日本内科学会雑誌
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90 巻 , 2 号
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  • 高野 照夫
    2001 年 90 巻 2 号 p. 191-192
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 佐久間 聖仁, 高橋 徹, 北向 修, 白土 邦男
    2001 年 90 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    日本の肺塞栓症患者は増加してきていることが死亡例での解析から明らかであった.臨床診断された症例数は欧米と比べ著しく少ない.死亡の危険予測因子として心原性ショック,長期臥床,悪性腫瘍があった.一般に,欧米と比べアジア,アフリカ諸国の肺塞栓症頻度は低い.その理由として診断能力の差,遺伝的素因,環境因子などがあげられる.
  • 山口 佳寿博
    2001 年 90 巻 2 号 p. 199-206
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺動脈血栓塞栓症は本邦においても徐々に増加傾向にある.病態の本質は深部静脈に形成された血栓による肺動脈の閉塞であり,診断を誤ると多くの患者を致死に至らしめる重篤な疾患である.肺動脈血栓塞栓症には特異的な症状が存在しないが,綿密な問診と確実な理学所見によって診断が可能な疾患である.本項では,肺動脈血栓塞栓症を疑うのに必要な血栓形成の要因,自覚症状ならびに理学所見について詳細に整理した.本疾患は難しい諸検査に頼るのではなく臨床所見を中心に過診断を恐れず積極的に疑い,出来る限り早く診断しなければならない疾患であることを強調しておきたい.
  • 由谷 親夫
    2001 年 90 巻 2 号 p. 207-211
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺動脈血栓塞栓症は肺塞栓症として古くから知られており,臨床的にも突然死を招くことで現在も注目されている.ウロキナーゼやt-PAの開発応用その上外科的にも手術が比較的容易に行えるようになった.非侵襲的に下大静脈フィルター挿入も次第に普及し,致死率も減少している.一方,臨床的には急性肺血栓塞栓症のエピソードがはっきりせず,労作時呼吸困難で来院した時には既に肺高血圧症があり,内科的には極めて治療困難ないわゆる慢性(反復性)肺血栓塞栓症が最近目立ってきた.急性肺血栓塞栓症の病態を中心に国立循環器病センター病理部での成績を中心に概説した.
  • 木内 要, 高野 照夫, 小川 晃生
    2001 年 90 巻 2 号 p. 212-216
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺動脈血栓塞栓症患者ではプロテインCおよびプロテインS欠乏症やループスアンチコアグラントあるいは抗カルジオリピン抗体といった抗リン脂質抗体など止血,血栓,線溶系の異常が認められ,このような凝固亢進状態は急性肺動脈血栓塞栓症の発症としてばかりでなく,その重症度,難治性,再発に関与している可能性があり,治療法を選択する場合にはこれらを考慮する必要がある.
  • 半田 俊之介, 阿部 純久
    2001 年 90 巻 2 号 p. 217-223
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺動脈血栓塞栓症(APTE)は肺動脈の閉塞に伴い血行動態の障害を起こす.血行動態の変化は肺循環,体循環および心機能,冠循環にみられる.肺血管抵抗を増大する要因として,機械的閉塞の他に,内皮,液性および神経因子が知られる.障害の程度はAPTEによる閉塞の程度と既存の心肺疾患の有無による.血行動態の変化は呼吸機能にも影響を及ぼす.臨床的に体血圧の低下の有無が重症度の指標となる.既存の心機能および冠循環の異常の有無が病態を修飾する.
  • 岡野 嘉明
    2001 年 90 巻 2 号 p. 224-232
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    欧米における急性肺動脈血栓塞栓症に対する関心は高いが,本邦では最近まで一般医家における認知度が低い疾患であった.しかし,近年わが国でも本症の増加が指摘され,突然発症し致死的になることも稀でないことから,虚血性心疾患や大動脈疾患とともに迅速な診断と治療を要する疾患として認識が高まりつつある.本症診断のgold standardは肺血流シンチグラムや肺動脈造影であるが,より簡便な検査法から本症診断の手掛かりを得ることは極めて重要である.
  • 岡田 泰昌, 桑名 俊一, 佐藤 徹, 山澤 文裕
    2001 年 90 巻 2 号 p. 233-241
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原因のはっきりしない呼吸困難,胸痛を訴える患者を診た場合,急性肺動脈血栓塞栓症の可能性も念頭に置き,血液ガス分析を行うべきである. PaO2低下あるいはPaCO2低下を認める場合,特に肺胞気・動脈血酸素分圧較差(AaDO2)増大を伴う場合には,急性肺動脈血栓塞栓症の可能性が高いと考えられる. PaO2低下の主たるメカニズムは換気・血流比不均等分布であるが,混合静脈血酸素分庄低下も関与している.
  • 竹田 寛, 村嶋 秀市, 松村 要, 藤岡 博文, 中野 赳
    2001 年 90 巻 2 号 p. 242-248
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺動脈血栓塞栓症の診断は,従来胸部X線写真と肺血流・換気シンチグラムの組み合わせにより行われてきた.確かに核医学検査は,簡便で,息止めの必要もなく,緊急時にも施行でき,臨床的有用性は高い.しかし最近のCTやMRIの進歩は著しく,核医学検査の役割も大きく変化しつつある.本稿では,核医学検査の長所や短所を解説し, CTやMRIの急速に発展した現在,その存在意義は何処にあるのかについて言及する.
  • 栗林 幸夫, 高宮 誠
    2001 年 90 巻 2 号 p. 249-253
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺血栓塞栓症においては,画像診断が診断の確定および重症度の判定に重要な役割を果たす.画像診断法の中で, CT (computed tomography)は肺動脈内血栓の存在部位,大きさ,広がりを的確に描画できる検査法として意義が深い.肺動脈内血栓を高い精度で検出可能であることから,肺血栓塞栓症に対する第一義的な画像診断法として認識されつつある.
  • 田島 廣之, 隈崎 達夫, 高野 照夫
    2001 年 90 巻 2 号 p. 254-257
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺動脈血栓塞栓症に対する確定診断のための肺動脈造影とinterventional radiology (IVR)について概説した.肺動脈造影の安全性は,造影剤やカテーテル等の周辺器材・機器の進歩により明らかに向上している.また,本疾患に対するIVRは,その良好な治療効果から,可能なかぎり試みる価値がある.
  • 山田 典一, 中村 真潮, 中野 赳
    2001 年 90 巻 2 号 p. 258-264
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血栓溶解療法は抗凝固療法と並んで,急性肺血栓塞栓症の治療の中心である.速やかに血栓を溶解することにより,早期の血行動態改善が望めることが知られている.しかしその予後改善効果については未だ定かでなく,出血の合併症の頻度を増加させることより,適応を十分に見極めた上で注意して使用する必要がある.肺血栓塞栓症に対する血栓溶解療法の現時点での適応,投与量,投与方法,臨床成績,合併症などについて解説する.
  • 古井 滋
    2001 年 90 巻 2 号 p. 265-270
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    下大静脈フィルターは血管造影の手技を用いて経皮的に留置する器具であり,下大静脈内を移動する血栓を捕獲する機能をもっている.下大静脈フィルターの留置は下肢の深部静脈血栓症に伴う肺塞栓症の防止に有効な手段であり,重篤な合併症が少ないこと,肺塞栓症による死亡を防げることなどから,適応がある症例では積極的に行うべきであると思われる.
  • 中島 伸之
    2001 年 90 巻 2 号 p. 271-276
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    循環虚脱を伴う急性肺動脈血栓塞栓症に対する治療は,血管内治療を含めて外科治療が第一選択となる.換言すれば,ある限られた少数例に対しては,外科治療が救命の第一手段となるということを理解する.外科治療を遂行するに当たっては,補助的手段として, PCPSに代表される部分体外循環法を応用することにより,心肺負荷を軽減しつつ根治的治療を遂行することが救命率を高めるための必要条件である.
  • 石丸 新
    2001 年 90 巻 2 号 p. 277-281
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    深部静脈血栓症の診断症例数は増加する傾向にある.本症は患肢の腫脹,緊満感あるいは疼痛を主症状とし,ときに二次的動脈攣縮や高度腫脹により動脈血行障害をきたす重症例があり,また肺動脈血栓塞栓症の原因となる.慢性期には,浮腫や倦怠感が持続し,皮膚色素沈着や静脈瘤,鬱血性下腿潰瘍などを併発して治療に難渋する血栓後遺症を呈することがあり,早期診断と初期治療の重要性を認識し,病態に応じて適切に対処すべきである.
  • 国枝 武義
    2001 年 90 巻 2 号 p. 282-288
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦の肺塞栓症に関する知見は,この20年間で飛躍的に増加した.しかしなお,診断の困難性から1次予防は勿論のこと2次予防の遅れが指摘できる.発症2時間以内に死亡する致死性急性肺塞栓症が全肺塞栓症の約8%にみられ,尚且つ1回発症型が多く,基礎疾患としては,片麻痺,手術後,心疾患などがある. 1次予防としては,頻回の体位変換,早期離床のほか,低用量ヘパリン療法,低分子ヘパリン療法,低用量ワーファリン療法ある.抗凝固薬の禁忌例には,主に2次予防として下大静脈フィルター遮断法が用いられる.
  • 松山 裕宇, 鯉江 伸, 菱田 仁
    2001 年 90 巻 2 号 p. 289-295
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺血栓塞栓症(PTE)には,急性発症例,肺高血圧を伴う慢性症例,慢性反復性の急性増悪例が含まれており,これらの鑑別が重要である.最近は,血管内エコー(IVUS)と血管内視鏡(AS)共に保険診療も認められ今後PTEの診断・治療に重要な役割を果たすことが予想される.そこで本稿では, PTEのトピックスとして,急性例を中心としたPTEの代表的症例と慢性反復性症例のIVUSおよびAS所見について若干の知見を含めて述べる.
  • 橋本 尚子, 近藤 文雄, 徳永 尚登, 岸田 雅之, 大塚 文男, 大石 徹也, 山崎 康司, 橋本 洋夫, 吉永 泰彦, 槇野 博史
    2001 年 90 巻 2 号 p. 320-322
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.約20年前に副甲状腺機能低下症と診断されたが以後十分な加療は受けていなかった.約3年前より歩行時のふらつき,すくみ足,手足のしびれ感などの神経症状が出現したため当科へ入院となった.血液検査にて低カルシウム血症と高リン血症を認め,頭部CT検査にて大脳基底核,小脳歯状核に石灰化を認めた.著明な頭蓋内石灰化にもかかわらず活性型ビタミンD3の投与により血中カルシウム濃度が正常化するに従い,多彩な神経症状は改善した.
  • 牧野 茂義, 福田 隆浩, 上田 章
    2001 年 90 巻 2 号 p. 323-325
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は28歳,男性.発熱と全身倦怠感にて発症し,重度の貧血を認め,ヒトパルボウイルスB19 (B19)による赤芽球癆と診断した. B19-IgG抗体の産生により貧血は改善したが, 4カ月後にB19-lgG抗体が消失し貧血が再燃した.輸血とγグロブリン製剤投与にて貧血は改善したが, 2年経過した現在もB19-IgM, IgG抗体とも陽性で軽度の貧血を認めている.健康成人が何らかの理由でB19を排除できず持続感染を起こした稀な症例と考えられた.
  • 服部 剛弘, 橋本 由香子, 松岡 亮, 大塚 泰則, 中山 一郎, 本多 由佳, 矢谷 暁人, 須田 研一郎, 佐々木 順子
    2001 年 90 巻 2 号 p. 326-328
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は27歳,男性.発熱,口渇を主訴とし精査目的にて当院受診.経気管支肺生検での乾酪壊死を伴わない肉芽腫,ぶどう膜炎,血清ACEの上昇を認めサルコイドーシスと診断.同時に高張食塩水負荷試験にて中枢性尿崩症と診断され,頭部MRI上Gd-DTPAにて造影される肥厚した下垂体茎を認めた.ステロイド治療後には上記所見は消失,症状も改善し,中枢神経系サルコイドーシスの診断にGd-DTPA造影MRIは有効と考えられた.
  • 吉田 浩子, 毛利 孝, 黒田 晋, 鈴木 順, 山内 広平, 井上 洋西, 斎藤 立華, 澤井 高志
    2001 年 90 巻 2 号 p. 329-331
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.発熱と胸部異常陰影,低酸素血症を認め,近医より当科紹介となった.検査所見では,抗核抗体陽性,ローズベンガルテスト陽性, Schirmerテスト陽性,乾燥性角結膜炎認めた.更に口唇生検の結果, Sjögren症候群と診断された.胸部異常陰影に対し,胸腔鏡下肺生検を施行し, bronchiolitis obliterans organizing pneumonia (BOOP)の病理所見を得た.プレドニゾロン60mg開始し,胸部X線所見,血液ガスともに改善を認めた.
  • 西尾 妙織, 柴崎 跡也, 山村 剛, 佐々木 直美, 山田 幹二, 河田 哲也, 小池 隆夫, 佐藤 英俊
    2001 年 90 巻 2 号 p. 332-334
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は40歳,女性. Basedow氏病にてpropylthiouracil (PTU)を内服.血尿,蛋白あり腎生検で膜性腎症と診断される. 2年後に急速な腎機能低下を呈し再度腎生検を施行.膜性腎症の所見に加えて,間質への広範な細胞浸潤を認めた. MPO-ANCA高値であり,膜性腎症にPTUによるANCA関連腎炎を合併したものと診断した.
  • 黒木 麗喜, 永武 毅
    2001 年 90 巻 2 号 p. 335-343
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢者呼吸器感染症は高齢者が抱えている基礎疾患や合併症に加えて,今日の耐性菌増加によりますます難治なものへと変貌してきている.一方で高齢化社会に伴い外来治療に対する社会的要求が高まってきている.高齢者においては,その宿主条件としての易感染要因,老化に伴う薬物代謝の変化があり,その感染症診断において重症度を含めた患者病態の的確な把握と起炎菌推定が求められている.また基礎疾患に対する適正な治療も含めた包括的治療が高齢者感染症においては常に求められる.
    高齢者呼吸器感染症に対する治療が難治化する時代にあってワクチンを含めた感染予防戦略に社会をあげて取り組むべきものと考える.
  • 酒井 謙, 長谷川 昭
    2001 年 90 巻 2 号 p. 344-349
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    末期腎不全の抜本的対策としての腎移植は優れた免疫抑制薬の開発や移植施設の長年の苦労の上に培った臨床技術の向上によりその成績は確実に改善した.年間移植数もここ数年50例ずつ増加している.しかしその増加数のほとんどは生体腎移植に依存しており,臓器移植に対する国民的関心とは逆に,実際の医療現場では思ったほど献腎移植が増加していない.また移植腎の2年目以降の長期生着に関しては依然,年間3~5%の割合で慢性移植腎障害による移植腎喪失がみられる.慢性移植腎障害とは免疫学的(いわゆる慢性拒絶反応),非免疫学的(ドナーの腎年齢,免疫抑制薬の腎毒性,再発腎炎,高血圧,高脂血症等)な種々の要因で移植腎の構造的破壊をもたらすもので,透析大国であるわが国の少ない腎移植の環境のなかで,いかにこの慢性移植腎障害から移植腎機能を守るかが課題である.
  • 槇野 博史, 四方 賢一, 和田 淳
    2001 年 90 巻 2 号 p. 350-358
    発行日: 2001/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    我が国に多い2型糖尿病では腎症を蛋白尿・腎機能の面より5期に病期分類している.糖尿病性腎症は第3期の顕性腎症を過ぎると大多数は進行性であり,慢性腎不全に陥り,予後不良である.従って腎症を早期に診断して,充分な治療を行い腎症が進行しないようにすることが重要である.現在のところ微量アルブミン尿が早期腎症の診断の確立されたマーカーであるが,筆者らの研究が契機となり開発された尿中IV型コラーゲン測定法の臨床応用が可能となり,腎症のより早期の指標となるのではないかと期待されている.一方腎症の治療においては血糖・血圧の厳格なコントールと蛋白制限食が原則である.膵移植後10年で結節性病変が治癒した報告がなされたが,これは我々に血糖コントロールの重要性を再認識させるものである.
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