日本内科学会雑誌
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97 巻, 12 号
選択された号の論文の39件中1~39を表示しています
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特集●臨床検査:現状と展望
Editorial
トピックス
I.総論
II.各論―実地医家に必要な新しい検査と重要な検査項目―
  • 諏訪部 章
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2927-2935
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    日常内科診療においてよく遭遇する呼吸器疾患を取り上げ,各疾患の診断,治療評価および予後推定に必要な臨床検査の中で,新しい検査および重要な検査について概説した.呼吸器疾患における臨床検査は,血液生化学・免疫検査,病理検査,細菌検査の他に,生理機能(呼吸機能)検査や遺伝子検査など幅広い.最近では分析機器の小型化・低価格化が進み利用しやすくなっている.
  • 高橋 延行, 土居 忠文, 杉浦 哲朗
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2936-2942
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    近年,循環器領域において多くの生化学指標や生理学指標が開発され,心血管疾患の発症予測,重症度評価,治療効果の判定,そして予後予測が可能となってきた.しかし,いずれも単独の臨床指標としては限界があるため,個々の生化学指標の特徴を理解し,生理機能検査や画像診断など他の方法で得られる指標と組み合わせることによって診断能力を高めてゆく必要がある.
  • 榎本 祥太郎, 岡 政志, 柳岡 公彦, 一瀬 雅夫
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2943-2950
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    消化管関連の検体検査では,Helicobacter pylori感染診断法のガイドライン化など着実な歩みを見せている.特に血清ペプシノゲン等により,胃癌ハイリスク群の同定が可能になったことは特筆に値する.一方,便潜血検査による大腸癌スクリーニングは,死亡率減少効果を有する有効な方法であるが課題も多い.腫瘍マーカーは,消化管癌スクリーニングには有用ではないが,治療効果判定,転移・再発予測など臨床上,重要な指標を提供する.
  • 須永 雅彦, 吉川 真太郎, 野村 文夫
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2951-2958
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    B型,C型肝炎ウイルス核酸定量は,慢性肝炎の治療ガイドラインにも記載されている重要項目であり,両者共に最近測定法がさらに改良された.原因不明の急性肝炎ではE型肝炎の検査が必要である.最近増加しているNASHと脂肪肝を確実に鑑別できる血清マーカーは未だ見出されていない.薬物性肝障害,原発性胆汁性肝硬変では最近診断基準が改訂された.肝細胞癌の早期診断は可能になったが,胆道癌,膵癌は未だ早期診断が困難である.
  • 藤垣 嘉秀, 菱田 明
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2959-2965
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性腎臓病(CKD)の早期発見・治療の観点から,尿蛋白量と腎機能をそれぞれ蛋白/クレアチニン比と推算GFRを用いて評価することが求められている.また,血清シスタチンCが腎機能評価の新たな指標として登場している.早期糖尿病性腎症の診断に微量アルブミン尿,尿細管障害の評価に尿中β2ミクログロブリンあるいはα1ミクログロブリン,急速進行性糸球体腎炎では抗糸球体基底膜抗体や抗好中球細胞質抗体の理解が重要である.
  • 宮地 勇人
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2966-2973
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    末梢血検査は,各血球の定量,大きさや細胞形態に関連したパラメータ測定および評価を行う.自動血球分析装置では,血球数に加え,白血球分類,網赤血球数が自動化され,高い測定精度と信頼性がもたらされた.一部の機種は,新規項目として,網血小板,網赤血球ヘモグロビン量,破砕赤血球定量,末梢血幹細胞などが測定できる.また,免疫学的測定が導入され,免疫学的血小板数測定やリンパ球サブセットなどに利用されている.
  • 山崎 雅英, 朝倉 英策, 尾崎 由基男
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2974-2982
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    凝固・線溶系血液検査は出血性素因・周術期止血管理とともに,日本人の死因の1/3を占める血栓症の早期発見・治療において重要である,凝固時間の延長が見られる場合には,クロスミキシング試験をおこない,凝固因子欠乏と循環抗凝血素の鑑別を行う.凝固・線溶活性化の最も簡便な指標はFDP,D-ダイマーであり,これらが異常高値を示した場合にはTAT,PICなどの分子マーカーを測定することにより病態解析が可能である.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の診断にはADAMTS-13活性測定が有用である.
  • 家入 蒼生夫, 菱沼 昭, 竹越 一博
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2983-2990
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    内分泌・代謝疾患の診断・治療では,イムノアッセイによるホルモンの検査値が大きな意味を持つ.検査の正確性の担保および互換性の確保をめざして世界的に医療界の枠を超えた計測標準の視点で標準化が進められている.本稿では,イムノアッセイ全国コントロールサーベイの結果を示しながら標準化の必要性は認められてきているが,その達成にはなお大きなハードルがある現状を解説した.糖尿病の診断・治療で重要なHbA1c測定の標準化が進み,2010年からこれまでのJDS(%)は併記するが,IFCC値(mmol/mol)で表記するようになる.基準値,管理目標値などは今後関連諸団体と協議されることになる.内分泌・代謝疾患の分野での遺伝子診断の進歩は目覚しいものがあり,サイログロブリン遺伝子異常(甲状腺)と褐色細胞腫瘍の遺伝子解析の最近の進歩を解説した.
  • 熊谷 俊一
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2991-2997
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    アレルギーは外来性抗原に対する免疫系の過剰反応であり,膠原病の多くは自己免疫性疾患であり内在性抗原に対する過剰反応と理解されている.両者とも,遺伝的素因と環境要因が作用し,免疫調節機構の異常をきたし,I型・II型・III型・IV型アレルギー機序により生体に障害がもたらされる.免疫や炎症の検査が重要であるが,その検査がどのような免疫アレルギーの異常を反映しているかを十分把握した上で利用することが重要である.
  • 叶内 匡, 水澤 英洋
    2008 年 97 巻 12 号 p. 2998-3005
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病など全身疾患の合併症でもある末梢神経障害の診断や経過観察上,末梢神経伝導検査は最も標準的な機能検査の一つである.伝導速度だけでなく,複合神経活動電位や複合筋活動電位の振幅も有髄神経の軸索数を反映する指標として重要だが,普段使用している伝導速度は最速線維の情報でしかなく,複合筋活動電位の振幅は運動神経軸索数を間接的にしか反映しないなど,その解釈には注意すべき点があり,本稿において概説する.
  • 賀来 満夫
    2008 年 97 巻 12 号 p. 3006-3012
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    感染症の分野においても新しい検査法が登場し,臨床現場で応用されてきている.肺炎においては肺炎球菌やレジオネラの尿中抗原検出法が利用され,比較的感度が高く,患者に負担を与えない検査法として臨床現場で多く利用されるようになってきている.また,菌血症の病因診断として,白血球内に貪食された細菌のDNAを検出する白血球中細菌核酸同定検査の臨床的有用性が認められつつあり,臨床現場でのさらなる利用が期待されている.
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 須山 正文
    2008 年 97 巻 12 号 p. 3060-3065
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    膵嚢胞性疾患について概説した.膵嚢胞性疾患は仮性嚢胞に代表される炎症性嚢胞と悪性化する可能性を有する粘液性嚢胞腺腫(MCN),漿液性嚢胞腺腫(SCN),solid-pseudopapillary tumor(SPT)が知られている.また,膵管内乳頭腫瘍(IPMN)のうち分枝拡張型は鑑別が必要である.典型例は画像診断で鑑別が可能である.画像診断では横断画像が主体をなし,体外式超音波(US)・CTなどで拾い上げられ,CT・MRI・超音波内視鏡(EUS)で鑑別診断がなされる.たとえばEUSは空間分解能に優れUSでは高エコーとして描出される小嚢胞も嚢胞として描出することが可能でSCNの診断に適している.治療はMCNでは切除術が行われ,SCNやSPTなどはslow growingであるため経過観察が妥当と考えられる.しかし転移例の報告もあり,注意深く経過をみることが大切である.また,分枝型IPMNの手術適応については結節を有すること,大きな嚢胞径などが上げられているが,まだconsensusを得るまでには至っていない.
専門医部会
診療指針と活用の実際
第8回北陸支部教育オープンカンファレンスまとめ
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 問題
プライマリ・ケアにおける内科診療
総合内科専門医の育成のために
シリーズ:指導医のために
シリーズ:世界の医療
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 解答
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