日本内科学会雑誌
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99 巻 , 5 号
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特集●急性腎不全:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.概念の変遷
  • 秋澤 忠男, 久野 芳裕
    2010 年 99 巻 5 号 p. 918-923
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    高齢化,生活習慣病を含む疾病構造の変化,医療の高度化などから急性腎不全患者数は大幅に増加した一方,医療の進歩にもかかわらずその生命予後は改善せず,やがて末期腎不全に陥る例も増加している.こうした患者に対する予後改善を目的に,早期診断と早期介入を促す新たな疾患概念として急性腎障害が提唱された.本症の病期は患者予後と密接に関連しており,今後疾患概念と診断基準,病期分類に対する理解とその広い普及が望まれる.
II.病態と鑑別診断
  • 寺田 典生
    2010 年 99 巻 5 号 p. 924-929
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,現在,欧米を中心に急性腎不全(acute renal failure:ARF)に代わる用語として一般的になってきている.AKIの診断や治療に関する検討はRIFLE分類やAKINによるAKI分類をもとに行われる方向となり,知識の集積が期待される.また尿細管の再生のメカニズムについても多くの基礎的研究の集積がなされており,尿中バイオマーカーの開発ともあわせ新規の診断,治療法の開発が期待される.
III.診断へのアプローチ
  • 林 宏樹, 湯澤 由紀夫, 松尾 清一
    2010 年 99 巻 5 号 p. 930-937
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    急性腎不全の急激な腎機能低下は尿細管上皮細胞の先行した機能的・構造的傷害に起因することが明らかとなり,より早期に診断・治療することの重要性が強調されている.わずかな血清クレアチニン値(Cr)変動に注目し,病因の部位による解剖学的な分類に従って診断を進める.しかし現在のCr上昇に基づく診断では,診断時点ですでに治療介入のタイミングを逸していることが多く,より鋭敏なバイオマーカーの開発が急務である.
IV.特殊な病態とその対応
  • 草野 英二
    2010 年 99 巻 5 号 p. 938-942
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    近年,日常臨床で使用される薬剤の種類は増加の一途をたどり,個々の患者に投与される薬剤も様々である.高齢者や慢性腎臓病(CKD)を含む生活習慣病を有している患者の増加と共に,薬剤の副作用や様々な臓器障害が増えている.造影剤による急性腎不全もかかる背景を踏まえて増加傾向にある.本稿では,造影剤による急性腎不全の頻度と危険因子,機序やその防止策,治療などについて概説する.
  • 安田 隆
    2010 年 99 巻 5 号 p. 943-949
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    コレステロール塞栓症は動脈硬化病変のプラークが破綻しコレステロール結晶が末梢の細い動脈に詰まることにより生じる疾患である.発症には血管内操作などの誘因のあることが多い.Blue toe syndromeやlivedo reticularisと呼ばれる皮膚症状と腎機能障害がみられることが多いが,見逃されていることも多い疾患である.確立した治療法はなく,予防,支持療法,再発防止が重要である.
  • 内田 啓子
    2010 年 99 巻 5 号 p. 950-956
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    心疾患に伴う急性腎不全は,障害の程度は様々だが日常診療においてよく遭遇する病態である.低心拍出量による腎潅流量低下が原因である腎前性急性腎不全の代表疾患であるが,その後に交感神経系や内分泌系,炎症性サイトカインや血管作動性物質を巻き込み,非可逆性の腎性急性腎不全へ進展することもある.腎障害を合併した心疾患の生命予後は悪く腎機能に配慮した治療戦略が必要である.
  • 三浦 直人, 今井 裕一
    2010 年 99 巻 5 号 p. 957-963
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    血液疾患における急性腎不全(acute kidney injury:AKI)は,疾患自体により発症するものと治療後に併発するものに大別される.疾患自体によるものとしては,(1)パラプロテイン(多発性骨髄腫,まれに悪性リンパ腫)によるもの,(2)多発性骨髄腫での高Ca血症によるもの,(3)血栓性微小血管症(HUS/TTPおよびDIC),(4)腫瘍細胞(白血病,悪性リンパ腫)の腎臓への浸潤,(5)溶血(溶血性貧血,発作性夜間ヘモグロビン尿症)によるものなどがある.治療後に併発するものとして,(1)腫瘍崩壊症候群(Tumor lysis syndrome),(2)無顆粒球症での敗血症によるもの,(3)造血幹細胞移植に関連するものがある.原疾患の治療を優先しつつ,支持療法を行い,血液浄化療法の開始時期や選択を小児科医,血液専門医,腎臓専門医と連携して行うことが重要である.
  • 古市 賢吾, 和田 隆志
    2010 年 99 巻 5 号 p. 964-969
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    腎障害と肝障害は密接に関連する.臨床的には,進行した肝障害に腎障害が併存する場合は,予後不良である.その中でも,急性腎不全を呈する場合は,腎前性および腎性の腎障害が主体となる.しかし,まれに腎後性の障害がみられることもある.このうち,肝腎症候群は進行した肝障害,特に腹水を伴った肝硬変とともにみられ,腎には特別な病理学的変化を伴わずに,機能的障害が主体の病態である.肝障害を伴う急性腎不全に対する治療としては,確立された,特異的な治療は無く,複合的な病態を理解し,増悪因子の着実な改善が必要である.
  • 石川 勲
    2010 年 99 巻 5 号 p. 970-976
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    運動が原因の急性腎不全は,これまでマラソン・登山など長時間の激しい運動で,大量の横紋筋融解が起こり,その結果生じるミオグロビン尿性の急性腎不全が知られていた.しかし,近年,短距離の全力疾走などほとんど横紋筋融解が関与しない無酸素運動による非ミオグロビン尿性急性腎不全が知られるようになった.これは,運動後急性腎不全(ALPE)と呼ばれ,激しい背腰痛・嘔気を訴え,救急外来を受診することが多い.血清クレアチニンと尿酸値の測定が必要である.
  • 吉田 篤博
    2010 年 99 巻 5 号 p. 977-983
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    感染症では出血,脱水,発熱などや,治療薬により急性腎障害を起こすが,病原性微生物自体が急性腎不全を引き起こす場合もある.感染症で腎障害を起こした場合,その治療薬の腎機能に応じた調節が必要となり,また治療薬剤による腎障害との鑑別も重要となる.腎障害をきたす代表的な病原微生物として,細菌としてO157大腸菌,MRSAとレプトスピラ,原虫としてマラリア,ウィルスとしてハンタウィルスとBKウィルスを取り上げた.
  • 飯野 則昭, 坂爪 実, 成田 一衛
    2010 年 99 巻 5 号 p. 984-989
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    急速進行性腎炎症候群とネフローゼ症候群では,ある頻度で急性腎不全を合併することがある.われわれの教室で経験した,各疾患の臨床的特徴や治療成績,急性腎不全の発生頻度などを種々の報告と比較して報告する.さらに,それぞれの疾患を早期に診断するために取り組んでいる,非侵襲的な尿検査(尿フローサイトメトリー,尿蛋白電気泳動,ポドカリキシンとメガリンなどの腎機能分子の尿中動態)についても紹介する.
  • 野島 美久
    2010 年 99 巻 5 号 p. 990-998
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    急性腎不全を合併する膠原病には,血管炎症候群,全身性エリテマトーデス,強皮症などがある.その多くは,腎炎性の急性腎不全であるが,悪性高血圧や血栓性血小板減少性紫斑病に由来するものもある.急性腎不全を合併する膠原病の生命予後は著しく不良であり,早期診断,早期治療がなにより求められる.急性腎不全を合併する膠原病の臨床的特徴や早期診断のポイントを整理しておく必要がある.
  • 佐々木 環, 西 佑子, 岡 朋大, 柏原 直樹
    2010 年 99 巻 5 号 p. 999-1006
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    薬物性腎障害は患者の高齢化,重症化,さらには使用薬物数・種類の増大により今後の発症機会の増加が推測される.ほとんどの薬物が腎障害をおこす危険性を持つことを認識し,使用の際はその特徴を理解し防止あるいは最小限に抑制することにより,薬物の恩恵を安全に利用する努力が望まれる.薬物性腎障害,特に急性腎不全において最も重要な点は,いかに早期に発見し,原因となる薬物を中止し得るかである.
V.治療法
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 岡田 賢司
    2010 年 99 巻 5 号 p. 1064-1071
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    百日咳は,乳幼児の疾患と考えられてきたが,DTaPワクチン接種率向上に伴い,乳幼児の報告は激減した.近年は,相対的に10歳以上とくに成人の報告例が増加してきた.本稿では,変化してきた疫学,百日咳の家族内感染における乳幼児の症状とワクチン接種の影響,成人での症状と診断について紹介した.さらに,成人の長引く咳での百日咳の関与割合,抗原診断した成人百日咳の臨床像,感染管理,抗菌薬治療の実際および予防接種の今後の展開などを概説した.
  • 福島 伯泰, 木村 晋也
    2010 年 99 巻 5 号 p. 1072-1079
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    9番と22番染色体の相互転座によって生じるbcr-ablキメラ遺伝子が,慢性骨髄性白血病(CML)の原因である.ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI),メシル酸イマチニブ(グリベック®)は,CMLの治療・予後を大きく改善した.しかし臨床応用から約10年が経過し,耐性や副作用などの問題点も明らかとなってきた.耐性化の原因はBCR-ABL依存性と非依存性に大別される.BCR-ABL依存性の中でも,イマチニブが標的とするABLキナーゼドメインのATP結合領域の点突然変異が最も大きな問題となる.耐性克服を目的にポスト・イマチニブ薬と呼ばれるダサチニブやニロチニブなどの第二世代ABL TKIsが開発され,日本でも2009年3月より臨床使用が開始されている.これら第二世代ABL TKIsを,それぞれの変異ABLに対する効果の違いや副作用の特性を踏まえた上で使用することで,CML治療成績の向上が期待される.
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