日本内科学会雑誌
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89 巻 , 12 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 黒川 清
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2407-2409
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 福井 次矢
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2410-2416
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    循環器系の身体診察では視診,触診,聴診がとくに重要であり,静かな診察室で順序立てて行うとよい.身体所見の多くは感度が低く特異度が高いという特徴を有することに留意して,結果を解釈する必要がある.しばしば危険を伴い高価なhigh technology (心エコー,負荷心電図,心筋シンチ,血管造影, CT, MRIなど)が普及した今こそ,それらを効果的に使いこなすためにlow technology (病歴聴取,身体診察,胸部X線写真,心電図)のさらなる向上が求められている.
  • 石橋 大海
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2425-2434
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    消化器症状を訴える患者に対しても,腹部だけではなく全身の系統的な診察を行うことが大切である.まず視診にて全体像を把握し局所所見へと移る.他臓器の疾患による病変が腹部におよぶことも多く,腹部の診察で得られた所見から他系統の疾患の診断が得られることも少なくない.腹部の診察にあたっては視診と触診だけではなく打診・聴診もともに重要であり,すべての感覚を活用する.触診を行う際は軽い触診より始める.
  • 近藤 哲理
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2435-2441
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    身体所見の診断率は一般的な呼吸器疾患で70%程度はあるが,身体所見は日常的な疾患を迅速かつ簡便に推定する技術と考えるべきである.これまでも多くの診察法の解説があるので,本稿では,頸部リンパ節腫脹での亜急性壊死性リンパ節炎, auscultatory percussionの手法,疾患による水泡音の発生時相の相異, COPDにおける身体所見と肺機能の相関などを紹介した.身体所見は地味であるが,臨床医として不可欠な技術である.
  • 橋本 重厚, 渡辺 毅
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2442-2449
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多くの内分泌疾患は,ホルモン動態を反映した顔貌,体型,皮膚などの外見の異常,血圧,脈拍などの循環動態の異當及び内分泌腺の腫大による甲状腺腫や下垂体腺腫による視野狭窄・頭痛などが身体診察にて把握可能である.各ホルモンの産生・作用機構の理解を前提とした注意深い問診と併せた身体診察による所見から特定の内分泌疾患を想起することが早期診断の契機となる.本稿では,内分泌疾患の診断において特に重要な身体診察所見として,顔貌,体型,脂肪の分布と量,皮膚所見,発毛の状態(頭髪,髭,体毛,腋毛・恥毛),外性器などの視診,下垂体腫大に伴う視野の対座法,甲状腺の触診に焦点をあて概説した.さらに,血圧・脈拍(バイタルサイン)の異常においてどのような時に内分泌疾患を想起すべきかにも触れた.
  • 中林 透, 家子 正裕, 小池 隆夫
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2450-2456
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膠原病では各疾患に特徴的な身体診察所見がみられることが多い.膠原病の診断には診断基準や分類基準が活用され,その項目に多くの身体診察所見が取り上げられている.自己抗体検査など検査法の進歩が著しい現在でも,正確な病歴の聴取とともに身体診察の重要性にいささかの変わりはない.本稿では膠原病の診断で特に重要な視診・触診を中心に,身体診察で見いだされる異常所見について概説する.
  • 古川 恵一
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2457-2464
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    発熱のある患者を診て,各種感染症など原疾患を的確に診断するためには,まず患者の病歴と共に理学的所見を注意深く調べることが大切である.発熱患者の脈拍数や熱型や解熱のパターンから原疾患をある程度推定できる場合がある.不明熱の患者の診断のための手がかりとなる重要な理学的所見のチェックポイントについて知っておく必要がある.また発熱と発疹をきたす疾患の鑑別診断や緊急治療を要する敗血症などの患者を理学的所見から診断することも重要である.
  • 鈴木 洋通
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2465-2468
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎臓は身体所見から重要な情報が得られることは他の循環器や消化器疾患と比してそれほど多くない.しかし,触診で腎臓の大きさの見当をつけたり,また痛みの有無を確認することは大切である.さらに,膀胱や前立腺では触診が重要であり,内科医でもそれらをおこなうことを怠ってはいけない.とくに前立腺では触診により単なる前立腺肥大であるかあるいは前立腺癌であるか比較的容易に診断がつけられる.聴診では腎血管性高血圧を見付け出すのに役立つことが多い.最近老年人口の増加に伴い動脈硬化による諸疾患が多くなり,腎血管性高血圧も増加傾向であるのであまりなじみのない腹部の聴診も心がける必要があると思われる.
  • 稲本 俊
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2469-2476
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    乳腺の疾患の身体診察法は,視・触診により病変の情報が直接得られるので,診断の中で大きな位置を占めている.授乳期以外には機能的な障害が問題とならない乳腺は,乳腺症を除けば,悪性腫瘍,特に癌が最も多く,また,臨床的にも最も重要な疾患であるので,その診断が中心となる.腫瘤,乳頭異常分泌,乳頭のビランといった症状や所見を詳細に調べ,それをもとに超音波検査や乳房撮影を加えることで90%以上診断が可能である.
  • 緒方 奈保子, 松村 美代
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2477-2486
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    眼底検査には直像検査法,倒像検査法がある.網膜動脈は,内頸動脈の分枝血管であり,網膜は末梢血管を直接観察できる唯一の場所である.古くから眼底所見は高血圧の病態,動脈硬化の病期分類上,重要視されている.また,糖尿病性網膜症の際には,病期がかなり進行しないと自覚症状があらわれないことが多く,早期の眼底検査が大事である.さらに,乳頭の所見は頭蓋内圧亢進を反映しており,眼底検査から多くの情報を得ることができる.
  • 山口 啓二, 堀 進悟
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2487-2495
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    昏睡は致死的緊急症において出現する場合が多く,診断の遅れが非可逆的脳損傷を増悪させる危険性があるので,救命処置と共に可逆性因子を念頭において迅速に診療を行う必要がある.本稿では,昏睡の分類と各原因の緊急度,昏睡患者の診療に有用な身体所見,神経学的所見および病歴上のポイントを示したうえで,昏睡診療のプロセスを概説した.
  • 長谷山 俊之, 佐藤 顕, 佐藤 明, 松村 賢, 菅原 保, 今井 裕一
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2519-2521
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.約10年前に慢性関節リウマチ(RA)と診断され,近医で丸山ワクチン治療を受けていた.検尿異常のため当院入院となった.腎生検では,半月体形成性腎炎と同時に小動脈周囲にアミロイドの沈着が存在した.上部消化管内視鏡では十二指腸潰瘍が認められ,同部位の生検でもアミロイド沈着を確認した.ミニパルス療法を含むステロイド投与を行ったが,急速に腎機能が悪化し血液透析を必要とし呼吸不全で死亡した.
  • 鎌田 裕二, 石倉 武幸, 五十棲 一男, 小松本 悟, 奈良 昌治
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2522-2524
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は22歳,女性.突然の上腹部痛,背部痛を主訴に来院した.受診時の検査所見にて炎症反応とアミラーゼの高値を呈し,腹部単純X線にて膵に一致した多数の石灰化,腹部CTでは腫瘤様膵腫大・主膵管不整を認めた.慢性膵炎の急性増悪と考えられた.内視鏡的逆行性膵胆管造影検査,腹部血管造影検査を施行し,腫瘤形成性慢性膵炎と診断した.本症例の慢性膵炎の原因として家族歴より遺伝性膵炎が考えられた.
  • 村上 宏, 酒井 謙, 田澤 康明, 中村 光男, 須田 俊宏
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2525-2527
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.易疲労感,全身浮腫,腹部膨満感を主訴に当科入院となった.入院時低蛋白,低アルブミン血症,腹水を認めた.十二指腸生検でリンパ管の拡張を認め, α1-アンチトリプシン腸管漏出クリアランスは高値を呈し, 99mTc-Albシンチグラフィーでは,腸管に集積像を認めた.抗核抗体,抗DNA抗体の高値等を認めたため, SLEを強く疑わせる蛋白漏出性胃腸症と診断し,ステロイド剤投与により著効を得た.
  • 石田 志門, 磯谷 治彦, 古川 恵三, 久原 とみ子
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2528-2530
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は20歳,男性.2歳時にホモシスチン尿症の診断を受けた.労作時呼吸困難で入院.大球性高色素性貧血と,血清Vit B12および葉酸の低下を認め,巨赤芽球性貧血(Megaloblastic Anemia:MA)と診断した.本例は,臨床徴候よりI型ホモシスチン尿症と考えたが,MAを合併した報告はみられない.治療経過より,MAの発現にはVit B12と葉酸の需要の充進が推測された.また,尿中オロット酸の増加を確認し,MAの成因であるDNA合成障害を反映したものと考えた.
  • 今村 秀道, 小林 浩子, 阿部 和道, 引地 拓人, 宮田 昌之, 粕川 禮司, 日下部 崇, 鈴木 利光
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2531-2533
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は67歳,男性. 1999年3月から発熱,失見当識が出現,さらに腎機能障害が進行したため5月当科に入院した. P-ANCA陽性で急速な腎機能の悪化がみられたことから,顕微鏡的多発血管炎(MPA)を疑いステロイドセミパルス,エンドキサンパルス療法および血液透析を施行したが腎機能,意識障害は改善せず,心室細動から呼吸停止に至り永眠した.臨床的にはMPAを疑ったが,剖検で病理組織学的に古典的な結節性多発動脈炎(PN)と診断された.本症例はP-ANCA陽性で急速進行型の腎障害と肺出血をきたす症例の診断上, MPAとともにPNの鑑別が必要である事を示唆する症例と思われた.
  • 中村 重信
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2534-2540
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    アセチルコリン・エステラーゼ(AChE)阻害薬が発売され, 3mg錠および5mg錠を使用して,確かに記憶力の改善認めた例を経験している,しかし,塩酸donepezilの認知機能改善効果は1年程度のものであり,その後は認知機能が低下すると報告されている. AChE阻害薬以外にもアルツハイマー病(AD)患者の症状を改善させる抗精神病薬などがあるが,それらは一時的に,ケアを楽にするが, ADの原因・危険因子に対する予防薬の開発が期待される.
    さらに, AChEやApolipoprotein E (APOE)には遺伝子多型も知られており, AChE活性は血清,髄液,赤血球にて測定可能である.これらを測定することによりAChE阻害薬に対する反応性からAD患者をサブグループに分類することにより,薬剤の副作用を最小限にすることは実地医療においても大切な業務であり,医療経済の面でも重要である.
  • 井上 博
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2541-2546
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心房細動は長い間,複数の旋回路を持つ興奮旋回によると考えられてきたが,心房細動の一部の症例では異所性中枢からの興奮生成によることが明らかになってきた.その興奮生成は左房から肺静脈に入ったところに存在することが多く,この部分のアブレーションによって心房細動が根治できるようになった.アブレーション以外にも非薬物治療の進歩はめざましく,症例に応じたきめの細かい治療が可能となってきている.また心房細動の結果,心房筋の電気生理学的性質に変化(不応期の短縮)が生じ心房細動が起こりやすくなることも,治療方針を立てる際に考慮することが大切である.心房細動の合併症としての血栓塞栓症の予防にはワルファリンによる抗凝固療法の有用性が欧米の大規模試験によって示されているが,治療の目標となるINR値などについてはわが国独自の指標の策定が望まれる.
  • 埜中 征哉
    2000 年 89 巻 12 号 p. 2547-2554
    発行日: 2000/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    筋疾患の中で代表的な疾患は筋ジストロフィーである.その中で最も頻度が高く,重症なのはデュシェンヌ型であり,その原因はジストロフィン遺伝子の変異による細胞膜蛋白ジストロフィンの欠損である.ジストロフィン研究に端を発して多くの未知の筋ジス卜ロフィー(特に肢帯型)の原因が明らかとなっている.その中で特筆すべきは日本人に限られてみられる福山型先天性筋ジストロフィーの遺伝子異常が明らかにされたことである.
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