日本内科学会雑誌
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89 巻 , 7 号
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  • 黒川 清
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1277-1279
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 白石 直樹, 冨田 公夫
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1280-1288
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糸球体は多種の細胞よりなる複雑な構造をしており,それらの細胞の相互作用によりその構造・機能は維持されている.糸球体障害が発生すると, PDGF, IGF-1, TGF-βなどのgrowth factorやサイトカインなどが分泌され,細胞増殖や細胞外基質産生促進が起こる.これは本来は障害治癒過程であるが,そのバランスが崩れた場合には,線維の再吸収や組織の再構築が正しく行われず,最終的に糸球体硬化が引き起こされる.
  • 高光 義博, 中西 健
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1289-1295
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全は不可逆性の腎機能障害により生体の恒常性が維持できなくなった状態をいう.腎のもつ種々の機能が破綻することにより多彩な病態が出現するが,腎の予備力,代償機構による調節のため一律にこれらの病態があらわれるわけではなく,個々の病態により異なる.病期もこのような関点から考えられており,慢性腎不全の診療においては患者の病期や病態を把握し,それに合わせた治療を行うことが必要である.
  • 平山 智也, 羽根田 俊, 菊池 健次郎
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1296-1303
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糸球体高血圧の持続は,腎(糸球体)機能障害を惹起および助長し,全身高血圧の存在と蛋白摂取量の増加は,糸球体高血圧を促進させる.保存期腎不全患者においては,蛋白および食塩摂取制限,血圧コントロール,尿中蛋白排泄量の減少が得られる降圧薬の選択が重要である, ACEI, ATII受容体拮抗薬,輸出細動脈拡張作用あるいは抗酸化作用などを有するCa拮抗薬の有用性が期待され,今後の大規模臨床試験の結果が待たれる.
  • 佐中 孜
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1304-1311
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全では,糸球体硬化,尿細管破壊,間質の線維化,血管壁肥厚などの病変が共通して認められ,これらに寄与する臨床病態として,高血圧,蛋白尿,蛋白関連物質の蓄積,高脂血症,血液凝固亢進などがあげられる.
    進行柳制のための治療目標もこれらの発症予防,悪化阻止にあり,食事療法を基盤にして, ACEI・AT1受容体拮抗薬を中心とした高血圧治療薬,クレアチニンやインドール硫酸を吸着するための経口活性炭,高脂血症治療薬,貧血治療薬,血小板凝集抑制薬・抗凝固薬などを用いた薬物療法が実施される
  • 前田 益孝, 椎貝 達夫
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1312-1316
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎不全に対する食事療法は尿毒症による体液の異常を是正し,腎不全の進行を抑制するための治療法の主体となる.蛋白制限が重要であるが,その前提は充分なカロリー摂取である.水・電解質は身体所見・検査所見によるモニタリングにより,症例個々に応じた指導が必要であり,画一的な指示は好ましくない.適切な食事療法により,腎不全患者の全身状態を良好に保つだけでなく,透析導入を遅らせることも可能である.
  • 四方 賢一, 槙野 博史
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1317-1323
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の糖尿病の増加に伴い,糖尿病性腎症により末期腎不全に至る患者数は増加の一途を辿っている.糖尿病性腎症の治療の基本は,血糖と血圧の厳格な管理と食事療法であり,食事療法の基本は蛋白質制限である.降圧薬としてはACE阻害薬が第一選択となるが,単独では効果が不十分な場合には他の降圧薬を併用する.糖尿病性腎症の経過は5つの病期に分類されるが,それぞれの病期に応じた治療法を適切に選択する必要がある.
  • 前田 憲志
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1324-1330
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国の慢性透析症例数は年々増加し,高齢化の進行,糖尿病・腎硬化症を原疾患とする治療の難しい症例の増加が見られている.一方,生存率に影響する因子が検出され,各指標の至適範囲が求められている.粗死亡率は1990年代に入ると9%台で徐々に上昇していたが,治療法の進歩により1996年より,ほぼ安定している.長期予後の改善のためには, 1回5時間以上で高分子物質の除去に優れた透析療法と運動による体力増強が大切である.
  • 川口 良人, 久保 仁, 中山 昌明, 細谷 龍男
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1331-1336
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    透析導入は末期腎不全患者の生命維持のためには避けることが出来ない現実であるとしても,その後の社会生活の変更,生活プランの変更を強いられるものであり,また家族にとっても大きな負担となる.故に“透析導入”という医療上の言葉は,患者にとっては単に医療のみにとどまるものではない.
    (1)末期腎不全であるという証拠を明らかにし,患者の状態を腎機能不全を示す様々な指標から説明が出来ること, (2)何故,透析が必要であるのか,透析を受ける結果どのような身体的改善が得られるのか,また透析に伴う合併症・併発症を説明できること, (3)透析導入後の日常生活について具体的な助言が出来ることの3点が透析導入に携わる医師の備えるべき基本的な能力である.
  • 斎藤 明
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1337-1342
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    在宅血液透析を進めるには,先ず準備段階として希望する患者と介助者に適性があるか,また,患者宅のスペースに問題がないかを確認する.教育・訓練には約4週間をかけ,在宅治療に十分なレベルに達したかを確認する.家庭における治療を支援する体制を,緊急時対応も含めて作り,日常の連絡を密にする.簡便で安全な透析機器が開発されつつあり,患者と介助者の負担軽減と安全の確保,そして高効率の在宅透析が可能となってきている.
  • 今田 聰雄
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1343-1348
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    透析者の死亡原因は導入期1年以内でも, 10年以上の長期であっても心不全が第1位である.これに心筋梗塞を加えると透析者の3人に1人は循環器系疾患によって死亡している.繰り返し施行されている透析療法でも動脈硬化の促進因子は除去できない.透析者に特有な動脈硬化はないが,動脈硬化を基盤として発症する虚血性心疾患,不整脈,および心不全には透析療法に特有なものもある.その特徴と治療現場の診断と治療をまとめた.
  • 原田 孝司, 宮崎 義継, 宮崎 正信, 大園 恵幸, 河野 茂
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1349-1357
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    透析患者は種々免疫調節機構の異常が存在するために,易感染性および発癌頻度が高い病態を有していると考えられる.透析患者の死亡原因の中で感染症の占める位置は現在第2位となっており,透析患者の高齢化および糖尿病性腎症由来の透析患者の増加により,今後ますます重要な合併症になると考えられる.特に院内感染としての結核症, MRSA感染症および血液媒介ウイルス感染症などに対する対策を確立しておくことが望まれる.透析患者に高い頻度で合供する悪性腫瘍は多発性のう胞腎に発生する腎細胞癌,消化器癌および肝癌などがあり,長期透析患者の予後に今後大いに関わってくると考えられる.
  • 鈴木 正司
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1358-1365
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    保存期腎不全時より始まる骨病変は「古典的」ROD(腎性骨異栄養症)であり,その病因は透析患者にも見られるCa・P・骨代謝異常に共通するが,透析患者では新たな病因が加わり「透析性」RODとも呼ぶ疾患群を形成している.
  • 秋澤 忠男, 椎崎 和弘
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1366-1371
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    透析患者の最大の血液学的問題点である腎性貧血に対しては,その特効薬であるrHuEPOが広く用いられ,貧血改善のみならず,多岐の腎不全患者合併症に効果をもたらしてきた.しかし,患者予後や社会復帰, QOLのさらなる向上には,現在より1ランク高い33~36%のHt維持が必要と考えられ,これを達成するrHuEPOの効果的な投与法,鉄剤などの併用療法がrHuEPO療法のガイドラインとして提唱されつつある.
  • 下条 文武, 高橋 直生
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1372-1378
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    長期透析治療をうけている患者に発症するアミロイドーシスは,透析アミロイドーシスと呼ばれ,その前駆蛋白は従来の透析膜では除去され難いβ2-ミクログロブリン(β2-m)である.本症の発症要因として,透析導入年齢が高いこと,透析期間が長いこと,生体適合性の低い透析膜あるいは純度の低い透析液を使用した場合,患者がアポリポ蛋白遺伝子E4を有する,などが明らかにされてきた.
    本症は,骨・関節障害を主病変とするため, QOLの低下をまねく深刻な透析合併症である.本症の予防・発症遅延対策として高性能膜透析器やβ2-m吸着カラムが臨床に導入され,ある程度の効果をみている.しかし発症後の治療では限界があり,根本的な治療と考えられる腎移植を推進する必要がある.
  • 秋葉 隆
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1379-1384
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性透析療法を受けている60歳以上の患者は全体の38.8%に達した.この増加は,人口の高齢化,腎不全進行予防,透析医療内容の進歩の成果である.高齢透析患者は,合併症が多彩でその重症度も重いことが多い.この患者群を目標とした透析法の開発や,長期合併症予防治療薬の開発などの医学的対策と,通院介護,食事サポート, advanced directiveなど社会的対策との両者が進むことが,高齢透析患者の予後の改善を改善し,患者と家族の医療への期待に応えるために肝要である.
  • 川嶋 朗, 湯村 和子, 二瓶 宏
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1385-1391
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病透析患者の増加が続いているが,そのQOLや予後は決してよいとは言えない.糖尿病透析患者では自己管理や動脈硬化などに基づく合併症など非糖尿病透析患者より複雑な問題が数多く存在する.その問題点,そしてそれに対する対策は糖尿病透析患者のQOLを含めた予後を大きく左右する.糖尿病透析患者の問題点と対策について概説する.
  • 酒井 謙, 長谷川 昭
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1392-1397
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎不全のプライマリーケアのゴールである腎移植の課題はいかに長期に移植腎機能を保持するかにある.昨今の優れた免疫抑制薬の開発により急性拒絶反応の診断治療はほぼ克服された.その一方で慢性拒絶反応による移植腎喪失は全く改善していない.この急性拒絶反応と慢性拒絶反応との間に潜行するsubclinical rejectionの存在がプロトコールバイオプシーの集積により明らかになりつつある.また免疫抑制薬の持つもう一つの側面,すなわち高血圧,高脂血症,感染症,悪性腫瘍等は長期生着,生存に関するリスクファクターとして重要な課題である.
  • 朝日 寿実, 太田 正之, 奥田 洽爾, 服部 邦之, 岡田 英吉
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1424-1426
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は78歳,男性.除草剤と殺虫剤を散布した翌日より発熱,四肢の紫斑を伴った浸潤性紅斑が出現し入院した.皮膚生検により真皮上層から中・下層の小血管のフィブリノイド壊死と白血球破砕性血管炎の所見が得られ,発症様式および臨床所見より過敏性血管炎と診断した.原因薬剤として,今回散布したグリホサートイソプロピルアミン塩を含有するアミノ酸系除草剤が考えられた.同除草剤による過敏性血管炎の報告はなく,貴重な症例と考えられた.
  • 船曳 康子, 佐藤 秀樹, 吉波 尚美, 高顯 純平, 小笠原 宏行, 新谷 弘幸, 金 龍起, 勝馬 芳徳
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1427-1429
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,男性.肝膿瘍で入院加療中,溶血所見,意識障害,破砕赤血球等を認め,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と診断.同時にLiddle症候群様の電解質異常も認め,血漿交換及びトリアムテレン投与を行った.経過中一度同病態を繰り返したが, 2カ月かけて上記状態より脱することができた.本例では増悪期の血液培養より,溶血環を呈す同じグラム陰性桿菌が2度検出されており,本病態との関連性に関して考察する.
  • 熊倉 俊一, 石倉 浩人, 近藤 正宏, 津村 弘人, 村川 洋子, 山内 康平, 小林 祥泰
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1430-1432
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は, 44歳,女性. 20歳時全身性エリテマトーデスsystemic lupus erythematosus (SLE)を発症.ステロイド薬等にて外来通院加療中であったが,発熱,口腔内潰瘍,多関節痛が出現し,入院.入院時,血小板数2.6×104/μlと血小板減少を認めた.骨髄塗沫標本上巨核球の著しい減少を認め,無巨核球性血小板減少症amegakaryocytic thrombocytopenia (AMT)と診断した.シクロホスファミド・パルス療法が奏効し,血小板数の増加と骨髄巨核球数の回復が認められた.本症例は, SLEの活動性の増悪に伴い発症しており, SLEの免疫異常を背景にしてAMTが発症したものと推察された.
  • 堀江 篤哉, 渡辺 隆, 宮内 義浩, 伊良部 徳次, 吉田 象二
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1433-1434
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性. 1998年7月頃より食欲低下,全身倦怠感が出現し,当院受診.軽度の脱水を認め入院となった.入院後,突然昏睡状態となり,血中アンモニア294ug/dlと高アンモニア血症を認めた.入院時貧血と軽度の腰痛があったことより,骨髄腫を疑い骨髄穿刺を施行し,異型性のある形質細胞の増加とIgG-λ型M蛋白を認め骨髄腫と診断した.原因不明の高アンモニア血症の鑑別として貴重な症例と考えられた.
  • 大平 洋, 堤 明人, 保田 晋助, 堀田 哲也, 竹内 理恵, 笠原 英樹, 三好 義範, 渥美 達也, 市川 健司, 小池 隆夫
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1435-1437
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,男性.眼科にてBehçet病の治療中,高熱をきたし近医入院.その後,意識障害が出現し,脳MRIにて右大脳基底核に腫瘤性病変を認め,髄液所見とあわせ神経Behçet病と診断された.ステロイドパルス療法を開始後当科転科.転科時に腸管穿孔がみられ緊急手術となった.全身管理のもとにステロイドパルス療法を追加し,良好な経過をとった.神経Behçet病にはステロイド大量投与を含む迅速な治療が必要であるが,腸管穿孔の合併にも注意すべきと考えられた.
  • 筏 義人
    2000 年 89 巻 7 号 p. 1438-1444
    発行日: 2000/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膵β細胞の機能異常に対して,現在,インスリン注射を始めとして種々の治療が適用されている.しかし,それらは必ずしも十分ではない.そこで,新しい種々の治療法が開発されつつある.本小文においては,それらの中から,生体材料工学的手法を用いた人工膵臓的アプローチと生物学的手法を用いた遺伝子工学的アプローチについて解説する.前者はさらにグルコースセンサーを用いる機械式人工膵臓とLangerhans島を用いるバイオ人工膵臓とに大別できる.後者の遺伝子工学的アプローチにおいても,さらにβ細胞の機能再生を主目的とした研究と異種移植時の超急性拒絶反応を回避するための遺伝子操作とに細分類することができる.
    これらのアプロ-チにおける現在の動向と間題点に関して紙数の許す範囲でその概要を紹介する.
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