日本内科学会雑誌
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90 巻 , 4 号
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  • 濱口 勝彦
    2001 年 90 巻 4 号 p. 563-566
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 五十嵐 久佳
    2001 年 90 巻 4 号 p. 567-573
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1988年に発表された国際頭痛学会による分類は各種頭痛の診断基準を明記しており,疫学調査,薬剤の臨床試験などに有用である.本邦における片頭痛の有病率は8.4%で,女性が男性の3.6倍であった.片頭痛は日常生活に支障をきたすことが多いにも関わらず受診率は低い.緊張型頭痛の有病率は22.3%で,女性が男性の1.5倍であった.いずれの頭痛も就業年齢に多く,患者の社会生活に影響を及ぼすと考えられる.
  • 平田 幸一
    2001 年 90 巻 4 号 p. 574-580
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭痛は日常診療でもっともよく遭遇する疾患の一つである.慢性頭痛により健康QOLの低下が認められることが実証されているにもかかわらず,現時点ではその医療体制に多くの問題を抱えている.現在の頭痛医療の問題点の多くの責任は医療を施す側にあり,今後の課題として,患者への啓蒙のほかプライマリケア医でも可能な簡単で正確な頭痛の診断,日常生活への負担評価を含めた重症度の客観評価による治療法の確立が必要である.
  • 濱田 潤一
    2001 年 90 巻 4 号 p. 581-588
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛は,慢性の機能性頭痛の1つとして日常遭遇することの多い疾患である.現在,診断には,国際頭痛学会によりまとめられた診断基準が広く使用されるようになった.片頭痛の診断において重要な点は, (1)それまでの経過を含めた詳細な病歴の聴取により,正確に患者の頭痛発作を評価することと, (2)必要かつ十分な補助検査で器質的疾患に伴う二次性の頭痛を除外することである.
  • 荒木 信夫
    2001 年 90 巻 4 号 p. 589-594
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛の機序に関して,血管説以外に,大脳皮質のspreading depressionのような神経の変化が原因であると考える神経説や,三叉神経と頭蓋内血管との関係に注目した三叉神経血管説が提唱されている.セロトニンは5HT1B/1Dの作動薬であるsumatriptanの有効性が明らかとなり,再び注目されるようになった.また,家族性片麻痺性片頭痛で第19染色体19p13に存在するP/Q型カルシウムチャンネル遺伝子にミスセンス変異を認めるようになり,今後様々な遺伝子についての検討が待たれる.
  • 廣瀬 源二郎
    2001 年 90 巻 4 号 p. 595-600
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    発作中に血小板内セロトニンは減少し,その血漿濃度は増加し,代謝産物である5-HIAAが尿中に増加することが知られている.片頭痛の三叉神経血管系仮説によれば,その病態生理はセロトニン受容体の介在する三つのプロセスからなる.第一に髄膜血管の拡張により血管壁周囲の三叉神経感覚枝が活性化され疼痛インパルスを誘発,第二にインパルスの末梢側三叉神経終末到達により血管作用性神経ペプタイド(P物質,ニューロキニンA, CGRPなど)放出がおこり,さらに血管は拡張し, P物質は血管透過性を促進させる.最後に三叉神経を介する疼痛インパルスが脳幹三叉神経核に到達,最終的に高位中枢へと運ばれ激しい頭痛となる.これらを調節する治療薬セロトニン作動薬トリプタンが開発され,選択的に頭蓋内血管にある5-HT1B受容体に作用し血管収縮を,また髄膜の三叉神経終末,三叉神経核にある5-HT1D受容体にも働き疼痛の中枢内伝搬を抑制し効果を発現する.
  • 山根 清美
    2001 年 90 巻 4 号 p. 601-606
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦で使用可能な片頭痛発作時治療薬を中心に,その作用機序と薬物の使い方について概説した.トリプタン系薬物のうち,スマトリプタンが2000年4月より,臨床に供され,片頭痛の治療は新時代を迎えた.スマトリプタンは片頭痛の前兆期でなく,頭痛が進行した時期に皮下注射する.スマトリプタンは脳血管障害,虚血性心疾患などの使用禁忌事項を確認して使用する.酒石酸エルゴタミン配合薬は片頭痛発作の予兆期,前兆期に用い,制吐薬と併用すると効果が高まる. NSAIDsも片頭痛発作の予兆期,前兆期に用い,制吐薬を用いると効果的である.抗不安薬,向精神薬,睡眠薬による鎮静,睡眠導入も片頭痛発作の治療に有効である.
  • 山田 健太郎, 成冨 博章
    2001 年 90 巻 4 号 p. 607-612
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    コハク酸スマトリプタンはセロトニン受容体の選択的なアゴニストで, 1990年代から海外で広く使用されるようになった片頭痛治療薬である.我が国では2000年1月から皮下注用製剤の使用が認可されている.本剤は,前駆症状期,前兆期に投与して頭痛発現を阻止しようとする従来の治療薬とは大きく異なり,頭痛増強期に投与して強力な頭痛抑制効果が得られる.作用機序に関する研究は片頭痛の病態解明に大きく貢献している.
  • 武井 和夫, 島津 邦男
    2001 年 90 巻 4 号 p. 613-619
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛の予防的薬物療法は,中等度以上の頭痛が月に2ないし3回以上生じる場合などに適応となる.治療には塩酸ロメリジンを代表としたカルシウム拮抗薬, β遮断薬,バルプロ酸,抗うつ薬,抗セロトニン薬,非ステロイド性抗炎症薬,薬麦角アルカロイドなどが用いられる.この他,米国神経学アカデミーのガイドラインでは,マグネシウムやビタミンB2,ナツシロギクが取り上げられている,それぞれ,病態に応じた使用が望まれる.
  • 藤木 直人, 田代 邦雄
    2001 年 90 巻 4 号 p. 620-624
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    群発頭痛は他の慢性頭痛と比べると比較的稀な頭痛である.このため医療側の認知度が低く,正しい診断を受けるまでに時間がかかることがしばしばある.症状は非常に特徴的であり,この疾患の診療の経験があれば,典型例では診断は比較的容易であるともいえる.治療面での進歩が今後期待されており,この頭痛の存在を患者側にも医療側にも広く認知してもらうことが,診断のために最も重要と考えられる.
  • 北川 泰久
    2001 年 90 巻 4 号 p. 625-629
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    群発頭痛の頓挫治療として純酸素のほか,スマトリプタンの皮下注射が有効である.酒石酸エルゴタミンの内服は発作時の治療薬としての効果は期待できない.トリプタン系の薬剤は現在,本邦でも新たな種類,投与方法が検討されている.今後再発の少ないトリプタンの開発が望まれる.予防的治療は発作型群発頭痛の方が慢性型に比べて治療に反応しやすい.治療薬としてはカルシウム拮抗薬を軸に副腎皮質ステロイド,炭酸リチウム,酒石酸エルゴタミンなどが用いられるが,個々の症例ごとに治療計画をたてる必要がある.
  • 森松 光紀
    2001 年 90 巻 4 号 p. 630-635
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    緊張型頭痛は慢性頭痛の中では最も頻度の高いものである.反復発作型と慢性持続型に分けられるが,前者の方が有病率が高い.また,頭部筋群の過剰収縮を伴う型と,伴わない型がある.頭部筋群の過剰収縮を伴うものがかつての筋収縮性頭痛に相当する.本症の発生には頭頸筋過剰負荷や心理的ストレスが密接に関係する.しかし,頭部の器質的疾患や全身代謝性疾患も同様な頭痛を起こしうるので,基礎疾患の有無の検索も重要である.
  • 作田 学
    2001 年 90 巻 4 号 p. 636-641
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    緊張型頭痛は日本の人口の28%が有しており,頭痛患者のなかで圧倒的に多い.緊張型頭痛のおこるメカニズムは,うつむき姿勢によって後頭筋群に持続的な筋収縮が生じ,阻血性筋収縮がおこるためである.ストレスは阻血を助長する.治療は姿勢を正すこと,枕を低くする.筋力トレーニング,ストレスを避ける,貧血や低血圧の治療が重要である.薬物療法としては鎮痛藥をなるべく用いず,筋弛緩薬を適宜使用するのがよい.
  • 寺本 純
    2001 年 90 巻 4 号 p. 642-647
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    毎日あるいはほぼ毎日頭痛が持続する状態をchronic daily headacheと呼称するが,これは独立疾患ではない.多くは片頭痛に由来し,経年的あるいは薬剤による変化を来した病態を考えられる. chronic tension-type headacheに一致するのは少数であり,さらに一部はnew daily persistent headacheやhemicrania continuaなどの希有な頭痛も含む.治療にあたっては,元来的な頭痛の病態を考慮しながら進めることが重要である.
  • 竹島 多賀夫, 中島 健二
    2001 年 90 巻 4 号 p. 648-653
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛が分子生物学的なレベルで解明されつつある.家族性片麻痺性片頭痛の原因遺伝子としてCaチャンネル(CACNL1A4)遺伝子の変異が, CADASILの原因遺伝子としてnotch3の変異が同定された.また,片頭痛発症の遺伝的危険因子の候補として,セロトニン受容体及びドパミン受容体の遺伝子多型のほか,メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR),アンギオテンシン変換酵素(ACE)の遺伝子多型が検討されている.
  • 橋本 しをり, 岩田 誠
    2001 年 90 巻 4 号 p. 654-658
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    片頭痛は多因子疾患であるが,その病態形成にセロトニンが密接に関与することが知られている.現在セロトニン1B/1Dレセプターに選択的なセロトニン作動薬が片頭痛の画期的な治療薬として期待されている.本邦でもスマトリプタンの皮下注射薬が認可されたが,臨床効果の持続が短いために再発率が比較的高いことなどが臨床的に問題となる.最近,欧米では新規のセロトニン作動薬が相次いで開発された.これらの第2世代のセロトニン作動薬により,片頭痛治療薬の選択肢がさらに広がると期待されている.
  • 児玉 ひとみ, 屠 聿揚, 石渡 淳一, 篠原 義政, 片柳 直子, 久保田 憲, 村上 徹, 黒井 克昌, 林 和雄, 戸井 雅和
    2001 年 90 巻 4 号 p. 683-686
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.胆石症の精査のため入院した際, CEAの異常高値と甲状腺の硬い腫瘤に気付き,姉が甲状腺癌で死亡していることから,髄様癌,さらに多発性内分泌腫瘍症2型を疑い精査をすすめた.血中カルシトニンが高値で,穿刺吸引細胞診で甲状腺髄様癌と診断.腹部CTでは左右副腎の腫大を認め,尿中カテコラミンも高値で褐色細胞腫と診断.遺伝子検査でret癌選伝子に点突然変異を認め, MEN2Aと最終的に診断した.遺伝性腫瘍を念頭にいれた家族歴聴取の重要性を示唆する症例であった.
  • 武内 健一, 守義 明, 宇部 健治, 平野 春人, 冨地 信和, 小野 貞英, 関澤 玄一郎
    2001 年 90 巻 4 号 p. 687-689
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息として治療中,注意深いラ音の聴取と詳細なCT画像の読影により気道系の腫瘍が疑われ,気管支内視鏡下生検で腺様嚢胞癌と診断された2例を報告した.ともに放射線治療により症状は軽快した.気管支喘息様のラ音聴取あるいは気管支喘息治療中に期待したほどの効果が得られない場合,稀であるが気道系腫瘍の存在を念頭に置くべきである.
  • 村田 弥栄子, 松井 邦昭, 佐野 直樹, 目黒 由紀
    2001 年 90 巻 4 号 p. 690-692
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,女性.多飲,多尿の精査のため紹介され,飲水制限-ピトレッシン試験で中枢性尿崩症と診断した.虹彩毛様体炎,両側肺門部リンパ節腫脹がみられ,ツ反陰性で臨床的に定型的なサルコイドーシスを示した.軽度の髄液中リンパ球増加のほか脳MRI T1強調画像で下垂体茎の軽度肥厚とgadolinium (Gd)による信号増強所見があり,神経サルコイドーシスと考えられた.プレドニゾロン投与後,眼症状は改善し,肺門リンパ節腫脹は消失したが,中枢性尿崩症は持続した.神経サルコイドーシスを原因とする中枢性尿崩症はまれであり文献的考察を加えて報告する.
  • 平野 綱彦, 中西 正典, 川口 雅功, 田中 利平, 坂東 憲生, 井関 良夫, 笠松 謙, 上出 康二, 池田 剛司
    2001 年 90 巻 4 号 p. 693-695
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,男性.肺炎が疑われ近医より当院紹介.胸部CT上間質性陰影がみられ,心エコーで心筋壁運動低下がみられた.入院時より呼吸不全がみられ間質性肺炎と考え,ステロイドパルス療法を開始したが翌日急性腎不全となる.皮膚筋炎を疑い筋肉生検を施行したところ電顕で筋原性変化がみられた.その後ステロイド治療により一時改善傾向を認めていたが急性間質性肺炎をきたし死亡.心肺病変が急速に進行した皮膚筋炎の1例と考えられた.
  • 小瀬戸 昌博, 村上 暁子, 立川 豊吏, 藤井 隆, 鈴木 友和
    2001 年 90 巻 4 号 p. 696-698
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25歳,女性. 17歳時に全身性エリテマトーデス(SLE)が発病し治療中であった.今回SLEの臨床症状の増悪がみられ入院した.検査成績上汎血球減少と高度の肝機能障害を認め,骨髄検査にて血球貪食症候群(HPS)と診断した.血清サイトカインの測定では, M-CSFが10,000pg/ml以上と著明な高値を示した. HPSに対してステロイド・パルス療法の効果が不充分で重大な副作用も出現したため,シクロフォスファミド・パルス療法を施行したところ奏効し以後良好に経過した.
  • 河田 則文
    2001 年 90 巻 4 号 p. 699-704
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    星細胞の細胞生物学は形態学からスタートし,現在ではモダンテクノロジーを駆使して遺伝子および蛋白発現レベルを網羅的に解析する領域へと到達した.特に,ビタミンA貯蔵型から細胞外マトリックス物質を産生する活性化星細胞へと形質を変化させる過程で遺伝子発現パターンに激変が生じることが明らかにされてきた.この過程で星細胞由来新遺伝子もクローニングされている.各種成長因子に対する細胞応答を解析し,その分子を制御する薬物の開発が抗肝線維化療法と直結するため急展開している.
  • 小川 佳宏, 阿部 恵, 中尾 一和
    2001 年 90 巻 4 号 p. 705-710
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    レプチンは脂肪組織に由来する新しいホルモンであり,主に視床下部に発現するレプチン受容体に作用して強力な飽食シグナルを伝達するとともに,交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらし,肥満や体重増加の制御に関与すると考えられている.一方,血中レプチン濃度は体脂肪量の増加に比例して上昇するため,肥満や肥満に合併する循環器・代謝疾患におけるレプチンの病態生理的意義が注目されている.筆者らは,重症肥満者と同程度に血中濃度が上昇するレプチン過剰発現トランスジェニックマウスでは,交感神経活動亢進による血圧上昇が認められることを明らかにしている.又,レプチンは血管内皮細胞に作用して血管新生を促進し,マクロファージ機能調節に関与すると報告されている.以上より,レプチンは肥満に合併する高血圧や動脈硬化症の発症に関与する可能性が示唆される.
  • 谷 憲治, 清水 輝記, 曽根 三郎
    2001 年 90 巻 4 号 p. 711-716
    発行日: 2001/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    放射線肺臓炎の病態は,最近の免疫学および分子生物学の進歩によって分子レベルで明らかになりつつある.放射線照射によるtoxicな直接作用による肺傷害が契機となり,好中球,単球,リンパ球などの炎症細胞が肺に遊走し,肺胞上皮細胞やマクロファージ,線維芽細胞などの肺細胞との相互作用によって間質性肺炎を生じる.その後,間質で増殖した線維芽細胞から産生されるコラーゲンによって修復機転としての線維化が引き起こされる.放射線によるこれら一連の反応には,炎症・免疫担当細胞から産生されるサイトカインが大きく関わっていることは明らかであり,本症の発症病態における分子機構を明らかにすることによって抗サイトカイン療法などの新しい治療のアプローチが期待される.
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