日本内科学会雑誌
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94 巻 , 2 号
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  • 堀 正二
    2005 年 94 巻 2 号 p. 187-189
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 筒井 裕之
    2005 年 94 巻 2 号 p. 190-194
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全の基本病態は,心筋リモデリングとよばれる心筋の構築・機能変化である.心筋リモデリングの形成には数多くの分子機構が関与する.心筋細胞の収縮不全には,心筋細胞カルシウムハンドリングが関与している.また,心筋構築変化には,アンジオテンシンII,サイトカイン,活性酸素など神経体液性因子が重要な役割をはたしている.これらの分子機構は,相互に関連しながら心不全の病態形成にかかわっている.
  • 吉村 道博
    2005 年 94 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全では心機能の低下による心拍出量低下や血圧低下を防ぐ為にRAA系が活性化する.しかしながらその活性化は過剩となり,心不全を益々進めることになる. RAA系の中ではアンジオテンシンII (AII)が重要な活性化因子であり,循環中のみならず組織での局所AII産生系の意義が注目されている.最近,アルドステロンも再び注目されるようになってきた.アルドステロンの分泌部位・分泌機構・作用部位・作用機序の全ての面で新たな展開が生まれており,心不全の病態におけるアルドステロンの意義が見直されている.
  • 堀尾 武史
    2005 年 94 巻 2 号 p. 201-207
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系以外で心不全の病態に深く関与する循環ペプチドとしてエンドセリン,ナトリウム利尿ペプチドおよびアドレノメデュリンがあげられる.エンドセリンは血管収縮,心リモデリング促進,心筋障害作用など主に心不全増悪因子として働き,一方ナトリウム利尿ペプチドおよびアドレノメデュリンは降圧.利尿による心負荷軽減や直接的心保護作用を発揮し,心不全防御因子として働く.
  • 山本 一博, 真野 敏昭, 坂田 泰史, 吉田 純一, 堀 正二, 増山 理
    2005 年 94 巻 2 号 p. 208-213
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    これまでは,心不全を「左室収縮性の低下とそれに基づくうっ血・体液貯留」と考えていた.しかし最近10年間に行われた疫学調査から,心不全症例の約40%では左室駆出率が保持されていることが明らかとなった.今では,左室駆出率低下を認める心不全を「収縮不全」と呼び,左室駆出率の保持されている心不全は拡張機能障害が主病態であることから「拡張不全」と呼び,異なる病態として扱う.
  • 倉林 正彦
    2005 年 94 巻 2 号 p. 214-220
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性心不全の病態の理解がすすみ,診断,治療にも画期的な進歩が見られている.診断については詳細な問診や注意深い身体所見の観察,心電図,胸部X線検査などの基本的事項の重要性については言うまでもないが,血漿BNP濃度の測定が心不全の診断,重症度診断,予後予測に非常に有用であることから,日常診療に活用すべきである.また,心収縮能正常例で心不全を呈する患者が全心不全患者の1/3~1/2も存在すること,これらの患者は拡張機能障害をもつことを念頭においた診断アプローチが重要である.
  • 蔦本 尚慶, 堀江 稔
    2005 年 94 巻 2 号 p. 221-227
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心不全では,心拍出量や血圧低下にともなう生体の代償機序によりさまざまな神経体液因子が血中,心臓組織中において上昇し病態の増悪進展と関係する.今後人口の高齢化にともない心不全患者が増加するのは間違いなく,ますます確実な診断と重症度評価が重要になると考えられる.心不全診断-重症度-予後-治療効果や病態を理解し,評価する上で, BNPなどの液性因子測定は心不全の生化学的指標として有用と考えられる.
  • 大森 浩二
    2005 年 94 巻 2 号 p. 228-234
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心臓超音波法では,心筋壁運動,心腔容積,心腔内血流速度の計測,および心内圧の推定,これらの時間変化率,さらに心時相の計測が可能であり,心収縮能,拡張能,および,最近治療の標的となった心同期性の評価に有用である.特に,心筋組織ドプラ法を用いた心同期性の評価,局所心筋機能を評価するストレイン法,心筋灌流を定量する心筋コントラストエコー法,基本性能を備えた携帯型装置の登場などが,本法による心不全の診断に関するトピックスである.
  • 雪入 一志, 岩崎 孝一朗, 榊原 宣, 岩藤 泰慶, 千田 彰一, 河野 雅和
    2005 年 94 巻 2 号 p. 235-240
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血診断に関しては,心筋血流シンチの有用性は確立されたものであるが,近年では心電図同期収集を行うことで,心機能の評価も可能となっている.さらに心筋血流PETでは,不全心の予備能の測定も可能である.また18F-FDG PETや123I-BMIPPによる糖・脂質代謝の評価は心不全の原因の鑑別に有用な情報を提供している. 123I-MIBGによる心臓交感神経機能の測定により心不全の予後,重症度に関する新しい知児がえられている.
  • 岩間 義孝, 代田 浩之
    2005 年 94 巻 2 号 p. 241-247
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性心不全は,あらゆる心疾患が最終的に辿り着く予後不良な症候群である.心不全の治療を行う際,患者の評価を充分に行い,原疾患の検索,心不全の重症度を評価する.治療方針を決定する際,心不全の病期に従って治療法を選択することが推奨されている.ガイドラインには,現在は心疾患もないが,心不全発症のリスクを持つ患者群に関する項目が加わり,予防医学の重要性も強調されている.ガイドラインは有用であり,それを基に治療方針を決定するが,個々の患者にそれらの治療法が有益であるか否かを多方面から充分に検討する必要がある.長期的管理に際して,心不全患者の高齢化,頻回の再入院による社会的・経済的負担の増加,介護を要する患者の増加など多くの問題点が残されており,包括的な心不全管理システムが望まれる.
  • 村上 猛
    2005 年 94 巻 2 号 p. 248-254
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    3種のβ遮断薬の慢性心不全に対する効果が大規模臨床試験で証明されている.一剤が日本で承認され約2年が経週した. β遮断薬が投与された慢性心不全が循環器専門医から他科医へ紹介されることが増えることが予想されるが,以前に禁忌とされていた慢性心不全にβ遮断薬を継続投与することは,不安が伴うだろう.概してβ遮断薬を敬遠する医師が多い日本だが,慢性心不全に対するβ断薬投与のメリット,現況などを解説する.
  • 桑原 洋一, 小室 一成
    2005 年 94 巻 2 号 p. 255-261
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性心不全の多くは交感神経系,レニンァンジオテンシン系が賦活化されており,左室の進行性拡大と収縮低下が生じている.そこでRA系の遮断が心不全の改善,心臓死を予防することを想定され,アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)ならびにアンジオテンシンII阻害薬(ARB)をもちいた臨床試験が数多く施行され,予後改善効果が実証されている.
  • 山本 健, 矢野 雅文
    2005 年 94 巻 2 号 p. 262-269
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1999年スピロノラクトンを用いた大規模臨床試験であるRALES試験, 2003年にはエプレレノンを用いたEPHESUS試験の発表により,抗アルドステロン薬は心不全の治療薬の1つとして認識されるようになった.アルドステロンは最近になって心筋に直接作用し,線維化,リモデリングを促進させることがわかってきており, RALES試験EPHESUS試験で抗アルドステロン薬が著効した理由もそこにあると考えられる.
  • 武田 憲文, 平田 恭信
    2005 年 94 巻 2 号 p. 270-275
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心臓が内分泌器官として注目されている.心房性ナトリウム利尿ホルモンは血管拡張作用や利尿作用を有し,心不全や虚血性心疾患などの過度の心負荷に対して心房から代償性に分泌される.心血管リモデリングの進展に関与する,賦活したレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系や交感神経系,エンドセリンなどにも拮抗することが知られ,心不全治療をはじめ,臓器保護(心臓・腎臓)や周術期管理での臨床応用が益々期待されている.
  • 松森 昭
    2005 年 94 巻 2 号 p. 276-282
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    サイトカインやエンドセリンは,細胞の増殖,分化,活性化を調整するうえで重要な働きをすることが知られているが,心不全で血中レベルが高値を示すことが報告され,心不全の発症や病態との関連が注目されている.
    筆者らは,心不全を炎症・免疫という観点からとらえ,サイトカインやマスト細胞が心不全の新たな治療ターゲットとなると考えている.本稿では,このような萩しい心不全治療としての抗サイトカイン,抗炎症療法について論じたいと思う.
  • 福田 恵一
    2005 年 94 巻 2 号 p. 283-289
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    これまで胚性幹細胞,骨髄間葉系幹細胞等より心筋細胞が分化誘導出来ることが示された.再生心筋細胞を純化し移植する技術も開発され,移植再生心筋細胞はレシピエント心臓に長期間生着できることが証明された.新たな移植法として組織工学を応用した細胞シートの作成が可能となり,ドナーの不要な細胞移植による心不全治療が臨床の前段階にまで来ている.また,サイトカインを利用した幹細胞の動員による心不全治療法も模索されている.
  • 松田 直樹
    2005 年 94 巻 2 号 p. 290-296
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    重症心不全患者にしばしば認める心室内伝導障害は,心室収縮の同期不全を招き,ポンプ機能を障害する.両室ペーシングは,従来の右室リード以外に冠静脈分枝に左室リードを留置して同時ペーシングすることにより,収縮のずれを是正する.心臓再同期療法とも呼ばれるこの新たなペーシング治療は,薬物治療抵抗性の重症心不全患者の自覚症状,血行動態,運動耐容能, QOLを有意に改善し,その継続は左室の逆リモデリングをもたらす.患者選択にあたっては,心エコー等による心室同期不全の評価が重要である.
  • 中谷 武嗣
    2005 年 94 巻 2 号 p. 297-304
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    補助人工心臓は心臓ポンプ機能の100%代行が可能な循環補助手段であり,血液ポンプの設置部位により体外型と植え込み型がある.我が国においても,心筋症に基づく心不全例に対し適応されるようになり,最長では3年以上の補助例もあり,心臓移植へのブリッジのみならず,自己心機能の改善さらには離脱例が報告されるようになった.現在,小型で長期使用可能な遠心ポンプの臨床応用が行われつつある.
  • 宮崎 邦彦, 渡邊 雅彦, 上野 友之, 望月 昭英, 庄司 進一
    2005 年 94 巻 2 号 p. 337-339
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    筋強直性ジストロフィー1型(DM1)において高インスリン血症を認めることが知られている.特に糖負荷後の高インスリン血症の頻度は高く,インスリン抵抗性の機序について研究が進められている.今回,我々は遺伝子診断にて診断を確定しえたDM1症例においてブドウ糖負荷後のみならず,空腹時にも著しい高インスリン血症を認めた.本症における著しいインスリン抵抗性の結果,耐糖能障害が明らかになる前にグルコース負荷前後にわたる著しい高インスリン血症を示す時期がある可能性があるので報告する.
  • 武田 仁, 安藤 亮一, 内藤 省太郎, 稲垣 雄一朗, 羽田 俊彦, 丹羽 明博, 三宅 祥三, 諸江 雄太, 勝見 敦, 須崎 紳一郎, ...
    2005 年 94 巻 2 号 p. 340-342
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    妊娠11週での人工妊娠中絶術後に腹痛を訴え, DIC,腎不全,肝不全,無尿,ショックを呈して持続血液濾過透析,人工呼吸器管理,血液製剤投与などの集中治療を必要とし,約2カ月間の血液透析後に透析を離脱した19歳女性の両側腎皮質壊死の一例を報告する.両側腎皮質壊死は稀な病態だが,妊産婦の急性腎不全の中では比較的高頻度で見られ,生命予後,腎機能予後ともに不良であり,急性腎不全の鑑別の上で重要と考えられる.
  • 吉田 英子, 衛藤 徹也, 権藤 久司, 渋谷 恒文, 中条 恭子
    2005 年 94 巻 2 号 p. 343-345
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食道のリンパ腫は,悪性リンパ腫全体の0.1%をしめる稀な疾患である.我々は咽頭から食道全体にわたる打ち抜き様潰瘍を呈したNK/T細胞リンパ腫を経験した.放射線療法,化学療法に抵抗性で,診断後約4カ月で死亡された.
  • 松田 明正, 山本 憲彦, 村田 一素, 白木 克哉, 井阪 直樹, 中野 赳
    2005 年 94 巻 2 号 p. 346-348
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺炎を契機に入院となり,経過中に下血・肝障害と多彩な臨床症状を示したサイトメガロウイルス(CMV)感染症の1例を経験した.組織学的には特徴的な所見は認められなかったが,大腸内視鏡所見, CMVアンチゲネミア法陽性から活動性のCMV感染症と診断した.一般的には健常人での重篤化はまれとされているが,念頭に置くべきウイルス感染症のひとつと考えられ,若干の考察を加えて報告する.
  • 井関 邦敏
    2005 年 94 巻 2 号 p. 349-354
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国では依然として末期腎不全により透析療法を余儀なくされる患者が増加している.原因となる慢性腎疾患は主に糖尿病,慢性腎炎および高血圧である. 2003年度末の総患者数は約24万人で国民の約540人に1人の割合である.透析導入時の平均年齢は65歳を超えている.わが国では早期発見,早期治療を目的に種々の検診・健診(職場,地域,市民),人間ドック,および学校検尿が行われている.しかし,その後の経過(アウトカム)をみた研究は少ない.われわれは比較的住民の移動の少ない沖縄県全域を対象に末期腎不全(透析導入)をエンドポイントとし,住民検診の意義を検討している.末期腎不全の発症危険因子として疫学的に重要な項目は蛋白尿(試験紙で1+以上),高血圧である.さらに,末期腎不全発症のハイリスク群としては蛋白尿≥2+,血清クレアチニン高値≥2.0mg/dl,重症高血圧,および末期腎不全の家族歴が挙げられる.
  • 植松 智, 審良 静男
    2005 年 94 巻 2 号 p. 355-361
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細菌やウイルス,寄生虫などの異物が体内に侵入した際にそれを排除しようとするシステムとして免疫系が存在する.この免疫系は自然免疫と獲得免疫からなる. T細胞やB細胞などによる獲得免疫系に比べて非特異的であると思われていた自然免疫系について近年TLR (Toll-like receptors)の発見を通じて大きな進展が見られた.病原微生物の構成成分による自然免疫担当細胞の活性化の主要な部分はTLRを介して行われ,その構成成分ごとに異なる特異的な応答が起こるということが明らかになった.本稿では如何にして病原微生物の構成成分がTLRを介して細胞を活性化させるか細胞内シグナル伝達の最新の知見を交えて概説する.
  • 山口 徹
    2005 年 94 巻 2 号 p. 362-368
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の長年の懸案であった慢性期再狭窄が新しい薬剤溶出ステント(DES)の登場で克服されつつある.免疫抑制薬シロリムスと抗悪性腫瘍薬パクリタキセルの溶出ステントの臨床成績が大規模試験で確認され,再治療率は5%以下であることが明らかとなった.現在のDESの問題点として,高価なこと,長期の抗血小板治療が必要なこと, DESにも再狭窄があること,などが挙げられるが,虚血性心疾患に対するPCIの適応は今後も拡大されよう. DESでも糖尿病,細い血管,長い病変では再狭窄を生じやすいが, DESの今後の改良で克服できる可能性がある.最大の問題点は長期予後が不明な点で,遅発性再狭窄,血栓性閉塞,冠動脈瘤発生などを長期観察の中で注意深く見守る必要がある.
  • 佐田 政隆
    2005 年 94 巻 2 号 p. 369-375
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    動脈硬化などの血管病は傷害に対する修復機構を契機として局所の血管細胞の増殖によって内腔が狭窄し血行障害をきたすと考えられている.近年,成体にも様々な臓器へ分化する能力を有する組織幹細胞が存在し,遠隔臓器の傷害を感知して動員されたのち修復に関与することが明らかとなった.著者らは,移植後動脈硬化,血管形成術後再狭窄,高脂血症による動脈硬化のモデルにおいて,骨髄由来前駆細胞が傷害後の血管に定着し,内皮様細胞もしくは平滑筋様細胞に分化して血管修復と病変形成に関与していることを報告した.血管傷害が大きいほど骨髄由来細胞の関与は大きくなった.ヒトにおいても,末梢血単核球を内皮様細胞もしくは平滑筋様細胞に分化させることが可能であり,骨髄由来細胞が,粥状動脈硬化や移植後血管病変の病態に関与していることが示された.今後,血中の血管前駆細胞を対象にして,動脈硬化症の新しい診断法,治療法が開発されることが期待される.
  • 吾妻 安良太
    2005 年 94 巻 2 号 p. 376-385
    発行日: 2005/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    マクロライド療法はびまん性汎細気管支炎に対する生命予後の劇的な改善をもたらした治療法である.臨床効果が作用メカニズム解明の研究に先行した治療法であり,今なお治療法の発展のため示唆に富むエビデンスを提供し続ける,貴重な情報源となっている.欧米中心の医薬品開発において,本療法は我が国から発信された希少な臨床効果である.それはびまん性汎細気管支炎がわが国固有な気道疾患であるためでもあったが,現在では欧米特有な嚢胞性線維症に対しても試みられ,慢性気道炎症に対する治療のあり方を考える格好の題材を提供してくれている.一方,本来抗生物質であるマクロライドの長期投与に伴い消化器症状,肝障害,薬剤相互作用,耐性菌の出現などの問題が指摘されている.目的とする薬効を明確にし,新たな医薬品開発につなげる動きも始まっている.
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