日本内科学会雑誌
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94 巻, 7 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • 原田 実根
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1271-1273
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小寺 良尚
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1274-1280
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1991年に設立されたわが国の骨髄バンク(骨髄移植推進財団)は2004年9月現在,累積ドナープール数25万人であり, 17,000人の登録患者の35%に当たる5,800人に非血縁者間骨髄移植を仲介した.移植成績も急性白血病,骨髄異形成症候群においては同胞間移植のそれと等しい.ボランティアドナーには一定の有害事象が発生するが生命予後に関わるものは今のところ無い.
  • 加藤 光次, 原田 実根
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1281-1286
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    末梢血幹細胞移植は,骨髄移植に替わる造血幹細胞移植法として日常診療の中で一般化しつつある.世界的には臨床データも集積しつつあるが,わが国では依然としてエビデンスに基づいて行われているものは少ない.わが国におていも,末梢血幹細胞移植の適応と限界を明らかにするためのエビデンス作りとドナー及びレシピエントの安全性を確保するためのシステム作りが急務である.
  • 田近 賢二, 檀 和夫
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1287-1292
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非血縁者間臍帯血移植(以下,臍帯血移植)はHLA一致同胞,非血縁者間骨髄につぐ第三の造血幹細胞ソースとして注目されつつある.現在まで国内で実施された移植は2,000例を超え,小児のみならず成人血液悪性疾患の一治療法として認知されつつある.今後は臍帯血の質の測定・管理方法を統一させ,臍帯血移植の適応症と移植時期を明確にし,ウイルス感染対策を含めた支持療法を充実させることで更なる発展が期待される.
  • 宮腰 重三郎
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1293-1297
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年の造血幹細胞移植は,幹細胞ソースと移植前処置の多様化により著しい進歩を遂げている.従来の骨髄破壊的造血幹細胞移植と対峙する形で骨髄非破壊的造血幹細胞移植と移植前処置強度を落とした同種造血幹細胞移植,いわゆるミニ移植が開発された.これは,急性骨髄性白血病や骨髄異型成症候群が従来の骨髄破壊的造血幹細胞移植の施行が難しい高齢者に多く発症することから,高齢者の血液疾患に対して有効な移植療法となる可能性を秘めている.
  • 坂巻 壽
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1298-1302
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性白血病の初回非寛解例は,同種移植での長期生存は20%であるが,移植は積極的な適応と考えられる.急性前骨髄球性白血病(APL)は,レチノイン酸での治療成績が良好であり,第一寛解期での移植は控えられている. APL以外の急性白血病は第一寛解期で多く移植されているが,予後中間群あるいは不良群での移植の適応があることについてはエビデンスが確立されつつある.再発以降の急性白血病も積極的移植対象となる.
  • 平岡 諦
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1303-1308
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    第一慢性期での本邦移植成績は, HLA一致同胞間で5年生存率75%, 10年で71%である. HLA-A, B, DRB1一致非血縁者間では3年(無病)生存率64%, 5年で61%である. STI571の臨床応用以来,移植実施数はピーク時の約3分の一に減少しているが, STI571の長期効果や,いわゆるミニ移植の成績などにより今後も大きく変化する可能性がある.移植成績向上には,移植成績の施設間比較や大規模施設での多数例実施が必要と思われる.
  • 岡本 真一郎
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1309-1315
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    同種造血幹細胞移植によって,重症再生不良性貧血患者全体として50~80%の治癒が得られている.しかし,移植後の生存率と生活の質(QOL)は移植時年齢,移植に用いる細胞ソース,移植前処置,輸血歴などの因子に大きく左右される.若年者における診断早期のHLA適合血縁者間移植では90%を越える生存率が得られているが,高齢者(40歳以上)の移植成績は必ずしも良好ではない.現時点における重症再生不良性貧血に対する移植適応はこれらの因子と,免疫抑制療法の効果を総合的に判断して決定される.
  • 東條 有伸
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1316-1321
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    骨髄異形成症候群の移植適応は, (1)病型ならびにIPSSに基づく疾患のリスクと(2)患者年齢,臓器障害・感染症の有無,さらに(3)ドナー候補の種類の各要素を統合したうえで決定される.まだ十分なエビデンスは得られていないものの,近年ミニ移植や臍帯血など新たな手法の導入によって移植適応が拡大されつつある.今後の移植成績の向上と併せて予後の改善が期待される.
  • 田野崎 隆二
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1322-1330
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ホジキンリンパ腫は再発や治療不応例は自家移植の適応である.濾胞性リンパ腫の再発や寛解導入不能例は自家移植で生存期間の延長が期待され,リツキサン併用により更なる向上が期待される.びまん性リンパ腫では初回治療の部分寛解,感受性のある再発時および再発リスクが高い第1寛解期が自家移植の適応である.岡種移植は移植関連死亡が多いが再発は少ないので,より安全性の高いミニ移植をいかに組み込むかが今後の課題である.
  • 島崎 千尋
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1331-1336
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自家造血幹細胞移植は, 65歳以下の若年者多発性骨髄腫の標準的治療となった.本療法により40~50%に完全寛解が得られるが,その多くは再発し,平均生存期間は4~5年である.そこで,タンデム自家移植の有用性が検討されている.ミニ移植は研究的治療であるが,ドナーリンパ球による抗腫瘍効果が期待され,自家移植との併用も検討されている.これら移植療法と新規薬剤の併用により,効果的な治療体系が確立されることが期待される.
  • 加藤 淳
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1337-1343
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    GVHDはTh1細胞あるいはTh2細胞の活性化がそれぞれ病態の中核をなす急性型と慢性型に分類され,同種造血幹細胞移植の予後に重大な影響を及ぼす合併症である. GVHDの予防,治療成績の向上には同種および移植免疫の機序解明に向けた基礎研究に基づき,移植細胞の生着と殺腫瘍効果を保つと同時にGVHDを抑制する,特異的で重症度を考慮した個別的な治療に向けた薬物,サイトカイン,細胞療法の新規開発が必要である.
  • 石田 陽治, 菅原 健
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1344-1350
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    同種造血幹細胞移植にともなう感染症は,いろいろな要因によって発症する.抗がん剤や放射線照射などの前処置によっておこされる免疫不全状態,免疫抑制剤によるさらなる免疫不全状態,移植の経過にともなって発症するGVHDによって日和見感染を発症する.移植時期によって異なる起炎菌を同定しつつ,経験的に抗菌薬を使用することも推奨されている.いくつかのガイドラインによって明らかにされたエビデンスをもとに予防するのみならず可及的速やかに治療することが重要である.
  • 塩原 信太郎
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1351-1355
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    造血細胞移植後のGVL効果は主に同種免疫反応であることを示し,再発例に対するドナーリンパ球輸注療法の優れた結果を示した.同種免疫を惹起する抗原として,マイナー組織適合抗原というユニークな抗原があり造血細胞上のmHagの研究で, GVL効果をGVHDと区別でき,より相応しいドナー検索への応用や移植後の再発例の治療,再発予防ワクチンの開発など新しい治療法の開発などの可能性を示した.
  • 豊嶋 崇徳
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1356-1361
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Cyclosprineの導入によって急性GVHDの制御がある程度達成され,同種造血幹細胞移植は急速に普及した.しかし一旦発症した急性GVHDの治療成績はいまだ不十分で,さらに慢性GVHDの減少は依然達成されておらず,移植後のQOL (quality of life)と生命予後の大きな危険因子となっている.近年,新規薬剤や各種抗体療法の開発,研究が進み,新たな細胞療法の展開とあわせて注目される.
  • 丸屋 悦子
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1362-1368
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    造血幹細胞移植はアロ免疫療法であり,造血器腫瘍や遺伝病の根治療法のひとつである.化学療法不応疾患では日常的に行われる唯一の腫瘍免疫療法であるが,安全性と有効性のバランスを保つことが非常に困難な療法でもある.母児免疫寛容を応用したHLA haploidentical移植の可能性について概説する.
  • 三沢 大介, 大島 慶太, 渡邊 真, 浅井 幹一, 井野 晶夫, 上田 真努香
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1393-1395
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    2年3カ月間に経験した横紋筋融解症11例について検討した. 7例が冬期に発症し, 65歳以上の高齢者が7例を占めた.症状は意識障害,食欲低下など非定型的なものが多く,筋痛,筋力低下を訴える例は少なかった.原因および誘因は長時間の体動不能による筋圧迫5例, A型インフルエンザ1例,感染性腸炎1例,熱中症1例,悪性症候群1例,テオフィリン製剤の多量内服1例などが推測された.合併症として腎不全,血管障害,肺炎が多く見られた.当内科入院患者における横紋筋融解症(以下RM)の臨床的特徴について検討した.
  • 後藤 耕作, 岡本 栄一, 森田 みどり, 笹本 朋実, 遠藤 路子, 梅澤 公彦, 直田 匡彦, 金古 善明, 中野 明彦, 新井 昌史, ...
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1396-1398
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,女性.眼,皮膚サルコイドーシスと診断されていた.胸部X線,心電図,心エコー, Gaシンチにて心異常はなかったが, FDG-PETにて心集積を認めた.経過観察中に左脚ブロックを経て完全房室ブロックに進展しステロイド治療を開始した.この際のFDG-PETにて心集積が増強していたが, Gaシンチでは変化なかった. Gaシンチで検出できなかったサルコイドーシスの心病変を, FDG-PETにより早期より観察できた.
  • 細井 慶太, 築家 直樹, 閔 庚〓, 佐藤 智己, 徳嶺 進洋, 石川 勝憲, 前田 元, 上田 佳世, 井上 匡美
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1399-1401
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は29歳,女性.乾性咳嗽が出現し,炎症反応の高値と胸部X線写真で右中肺野の浸潤影を指摘された.胸部CTにて右S3に腫瘤影を認めた. CTガイド下肺生検と縦隔鏡によるリンパ節生検にてホジキン病と診断された.肺の腫瘤がリンパ節と比べ大きいことより,肺原発のホジキン病で,アンアーバー分類でStage IIEと診断した. ABVD療法を施行したところ腫瘍は消失した.肺原発ホジキン病は稀であり文献的考察を加え報告する.
  • 難波 倫子, 三上 聡司, 倭 成史, 長門谷 克之, 岩谷 博次, 長澤 康之, 伊藤 孝仁, 今井 圓裕
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1402-1405
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ANCA関連腎炎は急速進行性糸球体腎炎の原因疾患として知られており治療法としてはステロイドなどの免疫抑制療法が標準的である.しかし,治療上問題となるのが感染症の合併で, ANCA関連腎炎の死亡原因としても約4割をしめている.我々は高齢のANCA関連腎炎症例に対して,大量ガンマグロブリン療法(IVIG)を行い治癒しえた.近年,同じ血管炎である川崎病に対し有効性が確立しているこのIVIGがANCA関連腎炎の新たな治療法として期待されている.今回,我々が経験した症例について文献的考察を踏まえて報告する.
  • 塩 季織, 小林 浩子, 池田 恒彦, 深谷 悦子, 岩舘 治代, 引地 拓人, 関根 英治, 渡辺 浩志, 小原 勝敏, 佐藤 由紀夫
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1406-1408
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,男性. 2003年11月亜急性甲状腺炎と診断されステロイドの内服を開始したが, 2004年1月ステロイド減量中に発熱し, 2月には右足背の筋力低下と両足背の痺れが出現し多発性単神経炎と診断された.感染症,脱髄性疾患,全身性血管炎は否定されNonsystemic vasculitic neuropathy(NSVN)と診断した.その後,アザチオプリンの追加投与により神経症状は改善した. NSVNは多臓器障害を欠き末梢神経障害が前景に立つ血管炎である. NSVNの治療はステロイドに免疫抑制薬を併用することが有用であると推測された.
  • 佐々木 秀直
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1409-1415
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多系統萎縮症は我が国の脊髄小脳変性症の約40%を占めている.病理学的には,乏突起膠細胞を中心に嗜銀性封入体を伴い,不溶化したα-シヌクレインが過剰に蓄積する.これを端緒として原因や発症機序について研究が進んでいる.多系統萎縮症は臨床診断基準と画像診断により診断されているが,発症初期の前景像がパーキンソニズムである場合には,他の神経変性疾患と慎重な鑑別を要する.現時点では根治的治療法は確立されていない.もっぱら,神経伝達機能改善薬を中心とした薬物療法が行われているが,症状に応じた工夫が必要である.
  • 桑野 和善
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1416-1420
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺損傷の予後を規定する重要な因子は,肺上皮・血管内皮細胞の正常な機能の維持と,線維化の抑制と考えられる.肺損傷・線維化の際には,活性酸素,一酸化窒素,炎症性サイトカイン,ケモカイン等多くの因子が,肺上皮・血管内皮細胞のアポトーシスに関与していると考えられる.肺の線維化は,肺胞壁損傷に始まり,その修復の過程において,上皮細胞,炎症細胞,間葉細胞の均衡が破綻した結果と考えられる.すなわち,外界とのバリァである肺上皮細胞と線維芽細胞に代表される間葉系細胞における増殖とアポトーシスのバランスが,正常な修復にとって非常に重要である.従って,アポトーシスの分子機構の理解に基づく治療法を開発することが,難治性疾患である肺線維症の克服につながると考えられる.
  • 高上 洋一
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1421-1427
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    造血幹細胞移植によって白血病が治癒するのは,移植前処置療法の効果であると考えられていた.しかし最近になって,同種骨髄移植後にGVHDを発症した患者では移植後の白血病再発率が低下し,逆にGVHDの発症を防ぐために移植片からT細胞を除去した場合には白血病の再発が多い事実から,同種造血幹細胞移植は大量抗癌剤による治療効果だけではなく,生着後に増殖するドナーリンパ球を介した抗腫瘍効果であるgraft-versus-1eukemia/tumor(GVL/GVT)効果が重要な働きを及ぼすとの認識が高まり,治療関連毒性を減少させた,いわゆるミニ移植が開発され,同種移植の適応が高齢者や臓器障害を有する患者にまで拡大して急速に普及しつつある.
  • 北村 健一郎, 冨田 公夫
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1428-1434
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    アルドステロンはレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系の最終シグナルで,従来腎尿細管上皮細胞のミネラロコルチコイド受容体を介してNa再吸収を促進し,体液量増加および血圧上昇が主な作用であると考えられていたが,近年,血管内皮細胞やメサンギウム細胞などの非上皮系細胞においてミネラロコルチコイド受容体の存在が示され,またアルドステロンの血管障害作用が明らかとなってきた.腎障害動物モデルにおいてアルドステロンはこれらの古典的,非古典的作用を介して,血圧やアンジオテンシンIIとは無関係に独立して糸球体硬化などの腎障害を惹起する因子であることが証明され,ヒトにおいても慢性腎疾患患者や2型糖尿病性腎症患者に対してミネラロコルチコイド受容体拮抗薬を投与することでタンパク尿や微量アルブミン尿が改善することが報告され,アルドステロンの腎障害作用が示されると同時にミネラロコルチコイド受容体拮抗薬の腎保護硬化が証明されている.
  • 肝疾患を例として
    恩地 森一, 日浅 陽一
    2005 年 94 巻 7 号 p. 1435-1440
    発行日: 2005/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    樹状細胞(DC)は最も強力な抗原提示細胞である.自然免疫と獲得免疫の双方に大きな役割を果たしている.感染症,自己免疫疾患,腫瘍や移植の免疫病態の成立にDCは関わっている. DCを用いた免疫療法が開発されつつある.肝臓のDCの機能特性は肝免疫の特性を導くとともに, DCの機能異常が肝疾患の病態形成に大きく関わっている. B型肝炎ウイルスのDCワクチン接種が,良性疾患では初めてヒトで試みられた. DCの臨床研究には,多くの分野で免疫病態の解析と治療の戦略を大きく変えるポテンシャルがある.
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