日本内科学会雑誌
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99 巻 , 7 号
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特集●呼吸器領域の新しい薬物療法:作用機序と使用の実際
Editorial
トピックス
I.喘息
II.抗肺線維化薬
  • 吾妻 安良太
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1542-1549
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    ピルフェニドン(ピレスパ®)は特発性肺線維症(IPF:Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の肺活量の悪化を抑制した.その臨床試験結果に基づき,2008年10月 欧米に先駆けて製造販売承認を取得したIPF治療薬である.特発性肺線維症は特発性間質性肺炎の約半数を占め,最も予後不良の疾患である.稀少疾患ゆえに画像や病理診断による予後評価が難しく,無作為化比較試験展開が困難を極めた.本稿では我が国の産官学共同臨床開発の経緯と,欧米のCAPACITY試験成績との比較から,IPF治療研究の課題と展望について概説する.
III.肺高血圧症薬
  • 花岡 正幸
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1550-1556
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    エンドセリン1には強力な血管収縮作用と血管平滑筋細胞や線維芽細胞の増殖作用があり,その濃度は肺動脈性肺高血圧症で上昇し,重症度や予後と相関する.エンドセリン受容体にはETAとETBの2種類が存在するが,ボセンタンは双方を阻害するエンドセリン受容体拮抗薬である.ボセンタンは肺動脈性肺高血圧症において,運動耐容能,WHO機能分類,肺血行動態および臨床悪化までの期間を有意に改善し,海外では機能分類クラスIIからの使用が推奨されている.
  • 木村 弘, 濱田 薫
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1557-1562
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    肺動脈性肺高血圧に対する血管拡張治療薬ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬について概説した.内因性一酸化窒素は種々の刺激により産生され,血管平滑筋のcGMP産生を介して血管平滑筋の弛緩血管拡張作用を呈する.cGMPはPDE5で分解されるが,その阻害薬はcGMPを増加させ血管拡張を増強させる.PDE5は海綿体や肺に偏在するためPDE5阻害薬は肺動脈圧低下をきたす.現在シルデナフィルとタダラフィルの2剤が使用可である.
IV.プロスタサイクリン(PGI2)誘導体薬
V.抗結核薬
  • 佐々木 結花
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1569-1573
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    リファマイシン系抗酸菌治療薬として,2008年10月にリファブチン(RBT)が保険収載された.RBTは結核症,非結核性抗酸菌症の治療,HIV感染患者における播種性MAC症の発症抑制に適応がある.結核菌,MAC菌に対するMICはRFPより良好という報告があるが,副作用からRFPに置き換わるものではない.CYP3A4誘導作用がRFPより弱いことなど特性を生かし,使い分けをする必要がある.
VI.抗ウイルス薬
  • 藤倉 雄二, 川名 明彦
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1574-1582
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    抗HIV薬の進歩は著しいものがあり,これまで抗HIV効果に加え,副作用の軽減,服薬しやすさが追及されてきた.このことにより治療の選択肢が拡がっている.本稿では概ね日本で2005年以降に承認された比較的新しい抗HIV薬に関する知見と,最近の診療ガイドラインの中におけるこれらの位置付けをまとめた.また,新しい機序の抗HIV薬であるインテグラーゼ阻害薬(ラルテグラビル)やCCR5阻害薬(マラビロク)についても言及した.
  • 渡辺 彰
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1583-1588
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    2009年春から世界に蔓延した新型インフルエンザでは,抗インフルエンザ薬を最も積極的に使用したわが国の致死率が最も低く,その意義は重要である.既存の薬剤に加えてこの1~2年で新規の薬剤(ペラミビル,ラニナミビル,ファビピラビル)が相次いで実用化されるが,前2者がノイラミニダーゼ阻害作用,後者がRNAポリメラーゼ阻害作用を有し,季節性のみならず新型のインフルエンザウイルスにも同等かそれ以上の効力を有する.
VII.抗真菌薬
  • 泉川 公一, 河野 茂
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1589-1596
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    臓器移植や化学療法など医療の高度化に伴う深在性真菌症患者の増加はきわめて憂慮される問題で,特にアスペルギルスをはじめとする呼吸器真菌症は予後が著しく不良なためその対策は急がれる.アムホテリシンBが1960年代に登場して50年が経ち,複数の抗真菌薬が使用できる環境が整い,新たな治療やPK/PDに関するエビデンスも発表されている.本稿では,各種抗真菌薬の作用機序,特徴,実際の使用法,注意点などについて概説する.
VIII.抗がん薬
  • 田中 謙太郎, 出水 みいる, 高山 浩一, 中西 洋一
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1597-1604
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    ペメトレキセド(アリムタ®)は,チミジル酸シンターゼ等複数の代謝酵素を阻害し,抗腫瘍効果を発揮する新規葉酸代謝拮抗薬である.本邦では,悪性胸膜中皮腫と非小細胞肺癌に対し適応が認められている.ペメトレキセドは既存の抗がん薬に比べて少ない毒性で同等の有効性を示し,また非小細胞肺癌の中でも非扁平上皮癌により有効という,組織型特異性を有する特性を持つ.今後,これら癌種のキードラックの一つになると期待される.
  • 中川 和彦, 清田 秀美
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1605-1610
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    血管新生は癌の悪性化に大きな役割を果たすことが知られており,近年様々な血管新生阻害剤の開発が進んでいる.ベバシズマブは血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)に対する中和抗体で,非小細胞肺癌に対して2つの第III相比較試験で化学療法との上乗せ効果を示した唯一の薬剤である.進行・再発結腸直腸癌に続いて2009年11月に本邦で承認を受けた.すでに海外のガイドラインで推奨されており新たな標準治療となる薬剤として注目されている.
IX.急性呼吸窮迫症候群(ARDS)治療薬
X.リンパ脈管筋腫症(LAM)薬
  • 瀬山 邦明
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1617-1622
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    リンパ脈管筋腫症は,ほぼ若い女性に限って発症する病因不明の難病であった.しかし,腫瘍抑制遺伝子であるTSC1あるいはTSC2遺伝子の異常が病因であること,両遺伝子がコードする蛋白質(ハマルチンとツベリン)がmTOR(ラパマイシン標的蛋白質)という細胞増殖を制御する情報伝達系の中枢を担っている分子を制御していることが明らかになり,分子標的治療への道が拓けた.mTORを阻害するシロリムスにLAMの分子標的治療薬としての期待が寄せられている.
XI.肺胞蛋白症薬
  • 田澤 立之, 中田 光
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1623-1627
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    肺胞蛋白症患者の9割は,顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)に対する自己抗体による肺胞マクロファージの機能障害のため,肺サーファクタント物質の除去能が低下して生ずるとされる自己免疫性肺胞蛋白症である.分子病態に基づく新規治療としてGM-CSF治療の研究が進められてきた.標準治療の全肺洗浄に比して簡便で,外来治療が可能なGM-CSF吸入治療は,本邦での多施設第II相試験で重篤な有害事象なく,60%をこえる奏効率を示し,その効果は治療期間と用量によることが示唆された.本症は稀少疾患であるため,国際共同研究でさらに検討することを計画中である.
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 高橋 理, 大出 幸子, デシュパンデ ゴータム・A, 山田 康博, 福井 次矢
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1662-1670
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    EBM(Evidence-based Medicine)を実践し患者ケアの質を改善するためには,医療現場で行われる臨床研究が必要不可欠である.臨床研究の対象は個性や感情を持つ"まるごとの人間"であるため,日常診療に軸足を置いた臨床医でなければ質の高い臨床研究は不可能であり,臨床医の果たすべき役割は大きい.しかし,日本の大学医学部では臨床研究に対するインセンティブが低く,臨床研究者を養成する体系的な教育システムを整えてこなかったため,欧米に比べ臨床研究者は極めて少ない.また,全国調査によって大部分の研修医が臨床研究活動は必修であると回答し,研修全体の満足度との関連性も示唆されたことより,研修病院での臨床研究教育・支援の重要性が増している.臨床研究の推進には,臨床研究に関する意識改革と臨床研究の方法論を習得した人材の育成確保に加え,臨床研究支援部門の設置が有用である.研修病院において,研修医を含めた全医療従事者に対する臨床研究サポートの体制整備が喫緊の課題である.
  • 山本 格
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1671-1677
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    ゆっくり進行し,透析療法や腎臓移植を余儀なくされる可能性のある慢性腎臓病の病因や病態の分子機構や早期発見,早期診断,病態把握のための尿中バイオマーカーの探索をプロテオミクスで解析する研究が行われている.それらの研究の概略を紹介する.
  • 横野 浩一
    2010 年 99 巻 7 号 p. 1678-1684
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    加齢とともに罹病率が増加する糖尿病と認知症の合併が注目されている.認知症の二大成因である血管性認知症vascular dementia(VD)とアルツハイマー病Alzheimer disease(AD)のうち,慢性の血管病変を合併する糖尿病においてはVDの発症が高頻度であることは従来から良く知られている.一方,集積されてきた疫学調査により,糖尿病におけるADの合併が最近注目されている.その成因としてメタボリック症候群や軽症糖尿病に認められるインスリン抵抗性と高インスリン血症が中枢神経系の低インスリン状態を惹起し,その結果,脳内へのβアミロイドの蓄積を助長してAD発症に関わる機序が提唱されている.加えて,ADの進行抑制のための新たな治療として,インスリン抵抗性改善薬や脳内へのインスリン移行が顕著な点鼻インスリン療法が効果をあげている.今後は糖尿病を中心とした糖代謝分野からのADの成因や病態へのアプローチがさらなる治療法の開発につながるものと期待される.
専門医部会
シリーズ:内科医に必要な救急知識
第10回日本内科学会専門医部会北陸支部オープンカンファレンスまとめ
シリーズ:検査法の理解と活用
シリーズ:一目瞭然! 目で見る症例
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 問題
シリーズ:内科医のための災害医療活動
シリーズ:指導医のために:プロフェッショナリズム
シリーズ:世界の医療
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 解答
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