日本内科学会雑誌
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90 巻 , 5 号
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  • 福地 義之助
    2001 年 90 巻 5 号 p. 749-750
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 西村 正治
    2001 年 90 巻 5 号 p. 751-757
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    「COPDとは,肺気腫,慢性気管支炎または両者の併発により惹起される閉塞性換気障害を特徴とする疾患である.閉塞性換気障害はゆっくりと進行し,不可逆的である.」このような従来の定義に対して,最近,「COPDは,完全に可逆的ではない気流制限を特徴とする疾患である.この気流制限は通常進行性で,有害な粒子またはガスに対する異常な炎症性反応と関連している.」とする新しい定義も生まれている.いずれの定義であっても, COPDの病態は,気道過分泌をきたす中枢気道病変,気流閉塞に関与する末梢気道病変,肺気腫病変の3者が混在しているという認識が重要である.
  • 巽 浩一郎
    2001 年 90 巻 5 号 p. 758-764
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の初期には自覚症状は認めないため,その正確な疫学は不明であるが,非可逆釣な疾患であることより,今後の一つの方向性として,早期のCOPD・発症リスクのある症例の把握が必要になる.予後に影響を及ぼす因子としては,血液ガスの値,小児期・青年期の呼吸機能の発達の程度,喫煙状況,呼吸困難の程度,栄養状態,気道閉塞の可逆性,組織低酸素の程度,肺循環障害の程度などが挙げられる.さらには,発症年齢,性差,治療の影響(吸入ステロイド・非侵襲的人工呼吸)なども考えられる.
  • 大石 修司, 柳生 久永, 中村 博幸, 松岡 健
    2001 年 90 巻 5 号 p. 765-770
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断と病態の把握への第一歩は,病歴の聴取と身体所見の的確な把握である.臨床症状については,呼吸困難,咳,痰,喘鳴,栄養障害を中心に,その発生機序や病態について概説した.身体所見については,視診,触診,打診および聴診による,呼吸状態や閉塞性障害,肺過膨張の程度,および肺性心の捉え方について述べた. COPDの診療にあたっては,これらの情報から患者の全体像を把握することが重要である.
  • 赤星 俊樹, 堀江 孝至
    2001 年 90 巻 5 号 p. 771-776
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺機能検査は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断だけでなく,重症度の評価においても必要不可欠であり,さらにその後の経過観察にも有用である.最も重要なのは閉塞性換気障害で,気管支拡張薬吸入によっても改善がほとんどみられない.その原因として重要なのは,肺弾性収縮力の低下であり,肺気量分画では全肺気量,残気量,残気率が増加し,肺活量は病態の進行に伴って減少する.ガス交換障害は,特に労作時にPaO2が低下するのが特徴的で, PaCO2は正常ないし上昇する.その原因として,換気・血流比不均等や肺拡散障害が重要である.
  • 三嶋 理晃
    2001 年 90 巻 5 号 p. 777-782
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胸部CTで肺気腫病変を鮮明に描出するには厳しい撮像条件が必要である.肺気腫の定量化の方法として様々なCT指標が用いられている.この指標を用いて,肺気腫の早期診断につながる気腫病変の分布様式が明らかにされ,肺気腫進展に対する加齢や喫煙の影響などが明らかになってきた.さらに,気道病変を定量化することによりCOPDの気道病変をin vivoに知ることができる.また,換気・血流シンチ, MRIなどは肺気腫減量術の手術適応の決定に有用である.
  • 大類 孝, 山谷 睦雄, 矢内 勝, 佐々木 英忠
    2001 年 90 巻 5 号 p. 783-789
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)の発症には,喫煙や大気汚染に伴い生じる気道から肺胞領域にわたる広汎な炎症が重要である. COPDの炎症に関与する細胞として,マクロファージ,好中球が重要視されてきたが,近年CD8+Tリンパ球,好酸球の他に気道上皮細胞の役割が明らかにされてきた.喫煙などにより,肺内に集積した炎症細胞がプロテアーゼや活性酸素を放出し,防御機構を凌駕し気道および肺胞系の破壊が生じる.
  • 久保 惠嗣, 小泉 知展, 藤本 圭作
    2001 年 90 巻 5 号 p. 790-795
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    COPDの肺循環動態を自験例を中心に述べた. %FEV1, 34%以下の最重症の慢性肺気腫症(CPE)でも安静時肺動脈圧(Ppa)は22.8mmHgと軽度の肺高血圧を呈したにすぎなかったが,運動負荷時には44.9mmHgと著明な肺高血圧を呈した.肺容量減少術後の肺の組織学的検索で,重症のCPEは肺動脈のリモデリングがみられた.このリモデリングと運動時のPpaの上昇の程度とは有意な正相関を示したことより,運動負荷時の肺高血圧には肺動脈リモデリングの関与が大きいと考えられた.
  • 永井 厚志
    2001 年 90 巻 5 号 p. 796-800
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    COPDでは中枢気道,末梢気道,肺胞領域にそれぞれ特徴的な病理学的変化がみられる.中枢気道では,炎症細胞が壁内に浸潤し,杯細胞や気管支腺などの粘液分泌組織の増生が観察される.末梢気道では,炎症による傷害とその修復過程でのリモデリングにより気道狭窄をもたらす多彩な形態変化がみられる.肺胞領域では,肺胞の破壊消失を特徴像とする気腫病変が肺の広範囲に分布し,病態の進展につれ肺血管壁の肥厚化が認められる.
  • 長尾 光修
    2001 年 90 巻 5 号 p. 801-806
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    運動耐容能を良好に維持するためには四肢骨格筋,循環,呼吸器系の個々の機能とそれらの連係を良好に保つことが必要である. COPD患者では,換気血流比不均等の増大や呼気閉塞による呼吸仕事量の増加と,肺高血圧や傍心臓肺過膨張による循環障害ならびに日常運動活動の低下による四肢骨格筋のデコンデイショニング(機能失調)が運動耐容能を低下させる主な因子である.運動時の血中乳酸の変動に関する最近の知見と呼吸困難ならびに四肢骨格筋の機能失調について述べる.
  • 吉田 稔, 石橋 正義, 西田 富昭
    2001 年 90 巻 5 号 p. 807-812
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD),肺気腫症に対する薬物療法としては日本呼吸器学会の「COPD診断と治療のガイドライン」をはじめとして,重症度を考慮しての段階的薬物療法が提示されている.重症度(ステップ)に応じて気管支拡張剤である吸入抗コリン剤やβ2刺激薬,経口のテオフィリン剤が用いられる.ステップ2 (重症),ステップ3 (最重症)では経口・吸入ステロイド薬も臨床上用いられるようになってきた.それぞれの薬剤の特長,臨床的有用性などについてまとめた.
  • 木田 厚瑞
    2001 年 90 巻 5 号 p. 813-820
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    現在,わが国の在宅酸素療法(HOT)実施中の症例は約9万人である.そのうちCOPDが約40%を占めており,また次第に後期高齢者が多くなってきていることが特徴である. HOTのEBMは英米における試験によっているが,これは前期高齢者を対象としたものである.現在の基準が後期高齢者に適したものであるかについては充分なデータがない.また機器の基準や安全管理の体制にも未解決の点が少なくない. HOTの治療効果を高めるには包括的呼吸リハビリテーションの一環として実施すべきであり,これによってADLを保ちQOLを向上させることができる.
  • 宮川 哲夫
    2001 年 90 巻 5 号 p. 821-829
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸リハビリテーションとは包括的な医療であり,その目的は予防に主眼が置かれている.呼吸リハビリテーションの方法論と効果について, EBM (Evidence-based Medicine)が報告されており,欧米では呼吸理学療法の中でも,特に運動療法を中心に施行されている.一方,我が国でのプログラムには胸郭可動域訓練が含まれており,欧米とは若干異なった効果が報告されている.近年, COPDの骨格筋が注目されており,新しい呼吸リハビリテーションのストラテジーが必要である.今後の課題として,我が国の呼吸リハビリテーションのガイドラインを作成し,多施設間の無作為化比較対照試験を行い,保険点数の改善を図るべきである.
  • 南部 静洋, 大谷 信夫
    2001 年 90 巻 5 号 p. 830-834
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の体重減少には除脂肪親織(FFM)の低下, Leptinの低下,呼吸筋への運動負荷・炎症などによるエネルギー消費の亢進と食事摂取障害によるエネルギーバランスの異常などが関与している.呼吸機能障害や低酸素,副腎皮質ステロイドの使用が呼吸筋・骨格筋の変性・萎縮を誘発し,筋肉の構成成分やアミノ酸組成の変化をもたらす.こうした病態の相互の関連は明らかではなく,エネルギー代謝の病態生理を評価しつつCOPDの診療を行う必要がある.
  • 河野 正樹
    2001 年 90 巻 5 号 p. 835-841
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患急性増悪の治療法には,薬物療法,酸素療法,侵襲的人工呼吸療法及び非侵襲的人工呼吸療法がある.その中で,非侵襲的人工呼吸療法の非侵襲的陽圧換気法(NIPPV: noninvasive positive pressure ventilation)は,気管内挿管を行わずに陽圧換気が可能であり,近年世界的に普及してきている.このNIPPVの適応と注意点,及び具体的施行手順について解説した.
  • 千原 幸司, 中井 真尚, 佐原 寿史, 津田 透, 小澤 佳宏, 平田 健雄, 日高 昭斉, 峯尾 喜好, 江端 広樹, 小林 敏信
    2001 年 90 巻 5 号 p. 842-848
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺気腫は肺胞が破壊されて,過剰な気体貯留をきたした気腫肺部分-airoma-が肺内に増加した病理学的な「形」の異常のために呼吸仕事量が増加した肺-気道となったうえに,この肺-気道に気量変化を起こす役割を担う呼吸のポンプ-chest wallが本来の位置や条件ではないところで働かざるを得ないという解剖学的な「形」の異常から起こる「機能不全」疾患であり,「形」の異常が原因,ととらえ得るところに外科治療の可能性がある.
  • 山田 郁子, 中村 雄作, 三浦 浩介, 芳川 浩男, 那波 一郎
    2001 年 90 巻 5 号 p. 869-871
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,男性.視力低下に続き,手足のしびれ出現.両虹彩毛様体炎,嚥下障害,近位筋優位の筋力低下あり,血清リゾチーム上昇,縦隔リンパ節腫脹,髄液細胞数増加,針筋電図で筋原性変化,多発神経炎型末梢神経障害を認めた.腓腹神経生検で類上皮細胞を形成成分とする肉芽腫を,上腕二頭筋生検で小径角化線維の散在を認め,ミオパチーを合併した神経サルコイドーシスと診断.筋はサルコイドーシスの好発部位だが,症状を呈することは極めて稀で,貴重な症例であった.
  • 前田 士郎, 野村 哲, 田原 將行, 羽田 勝計, 吉川 隆一
    2001 年 90 巻 5 号 p. 872-873
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,男性, 1989年潰瘍性大腸炎と診断されsalazosulfapyridineによる治療を開始されたが副作用のため1990年中止. 1992年よりpredonisolone, 1993年7月よりmesalazine開始された. 1995年8月に副作用のためmesaladine中止となり以後predonisoloneのみで治療された.このころより,血清クレアチニン値が上昇しはじめ, 1998年3月当科紹介.腎生検の結果間質性腎炎と診断しpredonisoloneを増量し,以後漸減現在も腎機能は安定している.
  • 全 完, 伊藤 一貴, 田邉 卓爾, 彦坂 高徹, 足立 芳彦, 加藤 周司
    2001 年 90 巻 5 号 p. 874-876
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,労作性狭心症の女性で, 99mTc-tetrofosmin心筋SPECTにより運動誘発性の心筋虚血が認められたため精査を行った.冠動脈造影では左前下行枝の中部に心筋ブリッジの所見が認められた.血管内エコーでは心筋ブリッジの中央部で動脈硬化所見が認められた.内服治療を行ったが奏功せず,心筋ブリッジ部にステント留置を行った.ステント留置により心筋ブリッジの所見は消失し,胸部症状は軽快した.ステント植え込みは薬剤難治性の心筋ブリッジ例における有効な治療法と考えられた.
  • 北村 直人, 内藤 真礼生, 中村 信, 峯崎 賢亮, 重田 洋介, 大久保 充人, 細村 泰夫
    2001 年 90 巻 5 号 p. 877-880
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例はC型肝硬変の63歳,女性.刺身を摂食3日後に意識障害のため当院へ搬送.下肢の広範な紫斑と多臓器不全を認め,抗菌薬投与,エンドトキシン吸着,血液透析を施行したが,下肢の壊死が進行し入院後約9時間で死亡.血液培養,生検皮膚培養よりVibrio vulnificusが検出された.本菌は肝硬変患者に50%以上の死亡率の劇症型敗血症を発症することが知られているが,西日本の沿岸地域が中心で,内陸部の報告例は極めて稀である.近年,商業流通の変化や海水の温暖化に伴い発症例の広域化が進んでおり,肝硬変患者の生活指導の上で今後注意する必要があると考えられ報告する.
  • 古川 勝之, 池田 聡司, 尾長谷 喜久子, 室屋 隆浩, 岡 浩之, 児島 正純, 宮原 嘉之, 河野 茂
    2001 年 90 巻 5 号 p. 881-883
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性. CREST症候群の診断6年後にHugh-Jones IV度の呼吸困難を主訴に受診し,右心カテーテル検査等の精査により基礎疾患に合併した肺血管性肺高血圧症と診断された.その後約5年の経過でprostaglandin I2 (PGI2)誘導体であるベラプロストナトリウム(beraprost sodium; BPS)投与にて肺高血圧の進行遷延をみたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 小嶋 浩司, 菊地 弘敏, 須田 洋子, 広畑 俊成, 竹内 明輝, 橋本 喬史, 佐藤 友英
    2001 年 90 巻 5 号 p. 884-885
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,女性.両足底部のしびれ感と疼痛,両足関節痛にて発症.関節炎・リンパ球減少・抗核抗体陽性・抗DNA抗体陽性よりSLEと診断.抗リン脂質抗体陽性で,無症候性の多発性脳梗塞も認めた.針筋電図と左腓腹神経生検にて,神経栄養血管の血栓形成による二次的なポリニューロパチーと診断した.我々の調べた範囲では,抗リン脂質抗体に起因すると考えられる微少血管の血栓形成による二次的末梢神経障害の記載はなく,今後注意すべき病態と考え報告した.
  • 上阪 等
    2001 年 90 巻 5 号 p. 886-893
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    人口の0.5から1%を冒すとされる慢性関節リウマチ(RA)は,関節滑膜における炎症とその結果生じる滑膜増殖で病理学的に特徴付けられる.増生滑膜は,関節の骨・軟骨を破壊して重大な機能傷害を招く.従来の治療法は,おしなべて炎症を抑制しようとするものであるが,一部の患者には無効で,長期加療中に有効性が消失することも多い.
    遺伝子治療は,治療に決め手のない現状を克服すべく開発が進められてきた.一部は,臨床試験が行われて安全性が確認された.基礎研究で導入された遺伝子は炎症抑制性分子の遺伝子が殆どで,遺伝子産物が細胞外に出て作用することを期待している.筆者らのグループは,骨・軟骨の破壊をきたす滑膜細胞を形質転換して増殖そのものを抑制する遺伝子治療を考案し,実際のRA疾患モデルで効果を確かめた.この種の治療法は,細胞内に導入遺伝子を発現させようとする点で,遺伝子治療の本来の特性を生かしている.
  • 篠田 純男
    2001 年 90 巻 5 号 p. 894-901
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ビブリオ属菌は自然環境水を本来の生息域とする細菌であるが,その中にはヒトに病原性を示す種も見られる.特に海水中に生息している菌種が多く,海産物の摂取による感染症を引き起こすことが多い.病原種にはコレラ菌や腸炎ビブリオなど下痢症を引き起こす種が多いが,創傷感染や,消化器から血流中に侵入して敗血症を起こし,全身症状を引き起こす菌種も見られる.敗血症は肝障害などの基礎疾患のある場合に見られる日和見感染で,時には急激に死の転帰をとるものがある.その代表がVibrio vulnificusで,特に米国ではかきの生食により重篤な敗血症を起こして高い致命率を示すために注目されている.我が国は海産物の摂取が多く腸炎ビブリオ食中毒が多いが, V. vulnificus等その他の病原ビブリオも海水中に広く分布している.高齢化社会を迎えて易感染性宿主が益々増加するのは明らかであり,ビブリオ属菌敗血症に対する十分な注意が必要である.
  • 吉松 博信, 坂田 利家
    2001 年 90 巻 5 号 p. 902-913
    発行日: 2001/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥満症や肥満2型糖尿病の治療に食事療法と運動療法は欠かせない.しかし,継続して実行するとなると,多くの患者は治療から脱落し失敗する,肥満症患者特有の認知能,食行動,ライフスタイルと言った壁に阻まれ,患者はそれを凌駕出来ないからである.なかでも,その主体をなすのが食行動の「ずれ」と「くせ」である.栄養学的な知識だけで患者教育をしたり,それで効果がなければ疾患の怖さを武器に説得したり,言い換えると知識量による防御だったり,患者の恐怖感を煽るといった操作では,これらの障害を克服することは難しい.治療者に授けた知識そのものが「ずれ」と「くせ」に取り込まれ,患者の行動変容には結びつかないからである.治療者の役割として大切なことは,自分の食行動の問題点,具体的には「ずれ」と「くせ」に患者が自ら気付き,しかも治療経過の中でそれらを修復できるような治療的枠組みをどのように創っていくか,この一点にある.このような目的のために編み出された治療技法,その一つが「グラフ化体重日記」である.問題になる食行動の抽出,その修復,波形化されて描出される体重減少という報酬,この繰り返しが治療動機の向上とその長期的維持を可能にする.「咀嚼法」は満腹感の形成を促す.その結果,お腹がはち切れる程食べないと満腹出来ないと思い込んでいた患者に,摂取量は少なくても満腹できるのだと実感させることが出来る.つまり,肥満症患者の満腹感覚の「ずれ」を修復するのに有効な手段である.知識量の増加ではなく,患者自身が感じ取る感覚の修復,これこそが逸脱した脳機能を修復する最短距離なのである.
  • 2001 年 90 巻 5 号 p. 943a
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 90 巻 5 号 p. 943b
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 90 巻 5 号 p. 943c
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/06/12
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