厳格な血糖コントロールは,細小血管合併症の発症,進展を抑制する.しかし,前増殖網膜症,増殖網膜症を有する例に血糖降下療法を開始する場合には, HbAlcが極めて高い場合, HbAlc 8.0%までは速やかに下げても良いが,それ以後は緩徐に血糖を下げて,低血糖を起こさないなどの配慮が要る.長期間放置例や,糖尿病罹病治療歴が不明の初診患者の場合も同様である.また,治療開始前から治療中の眼科医との緊密な連係が必須である.その他,高血圧,高脂血症,喫煙,肥満などのリスクファクターを取り除くこと,などが重要である.
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