日本内科学会雑誌
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96 巻 , 7 号
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特集●慢性骨髄増殖性疾患:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.慢性骨髄増殖性疾患の基礎
II.診断へのアプローチ
  • 橋本 亮, 大田 雅嗣
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1352-1356
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    白血球増加症は様々な疾患にて起こり得る.一般外来では感染症に伴う白血球増加症に遭遇することが多いが,癌の骨髄転移や造血器悪性腫瘍,薬剤に伴う白血球増加症も一定の頻度でみられる.白血球増加症に対する鑑別を適切におこなうことは,治療法の選択や予後の改善に寄与するため極めて重要である.
  • 志関 雅幸, 泉二 登志子
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1357-1362
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    赤血球増加症は循環赤血球量の増加による絶対的赤血球増加症と,循環血漿量の減少による相対的赤血球増加症に大別される.前者はエリスロポエチンに依存しない真性多血症と各種原因によるエリスロポエチン産生増加を原因とする二次性赤血球増加症,さらに特発性赤血球増加症に分けられる.赤血球増加症をきたす各疾患を念頭においた病歴聴取,身体診察,臨床検査を実施し鑑別疾患のフローチャートに従って診断する.
  • 古和田 周吾, 石田 陽治
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1363-1367
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    血小板数が60万/μl以上を病的と考え血小板増加症とよぶ.(1)反応性(二次性)血小板増加症(2)骨髄増殖性疾患(本態性血小板血症を含む)(3)骨髄異形成症候群(4)家族性血小板増加症(遺伝性)の鑑別が必要である.そのためには,病歴の詳細なる聞き取り·理学的所見の注意深い観察ならびに血液一般検査,骨髄検査,染色体検査などが重要である.WHO分類による本態性血小板血症の診断基準も提唱されている.本態性血小板血症だけに特異的ではないが,JAK2遺伝子変異が高頻度に認められる.
  • 岡村 孝
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1368-1373
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    骨髄線維症は,原発性と二次性に分類され,原発性骨髄線維症は,骨髄増殖性疾患の一型に分類される.クローン性異常造血幹細胞由来の分化した細胞から分泌されるサイトカインにより骨髄間質の線維化や骨硬化などが形成されるものである.診断には,巨脾,貧血,末梢血塗抹標本での白赤芽球症,涙滴赤血球の存在および骨髄はdry tapであり,骨髄生検で骨髄の線維化を証明することが重要である.
III.病態と治療
  • 東條 有伸
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1374-1381
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄性白血病は,幹細胞レベルの未熟な血球において9番と22番染色体の相互転座により,Ph染色体上でBCR遺伝子とABL遺伝子の融合が生じることに起因する.このキメラ遺伝子産物は活性化したチロシンキナーゼであり,マウスの造血幹細胞に発現させるとCML類似の病態をひき起こす.CMLの自然経過は,顆粒球増加を特徴とする数年の慢性期から急性転化とよばれる急性白血病類似の病態へ移行するのが特徴的であるが,近年BCR-ABLキナーゼを阻害する分子標的薬イマチニブの導入によって予後が劇的に改善している.
  • 小松 則夫
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1382-1389
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    真性赤血球増加症(真性多血症)は慢性骨髄増殖性疾患のひとつで,特に赤血球数の増加が顕著である.EPOなどのサイトカインの細胞内シグナル伝達に中心的役割を担うJAK2チロシンキナーゼの遺伝子変異が高頻度に検出される.この遺伝子変異によって血液幹細胞の赤血球への分化·増殖が促進され,赤血球増加症を来すと考えられる.今後はこの変異分子をターゲットにした分子標的薬剤の開発が期待される.
  • 臼杵 憲祐
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1390-1397
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    本態性血小板血症は血栓症や出血を合併しやすい.骨髄線維症や急性白血病への移行がみられるが,主な死因は血栓症であり,治療方針は急性白血病への移行率を低く抑えながら血栓症を予防し自覚症状を除くことである.血栓症のリスク因子は高齢と血栓症の既往であり,血小板著増例では出血のリスクが高い.低リスク群ではアスピリン投与,高リスク群ではハイドロキシウレアとアスピリンの投与が推奨される.
  • 下田 和哉
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1398-1404
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    原発性骨髄線維症は,造血幹細胞レベルで生じたc-mplやJak2などの遺伝子変異により,サイトカインのシグナル伝達径路が恒常的に活性化されることにより生じる.骨髄の線維化は反応性の変化であり,TGF-βやosteoprotegerinが骨髄間質細胞に作用して生じる.蛋白同化ホルモン,サリドマイド治療が血球減少に対し有効であるが,治癒的治療法は造血幹細胞移植である.骨髄破壊的前治療後の移植は治療関連合併症が多く,ミニ移植も検討されている.
IV.最近のトピックス
  • 山口 博樹
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1405-1410
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄増殖性疾患を中心にJAK2の変異(V617F)が発見された.真性赤血球増加症(PV)においては大多数の症例にこの変異が認められ,クローナリティーとの相関があり,JAK2V617FモデルマウスがPV様になることから病態における1st hitである可能性が強い.しかし本態性血小板血症や慢性特発性骨髄線維症では約半数にしか変異が認められず,機能解析でも不明な点が多く今後の研究の発展が待たれている.
  • 矢ケ崎 史治
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1411-1419
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    1970∼80年代にかけて,v-Srcの発見を発端に次々とレトロウイルス癌遺伝子(v-Onc)が発見され,v-Oncの多くが基質タンパクのチロシン残基をリン酸化するチロシンキナーゼ活性(TK活性)を有することが明らかにされた.これまでのヒトゲノム解析により,TK活性を有すると考えられる遺伝子は90種存在し,細胞の増殖,分化,生存,運動,形態形成に関わることが知られている.これらのTK遺伝子群は,がん細胞において変異,増幅,染色体転座によるキメラ遺伝子形成などの体細胞変異により恒常的に活性化し,発がんに重要な役割を果たすことが明らかにされてきた.慢性骨髄性白血病(CML)に対し,責任遺伝子であるBCR-ABLの恒常的チロシンキナーゼ活性を選択的に阻害するTK阻害薬,イマチニブ(imatinib mesylate)が臨床応用され,その予後を大幅に改善しつつある.またTK遺伝子の変異や過剰発現を認める固形がんにおいてもTK阻害薬が有用であることが報告されている.今後はTK遺伝子を分子標的とした癌治療が増えていくと思われる.一方で,CMLではイマチニブ耐性化やCML幹細胞のイマチニブに対する低感受性が新たな問題点となってきている.本稿では造血器腫瘍を中心にTK阻害薬の開発の現況と問題点を概説する.
  • 定 明子, 松井 利充
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1420-1426
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    好酸球増加症候群hypereosinophilic syndrome(HES)は骨髄での好酸球の増殖により持続的に末梢血好酸球増加をきたす疾患群の総称であり,難治性で致命的なことが多い.最近,一部の症例で分子標的治療薬imatinib mesylate(イマチニブ)に反応するという報告が相次ぎ,その原因となる分子異常が第4染色体の部分欠失によるFIP1L1-αPDGFR融合遺伝子産物の恒常的チロシンキナーゼ活性発現に起因することが明らかとなった.診断·治療法の現状とこれからの臨床課題など,最新の知見を概説する.
  • 岡本 真一郎
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1427-1433
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄増殖性疾患(MPD)では,慢性骨髄性白血病(CML)が主な同種造血幹細胞移植の適応疾患であり,移植によって慢性期で60∼80%,進行病期においても10∼40%の根治が期待できる.しかし,イマチニブが導入され,その安全性と移植に匹敵する有効性が明らかになり,その適応は急性期あるいは移行期,およびイマチニブ耐性の慢性期に限られるようになった.CML以外には骨髄線維症,特発性好酸球増加症,急性骨髄性白血病へ移行したMPDに対しても移植が施行されているが,その治療戦略上への位置づけは明らかではない.
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 平 孝臣
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1483-1490
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    錐体路が障害された結果として生じる痙縮は,過度の場合には運動制限や痛みなど様々な問題を引き起こし,有害な痙縮と呼ばれる.薬剤治療の効果は劇的でなく副作用も問題となる.このような有害な痙縮を外科的に緩和し,機能的改善や介護上の問題を軽減することが最近注目されている.手術は患者の年齢や症状に応じて,末梢神経への手術,脊髄後根への手術,髄液腔内への選択的微量薬物投与などが上げられる.このような治療の対象となる患者は,脳血管障害,脊髄損傷,外傷性脳損傷,脳性麻痺などで,その数は膨大である.神経系疾患の後遺症としての痙縮を認識しその治療に積極的に取り組むことで患者のQOL(quality of life)に寄与するところは大きく,日常診療に必要な知識として,痙縮の新しい治療について概説する.
  • 上野 浩晶, 中里 雅光
    2007 年 96 巻 7 号 p. 1491-1496
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    近年,肥満者の増加と,肥満を基礎にして発症する糖尿病,脂質代謝異常,高血圧症などの肥満症やメタボリックシンドロームを呈する患者数が増加している.生活習慣病の根底にある肥満の治療は食事療法や運動療法といった生活習慣の変容が基本であるが,現実的には困難であり,減量に成功する症例は少ない.最近,さまざまな摂食調節ペプチドの同定や各因子間のネットワークを含めた摂食調節機構の解析が進んでおり,摂食調節物質そのものや受容体をターゲットにした創薬により,新しい抗肥満薬が開発され実用化されつつある.
専門医部会
診療指針と活用の実際
東海支部教育セミナーまとめ
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 問題
プライマリ・ケアにおける内科診療
知っておきたい新しい医療・医学概論
シリーズ:revisited(臨床疫学・EBM再探訪)
シリーズ:EBM
シリーズ:世界の医療
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 解答
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