日本内科学会雑誌
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90 巻 , 1 号
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  • 藤原 研司
    2001 年 90 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 清澤 研道
    2001 年 90 巻 1 号 p. 4-8
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国ではすでに1,000例を超える生体肝移植が行われ,また脳死肝移植は5例が行われている.この実績のなかから移植の適応については医学的に十分吟味され,かつ社会に開かれたものとなっている.レシピエントの適応決定の基本は生命予後と移植後の予後を正確に予測し,移植のタイミングを決定することにある.生体肝移植のドナーは先ずその意志が自発的かつ強固なものであることの確認,術中・術後の安全が保証されることが絶対である.
  • 貝原 聡, 上本 伸二, 木内 哲也, 江川 裕人, 田中 紘一
    2001 年 90 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    約600例の生体部分肝移植自験例を検討し,現在の状況と今後の問題点についてまとめた.小児については比較的安定した結果が得られるようになったが,なお劇症肝不全の成績の改善が必要である.一方成人では右葉グラフトの採用により移植成績が向上し,それに伴って症例数の増加が著しい.ウイルス性肝硬変は,術後再発に関する対策が整いつつあり,今後症例数の増加が見込まれる.しかし依然血液型不適合移植の問題や,肝臓癌に対する移植の適応などの課題も残されており,各疾患における移植術のタイミングを含め,今後さらなる検討を要すると思われる.
  • 池上 俊彦, 小川 真一郎, 荻野 史朗, 和田 義人, 大野 康成, 千須和 寿直, 浦田 浩一, 中澤 勇一, 橋倉 泰彦, 寺田 克, ...
    2001 年 90 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ドナープールの拡大の為の方策の一つとして考案されたドミノ移植とはある患者に臓器を移植した際,この患者から摘出した臓器を別の人に移植するという方法である.最初の肝臓のドミノ移植は1995年にポルトガルで行われ, 1999年から本邦でも開始された.本稿では著者らの施設で行われた2例のドミノ移植を報告し,さらに対象患者の選択や二次レシピエントのリスクなどの問題点についても検討した.
  • 嶋村 剛, 石川 博人, 深井 原, 古川 博之, 藤堂 省
    2001 年 90 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝移植は末期肝疾患に対する根本的治療として,世界中で年間約8,000例に施行され, 5生率は成人72%,小児80%に達している.世界的に臓器不足が問題となっており,社会的・医学的両面から様々な解決策が試みられている.本邦での脳死肝移植の問題点として,臓器提供意思表示カードの低配布率,提供施設の限定などが上げられる.また,原疾患に対する再発予防手段の進歩からレシピエント選択基準の見直しは必須である.
  • 向坂 彰太郎, 竹山 康章
    2001 年 90 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性硬化性胆管炎の末期患者には肝移植しか根本的治療法がなく,欧米にくらべ脳死肝移植がいまだ一般的ではない我が国では,生体肝移植が治療の重要な選択枝となる.肝移植後に原発性硬化性胆管炎が再発した場合は再移植しかすべがないのが欠点ではあるが,成人における肝移植後の生存率も71%と年々上昇してきている.肝移植の時期としては,血清総ビリルビンが10mg/dlを超え胆道感染が鎮静化した状態が望ましい.
  • 市田 隆文
    2001 年 90 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変に対する肝移植は,その臨床成績から最も予後の良い適応疾患と位置付けられている.しかし,わが国の生体肝移植では予想に反してその成績は思わしくないことが判明した. 8万例以上の経験を有する欧米と1,000例強のわが国の肝移植経験から致し方ないところであるが,多くの死因は術後短期間での感染症や脳血管障害である.術後1年以降はほとんど死亡例をみないことより,基本的には予後良好な疾患群であることに間違いはない.また,生体肝移植例では原疾患の再発を示唆する所見が多く認められ,難治性疾患の病態解明に関連して注目される.
  • 上村 朝輝
    2001 年 90 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    代謝性肝疾患は比較的まれであるが,肝病変が肝硬変にまで進行するWilson病やヘモクロマトーシスなどと,尿素サイクル酵素欠損症などのように代謝異常自体により重篤な病態をきたす疾患とがある.いずれも急性増悪や進行した病期に於いては予後不良な場合も多く,肝移植の適応となり得る.代謝性肝疾患に対する肝移植の成績は良好であるが,本疾患では遺伝性を有する場合が多く,生体肝移植ではドナーのスクリーニングも必要となる.なお,将来的には,遺伝子治療が期待される分野といえる.
  • 山田 剛太郎
    2001 年 90 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    21世紀を迎え,今まで,治療法のなかった末期B型肝硬変患者では肝移植の急速な治療成績の向上に加えて,ラミブジン治療による著しい改善例も報告され,明るい展望が期待されている.本稿では欧米におけるB型肝硬変の肝移植の治療成績の変遷を紹介するとともに,治療成績に一番影響したHBVの再感染の実態と予防方法,さらに今後の問題点としてB型肝硬変の肝移植適応基準や非代償性B型肝硬変の内科的治療について概説した.
  • 横須賀 收
    2001 年 90 巻 1 号 p. 56-62
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    C型肝硬変は肝移植の潜在的な適応症例の多くを占める. C型肝硬変例では大多数の症例で移植後のHCV再感染が起こるにもかかわらず,術後3~5年のC型肝炎の進行は緩やかなものが多く,移植後の5年生存率は良好である.今後,肝硬変への進展など移植後の長期予後が問題となり,進展阻止の治療が必要になる.また脳死肝移植の優先順位と関連して, sC型肝硬変の移植適応時期に関するコンセンサスを得る必要があると思われる.
  • 松波 英寿, 清水 保延
    2001 年 90 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血漿交換等内科的治療法による劇症肝炎の救命率は,急性型42%,亜急性型15%であり,不良である.肝移植の成績は70%をこえる施設が多いため,劇症肝炎の診断がついた症例は積極的に肝移植を考慮すべきである.年齢45歳以上,亜急性型, PTlO%以下, TB18mg/dl以上, DB/TB比0.67以下のうち2項目を満たす症例が肝移植の適応となる.現在の本邦では生体部分肝移植が可能か否かを検討する必要がある.
  • 横山 逸男, 中尾 昭公
    2001 年 90 巻 1 号 p. 71-77
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝癌に対する肝移植は,肝移植の発展当初から積極的に行われた.しかし経験を重ねるうちに進行した肝癌の再発率は極めて高いことが明らかとなった.現在は肝癌の肝移植適応について多くの施設で見直しがされている状況である.したがって施設によって治療のプロトコールは異なり一定していない.また移植にともなう補助療法,集学的治療法の選択も様々である.これは治療の性格上コントロールドスタディがされにくいのが大きな理由であろう.また肝癌の生物学的特性の理解や免疫抑制剤の開発など,今後に残された課題も多く,さらなる症例の蓄積と詳細な分析を行うことによって解決する努力を続けなければならない.
  • 山邉 博彦, 羽賀 博典, 南口 早智子, 本庄 原, 水田 直美, 白瀬 智之
    2001 年 90 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    移植後における移植肝機能障害の原因としては,臓器保存・再灌流障害,吻合手術と関連した合併症,拒絶反応,肝炎,胆管炎,移植後リンパ増殖性疾患,原病の再発などをあげることができる.本稿では,これらの病変の臨床病理学的特徴を述べた.臨床的には,肝機能検査データのみからではこれら根互間の鑑別診断が容易ではなく,肝生検所見が診断確定の“Gold standard”とされる.
  • 加藤 友朗, 門田 守人
    2001 年 90 巻 1 号 p. 84-90
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肝移植後早期には拒絶反応,虚血性肝障害,動脈塞栓,胆管狭窄等さまざまな合併症をみるが,いずれも検査データ上は似通った像をしめす.個々の病態をよく理解した上で適切な診断治療が必要である.また移植後は免疫抑制剤の副作用,免疫抑制療法に関連した独特の感染症や病態などがあり,免疫抑制療法の理解とともにこれらの病態を把握しておくことも重要である.
  • 永森 静志
    2001 年 90 巻 1 号 p. 91-103
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年バイオ人工肝は肝不全患者に対する有力な治療法として注目されている.従来の方法との差異は患者の肝機能を患者以外の肝細胞の機能を使い回復を図る点にある.したがって利用する肝細胞(培養細胞)が十分機能するための装置(バイオリアクター)と患者をつなぐ能率の良い体外循環器を介して行う手段が必要である.ここではおもな肝細胞の種類,バイオリアクター,体外循環装置について述べ,内外での研究と臨床応用の現況を記す.
  • 山本 哲史, 中谷 正, 貴島 和久, 河野 啓子, 森田 哲, 小糸 仁史, 豊 紘, 宮坂 陽子, 中村 誠志, 岩坂 壽二, 植村 芳 ...
    2001 年 90 巻 1 号 p. 123-126
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は頸部リンパ節生検等からMulticentric Castleman's Disease (MCD)と診断された.拡張型心筋症様のびまん性の左室壁運動異常を伴っていたが,ステロイド治療によってリンパ節腫脹の退縮と共に正常化した.ステロイド開始2週間後の心筋生検では有意な所見は得られなかったが,心エコー検査や治療経過からMCDによる可逆性の心病変と考えられた.
  • 合屋 佳世子, 村上 暁子, 小瀬戸 昌博, 立川 豊吏, 藤井 隆, 鈴木 友和
    2001 年 90 巻 1 号 p. 127-129
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,女性.口腔および眼球乾燥感を自覚し, Sjögren症候群と診断された. 5カ月後全身のリンパ節腫脹,皮疹が出現した.抗HTLV-I抗体強陽性所見およびリンパ節生検の結果より,成人T細胞白血病・リンパ腫と診断した. HTLV-IウイルスとSjögren症候群との関連が示唆される症例と考えられた.
  • 國定 浩一, 古元 玲子, 谷本 安, 木浦 勝行, 上岡 博, 片岡 幹男, 原田 実根, 青江 基, 清水 信義, 柴山 卓夫
    2001 年 90 巻 1 号 p. 130-132
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,女性.主訴は乾性咳漱.胸部X線およびcomputed tomographic scanにて多発性〓胞性陰影が認められた.感染症の合併を繰り返すうちに次第に〓胞の増大が認められたため,確定診断のため胸腔鏡下肺生検を施行し肺腺癌と診断された.化学療法を行うも効果なく〓胞の増大に伴う呼吸不全にて死亡した.多発性〓胞性陰影を呈する肺癌症例は極めて稀であり,〓胞形成の機序について考察を加え報告した.
  • 鹿島 励, 根津 雅彦, 中村 孝司, 内丸 薫
    2001 年 90 巻 1 号 p. 133-135
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,男性.繰り返す病的骨折と高度の腰痛から多発性骨髄腫が疑われた.骨髄に形質細胞を45%認めたが,血清,尿中にM蛋白を認めず,骨髄標本の免疫組織化学染色でもκ, λいずれも陰性であった. In situ hybridizationではκのみに陽性で,非分泌・非産生型多発性骨髄腫と診断した.経過上骨髄腫が疑われ, M蛋白が証明できない症例には非分泌・非産生型骨髄腫の可能性を念頭に, in situ hybridizationを施行する必要がある.
  • 芥川 修, 田中 健二郎, 阿部 泰士, 宮島 誠, 大森 正晴
    2001 年 90 巻 1 号 p. 136-138
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25歳,男性.主訴は発熱. CRPは増加し,心雑音を聴取した.心エコー上大動脈弁右冠尖に10mmの疣贅様エコー像を確認し,血液培養よりCampylobacter fetusが検出された.感染性心内膜炎と診断し,感受性のある抗生剤治療を行い血液培養は陰性化した.しかし炎症所見の著明な改善はなく,抗生剤を一時中止し経過観察したところ解熱, CRPも低下し,心エコー上疣贅も器質化を認め,第106病日退院となった.
  • 杉山 幸比古
    2001 年 90 巻 1 号 p. 139-144
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    薬剤の副作用は欧米ではadverse drug reaction (ADR)と呼ばれ, type A (pharmacological)とtype B (idiosyncratic)に分類されている. ADRとしての肺病変はきわめて多彩であり,様々なものが知られているが主要なものは薬剤性肺炎と呼ばれる一群である.本邦における薬剤性肺炎は1980年代までは抗癌剤によるものが主であったが, 1981~1990年では,抗生物質によるものの増加が目立ち,さらに1991年以降では,新しいタイプの薬剤の出現を反映して,漢方薬,インターフェロン,抗リウマチ薬, G-CSFなどの多様な薬剤が原因として注目されてきている.診断としては,薬剤リンパ球刺激試験(DLST)が広く行われているが陽性率は50~60%であり,その解釈についても注意を要する.薬剤性肺障害のみならずADRは放置すれば時に致死的となる一方,早期に気付き薬剤を中止し適当な治療を行えば通常は予後良好であり,従って常にその存在を念頭において診療にあたることが臨床医に求められている.
  • 竹原 和彦
    2001 年 90 巻 1 号 p. 145-150
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    皮膚と内臓硬化の両者を同時に来す代表的な疾患として全身性強皮症を取り上げ,皮膚および内臓諸臓器の線維化の機構について最近の知見について概説した.
    全身性強皮症の発症機構として様々な機序が考えられているが,免疫異常,コラーゲン代謝異常,血管異常,細胞成長因子・サイトカイン異常などが複雑に関与していると考えられている.近年出産歴のある,女性例では胎児由来の血液幹細胞が超“chronic GVHD”を誘導し本症が発症をするとする“microchimerism仮説”が注目されている.また我々は, TGF-βが線維化を誘導し, CTGFが線維化を維持するという二段階線維化を誘導し, CTGFが線維化を維持するという二段階線維化仮説を提唱しており,この説についても詳しく紹介したい.
  • 田中 良哉, 粟津 雄一郎, 河野 公俊
    2001 年 90 巻 1 号 p. 151-158
    発行日: 2001/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多剤耐性遺伝子MDR-1がコードするP-糖蛋白質は,抗癌剤等の細胞障害性薬物投与により細胞膜に発現し,細胞内薬物を細胞外に能動輸送する機能を有する.膠原病・リウマチ性疾患においては,ステロイド薬や免疫抑制薬などの薬物長期連用を内科的治療法の主体とするが,多剤耐性の獲得のために治療に難渋する症例を少なからず経験する.多剤耐性の獲得には様々な機構が存在するが,ステロイド薬長期連用全身性エリテマトーデス患者の末梢血リンパ球では, MDR-1の転写因子YB-1とその産物P-糖蛋白質の発現が増強した結果,薬物の細胞外排出が促進しステロイド薬などに対する抵抗性獲得の原因となり得る.さらに,免疫抑制薬であるシクロスポリンは, P-糖蛋白質と拮抗的に結合してステロイド薬の細胞外排出を抑制し,薬物耐性を克服する可能性を示した.以上,膠原病・リウマチ性疾患患者に於けるステロイド薬を含む多剤耐性獲得とその克服という内科臨床上に於ける疑問点に対して, MDR-1/P-糖蛋白質の観点から最近の考え方を示した.
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