされている.しかし, H. pylori感染と胃・食道逆流症の関係については,胃・食道逆流症の発生機序への関与を含めてまだ明確にはなってはいない状況である.
  • 久保田 尚志, 鈴木 章孝, 林 重文, 荘司 奈穂子, 岩瀬 理, 田内 哲三, 川西 慶一, 宮澤 啓介, 木村 之彦, 大屋敷 一馬
    2000 年 89 巻 1 号 p. 131-133
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    20歳女性の急性リンパ性白血病.第二寛解期にHLA一致の姉をdonorとして同種骨髄移植を施行,急性移植片対宿主病は認められなかった.移植後day49の骨髄検査にて再発を疑い, day50, 57にdonor leukocyte transfusion (DLT)を施行した. Day77の骨髄検査にてリンパ芽球は認められず, DLTが有効と思われた.
  • 土屋 香代子, 田村 裕昭, 木田 史朗, 立花 康人, 松井 和生, 伊志嶺 篤, 佐々木 豊
    2000 年 89 巻 1 号 p. 134-136
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性.胃癌及び3カ所の大腸癌治療から1年5カ月を経過した時点で,顔面・前胸部・両手指に紅斑ならびに両上下肢筋力低下出現. CPK高値,筋電図にて筋原性変化を認め,皮膚筋炎と診断した.ステロイド投与にて一時軽快したが, 2年後に胃癌, 3年後には皮膚筋炎の再燃と同時に肺小細胞癌を合併した.悪性腫瘍の合併頻度が高いとされる皮膚筋炎をもってしても,本症例のごとく3臓器に計6カ所もの多重癌を認めたとする報告はない.
  • 山里 代利子, 兼島 洋, 新垣 紀子, 屋良 さとみ, 宮良 高維, 比嘉 太, 斎藤 厚, 戸田 隆義
    2000 年 89 巻 1 号 p. 137-138
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,女性. 1984年第一子を出産後に成人型Still病を発症.以後プレドニゾロン20~30mg/日投与されていた. 1997年1月カリニ肺炎で入院. ST合剤投与し症状改善.経過中感染症を繰り返したが治療に反応し軽快していた. 1997年9月突然の痙攣後死亡.剖検の結果全身にAA型アミロイドの沈着を認め,死亡の原因にアミロイドーシスが関与していた可能性が考えられた.
  • 中村 研二, 竹島 史直, 塩澤 健, 古巣 央, 朝長 道生, 磯本 一, 大曲 勝久, 水田 陽平, 村瀬 邦彦, 河野 茂
    2000 年 89 巻 1 号 p. 139-141
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は63歳の男性.中等症の全結腸型の潰瘍性大腸炎でプレドニゾロン(PSL)減量中に再然したため当院へ転院した. PSLを再増量し,経過とともに漸減していたが,臨床的,内視鏡的に中等度の活動性が続いていた.経過中に無顆粒球症を合併したため,その原因と思われたサラゾスルファピリジンを中止し, G-CSF製剤を投与した.顆粒球数はその後速やかに回復し,また,無顆粒球症の発症を契機に潰瘍性大腸炎は寛解状態に入った.
  • 大島 春香, 佐藤 則之, 黒田 久元, 本橋 諭, 加藤 哲也, 熱田 晴彦, 伴場 信之, 笠井 貴久男
    2000 年 89 巻 1 号 p. 142-144
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,女性. 1989年に甲状腺全摘出術を受ける(以後外科にてフォローされていたが甲状腺機能は低下傾向にあった).術18カ月後頃より靴や指輪のサイズの増大等が出現,徐々に悪化. 1997年に初めてGH高値を指摘され当科へ紹介入院となる.入院時先端巨大症顔貌を呈し,ソマトメジンC高値, thyrotropin releasing hormone負荷にてGHの著明な過剰反応を認めた.本例は,甲状腺機能低下が誘因となりGH産生下垂体腺腫が顕性化した興味ある一例と考えられここに報告する.
  • 玉木 長良
    2000 年 89 巻 1 号 p. 145-151
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の放射性医薬品の開発と機器の進歩によって,心臓核医学は大きく進歩を遂げた.心電図同期SPECTによって心筋血流や心機能の同時評価が盛んに試みられている.また血流や機能を越えた情報として, PET製剤やBMIPPを用いた心筋のエネルギー代謝の解析,さらにはMIBGによる心筋交感神経機能の解析なども可能になった.このような新しい観点での心筋性状の把握により,診断能の向上にとどまらず,疾患の重症度や予後推定,さらには治療方針決定や効果判定など患者サイドの治療に密着した情報が得られようとしている.他方米国のメガトライアルなどにより,核医学検査による虚血心筋の有無に基づいた冠動脈造影検査の適用の厳選の重要性も相次いで報告され,核医学検査の重要性が強調されている.今後新しい手法がどの程度臨床の場で活用されるか,さらなる検討が必要であろう.
  • 武田 純
    2000 年 89 巻 1 号 p. 152-156
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病は多因子遺伝であるので発症の遺伝素因を同定することは極めて困難であるが,単因子遺伝による疾患の解析は比較的容易である. maturity-onset diabetes of the young (MODY)は常染色体優性遺伝の2型糖尿病であり,通常学童期に発症する.分子遺伝学的解析により,現在までに5種類の原因遺伝子が同定されている.これらは,解糖系のリン酸化酵素グルコキナーゼや転写因子(HNF-1α, -1β, -4α, IPF1)をコードする.特に,これら一連の転写因子群は機能が関連した調節カスケードに属する.日本人における既知のMODYは全体の約20%で大半は依然未知である.日本人の2型糖尿病の臨床像はMODYのそれと類似するので, HNF-カスケードを探索することは新規MODYを同定するのみならず,多因子遺伝の2型糖尿病の成因解明のために重要である.
  • 深川 光司, 坂田 利家
    2000 年 89 巻 1 号 p. 157-163
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    日本肥満学会ではBMIが25.0kg/m2以上を肥満とする新判定基準を内定し,合併症を伴う肥満や内臓脂肪型肥満ないしは食行動異常を伴う肥満を肥満症として治療の対象にすることを提案した.肥満に伴う合併症はその発症機序によって4群に大別される. I群には,インスリン抵抗性が関与する疾患, II群には,肥満に伴う代謝産物の過剰産生に起因する疾患, III群には肥満による免疫能の低下が原因で発症する合併症, IV群には睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndromeが含まれる.症候性肥満あるいは二次性肥満も肥満症として取り扱われる.レプチンは食欲抑制系のPOMCニューロンを賦活化し,一方で食欲促進系のNPY, AGRP, MCH, orexins, galaninといった神経ペプチドを抑制することで,食欲を抑制性に調節している.レプチンは種々な組織の脱共役蛋白質を賦活化し,消費エネルギーも亢進させる.肥満者では血中のレプチンレベルは非肥満者よりも高く,レプチン抵抗性が肥満の成因のひとつと考えられている.
  • 市田 隆文
    2000 年 89 巻 1 号 p. 164-172
    発行日: 2000/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国において生体肝移植は794例に実施され,そのうち180例が成人間生体肝移植である.成人肝移植の適応疾患の特徴は約半数に原発性胆汁性肝硬変をはじめとする胆汁性肝硬変が占め,さらには家族性アミロイド多発神経症などの代謝疾患も対象とされている.特筆すべきことは急性肝不全に肝移植が施行され,従来の内科的治療法による救命率を大幅に上回る好成績を得ていることである.また,わが国に多く見られるウイルス性肝硬変,肝細胞癌の肝移植は少ないが,一昨年前からその施行例が増加傾向にある.その理由として対象疾患が多いこと,抗ウイルス薬の開発と術後の予防手段が確立しつつあることなどが挙げられる.脳死肝移植と生体肝移植は車の両輪として推進すべき医療であるが,人工肝臓の開発や異種間肝移植の実現も今後望まれる.
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