わが国の緩和医療は, (1)ホスピス・緩和ケア病棟, (2)全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会, (3)日本緩和医療学会, (4)緩和ケアチーム, (5)在宅ケアの5領域を通して確実に広がってきている.ホスピス・緩和ケア病棟のある施設数は, 2004年5月現在, 130施設, 2,463病床となった.全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会では,ホスピス・緩和ケアを行う施設の質の向上とホスピス・緩和ケアの啓発・普及を目標に活動している.日本緩和医療学会では,会員数の増加に伴い,研究や教育への取り組みが活発になってきている.緩和ケアチームは, 2002年4月に診療報酬項目として「緩和ケア診療加算」が新設されてから,その活動が始動している.在宅ケアでは,そのニーズはますます高まっており,各地域ごとのネットワーク構築が重要になっている.今後,緩和医療の実践・教育・研究がバランス良く行われていき,さらに発展していくことが期待されている.
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