症例は70歳,男性.黄疸,肝腫大のため入院した.血液検査や画像検査では診断に至らなかった.肝生検及び骨髄生検検査上,肝組織へのアミロイド物質沈着を広範に認め,原発性AL型アミロイドーシスと診断した.診断後,デキサメサゾン(DEX)40mg/日4投4休の間欠投与を開始したところ,T-Bil, ALPなどの胆道系酵素の著明な改善を認めた.確立された治療法がない原発性アミロイドーシスにおいて,骨髄移植や肝移植以外に有効な薬物療法の報告は少ない.本症例で著効したDEX間欠療法は高齢者でも実施可能であり,高齢者の原発性アミロイドーシスに対し,標準的治療となりうると推察された.
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