本邦で使用可能な片頭痛発作時治療薬を中心に,その作用機序と薬物の使い方について概説した.トリプタン系薬物のうち,スマトリプタンが2000年4月より,臨床に供され,片頭痛の治療は新時代を迎えた.スマトリプタンは片頭痛の前兆期でなく,頭痛が進行した時期に皮下注射する.スマトリプタンは脳血管障害,虚血性心疾患などの使用禁忌事項を確認して使用する.酒石酸エルゴタミン配合薬は片頭痛発作の予兆期,前兆期に用い,制吐薬と併用すると効果が高まる. NSAIDsも片頭痛発作の予兆期,前兆期に用い,制吐薬を用いると効果的である.抗不安薬,向精神薬,睡眠薬による鎮静,睡眠導入も片頭痛発作の治療に有効である.
抄録全体を表示