日本内科学会雑誌
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94 巻 , 6 号
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  • 貫和 敏博
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1025-1026
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 工藤 翔二
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1027-1031
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症は,原因不明の間質性肺炎(特発性間質性肺炎, IIPs)の50%以上を占める中心的な疾患である.わが国におけるその概念の変遷は特発性間質性肺炎の歴史の中にある. 2003年,厚労省研究班は日本呼吸器学会と共同して, 90年代の医学的進歩と国際的整合性を目的として疾患概念と臨床診断基準の第4次改訂を行った.
  • 井上 義一
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1032-1038
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎(IIPs)は原因不明の間質性肺炎の総称である.最近,内外でIIPsに関する新しい分類,診断基準が発表された. IIPsには特発性肺線維症(IPF),非特異性間質性肺炎(NSIP),特発性気質化肺炎(COP),剥離性間質性肺炎(DIP),呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(RB-ILD),リンパ球性間質性肺炎(LIP),急性間質性肺炎(AIP)の7つの疾患が含まれるが,それぞれ治療反応性と予後は異なり鑑別は重要である.
  • 棟方 充
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1039-1043
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症(IPF)は慢性進行性疾患で,有効な治療法のない,原因不明の肺疾患である.その予後は肺癌などの悪性腫瘍にも匹敵するほど不良である.発症リスクとして,加齢,喫煙を含めた肺への種々の吸入性負荷などが指摘されている.また,家族性間質性肺炎に関する遺伝的研究が進展し,発症メカニズムに新たな視点がもたらされている.現在,遺伝子・環境相互作用(gene-environment interaction)という観点からの間質性肺炎発症メカニズムの解明と,それに基づく新しい治療法の開発が切望されている.
  • 中山 智子, 福田 悠
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1044-1051
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症の組織像であるUIP (usual interstitial pneumonia)の病理学的特徴は,胸膜直下,小葉辺縁部より始まる線維化であり,正常肺,早期線維化巣(fibroblastic focus: FF)から終末像である蜂巣肺までが含まれた時間的場所的不均一な病変である.蜂巣肺は肺胞の消失と細気管支化により形成される. FFは線維化と正常肺胞の境界,あるいは蜂巣肺腔内に壁在して認められる.予後不良の反映として, UIPの早期線維化巣は,筋線維芽細胞の増生が多く,沈着した細胞外基質が吸収されにくい性質を示す.
  • 上甲 剛
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1052-1054
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症は,胸部X線像では両側性に不規則な線状影,網状影を示す. 70%の症例では下葉有意に分布する.初期には細かい網状影を示し,病変の進行とともに粗大なものとなり,肺の容積減少も示す.末期にはびまん性にhoneycombingを呈するようになる.高分解能CT像の特徴は,主として胸膜直下及び肺底に分布する小葉内網状影とhoneycombingである.
  • 渡辺 憲太朗
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1055-1060
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症(IPF)を外科的肺生検をせずに診断するためには拘束性換気障害やガス交換障害などの呼吸機能障害を確認することが必須となる.また初診時(1つの時点)のみならず経時的に呼吸機能を測定することが重要である.非特異性間質性肺炎(NSIP)はIPFより予後良好とされているが,経時的にIPFと同様に呼吸機能が悪化していくのであれば,たとえNSIPであろうと予後はIPFとかわるところはない.
  • 大下 慎一郎, 河野 修興
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1061-1067
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清マーカーは,その簡便性と客観性ゆえに,画像診断や病理診断にはない有用性を秘めていると言える. KL-6, SP-D, SP-Aはいずれも特発性肺線維症のすぐれた血清マーカーであり,特発性肺線維症における肺胞上皮細胞傷害という病態を反映していると考えられている.これら血清マーカ-の特性を認識した上で,多角的に病態を把握することは,特発性肺線維症の診療を行う際に大変有用であると思われる.
  • 谷口 博之, 近藤 康博
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1068-1074
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis: IPF)は,慢性かつ進行性の経過をたどり,高度の線維化が進行して不可逆性の蜂巣肺形成をきたす予後不良の疾患である.ステロイド薬の単独療法の効果は治療反応性に乏しいことが知られ,シクロホスファミドやアザチオプリン,また本邦ではシクロスポリンなどの免疫抑制薬の併用が試みられてきたが,効果はやはり限定的である.一方, fibrotic NSIPは臨床上IPFと鑑別困難な場合も多いが, IPFに比べると治療反応性は良好である. IPFの治療に際しては治療効果と副作用および治療に関連する合併症のリスクをよく検討し治療を開始すべきである.また, IPFの急性増悪に対してはステロイドパルス療法やステロイド連日静注法が用いられ,免疫抑制薬も併用される.
  • 岡本 竜哉, 菅 守隆
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1075-1081
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症は効果的治療法のない予後不良の疾患で,抗炎症薬から成る現在の治療法では,平均生存期間は5年未満にすぎない.その病態に関し近年,概念の変遷が見られる.その背景として, (1)線維化の進展に炎症細胞の関与を示す証拠がなく, (2)患者の肺線維芽細胞は増殖能と細胞外基質産生能が極めて高いという知見が挙げられる.本稿では上皮の傷害と線維芽細胞の異常制御が本態であるという観点に立ち,新規薬剤の開発動向について概説する.
  • 千田 金吾, 乾 直輝
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1082-1087
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症(IPF)で呼吸不全が進行すると酸素療法が必要となる.予後は改善しない対症療法だが, 1)低酸素血症や呼吸困難は改善しQOLの向上に寄与する, 2)低酸素血症に伴う血管攣縮の改善や二次性肺高血圧症の発症を抑制する.安静時と労作時の至適酸素流量を決定し,在宅酸素療法が行われる. IPFでは膠原病随伴性問質性肺炎に比べより多くの酸素を要する傾向がある.呼吸不全が進行した場合,人工呼吸も選択されうるが予後は厳しく,適応には十分な配慮が必要である.
  • 巽 浩一郎
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1088-1093
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性肺線維症は,診断後の中間生存が2.8年であり,極めて予後が悪く,予後推定因子としては, HRCT肺線維化スコア・肺拡散能が重視されている.移植待機中に死亡してしまう症例が多いが,特発性肺線維症に対しては,欧米では片肺移植が施行されており, 1年生存率66%, 3年生存率55%と,他疾患と変わらない予後が期待できる.また,移植を実施した場合,その生命予後は,待機患者よりも改善する.
  • 杉山 幸比古, 坂東 政司
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1094-1098
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    家族内に2人以上の肺線維症患者がいる場合,家族性肺線維症と呼んでいるが,こういった家系は50年以上も前から知られている.こういった例は稀であるが,発症年齢が孤発例に比べ,若年であること,画像所見に非定型的な例も多いといった臨床上の違いも指摘されている.家族性例の重要な点は,遺伝子解析により,孤発例の遺伝子異常にせまりうる点で, SP-C遺伝子異常が近年,米国から報告され,注目されている.
  • 吉澤 靖之, 大谷 義夫, 稲瀬 直彦, 宮崎 泰成, 海野 剛, 磯貝 進, 小山 信之, 臼井 裕
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1099-1105
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性過敏性肺炎は潜在性発症型と再燃症状軽減型に亜分類され,潜在性発症型はIPFと誤診されている.再燃症状軽減型の当初は抗原曝露後急性症状があり,初期には診断が容易である.画像は気道に沿った蜂巣肺,牽引性気管支拡張,胸膜下の不整型斑状影,小葉間隔壁肥厚,小葉内網状影,限局性の小葉中心性粒状影に注意する.自宅と周囲環境,仕事場,野鳥の棲息状況,羽毛布団使用などを含めた生活環境の問診が重要である.
  • 田坂 定智, 石坂 彰敏
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1106-1111
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ARDSは肺の急性炎症と微小血管透過性亢進を特徴とするが,発症後数日を経過した線維増殖期(fibroproliferative phase)に線維芽細胞の増殖から肺線維症へと進行することがある. ARDS後の肺線維化には, TGF-βなどの増殖因子やケモカインなどが関与していると考えられている.副腎皮質ステロイドが線維化の抑制に有効との報告があり,米国で大規模試験が行われ,最終結果が待たれている.
  • 健山 正男
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1112-1118
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺疾患を基礎疾患に有さない患者が感染を契機として炎症期から肺胞腔内の線維化期に至る感染性肺炎はレジオネラ肺炎,ニューモシスティス・カリニ肺炎,一部のウイルス性肺炎,結核などで報告されている.感染性肺炎において肺の線維化が早期より認められる場合や線維化の程度の強い場合には重症化しやすいことが報告されており,このような感染性肺炎においては血清KL-6などの線維化マーカーは予後予測因子として測定する意義は高い.
  • 藤田 光一, 米田 直人, 栗本 泰行, 吉村 博英, 森本 敦子, 前田 浩志, 羽間 稔, 寺村 一裕
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1143-1145
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    若年女性の高血圧症で,血液検査上renin-angiotensin-aldosterone (RAA)系の亢進を認め,腹部CTにて右腎腫瘍を認めた.画像検査所見と,選択的静脈サンプリングによる血漿レニン活性測定によりレニン産生腎腫瘍である傍糸球体細胞腫(juxtaglomerular cell tumor: JGCT)と診断した.腹腔鏡下右腎摘出術を施行し,術後血圧低下は認めたが,術前後とも24時間血圧の日内変動は保たれていた.以上,比較的稀なJGCTによる二次性高血圧症を経験したので報告する.
  • 矢部 正浩, 野本 優二, 山添 優, 吉川 博子
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1146-1148
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    53歳,男性.フィリピンからの帰国時より左小指の腫脹,発疹,両上肢遠位部の関節痛と強ばり,右肩痛,発熱がみられた.身体所見では右肩関節の可動制限と両小指に直径3mm程度の中心紫色で周辺やや発赤した丘疹を各一個認めた.核左方移動を伴った白血球増加とCRPの軽度上昇を認めたが他に異常なし.入院後右手関節屈側の腱鞘炎も出現.血液培養から淋菌を検出し播種性淋菌感染症による敗血症と診断.セフェム系抗菌薬投与にて治癒.性感染症予防対応を患者に伝えた.
  • 河野 嘉之, 安部 雄征, 田村 彰, 那須 勝
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1149-1151
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性.化膿性脊椎炎の診断にて当院整形外科入院.抗生物質,非ステロイド系抗炎症薬投与され解熱したため退院. 11日後,腰痛と発熱が再燃し再入院.抗生物質投与にて解熱していたが,クモ膜下出血発症.手術病理組織にて細菌性脳動脈瘤破裂と診断.経食道エコーにて僧帽弁逆流と僧帽弁後尖の疣贅付着と弁内膿瘍を認め,血液培養にてStreptococcus viridansが検出され,感染性心内膜炎と診断. ceftriaxone sodium 2g/dayを4週間投与し寛解した.
  • 山内 美奈, 名和 由一郎, 谷本 一史, 中瀬 浩一, 小塚 輝彦, 原 雅道, 岡本 憲省
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1152-1154
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    20歳,男性.急性前骨髄球性白血病の第二寛解期に同種末梢血幹細胞移植施行.約2年5カ月後,両足の足袋型感覚障害・歩行障害が出現.末梢血,骨髄,髄液に異常を認めなかったが,脊椎MRIにて上部胸椎近接部位に腫瘤を認め,外科的切除摘出術施行.摘出した腫瘍にAuer小体のある白血病細胞が認められ,白血病髄外再発と診断した.同種造血幹細胞移植後に労脊椎部位に髄外再発するのは稀であり,報告した.
  • 宮沢 紀子, 松浦 圭文, 清野 弘明
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1155-1157
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    破傷風は致命率の高い重症細菌感染症である.ワクチン導入により減少傾向を示していたが,ここ数年高齢者患者数が増加しているといわれている1).今回我々は左下腿糖尿病性壊疽が感染源となった重症破傷風に対して患部切断とICU管理にて救命し,病変部よりClostridium tetaniとその外毒素の同定ができた症例を経験したので報告する.
  • 高後 裕, 生田 克哉
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1158-1164
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症性貧血anemia of infiammationは,慢性疾患貧血anemla of chronic disorder (ACD)とも呼ばれる病態で,感染症,リウマチやSLEなどの自己免疫性疾患,潰瘍性大腸炎やCrohn病などの炎症性腸疾患,各種悪性腫瘍など様々な疾患で認められる.共通して言えることは,多くが炎症を基盤として,正球性正色素性貧血で,時に小球性低色素性貧血のパターンをとり,鉄欠乏性貧血との鑑別が重要となる.検査所見として,血清鉄の低下,総鉄結合能の低下,トランスフェリン飽和度はやや低下した状態で,血清フェリチンは上昇することが多く,網内系への鉄蓄積による骨髄赤血球産生における鉄代謝異常が存在する.従来から,この病態を形成する原因として, IL-1, IL-6, TNFなどのサイトカインが関与すると考えられていたが,最近,新たに発見された肝臓由来の抗菌ペプチドであるヘプシジンにより,炎症性貧血における網内系鉄ブロック(RES iron block)の病態を説明することができることが明らかになった.
  • 堀江 重郎
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1165-1171
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    常染色体遺伝多発性嚢胞腎(ADPKD)は最も頻度が高い遺伝疾患であり,腎や肝に多発する嚢胞が患者のQOLを阻害し,また腎不全が進行する.分子生物学,細胞生物学の進歩により, ADPKDは疾患遺伝子PKD1, PKD2が同定され,その遺伝子産物であるpolycystin-1, -2の機能が解明されてきた.特に嚢胞形成の分子病理の解明が進み,特定の分子を標的とした薬剤が開発され,臨床治験が進行中である.またADPKDでは高血圧がみられるが,その発症機序として血管内皮機能の低下があることが注目され, polycystin-1を介する情報伝達系の異常が嚢胞形成と血管内皮機能の低下を起こすことが明らかになった.これらの分子病態の解明が今後さらなる創薬へと進んでいくことが期待される.
  • 中田 力
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1172-1182
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1970年代初頭, CTの登場をもって画像診断は画期的変貌を遂げた.しかし,それが単に新しい時代の幕開けに過ぎなかったことは,現在,誰の目にも明らかである. 1980年代初頭CTから主役の座を奪ったMR技術の躍進は, 21世紀に入った現在でもその衰えを見せず,次から次へと「限界の壁」を破り続けている.高速撮像法は「秒」のハードルをやすやすと越え,高分解画像は「顕微鏡」の世界に突入した. MR機能画像の登場はPETすらも古典化しつつある. real time機能画像をも射程距離に置いたMRの最先端技術は,「こころ」と「からだ」を同時に写し出す「究極の診断学」に向けて,まっしぐらに進んでいる.人類が己を知る時代とも言われ,医学がQOLにその重点を移行した21世紀,臨床実践にとっても脳神経学にとっても欠かすことのできない, MRの最新技術を展望する.
  • 太田 博明
    2005 年 94 巻 6 号 p. 1183-1191
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    女性ホルモン補充療法について,その80年近い歴史に関し,どのように評価され,使用されてきたのかを記載した.本療法との関係が深い骨粗鬆症,冠動脈疾患,乳癌についての評価の変遷を特に詳述した.また, WHIの結果と問題点については,種々議論のあるところではあるが,現段階での最新情報について記載した.このRCTであるWHI報告は,女性ホルモン補充療法が万能薬ではないことと,使い方によってはベネフィットがリスクにもなり得るものであるとの警鐘を鳴らした意義は大きい.また, RCTが必ずしも万能ではなく,観察研究もその意義があることを示したつもりでもある.今後の本療法のあり方としては,適格に病態や症状を評価するとともに生活習慣の適正化を指導し,リスクを遠ざけるよう実践させることが先ず基本である.これで効果がみられない場合に薬物療法を行うが,本療法は薬物療法のあくまでも1つの選択肢である.したがって,薬物療法の選択には十分なinformed consentの上, decision makingは患者の考えを優先させる必要がある.そして投与量・投与法は目的にあわせ,個別的に対応する,まさにテーラーメイド医療が求められるわけである.このように本療法は,従来から強調されていた基本的な対応を厳守することが何よりも重要である.
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