カプセル内視鏡は小型のカプセル状の内視鏡で,被検者が自ら飲み込むだけで検査を行うことができる, 21世紀の新しい内視鏡検査法である.現在最も普及しているのは,小腸を対象とした画像撮影専用タイプ(PillCam
TMSB, GIVEN Imaging社)である.最大の適応は,上部・下部消化器内視鏡など従来の検査で原因が不明の消化管出血で, Crohn病やNSAIDsによる副作用の評価なども適応とされている. 2005年2月末までに世界で17万件以上も行われていて,日本でも現在認可申請中である.最近,食道専用の新しいカプセル内視鏡(PillCam
TMESO)が開発され,欧米で使用が始まった.大腸用のカプセル内視鏡も開発中で,国産の小腸用カプセル内視鏡も臨床試験が開始された.近い将来,筒型やチューブ型など従来の内視鏡とは全く異なるこれらの新しいカプセル内視鏡によって消化器内視鏡診断や治療が劇的に変化し,一般臨床にも大きな影響をおよぼすものと思われる.
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