日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
89 巻 , 10 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 狩野 庄吾
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2043-2045
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小竹 茂, 宇田川 信之, 須田 立雄, 鎌谷 直之
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2046-2053
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    この数年間,骨代謝に関する基礎研究は著しく発展した.これまで理論上の存在であった破骨細胞分化因子(RANKL/ODF),その受容体のRANK,そして,デコイ受容体である破骨細胞形成抑制因子(OPG/OCIF)の遺伝子がクローニングされた.そして, RANKL/ODFは破骨細胞の分化から活性化まで全てを支配することが分子レベルで明らかとなった.また, RANKL-RANKとは独立した炎症性サイトカイン(IL-1, TNFα)による骨吸収機構の詳細も明らかにされた.このように,破骨細胞をめぐる分子機構の解明は急速に進歩しつつある.
  • 塩沢 俊一, 塩沢 和子
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2054-2063
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己免疫疾患は,遺伝素因に環境因子(引き金)が加わって発症する.自己免疫疾患の一つ慢性関節リウマチの遺伝素因について,マイクロサテライトマーカーを用いた家系解析を用いて疾患感受性遺伝子座を第1染色体D1S214/253,第8染色体D8S556, X染色体DXS1232/984の3箇所に同定した.この結果を踏まえて,当該部位に位置する疾患感受性遺伝子として,第一染色体に位置する疾患遺伝子候補として細胞死に関わるFasのファミリーであるDR3遺伝子を,そしてX染色体に位置する疾患遺伝子として低分子量G蛋白に対するGEF活性を有するDblプロトオンコジーンの3'端欠損遺伝子を見出した.すなわち,細胞増殖あるいは細胞死に関わる分子が自己免疫疾患の遺伝素因を形作っていることが見出された.
  • 住田 孝之
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2064-2071
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチの発症機序はまだ完全には解明されていないが,関節炎局所に自己反応性T細胞や自己抗体産生が認められる事から,一部の病態は自己免疫病として理解する事ができる.関節滑膜での自己免疫応答には,抗原特異的免疫応答と抗原非特異的免疫応答とが存在する.前者の主役はT細胞であり,後者は炎症性サイトカインが中心を担っている.抗原特異的および非特異的免疫応答の両者を制御することにより,より特異的な治療戦略が期待できよう.
  • 岡田 保典
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2072-2080
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチ(RA)は慢性増殖性滑膜炎を特徴とする難治性疾患で,関節軟骨と骨を進行性に破壊する. RA滑膜自身は破壊の標的組織とはならず,滑膜炎に由来する多くの因子が関節軟骨と骨破壊に加わる.それらのうちでも,細胞外マトリックス分解酵素は軟骨や骨の細胞外マトリックス成分の分解を通して関節組織破壊に中心的役割を果たすことが明らかになってきた
  • 宮脇 昌二
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2081-2085
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    変形性関節症は日常診療において内科医が接する機会の多い関節疾患である.軟骨変性と骨の増殖性変化や骨硬化を特徴とし,膝,股関節などの大関節と遠位指節間関節が侵されやすく,炎症所見に乏しい.これらの所見は炎症を伴い,骨萎縮とびらんを特徴とし,近位指節間,中手指節,中足趾節関節などの小関節を好発部位とする慢性関節リウマチとは対照的である.発現頻度が高いため,内科領域での理解とケアが不可欠な疾患である.
  • 山中 寿, 鎌谷 直之
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2086-2092
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    痛風の治療法は既に確立しているが,高尿酸血症の治療と関節炎の治療が異なることに注意する必要がある.また,内科医が痛風を診る場合の多くは,高尿酸血症,高血圧や高脂血症などで治療中の患者に関節炎が起きたケースである.確実な診断のためには関節炎所見の取り方に習熟したい.一方,偽痛風は高齢者に圧倒的に多いが,内科医にとっては特に高齢者の熱発原因の鑑別疾患として理解する必要がある.
  • 佐々木 毅
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2093-2098
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細菌やウイルス等の病原性微生物が直接的に関節に感染することにより発現する関節炎を感染性関節炎と称する.しばしば関節の機能障害を残し,予後不良となる場合もあるので,早急に,かつ,適切な対応を必要とする.近年,典型的な感染性関節炎のみならず,反応性関節炎,慢性関節リウマチを始めとするリウマチ性疾患の発現に,微生物が関与することが推定されている.後者を考える上でも,感染性関節炎の理解は必要である.
  • 小林 茂人, 田村 直人, 井上 久
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2099-2104
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    乾癬性関節炎は皮膚乾癬症に伴う関節炎である.強直性脊椎炎は仙腸関節炎,脊椎炎が起こる疾患である.両疾患はseronegative spondyloarthropathyに分類される.前者では指趾関節の破壊,両者に靱帯骨化による脊椎の可動制限が起こり,日常生活に支障を来すことがある.ともに,スルファサラジンが有用な場合がある.患者教育,後者では積極的な理学療法が重要である.皮膚科,眼科など他科との連携が重要である.
  • 岡田 純
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2105-2109
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis)は全身の軟骨を主病変とする多臓器障害性の原因の不明の疾患である.再発性,反復性で重症の障害を残すこともあり,また,血管炎や他の自己免疫疾患を合併する.急速に発症し,発熱,耳介の炎症,眼の種々の炎症や血管炎などに伴う症状が繰り返すため,早期の診断が困難な場合も多い.病因は,抗type 2 collagen抗体が出現し,軟骨組織に抗体,補体沈着がみられることから,自己免疫の関与が推測されている.
  • 福田 孝昭
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2110-2115
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema (RS3PE症候群)は,突然発症ながら予後良好で,リウマトイド因子陰性対称性多発滑膜炎(関節炎)及び手足のpitting edemaを特徴とし, NSAIDsもしくは少量のステロイドが著効を示す一つの症候群として1985年McCartyらが報告した.その疾患としての特徴を紹介した.
  • 名和田 新
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2116-2121
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    グルココルチコイド(GC)の受容体及び共役因子を介した作用機構について最近の進歩を概説し,グルココルチコイドの副作用として,今迄ほとんど看過されて来たグルココルチコイド誘発骨粗鬆症の重大性と,その発症機序,診断と治療法及び予防法の最新の情報を紹介する.
  • 長澤 浩平
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2122-2127
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    無菌性骨壊死のうち,近年,ステロイド性骨壊死の占める割合が増加し,約50%に達している.中でもSLEにおける大腿骨頭壊死が頻度が最も高く,臨床的に重要である.壊死自体はステロイド開始6カ月以内の早期に起り,臨床的に発症するのは約4年後である.発症要因として,疾患自体,及びステロイド大量投与による血液凝固系の異常や,急激な脂質代謝の変化が考えられる.骨壊死の予防策の検討,確立が望まれている.
  • 佐野 統
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2128-2137
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    サイトカインなどの刺激により炎症細胞で強く発現する誘導型シクロオキシゲナーゼ-2を介して産生されるプロスタグランジン(PGs),特にPGE2やPGI2は炎症反応や慢性関節リウマチ(RA)の関節炎に関与している.そのため, COX-2活性のみを阻害する非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は構成型COX-1由来の生体機能維持に関わるPGs阻害による胃潰瘍や腎障害などの副作用のない理想的な抗炎症剤と考えられる.最近,数種類のCOX-2選択的阻害薬がRAや変形性関節症患者に臨床応用され,従来のNSAIDsに比べ抗炎症作用は同等で副作用も有意に少ないと報告されている. COX-2は大腸癌やアルツハイマー病の発症にも関与しているとされ, COX-2選択的阻害薬は米国ではすでに家族性大腸癌にも臨床使用されている.今後, COX-2選択的阻害薬が従来のNSAIDsにかわって主流を占める可能性があることは間違いない.
  • 江口 勝美
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2138-2145
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    メトトレキサートはRAに対して他の抗リウマチ薬と比較して速やかに効果が発現し,有効性も優れており,長期間に亘り投与を継続できることが特徴である.これらの理由から,炎症が激しく,関節破壊が進行することが予想される症例では第一選択薬として積極的に使用される薬剤である.また,本剤は抗リウマチ薬同士の併用療法においても中核となって用いられている.しかし,本剤の副作用の頻度は少なくなく,時に重篤な副作用を来たすことがあるため,使用にあたって副作用の予防,早期発見,早期対策が肝要である.
  • 竹内 勤, 天野 宏一
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2146-2153
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性関節リウマチの薬物療法は,近年目覚ましい進歩を遂げている.中でも炎症性サイトカインを分子標的とした生物学的製剤は,従来の薬剤にない素晴らしい臨床効果を有することが明らかとなった.リウマチ治療体系そのものを大きく変える画期的薬剤として,高い評価を受けている.本稿では,主として炎症性サイトカインTNF-αを阻害する生物学的製剤に焦点をあて,その特徴について概説する.
  • 佐々木 艶子, 岩田 広香, 木下 牧子, 隅谷 護人
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2174-2176
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25歳男性.幼少時より扁桃腺炎を繰り返していた.急性扁桃腺炎にて抗生剤投与されたが改善せず入院.血液培養から嫌気性菌が検出され, CTにより左頸静脈・腕頭静脈の血栓と多発性肺梗塞が確認され, Lemierre症候群と診断した.抗生物質及び抗凝固療法により改善したが,退院直前に広範な肺梗塞を併発,死亡された.本症候群は近年稀な疾患となったが未だ致死率が高く,日常診療において念頭におくべき疾患と思われる.
  • 角道 祐一, 高橋 彰, 宇野 要, 大塚 和令, 北見 昌広, 安田 浩康, 荒川 雅博, 石田 秀一, 佐々木 康彦, 安田 佳奈子, ...
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2177-2179
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳女性. 1990年より糖尿病の治療中のところ, 1999年1月中旬より発熱,悪心,嘔吐が続き,近医にて両側の化膿性膝関節炎を指摘され2月1日当院に来院.受診時,右眼内炎も併発しており,各種培養検査を施行したところ眼脂・硝子体培養,膝関節液培養,血液培養よりSalmonella enteritidis (S. enteritidis)が確認された.本例は全身性のサルモネラ感染症をきたした稀な1例と考えられた.
  • 渡邊 浩之, 柴田 昭
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2180-2182
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性.対麻痺で発症し,その後意識障害,てんかん発作,脳梗塞などが出現し亜急性に進行したintravascular malignant lymphomatosisの1例を報告した.発症約2カ月後に多剤併用化学療法を施行し,一時的な効果を得たが,その後再燃し全経過約6カ月で死亡した.剖検にて全身諸臓器の血管内腔にリンパ球様異型細胞を認め,免疫組織学的にB細胞由来であった.
  • 樗木 隆聡, 富田 知栄, 後藤 達宏, 臼井 丈一, 室 かおり, 山縣 邦弘, 小山 哲夫
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2183-2185
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性.後腹膜線維症による腎後性急性腎不全を繰り返し発症した.治療には副腎皮質ステロイド剤が有効であったが,中止により再発した.外傷の既往や悪性腫瘍の合併はなく,原因となる薬剤の服用歴もなかった.免疫グロブリンの上昇,抗核抗体陽性,副腎皮質ステロイド剤によく反応することから,自己免疫が関与した後腹膜線維症と考えられた.
  • 洞口 淳, 加藤 敦, 谷川 俊了, 柴 信行, 堀口 聡, 杉村 彰彦, 高橋 潤, 金澤 正晴, 白土 邦男
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2186-2188
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例1は77歳女性.胸部圧迫感,呼吸困難を主訴に来院.症例2は63歳女性.労作時の息切れを主訴に来院.両症例とも緊急心臓カテーテル検査を施行し両側肺動脈に造影欠損像を認め肺血栓塞栓症と診断.血栓溶解療法を開始したがショック状態となったためカテーテルを用いて血栓吸引術を施行,短時間でショックから離脱,安定した血行動態が得られた.重症肺血栓塞栓症に対しては血栓吸引療法が極めて有効であると考え報告した.
  • 二川原 健, 須田 俊宏
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2189-2194
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の画像診断の進歩により無症候性の腫瘍性病変を偶然発見する機会が増加した.これをincidentaloma(偶発腫)と呼ぶ.頻度の高さから特に副腎におこる腫瘍を指して言うことが多い.大部分は非機能性の良性腫瘍であるが,機能性腫瘍や悪性腫瘍も稀ならず発見される.このためincidentalomaに遭遇したときには注意深い検査を進める必要がある.機能性腫瘍にはpreclinical Cushing症候群,褐色細胞腫,原発性アルドステロン症等が含まれる. 1996年にはpreclinical Cushing症候群の診断基準が示された.これを中心にincidentalomaの評価法と取り扱いについて論じる.
  • 滝川 一
    2000 年 89 巻 10 号 p. 2195-2200
    発行日: 2000/10/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胆汁酸は効率の良い腸肝循環を行っており,これには肝および回腸末端での能動輸送システムが重要な役割を果たしている.胆汁酸の肝での取り込みは類洞膜に局在するNtcp (Na+/taurocholate cotransporting polypeptidey)とOatp (organic anion transporting polypeptide)ファミリーにより行われ,肝内を輸送された後,主に毛細胆管膜に周在するBsep (bile salt export pump)により胆汁中に排泄される.回腸末端での胆汁酸の吸収はAsbt (apical sdium-dependent bile acid transporter)により行われる. BsepやAbstの遺伝子異常により,進行性肝内胆汁うっ滞や胆汁酸吸収障害が生じる.今後,各種疾患とこれらの胆汁酸トランスポーターとの関連がさらに明らかになっていくものと思われる.
feedback
Top