日本内科学会雑誌
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97 巻, 6 号
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特集●慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD):診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.病因と病態
  • 西村 正治
    2008 年97 巻6 号 p. 1170-1176
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)を慢性気管支炎あるいは肺気腫と呼ぶことがある.しかし,COPDを特徴づける気流閉塞は,末梢気道病変(慢性閉塞性細気管支炎)と肺気腫がさまざまな割合で混合して起こる.よって,慢性気管支炎,肺気腫いずれの病名も正しく病態を反映しているとは言えない.COPDにおける末梢気道病変の重要性を理解したうえで,本疾患がunder-diagnosis,under-treatmentの代表的な疾患であることに留意すべきである.本邦では慢性気管支炎症状の乏しいCOPD患者も多い.
  • 永井 厚志, 青柴 和徹
    2008 年97 巻6 号 p. 1177-1183
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDの発症は,喫煙を主とする有害物質の曝露による気道や肺の慢性炎症によりもたらされる末梢気道の狭窄病変や肺気腫病変に起因する.COPDでは炎症反応が異常に増幅しており,その要因として遺伝的素因が指摘されている.炎症細胞から産生されたプロテアーゼやオキシダントは炎症を促進し気道や肺を傷害する.近年,炎症とは別にアポトーシスや加齢によるCOPDの発症メカニズムも指摘されている.
  • 鈴木 直仁, 大田 健
    2008 年97 巻6 号 p. 1184-1191
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDの急性増悪はしばしば入院の原因となり,患者の呼吸機能,QOL(quality of life)を悪化させる重大な事象であり,生命予後にも著しく影響する.急性増悪の主たる原因は,ウイルス感染,細菌感染,大気汚染である.病態的には気道の過分泌,気管支粘膜浮腫,気管支平滑筋収縮などにより気道が狭窄し,換気血流比不均等が増強して低酸素血症が進行し,全身的な異化の亢進とあいまって呼吸困難を来す.炎症の中心的細胞は好中球と考えられており,とくにエラスターゼに代表される好中球プロテアーゼによる組織障害の重要性が指摘されている.また,急性増悪期には気道粘膜組織や喀痰中に好酸球が増加することも報告されており,気道傷害,狭窄に関与していると考えられている.治療には気管支拡張薬,ステロイド薬,抗菌薬を用いる.多くの場合,酸素投与が必要となり,非侵襲的人工呼吸の有用性が示されている.
  • 寺本 信嗣, 山本 寛, 山口 泰弘, 石井 正紀
    2008 年97 巻6 号 p. 1192-1197
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDは,気流閉塞疾患であるが,病因は気道の炎症であり,慢性全身炎症症候群であると提唱されている.安定期であっても酸化ストレス,接着分子,高感度CRP,TNF,IL-6などが上昇している.COPDは独立した動脈硬化の危険因子であり,虚血性心疾患,骨粗鬆症,筋障害,肺感染症,肺癌,脳梗塞,糖尿病の合併が多い.したがって,気道病変の治療とともにこれらの全身合併症,全身炎症の管理,治療の必要性が明らかになってきている.
  • 木村 弘, 吉川 雅則
    2008 年97 巻6 号 p. 1198-1205
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    全身性疾患であるCOPDにおいて栄養障害は予後や病態と密接に関連する重要な"systemic effect"である.しかし,栄養管理の手法や有効性に関するエビデンスは確立されていない.栄養障害には代謝亢進や全身性炎症,内分泌ホルモンの分泌動態の変化などが複合的に関与しており,これらのメカニズムに基づいた新たなストラテジーが求められている.グレリンは摂食促進に加えて蛋白同化作用と抗炎症作用を有する治療として期待される.
II.診断と検査の進歩
  • 一ノ瀬 正和
    2008 年97 巻6 号 p. 1206-1213
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPD患者は咳,痰,労作時息切れなどの症状があっても,加齢現象と考えてあまり訴えないので,医師が積極的にスパイロメトリーを行い,早期にCOPDを見出す姿勢が大切である.気管支拡張薬吸入後の一秒率が70%未満で他の閉塞性疾患(喘息,気管支拡張症等)を否定することでCOPDの診断ができる.補助検査として,胸部写真やCTといった画像に加え,肺拡散能検査が有用である.
  • 三嶋 理晃
    2008 年97 巻6 号 p. 1214-1222
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    胸部X線CTにおいて,肺気腫病変の程度は低吸収領域全肺野に対する面積化(LAA%)で定量的に評価でき,GcグロブリンやMMP-9などの遺伝子多型や栄養状態との関連性が報告されている.また,LAA分布のフラクタル解析は早期の気腫病変の評価に有用である.気道壁の気道断面に対する面積比(WA%)はLAA%と共に,COPDのphenotypingに有用である.MRIでは酸素造影MR画像により,換気や拡散能力の局所分布を表現できる.また,末梢気腔の組織像のデジタル化により,気腫病変の進展機序を明らかにできる.
III.治療の進歩
  • 相澤 久道
    2008 年97 巻6 号 p. 1223-1227
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDは治療をすることにより,呼吸機能の低下を防ぎ,症状や運動耐容能を改善し,QOLを維持することが出来る.ガイドラインでは,重症度に応じた段階的な治療が推奨されており,禁煙,ワクチン療法,薬物療法,呼吸リハビリテーション,酸素療法,外科的治療,などを重症度に応じて段階的に追加して用いる.薬物療法の中心となるのは気管支拡張薬であり,リハビリテーションと併用することにより,さらに効果が上がる.
  • 平田 一人
    2008 年97 巻6 号 p. 1228-1234
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    長時間作用型気管支拡張薬はCOPDの薬物療法の中心であり,気流制限の改善ばかりでなく動的肺過膨張を改善し,体動時の呼吸困難感を減少させ,運動耐容能やQOL(quality of life)も改善させ,さらに増悪の予防効果もある.本剤には,抗コリン薬,β2刺激薬,テオフィリン薬があるが,各々の作用機序は異なり,個々の患者の反応性や症状に応じて用いられる.作用と副作用の面から,単剤で用量を増加させるより,多剤併用が推奨される.
  • 鹿内 俊樹, 山内 広平
    2008 年97 巻6 号 p. 1235-1240
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    重症以上で増悪頻度の高いCOPD症例では,継続的吸入ステロイド療法が呼吸機能,増悪頻度やQOL(quality of life)を改善させる可能性があり,副作用に配慮の上使用を考慮する.またステロイド薬とβ刺激薬の配合薬の吸入療法は海外の研究で単独吸入より呼吸機能の改善,増悪の頻度などの点で良好な効果が報告されている.急性増悪時の全身性ステロイド療法の短期間使用は呼吸機能の早期の改善,回復期間や入院期間の短縮,また自覚症状の改善などに有用である.
  • 山谷 睦雄
    2008 年97 巻6 号 p. 1241-1247
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPD急性増悪には呼吸器ウイルス感染による気道炎症や喀痰分泌亢進などが関与する.気道上皮細胞を用いた研究で,マクロライド薬のライノウイルス感染および気道炎症抑制効果,喀痰過分泌制御作用が認められた.臨床研究で,マクロライド薬による風邪回数減少効果,COPD急性増悪抑制効果,急性増悪による入院回数減少効果を認めた.気道感染で喀痰の増加した気管支拡張症合併例に,急性増悪を制御できる可能性がある.
  • 杉山 幸比古
    2008 年97 巻6 号 p. 1248-1254
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPD患者の重要な病態として,やせによる呼吸筋力の低下,運動能力低下による病態の悪循環と,冬期の感冒などをきっかけにする急性増悪があげられる.漢方の補剤とよばれる一群の薬剤は,弱った体力を増強させ,間接的に疾患を改善させるという薬剤で,西洋薬にはみられないタイプの薬である.補剤のうち,補中益気湯は広く用いられ,長期服用により,やせたCOPD患者の体重を増加させ,感冒罹患を減少させる有用な薬剤である.
  • 白日 高歩
    2008 年97 巻6 号 p. 1255-1261
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDの外科療法として,機能改善に最も優れているのは両肺移植であるが,我が国ではドナー提供者が限られる事から実施状況は極めて少ない.一方,20世紀後半に世界的に盛んであったLVRS(Lung Volume Reduction,気管支鏡的肺容量減量治療)は今後の治療手段として期待される.
  • 植木 純, 北原 エリ子, 佐野 裕子
    2008 年97 巻6 号 p. 1262-1268
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    呼吸リハビリテーションの適応はII期(中等症)以上のCOPDであり,長時間作用型気管支拡張薬との併用により,さらに相加的な改善効果を得ることができる.下肢を用いた全身持久力トレーニングが最も強く推奨される.開始時,特に重症例では,効率のよい運動トレーニングをめざしたコンディション作り(コンディショニング)のため,呼吸パターンの修正や柔軟性のトレーニングを時間をかけて行う.また,呼吸リハビリテーションは原則としてチーム医療であり,患者教育,栄養指導を含めた包括的なプログラムにすることにより,より大きな改善効果が得られることが示唆されている.
  • 中村 正和
    2008 年97 巻6 号 p. 1269-1279
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    喫煙は,慢性閉塞性肺疾患の主要でかつ最大の原因である.一方,禁煙により,咳や痰などの自覚症状の改善,肺機能低下の経年変化の改善,入院率の減少,COPD関連死亡のリスクの減少が認められている.近年増加しているCOPDを予防するためには青少年の喫煙防止に加えて喫煙者の禁煙が重要な対策である.喫煙を治療が必要な病気と捉え,日常診療での禁煙の動機づけや保険による禁煙治療の推進が望まれる.
IV.最近の話題
  • 宮本 顕二
    2008 年97 巻6 号 p. 1280-1285
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    COPDは女性では気道病変優位型,男性では気腫病変優位型を示す.喫煙はCOPDの主たる要因であるが,喫煙に対する肺の感受性は女性のほうが高く,逆に禁煙による呼吸機能改善も女性のほうが大きい.臨床症状は,女性は男性に比べて息切れ,喀痰など訴えが多く病院への受診や入院回数も多い.また,不安状態や鬱状態の合併も多い.我が国では女性の喫煙率が上昇していることから今後女性のCOPDが増加することが予想される.
座談会
MCQ
今月の症例
  • 鹿間 幸弘, 片桐 忠
    2008 年97 巻6 号 p. 1311-1314
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    難治性疼痛を訴える多発性硬化症(Multiple sclerosis:MS)の2症例に対し,塩酸モルヒネ錠を投与した.症例1は三叉神経痛,症例2は帯状疱疹による神経痛と腰痛を訴えた.通常の薬剤は無効,もしくは副作用のため投与できなかった.そこで塩酸モルヒネ錠を60~80mg/日(数時間おきに1錠ずつ内服,疼痛に応じて自己管理で追加)を投与した.同時に制吐薬,便秘薬を併用した.2症例ともすぐれた鎮痛効果が得られ,副作用もなかった.疼痛は多発性硬化症でよくみられ,難治性の場合,塩酸モルヒネの積極的な投与も考慮すべきである.
  • 丸山 直紀, 小林 厚志, 小村 景司, 岡本 健作, 牧野 雄一, 府川 悦士, 平野 史倫, 羽田 勝計
    2008 年97 巻6 号 p. 1315-1317
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.皮膚筋炎を発症しプレドニゾロン60mg/日投与にて軽快していたが,溶血性貧血,血小板減少を認めTTPの併発と診断.血漿交換療法および抗血小板療法を施行するも改善せず,ビンクリスチン投与にて血小板数は正常化した.皮膚筋炎の症例に進行性の血小板減少がみられた場合はTTPを併発している可能性も念頭において速やかに精査,加療することが重要であると考えられた.
  • 中村 造, 秋山 暢, 黒澤 彩子, 大和田 啓, 大井 克征, 末永 松彦, 富山 順治
    2008 年97 巻6 号 p. 1318-1320
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    30歳,女性.1995年に発作性夜間血色素尿症と診断され,外来で月1回の頻度で赤血球輸血を行っていた.2006年2月頃より輸血の頻度が増加し,10月に溶血発作による重度の貧血で入院となった.低K血症とAG正常な代謝性アシドーシスを認め,尿の不十分な酸性化能とHCO3-負荷試験によるHCO3-排泄率の増加から2型尿細管性アシドーシスと診断した.これに対し重曹4.2g/日の投与を行ったところ,輸血の頻度が減少した.両者は高頻度に合併すると考えられるが,まとまった報告はなく,見逃されている可能性がある.
  • 齊藤 典子, 高橋 通規, 山下 りか, 清野 仁, 海瀬 和郎, 片倉 道夫
    2008 年97 巻6 号 p. 1321-1323
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    Weil病は,スピロヘータの一種であるレプトスピラによる感染症であり,黄疸,出血,急性腎不全を三主徴とする急性熱性疾患である.近年,衛生環境の改善により発生数は減少しているが,重症化しやすく,早期に積極的な治療開始が必要となる.今回,重症Weil病に対して早期の持続的血液濾過透析(Continuous Hemodiafiltration;CHDF)とビリルビン吸着療法を行い,救命し得た一例を経験した.
  • 小川 愛由, 菅野 尚, 井上 智雄, 藤原 学, 松本 しのぶ, 土山 芳徳, 溝渕 雅之, 森本 雅徳, 今井 利, 深田 順一
    2008 年97 巻6 号 p. 1324-1326
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は78歳,女性.全身倦怠感,頭痛で発症.頭部MRIにて下垂体茎部に腫瘤像を認め,下垂体前葉機能検査により視床下部性の下垂体機能低下症と診断した.病因が確定できぬままヒドロコルチゾンによる補償療法を開始後,中枢性尿崩症が顕在化しDDAVP投与を加えた.その後,下垂体茎部病変は進行し,さらに入院時には認められなかった部位にも新たな腫瘤像が出現したが,その中の皮下腫瘤および膀胱腫瘤の生検より悪性リンパ腫の診断が得られ,放射線治療,化学療法によって下垂体茎部病変を含め完全寛解に至った.
医学と医療の最前線
  • 清野 精彦, 佐藤 越, 稲見 徹
    2008 年97 巻6 号 p. 1327-1333
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    慢性心不全症例の20~40%に閉塞型または中枢型睡眠時無呼吸(CSAS)が出現し,QOL低下,心不全進展に関連している事,その治療がQOLと予後の改善をもたらす事が報告されている.CSASの発現には,睡眠時の不顕性肺うっ血(J受容体刺激),交感神経系亢進,呼吸中枢化学受容体のPCO2に対する感受性亢進,循環時間遅延などが深く関連している.無呼吸低呼吸指数と運動負荷時心肺応答VE/VCO2slopeの間に有意の正相関が認められることから,運動時PCO2上昇に対する換気亢進は,労作時の息切れや運動耐容能低下にも密接に関連していると考えられる.この様な病態に対し,β遮断薬をはじめとする心不全治療の強化と,夜間酸素療法(HOT),持続陽圧呼吸(CPAP),サーボコントロール補助換気(ASV)の導入が有効である.さらに,本邦多施設臨床試験(CHF-HOT)により実証された夜間HOTの機序と効用について言及する.
  • 堀田 哲也, 小池 隆夫
    2008 年97 巻6 号 p. 1334-1340
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome,APS)は,β2-glycoprotein I(β2-GPI)やプロトロンビンなどのリン脂質結合蛋白を対応抗原とする抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibodies;aPL)が血中に存在し,血栓症や妊娠合併症などの多彩な臨床症状がみられる自己免疫疾患である.aPLが血栓症や妊娠合併症を引き起こす機序については,(1)aPLが凝固線溶系に影響を及ぼす,(2)aPLが血小板,血管内皮細胞,単球を活性化させる,などが考えられている.さらに近年では,aPLは血栓形成のみならず,補体の活性化などを介した組織障害を引き起こすことが注目されている.APSの治療は,急性期の血栓症の治療,血栓症の再発予防,妊娠合併症の予防に大別され,それぞれの病態に応じた治療が選択される.
  • 石井 隆道, 中辻 憲夫
    2008 年97 巻6 号 p. 1341-1347
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    幹細胞を体外で増殖させ目的とする細胞へと分化させた後に移植する細胞移植治療は,ドナー不足などの問題を抱える臓器移植に代替しうる治療法として注目されている.ES細胞およびiPS細胞はほぼ無限に増殖し,かつ全ての細胞種に分化しうるため,細胞移植の細胞源として期待されている.キメラマウスさらには全細胞がES細胞由来のマウスをも作製できることから,ES細胞は「万能細胞」とも呼ばれている.しかしES細胞を細胞移植に用いた場合,アロ移植となるため免疫拒絶反応が予想される.そこで体細胞を初期化(リプログラミング)することによってレシピエント由来の多能性幹細胞を誘導する試みがなされている.この中で,体細胞に3~4因子を導入することによりES細胞に匹敵する多能性を持つiPS細胞が大きく注目されている.克服するべき問題が残るもののES細胞やiPS細胞は大きな可能性を持つため今後の研究の進展が待たれる.
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