日本内科学会雑誌
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90 巻 , 6 号
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  • 福原 資郎
    2001 年 90 巻 6 号 p. 945-946
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 菊池 昌弘, 大島 孝一
    2001 年 90 巻 6 号 p. 947-952
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の分類については腫瘍細胞の発生由来を基盤としたREAL分類を修正・発展させた新WHO分類が提唱されているので,その概要について述べると共に,特に重要とされている疾患単位についての,診断に必要な基本的事項について具体的な問題点について触れながら述べた.
  • 中村 栄男, 市村 浩一, 谷田部 恭
    2001 年 90 巻 6 号 p. 953-956
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の病理診断は,治療法の選択と密接に関連している.病変が腫瘍性か反応性かの判断に始まり,腫瘍とすればリンパ腫かあるいは非リンパ球系腫瘍か,さらにリンパ腫とすればその亜型はいずれに相当するかが常に問題となる.さらに個々の亜型診断に際しては,単に組織像,細胞像のみに留まらず,臨床所見,免疫学的表現型,染色体/遺伝子異常などの検出を含めた腫瘍細胞の生物学的性状の総合的な評価が必要とされる.
  • 安達 章子, 田丸 淳一
    2001 年 90 巻 6 号 p. 957-963
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫を組織診断する場合,臨床所見を十分に把握し臨床サイド・病理サイドが連携して診断に適切な検体を採取・処理することが最も大切である.組織検査の基本であるヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)標本による悪性リンパ腫と反応性リンパ節病変の診断はリンパ節の正常構造を理解した上で病変の増生様式や増生細胞の特徴を認識することが基本である.
  • 吉野 正, 赤木 忠厚
    2001 年 90 巻 6 号 p. 964-970
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非Hodgkinリンパ腫ではBおよびT/NK細胞性を区別する必要があり, Hodgkin病ともども診断確定するため疾患特異的なマーカー検索が不可欠となっている.これはevidence based medicineに合致している.現在では通常固定材料に適用可能な単クローン抗体が増加し,凍結切片を作成する頻度が著減している.本項では,技術的な進歩について概説し,各病型を診断するための実際的なマーカー適用について述べる.
  • 谷脇 雅史
    2001 年 90 巻 6 号 p. 971-976
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の約50%では,免疫グロブリン遺伝子(IG)の染色体転座によるがん遺伝子の活性化が認められる. c-MYC, BCL2, cyclinD1, BCL6, PAX5, BCL10などの相手遺伝子とWHO分類の病型が対応している. BCL6転座の相手遺伝子の50%はhistone H4, Ikarosなどnon-IGである. MALTリンパ腫の原因はt (11; 18)によるAPI2/MALT1キメラ遺伝子の発現である.
  • 尼川 龍一
    2001 年 90 巻 6 号 p. 977-982
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Hodgkin病研究の歴史はThomas Hodgkinがこの疾患を発見して以来1世紀半に及ぶが,疾患の本質的理解はなかなか得られなかった.しかしsingle cell PCR法などの分子生物学の進歩によりHodgkin病の大部分はリンパ濾胞胚中心B細胞由来のクローナルな腫瘍性疾患であることが明らかにされた.また発生の分子機構ではH/RS細胞におけるNF-κBの恒常的活性化が最近注目されている.
  • 石井 昭広, 高木 敏之
    2001 年 90 巻 6 号 p. 983-987
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の診断は,最終的には病理診断(マーカー,染色体,遺伝子検査を含む)に委ねられるが,そこに至るまでの過程で適切な問診と診察を行うことが大切である.悪性リンパ腫の症候学に基づいて,疾患を疑う着眼点について述べるとともに,診断を進める上で中心となる病理組織診断に,免疫学的検査,遺伝子検査等をどう反映させていくかについて述べた.
  • 木下 朝博
    2001 年 90 巻 6 号 p. 988-991
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の予後に関連する要因として,病型,年齢, performance status, LDH,臨床病期,腫瘤径,節外病変数, B症状などがある.これら複数の予後因子を組み合わせた予後予測モデルが提唱されている.代表的なものとしてnon-Hodgkin lymphoma (NHL)でのInternational Prognostic Index (IPI)があり, NHLの治療に不可欠な指標として臨床試験を始めとして広く利用されている.
  • 森 眞一郎, 福原 資郎
    2001 年 90 巻 6 号 p. 992-996
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の分類は,伝統的な組織形態分類から新しい手法や概念を取り入れた機能分類へ進んでいる. REAL/新WHO分類は免疫組織学的に認識される疾患の機能分類であるが,遺伝子レベルや分子レベルの情報はさらに細分化した疾患単位を提案している.こうしたacademic scienceの成果を,目的に応じて臨床的に類型化(clinical grouping)をはかることが臨床病理分類である.
  • 堀田 知光
    2001 年 90 巻 6 号 p. 997-1002
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫において標準的治療が確立しているのはHodgkin病の早期症例に対する放射線療法,進行期症例に対するABVD療法,非Hodgkinリンパ腫の中悪性度群の限局期症例に対する短期CHOP療法と局所放射線照射の併用療法,および進行期症例に対するCHOP療法である.自己造血幹細胞移植は化学療法に感受性のある中悪性度リンパ腫の再発例に対して救援療法としての有効性が証明されている.低悪性度および高悪性度リンパ腫に対する標準的治療は確立していない.リスクや病態に応じた治療体系の確立が求められている.
  • 重岡 靖, 伊藤 国明, 大津 智子
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1003-1009
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃原発悪性リンパ腫に対する治療法は,外科的治療,化学療法,放射線療法,除菌療法と多彩である.しかし本邦においては従来から胃全摘術が広く行われてきた. MALTリンパ腫のHericobacter pylori (H. pylori)除菌療法の有用性はほぼ確立しているが,今後更に長期的予後を含めて多数例での検討が必要である.また一般的に限局期中・高悪性度リンパ腫に対しては, CHOP 3コース+放射線療法が標準的治療とされているが,胃原発の場合も従来の外科的治療との比較に基づき非外科的治療法が検討されつつある.
  • 北村 聖
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1010-1018
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢者の悪性リンパ腫は予後が悪いと言われる.その原因として化学療法による早期死亡,加齢に伴う生体機能低下による抗腫瘍剤の副作用の増強,薬剤の減量による治療効果の低減,治療に関係のない原因による死亡が多いことなどがある.高齢者においても,ある程度の抗腫瘍剤が必要であるが,早期死亡の危険性が高い場合は, QOLの観点から,より弱い治療を行うことも多い.この判断には,主要臓器の予備力や全身状態の評価が重要と考える.すなわち,高齢者の場合は,病変の拡がりの検索に加えて,特に治療前の全身状態の正確な把握が治療法,薬剤の種類,薬剤量の決定に重要である.
    われわれは,高齢者の身体機能を考慮し, Pirarubicin (THP)を使用した化学療法の検証を目的として, Low-dose CHOPと薬剤同等量のTHP-COP群,およびetoposideを加えたTHP-COPE群の無作為3群比較試験を実施した.奏効率・CR率は同等であり,副作用においてTHP-COP群が有意に少なく, CR例においては有意に生存期間の延長を見ることができた.悪性リンパ腫は比較的長い生存期間を期待できる疾患で有ることを考えると,心臓障害性が少ないTHP-COP療法は優れていると考えられた.
  • 青笹 克之, 高桑 徹也, 中塚 伸一
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1019-1023
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    節外性リンパ腫は皮膚を除けば大多数がB細胞性リンパ腫である.このなかには臨床的あるいは病理組織学的にリンパ腫に先行する慢性炎症所見が確認されるものがあることから「慢性炎症を基盤に発生する悪性リンパ腫」の概念を提唱した.これまでの研究により知見が蓄積された甲状腺リンパ腫,膿胸関連リンパ腫(pyothorax-associated lymphoma: PAL)について主に紹介したい.慢性炎症巣において産生されるサイトカイン,活性酸素が腫瘍発生促進的に働いていると考えられる.
  • 鈴宮 淳司, 田村 和夫, 大島 孝一, 菊池 昌弘
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1024-1029
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症疾患と鑑別困難なリンパ腫の特徴は消退増悪を繰り返す臨床経過や著明な炎症細胞浸潤により腫瘍細胞の識別が困難な組織像を示すものであり,血管免疫芽球T細胞リンパ腫, NK細胞リンパ腫, Hodgkinリンパ腫,皮膚CD30陽性リンパ球増殖疾患,特殊な成人T細胞白血病・リンパ腫などがある.診断を病理医に任せるのではなく,臨床経過,組織像,免疫形質や分子生物学的検討を行い,臨床医が総合的に判断する必要がある.
  • 松岡 雅雄
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1030-1037
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia: ATL)が疾患概念として確立され4半世紀が経過し,その病因ウイルスhuman T-cell leukemia virus type I (HTLV-I)の発見から疫学的全貌,臨床像の広がりも解明された.しかし,その病態の分子機序,白血病化機構に関しては不明な点が残されているだけでなく,この予後不良な疾患に対する治療法の開発が急務となっている. ATLは感染から発症までをHTLV-Iプロウイルスという指標で解析可能であるため,リンパ系腫瘍の多段階発がん機構を解析する上で格好のモデルであり,その解明,治療法開発に有益な情報をもたらすことが期待される.
  • 三谷 祥子, 森 茂郎
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1038-1043
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    免疫不全があると, EBVの感染により不死化したBリンパ球が免疫監視機構を潜り抜けて増殖し,その結果として日和見リンパ腫が生じる.近年, AIDSや,臓器移植等の医療に合併する医原的免疫抑制により,日和見リンパ腫が増えている.最近注目されている日和見リンパ腫の一型として慢性関節リウマチで, methotrexateの,長期間,低容量間欠投与による日和見リンパ腫がある.本稿では日和見リンパ腫の発生機序,各臨床背景ごとの日和見リンパ腫の病型の異同,治療の現況について述べた.
  • 田島 恵美, 三原 英嗣, 若林 基弘, 渡會 雅也, 菅村 一敬, 宮下 勝之, 今村 明, 三輪 啓志, 加藤 芳郎, 仁田 正和
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1070-1072
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,女性.出血斑の増強があり来院.血小板減少及び貧血を認め,骨髄穿刺にて骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome: MDS)不応性貧血(refractory anemia: RA)と診断した.輸血依存性でありprednisolone (PSL)とビタミンD投与を行ったが反応せず,デキサメタゾンの大量療法を開始した.一時的な改善を認めたが再度悪化.シクロスポリンの投与を行い血液学的改善を得た.シクロスポリン投与中止後も悪化傾向は認めていない.
  • 花本 貴幸, 三浦 淳, 大洞 尚司, 山本 眞由美, 武田 則之, 安田 圭吾
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1073-1075
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は44歳,女性.幼少時より低身長,下肢O脚を認めている.後縦靱帯,黄色靱帯骨化症の診断のもと,頸椎,胸椎椎弓形成術を施行されており,今回,低身長精査のため当科紹介入院となった.副甲状腺機能亢進症,下垂体性小人症,ビタミンD (VtD)依存性くる病は否定的で, TmP/GFRは低値を示したため低リン血性VtD抵抗性くる病と診断した.本症例は典型的な検査値を示さず診断に苦慮した.更に,脊柱管内靱帯骨化症を合併したため貴重な症例と考えられた.
  • 吉富 淳, 桑田 博史, 水嶋 久乃, 寺田 総一郎, 森下 鉄夫, 置塩 則彦, 千田 金吾, 中村 浩淑
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1076-1078
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は77歳,男性.主訴は左精巣腫大.泌尿器科での左精巣摘出術で精巣上体に乾酪性類上皮肉芽腫を認め,当科に紹介された.胸部X線写真では所見に乏しく,胸部CTにて左S1+2の結節影と両側肺野に気道散布性の小粒状影を認め,尿と喀痰から結核菌が培養同定された.さらに腹部CTでは腎病変や腰椎破壊像,両側腸腰筋膿瘍が明らかとなった.多臓器病変は結核菌の血行性感染と考えられたが,精巣腫大をみるまでは症状に乏しく,慢性全身感染症である結核の診断の難しさを認識させられた.
  • 西谷 大輔, 棟方 昭博, 上原 修, 山下 一美, 村元 和則, 三上 貴史, 中嶋 均, 佐々木 博海, 奈良 秀八洲, 布村 仁一
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1079-1081
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,男性.意識障害にて発症し,髄液,血液培養よりListeria monocytogenesが検出されlisteriosisと診断された. ampicillinを中心とした治療を行い,約5週間の経過で後遺症なく改善した. listeriosisは人畜共通感染症として近年注目されてきているが,成人の場合免疫能低下患者に感染する例がほとんどで,死亡率が高いことでも知られている.本例のごとく髄膜炎の形で発症する例が多いため注意すべき疾患のひとつと思われる.
  • 荻原 真理, 中川 淳, 田村 智奈美, 前島 勝之, 伊藤 智彦, 中野 茂, 木越 俊和, 内田 健三, 松原 純一, 笹野 公伸
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1082-1084
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性. 20年来の高血圧で1年前よりコントロール悪化.低K,高レニン(25.3ng/ml/hr)・高アルドステロン(355pg/ml)血症あり.左副腎にアドステロールシンチ陽性腫瘍を認め,同側副腎静脈アルドステロン高値.左腎動脈ほぼ閉塞,右腎動脈50%狭窄,左右腎静脈レニン比5.1.原発性アルドステロン症と腎血管性高血圧の合併と診断した.左副腎摘出+左腎摘出+右腎血行再建術後,ホルモン値改善と血圧低下を認めた.
  • 角道 紀子, 菅原 知広, 浅海 泰栄, 佐藤 龍行, 矢野 光士, 玉手 英一, 太田 耕造, 木村 時久, 大谷 紀子
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1085-1087
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は88歳,男性.既往歴に血液疾患なし.今回,肺炎にて当院入院し抗生物質投与開始したが,経過中コントロール困難な消化管出血あり.血小板数正常, prothrombin time (PT)正常, activated partial thromboplastin time (APTT)延長等が認められた.精査の結果,第VIII因子インヒビター陽性の後天性血友病Aであった.本疾患は非常に希な疾患だが, APTTの著明な延長が認められた場合,本疾患の存在を疑う必要がある.
  • 星野 晴彦
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1088-1096
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    断層図とDopplerによる血流情報を検討できる超音波検査法は,脳卒中のうち,脳梗塞の診断に必須の検査となっている.超音波検査は,血管撮影では検討できない血管壁の検査が可能であること,無侵襲で簡便な検査法であり,スクリーニング検査として,また,経時的な変化の検討も可能である.今回は,手術適応のある頸動脈狭窄病変,脳梗塞の病態に関連して注目されるplaqueの性状,動脈硬化の指標としての内膜中膜肥厚,塞栓性脳梗塞の診断に用いられる経頭蓋超音波検査によるmicroembolic signal,経食道心超音波検査により診断が可能となった卵円孔開存と大動脈弓病変を中心に,脳卒中の臨床における超音波検査法を紹介する.
  • 鈴木 登
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1097-1105
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    代表的な膠原病である慢性関節リウマチ(RA)では神経,内分泌,免疫系の相互作用がその病態形成に関わる. RAでは,関節滑膜細胞によって分泌された炎症性サイトカインが関節局所の炎症を惹起し,同時に,全身性の急性炎症反応を引き起こす.それに伴い,患者では神経・内分泌・免疫軸の強い変化をきたす.
    RA患者では視床下部・下垂体・副腎軸の欠陥,血中プロラクチンレベルの上昇,さらに血中性ホルモンレベルの異常が報告されている.これまでに中枢,末梢神経系による神経ペプチドを介した滑膜細胞機能の調節の不調がRAの炎症の惹起の少なくとも一部に関わることが示唆されている.我々の研究室では神経-内分泌-免疫軸の相互作用に関わる効果分子である内分泌ホルモン,オピオイド,神経伝達物質および神経ペプチドがRA関節滑膜細胞機能の調節に働くことを報告した.それらは実際,関節局所で産生・分泌され,またそれらの受容体は炎症関節内の各種細胞に発現されている.神経ペプチドや各種ホルモンはRA患者の全身性急性期反応に働くだけでなく, RA関節局所の炎症に直接作用する. RAでは神経ペプチドや各種ホルモンの不調が関節炎症を悪化させ,さらに全身性の免疫系,神経系,内分泌系そのものあるいはそれらの相互作用の不調をもたらすと考えられる.神経-内分泌-免疫の相互作用を,ホルモン,神経伝達物質,神経ペプチドなどの分子レベルで解析し,それらを応用することがRA治療への新しいアプローチとなる.
  • 飛内 賢正
    2001 年 90 巻 6 号 p. 1106-1111
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    従来の抗体療法の壁を打破しうる,以下の3つの突破口が明らかになった: 1)マウス/ヒトキメラ抗体もしくはヒト化抗体, 2) immunotoxin, 3) radioimmunoconjugate.異種抗体が産生されにい,血中半減期が長い,ヒト免疫系の活性化効率上昇などがキメラ抗体の利点であり, B細胞リンパ腫に対するキメラ型抗CD20抗体(rituximab)の臨床的有用性が明らかにされた. Rituximabは骨髄毒性が軽度であるため, full doseの化学療法との併用が可能であり,化学療法との優れた併用効果が判明しつつある, B細胞リンパ腫に対する次世代のモノクローナル抗体療法として注目されるのが131I, 90Yなどの放射性同位元素を抱合したマウス型抗CD20抗体(radiolmmunoconjugate)であり, rituximabを上回る抗腫瘍効果が報告された.乳がん,急性骨髄性白血病に対して有効な抗体療法も登場しており,今後の悪性腫瘍治療において抗体療法が一定の役割を占めることは確実な情勢である.
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