日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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94 巻 , 5 号
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  • 上野 光博, 下条 文武
    2005 年 94 巻 5 号 p. 849-852
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 今井 裕一, 西川 和裕
    2005 年 94 巻 5 号 p. 853-858
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)は,若い女性に生じやすい膠原病の1つで,患者ごとに臨床症状に幅があり,皮虜科,整形外科,腎臓内科,精神科などを初診する可能性がある.尿異常・腎機能異常がある場合は積極的に腎生検を行う.急性期には寛解導入療法,慢性期には維持療法が必要になる.副腎皮質ステロイド薬の初期量や免疫抑制薬の併用は組織分類別または病態によつて決定するが, SLEは慢性疾患であることを意識し,副作用の少ない薬剤を少ない量で投与することが原則である.
  • 中野 正明
    2005 年 94 巻 5 号 p. 859-863
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    関節リウマチでは罹病期間の長い治療抵抗例を中心に,アミロイドーシスの合併により進行性の腎障害をきたす.抗リウマチ薬による膜性腎症の頻度も比較的高く,蛋白尿が遷延することが多い.血尿陽性例ではメサンギウム増殖性糸球体腎炎の合併頻度が高く,蛍光抗体法にてIgA腎症の所見を呈することが多い.電子顕微鏡により観察される糸球体基底膜の菲薄化も血尿の責任病変として頻度が高く,単独あるいは前述の各病変に重複して認められる.
  • 小山 哲夫, 平山 浩一, 山縣 邦弘
    2005 年 94 巻 5 号 p. 864-870
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎病変を呈する壊死性血管炎の代表であるANCA関連血管炎による腎症候は急速進行性糸球体腎炎を呈し,病理学的にはpauci-immune型半月体形成性糸球体腎炎の像を呈するのが一般的である.発症早期に積極的な治療を行う必要があるものの,免疫抑制療法などによる日和見感染での死亡例も少なくなく,生命・腎予後を考慮しながら治療方針を立てることが重要である.
  • 寺井 千尋, 桜井 正
    2005 年 94 巻 5 号 p. 871-875
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Sjögren症候群の腎障害では間質性腎炎が多い.間質性腎障害の多くは潜在性で,負荷試験で初めてRTA (renal tubular acidosis)や濃縮能低下が判明する.一部で低カリウム血症,四肢脱力,骨軟化症,骨石灰化,尿路結石などの症状を示す.糸球体腎炎はまれで,膜性増殖性腎炎,メサンギウム増殖性腎炎などが報告され,クリオグロブリン血症を伴うことが多い. RTAの治療はアシドーシスの補正が基本で,急速に腎機能低下が進行する腎炎ではステロイド治療を要する.
  • 近藤 啓文, 遠藤 平仁
    2005 年 94 巻 5 号 p. 876-880
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    強皮症の重要な内臓病変として急速に腎不全に進展する強皮症腎クリーゼがある.悪性高血圧症から乏尿,腎不全になる型が有名であるが,近年,正常血圧でも腎クリーゼになる型が明らかになった. MPO-ANCA関連血管炎の合併によるものと微小血管障害性溶血性貧血の病態を呈するTTP様の腎クリーゼである.皮膚筋炎の腎病変は稀であるが,激しい筋崩壊によるミオグロビン尿症と免疫複合体が関与した糸球体腎炎がある.
  • 羽田 勝計
    2005 年 94 巻 5 号 p. 881-885
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症の診断と治療に当たっては,まず定期的に尿アルブミン排泄量を測定し早期腎症を的確に診断すること,および早期腎症以降の症例に対しては,血糖・血圧・血中脂質の目標値を長期間達成する「集約的治療」を行うことが極めて重要である.これにより,腎症の進展阻止のみならず, remission (寛解), regression (退縮)が期待される.
  • 細谷 龍男
    2005 年 94 巻 5 号 p. 886-890
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    痛風・高尿酸血症に合併する腎障害は高尿酸血症および高尿酸尿症に伴い尿酸塩結晶が尿細管腔および間質に析出することが主因の1つと考えられる.さらに,痛風に高率に合併する生活習慣病による細動脈硬化が加わり,広義の意味での痛風腎が形成されていくものと考えられる.最近では,高尿酸血症モデルラットにおいて,高尿酸血症自体が腎細動脈硬化に直接関与している可能性も示唆されている.また慢性糸球体腎炎における高尿酸血症は,慢性糸球体腎炎の長期腎機能予後に対する危険因子であることが明らかとなった.
  • 斉藤 喬雄, 笹冨 佳江, 千葉 淑朗, 佐藤 博
    2005 年 94 巻 5 号 p. 891-896
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    アミロイドーシスは,アミロイド線維が全身の臓器や組織の細胞外に沈着して機能障害を起こす疾患であり,腎臓はアミロイドが沈着しやすい臓器である.アミロイド腎症の診断は腎生検によるが,実施に当たっては安全性を確認する必要がある.治療として, ALアミロイドーシスに対してmelphalanとprednisoloneによるMP療法, AAアミロイドーシスに対してprednisoloneとcyclophosphamideの併用療法が行われるが,その予後は不良である.
  • 山田 明
    2005 年 94 巻 5 号 p. 897-900
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    B型及びC型肝炎は二次性ネフローゼ症候群の重要な原因である. B型肝炎の場合は小児において, HBe抗原と抗体がseroconversionを起こした時に生じる免疫複合体が,糸球体沈着して膜性腎炎を生じることが多い. C型肝炎の場合はクリオグロブリン陽性の膜性増殖性腎炎のことが多い.ステロイドやインターフェロンによる治療も試みられるが,肝炎ウイルスの活性化には注意しなければならない.
  • 野島 美久
    2005 年 94 巻 5 号 p. 901-905
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性骨髓腫ではその約半数に腎障害を合併する.また,腎障害の有無は骨髓腫の重要な予後規定因子である.腎障害の病因・病態は多岐にわたり,狭義の骨髓腫腎(いわゆるcast nephropathy)やALアミロイドーシスなどがある.脱水や腎毒性薬物(鎮痛薬や造影剤など)の使用を契機に急性腎不全を発症することもあり注意を要する.高齢者に原因不明の腎機能障害を認めたら多発性骨髓腫の可能性を必ず想起せねばならない.
  • 原 茂子, 乳原 善文, 原 重雄
    2005 年 94 巻 5 号 p. 906-914
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    クリオグロブリン(Cryo)は寒冷で沈殿し,加熱により再溶解する免疫グロブリンで,免疫複合体である.構成する免疫グロブリンにより3型に分類され,腎病変は混合型Cryo血症が関与し, HCV肝炎との関連があきらかになっている.腎外病変として紫斑,低補体価を認める.軽度の尿所見異常からネフローゼ症候群を呈し,腎生検所見ではI型膜性増殖性腎炎所見で,血管炎所見も併存する.免疫組織所見では, Cryoの成分が沈着する.高倍率の電顕所見でCryoの繊維状管状構造物を認める. Cryo血症の組織所見には多様性が認められる.
    治療では薬物療法としてステロイド療法,免疫抑制剤が使用されるが,ステロイド治療は肝炎ウイルスの増加も報告されコンセンサスがえられていない.インターフエロン療法,クリオフィルトレーションなど産生抑制と除去がこころみられている.インターフエロン療法では中止後にリバウンド現象が認められる.脾臓摘出が有効であっだ一例を経験している.成因,治療ともに未解決である.予後は良好ではなく,感染症,心不全,肝不全死がみられる.
  • 伊藤 貞嘉
    2005 年 94 巻 5 号 p. 915-919
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧は腎臓を傷害し,腎機能障害は高血圧を重症化させる.本態性高血圧では糸球体前血管抵抗の上昇がみられ,糸球体血圧は正常である.一方,腎疾患や糖尿病では糸球体高血圧が見られる.いずれの場合も腎機能障害の進展を抑制するためには血圧の管理が重要で,降圧目標は130/80mmHgとなる.また,最近中程度の腎機能障害や尿蛋白の存在が末期腎不全の発症のみならず生命予後の危険因子であることが明らかにされた.したがって,血圧と同時に尿蛋白を定量的に評価して臨床指標として用いることが肝要となる.さらに,腎機能低下を早期に発見するためには血清クレアチニン値,性,年齢,体重などより糸球体濾過率(またはクレアチニンクリアランス)を計算により推定することが推奨される.
  • 菱田 明
    2005 年 94 巻 5 号 p. 920-924
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    中毒性腎障害の中心は薬剤性腎障害であり,免疫機序を介するものと直接毒性によるものとがあり,臨床像としては蛋白尿(高度な場合はネフローゼ症候群)や腎機能障害(腎不全)として現れる.障害部位は輸出入細動脈,糸球体,尿細管・間質の全てに及ぶが,薬剤によって障害を起こしやすい部位と臨床症状の現れ方に特徴がある.高齢者では腎前性腎不全を含め薬剤性腎障害が多いが,一方で薬剤性腎障害の病態を熟知することで腎障害の軽減・防止が可能である.
  • 原田 孝司, 阿部 克成, 宮崎 正信, 河野 茂
    2005 年 94 巻 5 号 p. 925-929
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血小板減少症と微小血管性溶血性貧血の特徴を有する血栓性微小血管症には溶血性尿毒症症候群と血栓性血小板減少性紫斑病があり,同じ疾患概念として考えられるようになってきた.臨床的に腎障害と神経症状の有無にて鑑別される.種々の病因が報告されているが,最近,血栓性血小板減少性紫斑病の発症機序にvon willebrand factor (VWF) cleaving protease活性あるいは抗原量の著減とインヒビターの存在が明らかになった.治療には新鮮凍結血漿を用いた血漿交換療法が著効を示す.
  • 阿部 信一
    2005 年 94 巻 5 号 p. 930-934
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    妊娠中毒症(妊娠高血圧腎症)は高血圧(収縮期血圧140mmHg以上,拡張期血圧90mmHg以上)を主徴とし蛋白尿を伴う病態で,妊娠20週以降に見られ,分娩後は正常にもどる.成因はまだ解明されていない.軽症例が多いが,ときに重篤な母体合併症や胎盤機能不全による胎児発育遅延や胎児死亡をきたすこともある.このような病態を早期に発見して対処し,適切な分娩時期と分娩方法を決定することが大切である.
  • 小野 江和之, 南須原 康行, 笠原 郁美, 檜澤 伸之, 西村 正治, 上野 弘志, 村松 康和, 森田 千春, 田村 豊
    2005 年 94 巻 5 号 p. 961-963
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は69歳女性.特発性器質化肺炎としてステロイド治療を開始し,自他覚所見は速やかに改善した.しかし,経過中行った検索にてCoxiella burnetiiに対する血清抗体価上昇,血液PCR陽性であったため, Q熱が器質化肺炎の原因と考えられた. Q熱については,診断法が一般的でなく市中肺炎の原因としても見逃されていることが多いとされており,特発性器質化肺炎と診断されている症例の中に, Q熱によって引き起こされている症例が少なからず存在する可能性がある.
  • 伊藤 晶子, 山田 聡志, 良田 裕平, 三浦 努, 関 慶一, 柳 雅彦, 高橋 達, 金子 兼三
    2005 年 94 巻 5 号 p. 964-966
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Churg-Strauss症候群(CSS)は気管支喘息,好酸球増多,血管炎症候群を三徴とする疾患である.病因は不明であるが,最近ロイコトリエン(LT)拮抗剤とCSS発症との関連が問題となっている.症例は70歳男性. 5年間気管支喘息で近医通院中であった.上腹部痛と頻回の水様性下痢,血液検査にて白血球35,000(好酸球82%)/μlと著明な好酸球増多を認め入院となった.下部消化管内視鏡にて全大腸に発赤が散在し,発赤部位からの生検より粘膜下組織に強い好酸球浸潤を伴う血栓性血管炎を認め, CSSと診断し,ステロイド治療が奏功した.
  • 白澤 祐一, 若見 和子, 山本 潤, 本川 正浩, 宗村 美和, 加藤 信夫, 福田 道雄, 吉田 篤博, 木村 玄次郎
    2005 年 94 巻 5 号 p. 967-968
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は40歳,女性.マグネシウムを含む市販の下剤を長期間大量服用し,高Mg血症と急性腎不全が発症した.水腎症や脱水が急性腎不全を発症させ高Mg血症を増悪させたと考えたが,甲状腺機能低下症が関与した可能性も示唆された.実験モデルでは甲状腺機能低下症が高Mg血症を惹起するという報告があるものの,臨床例での報告はなく,興味ある症例と考えられる.
  • 柳川 和範, 山根 光量, 岡田 拓也, 桐野 基浩, 蓮池 俊明, 大塚 章人, 水谷 肇, 竹村 芳, 多田 秀敏, 市原 紀久雄
    2005 年 94 巻 5 号 p. 969-972
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,男性.多発性脳梗塞の既往があり真性多血症で通院中,呼吸困難にて入院.著明な低酸素血症があり,心エコーで右心系の高度拡大を認め,肺動脈圧95/42 (59) mmHgと著明な肺高血圧を呈した.治療に抵抗し,右心不全から両心不全となり第12病日に死亡.剖検では肺動脈幹部に著明な粥状硬化を認めた.真性多血症による血液粘稠度の亢進に起因する,末梢動脈の内膜障害・微小血栓形成が肺高血圧症の原因と考えられた.
  • 小杉 眞司, 玉田 愛子
    2005 年 94 巻 5 号 p. 973-978
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒトゲノム解析が進み,個人個人の遺伝子解析による情報を遺伝医療の場で役立てていくことが可能となりつつある.そのためには,まず遺伝医学の基本を知ること,すなわちメンデル遺伝学を正確に理解することが不可欠である.遺伝子解析が可能となる以前の遺伝相談は,確率的な情報提供が中心であったが,遺伝子検査が可能な場合は,決定的な情報の提供が可能となっている.その意味で,遺伝子検査についての理解が必要である.まず,体細胞の遺伝子検査と生殖細胞系列の遺伝子検査を正確に区別する必要がある.次に,発端者における遺伝子検査と未発症血縁者に対する遺伝子検査の違いを理解しなければならない.また,生殖細胞系列の遺伝子検査は,その結果が本人のみでなく血縁者に大きな影響を及ぼすことを忘れてはならない.疾患の原因遺伝子は次々と見つかっているが,それが検査として継続的に提供されるシステムがない.そこで,現在存在するリソースを最大限に生かす必要があり,そのための情報源として「いでんネット」を整備した.積極的な活用をお願いしたい.
  • 溝渕 正英, 秋澤 忠男
    2005 年 94 巻 5 号 p. 979-983
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    calcium-sensing receptor (CaR) agonistのcalcimimeticsは副甲状腺CaRにallosteric activatorとして作用し, CaRの細胞外Ca2+に対する感受性を高め,副甲状腺ホルモン(PTH)の合成・分泌を強力に抑制する薬剤である.血中CaやP濃度の上昇は血管石灰化に代表される異所性石灰化病変を促進させ,さまざまな合併症を誘発する.これまで二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)の治療の中心は,ビタミンD製剤やカルシウム(Ca)含有リン(P)吸着薬であった.これらの薬剤では血中Ca, P濃度を上昇させることなく,効果的なSHPT治療を継続するのは困難なことが多かった. calcimimeticsはPTHを強力に低下させるとともに血中Ca, P値も低下させることから, SHPTに対してのみならずCa・P代謝異常に起因する血管石灰化や骨病変など透析患者の生命予後を規定する合併症に対しても有用な管理手段として期待される.
  • 山本 一彦, 山田 亮
    2005 年 94 巻 5 号 p. 984-989
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    一塩基多型(SNP)を用いた関連解析で,ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ(PADI)タイプ4 (PADI4)遣伝子が関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)と関連することを明らかにした. PADI酵素はタンパク質中のアルギニン残基をシトルリンに置換する働きがある.日本人には,大きく2つのPAI4遺伝子ハプロタイプがあり, RA感受性と非感受性の遣伝子に分けられ, RA感受性遺伝子からのmRNAは安定性が高いことが判明した.一方,欧州を中心とした研究で, RAに特異性の高い自己抗体が,生体内のシトルリン化蛋白を認識していることが明らかとなり,我々の解析と合わせて, RAの病因と密接な関係があると考えられている.抗シトルリン化抗体を測定するシステムとして現在高頻度に使われている抗CCP抗体(cyclic citrullinated peptides)の特異度は98%にも及び,抗CCP抗体陽性の患者ではより骨・軟骨破壊が進行することが判明している. RAの診療上重要な自己抗体と認識されつつある.
  • 堀江 泰夫, 鈴木 聡, 片岡 英, 後藤 隆, 芳野 竜太郎, 佐藤 亘, 渡辺 純夫
    2005 年 94 巻 5 号 p. 990-998
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    飲酒歴がほとんどないにもかかわらずアルコール性肝障害と組織学的に類似する非アルコール性脂肪性肝炎NASH (non-alcoholic steatohepatitis)は,欧米型の食生活の定着に伴い本邦においても増加することが予想され,肝硬変や肝癌への進行がみられることから,近年注目を集めている.その初期病変である肝細胞への脂肪の蓄積は,脂肪肝を有する遺伝子変異マウスの解析からさまざまなメカニズムによって引き起こされることが解明されつつある,これに対して, NASHの炎症や線維化,癌発症のメカニズムはまだ十分には明らかにされていない.しかし,我々が世界に先駆けて作成した癌抑制遺伝子Ptenの肝細胞特異的欠損マウスなどヒトNASHの肝病変を再現している遺伝子変異マウスが作成され,炎症や癌化にはperoxisome proliferator-activated receptor(PPAR)の発現亢進に基づく酸化ストレスの増加をはじめ, Akt, MAPKなどの活性化が関写していることが示唆された.今後, NASHの肝病変を忠実に再現する遺伝子変異マウスが作成されることにより,その病態が明らかにされ,近い将来効果的な治療法が開発されることが期待される.
  • 舘田 一博
    2005 年 94 巻 5 号 p. 999-1004
    発行日: 2005/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細菌の産生するホルモン様物質(autoinducer)を介した情報伝達機構,すなわちクオラムセンシング(Quorum-sensing)が微生物学・感染症学・化学療法学の分野で注目されている.これはビブリオ属細菌における菌数依存的な蛍光物質産生という現象から見つかってきたシステムであるが,その後,緑膿菌をはじめとする多くの病原細菌が本機構を用いて病原因子発現をコントロールしていることが明らかとなっている.また最近では,このautoinducer分子が生体細胞に対しても多彩な影響を及ぼしていることが報告され,菌側と生体側の両面から感染症の発症に関与する因子として注目されている.ここでは緑膿菌のクオラムセンシング機溝に焦点を当て,その基本構造と特徴を概説するとともに,本機構の感染病態形成における役割,クオラムセンシングをターゲットとした新しい感染症治療の可能性について述べてみたい.
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