日本内科学会雑誌
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92 巻, 7 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • 佐々木 英忠
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1179-1181
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 江石 義信
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1182-1189
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫疾患で,疾患感受性のある宿主が環境中の何らかの原因微生物や抗原物質に暴露されて発症するものと想定されている.アクネ菌は病変部から培養可能な唯一の微生物で,肉芽腫内での本菌DNAの集積所見,患者における菌体蛋白抗原に対する細胞性免疫反応の存在,抗原蛋白の感作免疫によるマウス肺肉芽腫の誘導実験などの知見から,菌体抗原にアレルギー素因を有する患者が,病変部局所で常在あるいは異常増菌するアクネ菌を原因として発症している可能性がある.
  • 山口 悦郎
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1190-1197
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    喘息は遺伝性の強い呼吸器疾患の代表である.疫学的にその遺伝性は古くより証明されており,生理学的特徴である気道過敏性の遺伝も同様である.その本態を同定すべく過去十数年間で,病態から推定して可能性が高いと考えられる遺伝子の役割を検討する候補遺伝子アプローチや,ゲノム全域をくまなく検索するゲノムスキャンなど多くの研究があるが,現状特筆すべき成果は上がっていない.今後まったく新たなアプローチが求められている.
  • 吉村 邦彦
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1198-1205
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    のう胞性線維症(CF)はcAMP-制御C1-チャネルCFTRの機能障害に起因する疾患であり,典型例では肺,膵臓,消化管など全身の外分泌臓器が遍く冒される.本症はCFTR (ABCC7)をコードする遺伝子の異常に基づく常染色体劣性遺伝性疾患で,これまでに1000種をこえる病的遺伝子変異が報告された.欧米白人種に高率に発症し,東洋人では極めて稀であるものの,日本でも近年症例が徐々に蓄積され,そのCFTR遺伝子の変異状況が次第に明らかにされている.さらに最近, CFTR異常の単一臓器の発現型としてのCFTR関連疾患が全世界的に注目されている.今後更なるCF研究の発展と合わせ,わが国独自のCFTR変異検出体制の確立が必須である.
  • 慶長 直人, 中田 光, 土方 美奈子
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1206-1211
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    びまん性汎細気管支炎はアジア系集団に好発する慢性炎症性呼吸器疾患である.その発症素因として,ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen; HLA)との関連が検討されてきた.韓国人患者との対比などから,疾患感受性遺伝子の同定を試みた結果, HLA-A, B両遺伝子座間に疾患感受性遺伝子が存在する可能性が示唆され,分子遺伝学的にその候補領域の特定と感受性遺伝子の同定が進められている.
  • 菅 守隆
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1212-1217
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近,分子生物学的手法を用いた過敏性肺炎の免疫病態,臨床真菌学,分子疫学の研究が進み新しい知見がもたらされている.過敏性肺炎の発症因子ではMHC class IIの相違から鳥飼病や夏型過敏性肺炎で疾患感受性の相違が明らかにされている.また,夏型過敏性肺炎の発症抗原であるトリコスポロンの分子生物学的真菌学の進歩,およびトリコスポロン・アサヒの新しい蛋白抗原の発見など,今後,過敏性肺炎の疫学および病態研究の進展が期待される.
  • 笠原 靖紀, 巽 浩一郎, 栗山 喬之
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1218-1221
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    COPDの主なリスクファクターは,喫煙である.しかし喫煙者の一部にのみCOPDは発症し,遺伝的因子および環境因子の双方がその発症に関与している多因子疾患と考えられる. COPDの疾患感受性候補遺伝子は数多く挙げられているが,しばしば異なる結果が報告されており,その解釈は慎重におこなう必要がある.オランダ仮説,アデノウイルスの潜伏感染,アポトーシスなどもCOPDの発症に関与している可能性もある.
  • 千葉 弘文, 阿部 庄作
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1222-1227
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    間質性肺炎において,その初期から肺サーファクタント蛋白質SP-A, SP-DとKL-6の血中への逸脱が亢進する.現在,この現象は血清診断へと応用されている.特発性間質性肺炎症例でSP-A, SP-D, KL-6を同時1測定したデータと他の臨床データを比較検討した.特にSP-Aは高分解能CT (HRCT)のGGAの所見と強い相関を示した.またSP-Dは呼吸機能検査で肺容積減少との関連が示唆された.これら血清マーカーは,間質性肺炎の診断・経過観察の上で非常に有用な情報を与えると考えられた.
  • 橋本 修, 小林 朋子, 堀江 孝至
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1228-1236
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性肺障害(acute lung injury: ALI)と急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome: ARDS)は,肺毛細血管透過性亢進による非心原性肺水腫で病理組織学的にはびまん性肺障害像を認める.原因は敗血症を始め原因は多彩である.その発生機構を炎症,肺胞上皮細胞の液体と蛋白成分の再吸収,凝固異常,に焦点を絞って解説する.
  • 藤井 毅, 河野 茂
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1237-1243
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症の診断の基本は塗抹鏡検法と分離培養法であるが,病原微生物をより迅速かつ正確に検出・同定するために様々な分子診断法が活用されている.一般細菌やレジオネラ,真菌,ある種のウイルスに対する抗原検出法や,マイコプラズマやクラミジアに対する抗体価測定法,抗酸菌やカリニに対する遺伝子検査などは既に一般化されているが,検査手技やコストを考慮した,より感度や特異度の高い検査法の開発が進められている.
  • 滝澤 始
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1244-1247
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息の診断は通常,臨床所見と呼吸生理学的検査で可能である.一方,近年その病態的な重要性が認識されるようになったアレルギー気道炎症やリモデリングの臨床的評価は,気管支生検や胸部CTによる報告があるものの,ルーチン検査にはなりえない.このために現状で満足できる検査はないが,期待される分子マーカーについて,その現状を述べた.
  • 山谷 睦雄
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1248-1254
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢者肺炎は脳血管障害に基づく咳反射・嚥下反射の低下による不顕性誤嚥,口腔内細菌の増加,胃食道逆流,免疫能低下などが原因で再発を繰り返す特徴がある.胃液の誤嚥は気道上皮の粘液線毛機能低下やデフェンシンなどの抗菌ペプチド分泌低下,および気道細菌付着増殖を促す.高齢者肺炎においては好気性菌の他に嫌気性菌が同時に検出される場合が多く,細菌培養のほかに, DNA測定による迅速分離も試みられている.
  • 千酌 浩樹, 清水 英治
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1255-1265
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の発癌にかかわる分子異常についての知見の蓄積に伴って,これを肺癌診断に応用する試みが始まっている.現状では癌遺伝子の過剰発現や恒常的活性化,癌抑制遺伝子の欠失や不活化,ゲノム不安定性などをPCRを基盤とした技術で検出することが主流である.今後は定性的PCRから定量的PCRへ,個別の遺伝子異常の解析から網羅的解析へ,遺伝子解析から蛋白,エピジェネティックな解析へと広がっていくであろう.マイクロアレイ,マススペクトロメトリー技術などの進歩がこれを後押ししている.今後,積極的にこれら分子診断法を評価し,臨床導入していく努力が望まれる.
  • その病態と分子標的制御への可能性
    海老名 雅仁, 貫和 敏博
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1266-1271
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎の中心的疾患である特発性肺線維症は,慢性的に線維化が亢進する予後の悪い疾患である.その効果的な治療法は未確立であり,肺胞上皮のアポトーシスから不可逆的な線維化病変に至る,多段階の分子病態に基いた新たな分子標的治療が望まれている.また,肺胞隔壁のガス交換能を回復する為には,抗線維化療法に加えて,改変された肺胞壁の組織再生を促進する治療法を同時に進行させる必要がある.
  • 横山 彰仁
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1272-1278
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息の治療に用いられている分子標的薬として,ロイコトリエン拮抗薬を含む一部の抗アレルギー薬, β2刺激薬,抗コリン薬がある.また,現在数多くの標的分子が臨床応用に向けて研究されている.分子標的薬の有効性は治療薬としての可能性と同時に,標的分子のもつ病態的意義を明らかにする点で大変興味深い.今後も喘息病態の理解が進むにつれ,さらに重要な分子標的に対する薬が開発されていくものと思われる.
  • 中田 光
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1279-1283
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺胞蛋白症は末梢気道にサーファクタントが貯留する希な疾患である. 1994年,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)欠損マウスは肺胞蛋白症を発症することが報告された.このマウスの肺胞マクロファージには分化障害があり,その結果,サーファクタントの分解が障害され,発症する.次いで,筆者らは, 99年,病原物質として患者の肺及び血液に抗GM-CSF自己抗体が大量に存在することを明らかにした.これらの成果をふまえて,近年治療法としてGM-CSFの連日投与が有効であることがわかり,我が国でもGM-CSF吸入による重症特発性肺胞蛋白症の治療研究が開始された.
  • 1)分子標的治療
    六車 博昭, 矢野 聖二, 曽根 三郎
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1284-1290
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    EGF受容体阻害薬(ゲフィチニブ/イレッサ®)は,第II相臨床試験(IDEAL1, 2)で高い奏効率とQOLの改善が明らかとなり, 2002年7月に本邦で承認された.しかし,抗癌薬との併用効果がみられなかったことや臨床試験でみられなかった肺障害などの重篤な副作用が出現していることより,安全性の評価と他の薬剤・治療法との併用を含む最適な投薬計画についての検討が必要である.ゲフィチニブ以外にもEGF受容体, VEGF受容体などを標的とした薬剤の開発が進んでいる.本稿では,これらの分子標的薬および今後の展開について概説する.
  • 2)上皮成長因子受容体阻害薬と重篤有害事象
    工藤 翔二, 吉村 明修, 弦間 昭彦
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1291-1295
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ゲフィチニブの急性肺障害・間質性肺炎に関する専門家委員会の最終報告に基づきその臨床像について概説した.発症率は約1.9%,死亡率は約0.6%と推定され,海外の約6倍の高値を示した. CT画像パターンは,従来報告されている薬剤性肺障害と同様であった.死亡例の病理組織所見はびまん性肺胞傷害であった.発症後の有意な危険因子は,基礎肺疾患としての特発性肺線維症などの間質性肺炎であった.
  • 福原 智子, 太田 康介, 尾山 秀樹, 大石 徹也, 橋本 洋夫, 西崎 良知, 山鳥 一郎
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1318-1320
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,女性. 40歳頃から全身浮腫に対しフロセミド内服していた. 59歳頃全身骨痛出現した. 2001年5月多発性偽骨折像,血清Ca, P,骨形成マーカーより骨軟化症と診断し,また尿糖や汎アミノ酸尿,リン再吸収率低下や尿酸排泄率上昇,代謝性アシドーシスを認めFanconi症候群と診断した.腎組織は慢性間質性腎炎を呈していた.骨痛を主体とし薬剤の関与が疑われたFanconi症候群の稀な症例と考えられた.
  • 吉田 成二, 中山 拓郎
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1321-1324
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例1 46歳,男性.激しい咳嗽による失神発作が1日数回出現し,自動車運転中に自損事故を起こした.抗百日咳抗体高値が判明し,対症療法で咳嗽は減少し,失神発作も消失した.症例2 81歳,女性.激しい咳嗽による数秒間の眼前暗黒感が1日10回出現.抗百日咳抗体上昇が認められ,気管支鏡検査で炎症部位を確認.対症療法で咳嗽は減少し,眼前暗黒感も消失した.症例3 77歳,女性.激しい咳嗽により数秒間の眼前暗黒感が1日数回出現.喀痰好酸球陽性,抗百日咳抗体高値が判明し,ステロイド治療,対症療法にて軽快した.成人の百日咳感染は比較的稀と思われているが,今回の病態を考える上で重要と考えられた.
  • 志村 和穂, 菊田 武久, 上田 幹雄, 河原 聡, 鶴山 幸喜, 倉田 博之, 松本 雄賀, 後藤 秀夫, 岡嶋 泰, 日野 良俊
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1325-1327
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,女性と48歳,男性.滋賀県内初のツツガムシ病の感染例を相次いで経験した.発熱と紅斑を主訴とし,肝機能障害を認めた.第1例目は不明熱として診断に時間を要したが,特徴的な刺し口と抗ツツガムシ抗体により診断した.本疾患は,治療が遅れるとDICを併発して致死的となることもあり,原因不明の発疹,発熱,肝機能障害のある症例では本症も念頭におくべきであると考えられた.
  • 関口 兼司, 大石 健一, 濱口 浩敏, 前田 伸也, 西本 啓介, 石原 広之, 苅田 典生, 千原 和夫
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1328-1330
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は31歳の女性. 20年来SLE,ループス腎炎にてステロイド治療を受けていた.臀部痛,仙骨部皮疹の出現後約2週間して頭痛,発熱,意識障害をきたし緊急入院.頭部MRIで脳底部を中心とした出血を伴う異常信号域を認め,髄液VZV-DNAPCR陽性より帯状庖疹ヘルペスによる脳炎と診断した.帯状庖疹は高率に髄膜炎を伴うが,免疫不全宿主では脳炎への進展など重症化することがあり注意を要する.
  • 太田 喜久子, 新藤 篤, 西岡 達矢, 末廣 正, 橋本 浩三
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1331-1332
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,女性. 40歳より筋力低下を自覚. 42歳時高K血症を指摘され来院.特徴的顔貌,ミオトニア,針筋電図より筋強直性ジストロフィーと診断.血清K高値であるが同時採血した動脈血液の全血K値は正常であり,心電図変化も伴わず,偽性高K血症と診断.血清K値は変動し,体動後に上昇する傾向がみられた.筋強直性ジストロフィーでは偽性高K血症を示すことがあり,注意を要すると考えられ報告する.
  • 小村 景司, 野村 嘉伸, 高橋 腎治, 石関 哉生, 小林 厚志, 平野 淑子, 府川 悦士, 平野 史倫, 牧野 勲
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1333-1336
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    SLE合併妊娠経過中にTTPを発症しSLE増悪との鑑別が困難であった1例を経験したので報告する.症例は33歳,女性.平成8年にSLEと診断,妊娠初期は非活動性で推移していたが,妊娠20週より浮腫・発熱・尿蛋白・血小板減少・溶血性貧血を認めた.ステロイド及びガンマグロブリン大量療法が無効で,破砕赤血球の出現・意識障害を認めたことからTTPと診断.そこで,血漿交換療法に加え,ビンクリスチン緩速静注療法を施行し改善した.
  • 清水 不二雄, 河内 裕
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1337-1343
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ラット腎糸球体上皮細胞(GEC)足突起間スリット膜に対する単クローン抗体投与によりラットに高度の蛋白尿が惹起されることやスリット膜構成分子ネフリンの遺伝子レベルにおける異常が重症の先天性ネフローゼ症候群をもたらすことなどから,スリット膜が,最終的に高分子透過阻止に関与することが明らかにされた.ネフリンが発端となり,ポドシン, CD2APなどGEC,とりわけスリット膜関達分子の遺伝子レベルにおける異常が蛋白尿ないし家族性の糸球体硬化症をもたらすことが相次いで報告されている.新しく登場する分子も含めたこれら諸分子の相互関係の解明をとうして, GECの構造・機能を制御する情報伝達系の詳細が明らかにされ,その結果,蛋白尿の合理的な抑制策の確立とそれによる慢性腎不全状態への進展阻止が可能となるものと期待され,その中心的な存在であるネフリンは新しい治療法開発への重要な鍵をにぎる対象として注目され続けていくと思われる.
  • 森若 文雄, 土井 静樹, 島 功二, 田代 邦雄
    2003 年 92 巻 7 号 p. 1344-1352
    発行日: 2003/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis, ALS)を含めた運動ニューロン疾患(motor neuron disease, MND)に関する研究,治療は,ここ十数年の間に家族性ALSにおける遺伝子変異の発見から新たな動物モデル,欧米および本邦でALS治療薬としてriluzoleの承認など,新しい展開がみられている.
    臨床で用いられているALS診断基準と診療ガイドラインを紹介し, ALSを含めたMNDの病因・病態の解明ならびに治療薬開発の現状と今後の課題を述べる.
  • 2003 年 92 巻 7 号 p. 1376
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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