日本内科学会雑誌
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97 巻 , 10 号
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特集●内科医が診るべき骨・関節疾患:治療の新展開
Editorial
トピックス
I.関節リウマチ
  • 山本 一彦
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2380-2386
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(RA)は早期より関節破壊が進むこと,早期の治療開始がそれを抑止しうることなどから,早期の診断が重要である.しかし,診断の基本であるアメリカリウマチ学会の分類基準は早期における感度が高くない.鑑別すべき疾患は多くあり,臨床所見,血清学的検査,画像所見を組み合わせ,関節破壊の進行が予想される症例を把握する必要がある.治療開始後も,治療効果,副作用の有無を定期的にチェックし,治療薬の継続,変更を常に考慮し,治療の目標である寛解を目指すことが求められる.
  • 宮坂 信之
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2387-2392
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)の問題点は,関節破壊と生活の質の低下,生命予後の悪化である.したがって,RAの治療目標は関節破壊の防止/進展抑制である.RAにおける関節破壊は発症後1~3年がもっとも進行が早いが,早期から積極的にメトトレキサート(MTX)や生物学的製剤を用いて治療することで,寛解導入率が飛躍的に上がりつつある.
  • 三森 経世
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2393-2398
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(RA)の薬物療法においては抗リウマチ薬を基本的薬剤とし,抗炎症薬はRAの診断確定までの期間,抗リウマチ薬の効果が現れるまでの橋渡し,抗リウマチ薬使用でも疼痛が残る場合,仕事など活動時の痛みを抑える場合など,補助的に使用する.一方,ステロイド薬は強力な抗炎症作用を有するが,長期投与による副作用が問題となるため,RAの関節症状への積極的使用については専門医の間でも意見が分かれる.しかし,いずれの薬剤も即効性があり,うまく用いれば疼痛を抑制してQOLの改善が期待できる.
  • 山中 寿
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2399-2404
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    抗リウマチ薬(Disease Modifying Anti Rheumatic Drugs=抗リウマチ薬)は,関節リウマチ(Rheumatoid arthritis=RA)患者の長期予後の改善を目的として投与される.多種類の抗リウマチ薬があるが,共通した特徴と薬剤固有の特徴を理解し,患者の病態に合わせて選択する.早期治療の有効性が実証され,早期から用いられる傾向にあるが,安全性には十分な注意を要する.
  • 大友 耕太郎, 小池 隆夫
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2405-2412
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    TNF阻害薬のインフリキシマブ,エタネルセプトはその高い有効性から関節リウマチ診療に革命的な変化をもたらし,現時点における関節リウマチ治療の中心的存在である.一方で重篤な副作用も少なからず存在し問題視されるようになった.本稿では様々なエビデンスや日本リウマチ学会ガイドラインを参照し,その有用性,安全性を概術する.多くの患者に恩恵をもたらせるようTNF阻害薬の適正な投与を行うことが重要である.
  • 西本 憲弘
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2413-2417
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)の病態形成に,炎症性サイトカインであるインターロイキン-6(interleukin-6,IL-6)の過剰産生がかかわっている.トシリズマブ(tocilizumab)は,ヒト化抗IL-6受容体モノクローナル抗体であり,RAの炎症症状のみならず,関節破壊の進行を抑える.トシリズマブは日本で開発された最初の抗体医薬であり,世界に先駆けて本年4月にRAに対し承認された.
  • 齋藤 和義, 田中 良哉
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2418-2423
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(RA)の治療目標は,免疫異常を是正する事による滑膜炎制御と骨破壊抑制だが,病態形成に関与するサイトカインや細胞表面分子などの特定の分子を標的とした生物学的製剤の臨床応用が展開されてきた.B細胞上のCD20やT細胞上の細胞表面分子を標的とした治療は,炎症性サイトカインを標的とした生物学的製剤の効果不十分症例にも有効であることが示され,今後本邦での臨床展開が期待されている.
II.その他の関節疾患
  • 谷口 敦夫, 鎌谷 直之
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2424-2429
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    痛風と偽痛風は総合診療においても頻度が比較的高く,重要な疾患である.これらの疾患はいずれも関節内の結晶を原因とする.痛風は尿酸塩結晶,偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶により引き起こされる.主な臨床症状は急性関節炎である.痛風,偽痛風ともに治療の主体は抗炎症薬である.痛風の場合は,高尿酸血症が病態の基盤であるので,関節内の結晶を枯渇させるために高尿酸血症の是正が有効である.偽痛風の場合はピロリン酸カルシウム結晶沈着の機序がいまだ不明であるので,関節炎に対する対症療法が中心となる.
  • 林 太智, 住田 孝之
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2430-2436
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    変形性関節症は,最も頻度の高い関節疾患である.近年は関節リウマチにおける生物学的製剤の成功もあって,変形性関節症の疾患修飾に対する期待も大きくなっており,現在,精力的に研究がなされている.また近年は,新たな作用機序を有する鎮痛薬もいくつか登場し,グルコサミン/コンドロイチンなど古くから行われる治療法に関する比較的質の高い研究が相次いで報告されていることから,これらの動向も注目される.
  • 高崎 芳成
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2437-2443
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    血清反応陰性脊椎関節症にはリウマトイド因子陰性で,脊椎および仙腸関節炎を主体とする強直性脊椎炎,乾癬性関節炎,反応性関節炎,および腸炎性関節炎などが含まれている.これらの疾患はHLA-B27に相関することからHLA-B27関連脊椎関節症とも呼ばれている.その治療には生物製剤が有効であることが確認され,関節リウマチと同様に患者のquality of lifeを維持するための早期発見と治療が臨床医家に求められている.
III.骨粗鬆症
  • 遠藤 逸朗, 松本 俊夫
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2444-2451
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症とは,骨強度の低下に基づき骨折のリスクが高まった状態と定義される.この骨強度には,骨密度のみならず骨質も重要な役割を果たすことが明らかとなってきた.原発性骨粗鬆症は,退行期に発症する閉経後と男性骨粗鬆症に加え,若年性骨粗鬆症に分けられる.若年性のなかには遺伝子異常に基づくものも同定されている.管理と治療の目標は骨折の防止であり,骨折防止効果が証明された薬剤も多く登場している.
  • 稲葉 雅章, 西澤 良記
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2452-2458
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症診断についての最も大きな進歩は,骨脆弱性を以前は骨密度により規定していたのが訂正され,骨質の関与が重視された点である.骨密度判定も,以前は骨X線での判定を重視していたのに対して,最近では骨密度測定装置による定量が第一となっている.骨質の臨床評価として骨微細構造の新規測定法や骨基質のAGE化を反映する血清ペントシジン定量などが試みられているが,いまだ日常臨床の段階でなく,唯一臨床に供される検査として骨代謝マーカー測定が挙げられる.骨代謝マーカー高値が示す骨代謝回転の亢進は,骨密度とは独立した骨脆弱性の規定因子であることはいまや確立した概念となっている.
  • 池田 恭治
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2459-2462
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    原発性骨粗鬆症は,グルココルチコイドの投与や性腺機能低下症などの基礎疾患に伴う続発性骨粗鬆症を除外したもので,加齢が原因である.個々のケースで,FREXTMなどを活用して骨折の臨床的リスク評価と骨密度測定を行い,アルコール摂取や喫煙などのリスク排除,栄養,運動などの生活習慣指導とともに転倒対策が重要である.薬物治療は,アレンドロネートやリセドロネートに代表されるビスホスフォネート薬が第一選択薬である.わが国の治療ガイドラインが2006年に出版されている.
  • 福本 誠二
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2463-2468
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    各種内分泌疾患や血液疾患など,続発性骨粗鬆症の原因となる疾患は数多い.これらの疾患を有する患者に対しては,骨粗鬆症への配慮も必要となる.また男性や閉経前骨粗鬆症患者には,続発性骨粗鬆症の原因疾患の有無をスクリーニングする必要がある.続発性骨粗鬆症の予防や治療にあたっては,原病の治療と共に,ビスホスフォネートなどの薬剤が有効であることが示されている.
  • 鈴木 康夫
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2469-2475
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    ステロイド性骨粗鬆症は患者数が多く,若年者や男性にも発症するため社会的影響が大きい.骨量の減少や骨折の増加はステロイド開始から6カ月以内に起きるので一次予防が重要である.管理・治療ガイドラインが海外や本邦で提唱されている.本邦ガイドラインでは(1)既骨折(2)低骨密度(%YAM<80%)(3)GC投与量>5mg/日の3つを危険因子とし,段階的に薬物治療介入の目安をフローチャートにまとめた.また,ビスホスフォネートを第1選択薬として推奨した.
  • 竹内 靖博
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2476-2483
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症治療薬の領域では,経口ビスホスフォネート製剤による強固な骨折抑制効果が実証されるという大きな成功により,骨折抑制を主要評価指標とした新規薬剤の開発が進められている.海外では既に静注ビスホスフォネート治療が承認されているのみならず,PTHやラネル酸ストロンチウムなどの作用機序の異なる治療薬も臨床応用の段階に入っている.これら新規治療薬のいくつかは我国でも開発が進められており,近い将来,日本における骨粗鬆症治療に大きく貢献するものと期待される.
座談会
MCQ
特別企画:シンポジウム 地震における災害医療と内科医~来るべき地震に備える~
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 竹越 一博, 磯部 和正, 川上 康
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2558-2565
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫の遺伝子診断は,今世紀に入り大きく考え方が変わった分野である.その理由は,(1)近年のSDHBおよびSDHDの発見,(2)臨床的に散発性でも潜在的な遺伝性である可能性があること,(3)悪性化と関係する遺伝子(SDHB)が判明した事に集約される.遺伝性の頻度は,以前から知られていたVHLRETNF1に(1)(2)を加えると「10%ルール」で言うところの10%よりかなり高く25%程度と見積もられる.この中でSDHBSDHDはTCA回路のコハク酸脱水素酵素サブユニットをコードする遺伝子であり,特にSDHBSDHD変異による遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマをHereditary pheochromocytoma/paraganglioma syndrome「HPPS」と呼ぶことが多い.SDHBの変異は腹部の副腎外褐色細胞腫(パラガングリオーマ)から発症し,その後高率に遠隔転移(悪性化)する.SDHDの変異は頭頸部の多発性パラガングリオーマを発症する(悪性化は少ない).SDHBSDHDについてはその遺伝子診断の臨床的有用性はまだ不明な部分も多いが,現在進行中である国内での多施設共同研究を通して,今後同検査が褐色細胞腫診断の標準的医療の一部と認知されるようにしたいと考える.
  • 鳥羽 研二
    2008 年 97 巻 10 号 p. 2566-2574
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    介護予防は,日常生活自立機能,基本的日常生活動作,認知機能など多くの要素別の機能低下の多段階を理解し,何を予防するかを知ることがスタートである.介護予防は,慢性疾患ケアから,障害には段階的構造があることの理解を経て,社会サービス受給への概念に変化した.虚弱(Frailty)の進展因子として,疾患,液性因子(ホルモンや生化学物質),生活習慣と,統一した概念としてホメオスタシス破綻などの考え方がある.簡便な虚弱者のスクリーニング方法が開発されている.我が国の介護保険は概ね順調に推移したが,介護予防が失敗したのは,地域の高齢者の自主的な参加要件である,高齢者自身の役割付与,予防の意義の説明,「選択と楽しみ」のいずれにも配慮がなかったことによる.介護予防事業を根本的に改善するためには,内外のエビデンスに基づき,科学的アプローチを行うことが必要である.
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