農研機構研究報告
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2025 巻, 22 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
表紙・目次・編集委員会・奥付
原著論文
  • 中村 卓司, 鮫島 啓彰, 川上 顕, 岩崎 亘典, 井上 康宏, 房安 功太郎, 細山 隆夫, 奥野 林太郎
    2025 年2025 巻22 号 p. 1-
    発行日: 2025/07/14
    公開日: 2025/07/14
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    北海道檜山郡厚沢部町のカボチャ生産者を対象に,うどんこ病のドローン撮影AI画像診断と農薬散布用ドローンの導入による省力・軽労化効果について調査した. ドローン飛行方法や撮影方法を改善した結果,うどんこ病班が大と健全の場合の正答率は,それぞれ0.867,0.973と高かったが,うどんこ病斑・小の場合は,0.115と低かった.また,撮影・診断・表示までの作業を2 ha当たり30分弱で終了することを実証し,衛星測位で正確なうどんこ病発生位置情報の収集が可能となった.ドローンによる防除作業時間は,圃場と給水施設が隣接していない半径3 km以内に点在する6 haの3圃場に防除作業する場合,ブームスプレーヤより作業時間は26%短縮された.ドローンによるつる枯病防除効果は,ブームスプレーヤよりやや劣るが,無防除と比較して十分に防除効果があった.ブームスプレーヤとドローンによる防除が収量におよぼす影響は,気象,移植時期や収穫時期の年時間差異の影響と比べて小さいと考えられた.ドローン1台当たりの散布可能面積は,散布日数7日で実証農家の全カボチャ圃場53.6 haに薬剤を散布可能であると推定された.

  • 木元 広実, 二見 崇史, 河合 崇行, 山本(前田 )万里
    2025 年2025 巻22 号 p. 11-
    発行日: 2025/07/14
    公開日: 2025/07/14
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    近年,疲労感やイライラ感等で表される軽度な心身不調状態(軽度不調)にある人が増えている.我々は軽度不調の緩和が期待される栄養成分を一定量摂取可能な献立(7食分;一献立あたり主菜1つ,副菜1つ,汁物1つ)を作成した.健常者83名(24~76歳:男性:15名,女性:68名)を対象に,当該献立のレシピを配布し,1日1回7日間自炊してもらい(介入),介入試験開始前,開始1週間後及び1か月後に軽度不調状態,健康・食習慣に関するアンケートを実施した.軽度不調状態は職業性ストレス簡易調査票B領域(軽度不調判定項目である「活気」,「イライラ感」,「疲労感」,「身体愁訴」を含む質問票)により評価した.研究対象者のうち軽度不調と判定された者は54名であった.この54名において,「活気」の項目で介入前に比べて1か月後に有意な亢進,「イライラ感」で1週間後,1か月後に有意な低減が認められた.83名の全研究対象者のうち20~30代で,介入前に比べて開始1か月後に健康習慣が不良の者の割合が有意に減少し,また研究対象者全体で食事に対する意識の変化が見られた.軽度不調緩和,行動変容に献立提示法が有効である可能性が得られた.

  • 堤 道生, 山中 克己, 阪口 宗平
    2025 年2025 巻22 号 p. 23-
    発行日: 2025/07/14
    公開日: 2025/07/14
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    エコフィードとは食品製造副産物や余剰食品などから製造された家畜用飼料を指し,その活用には環境負荷低減効果が期待される.本研究では,食品製造粕類サイレージが主原料のエコフィードを多給する黒毛和種牛生産システム(エコフィード牛生産)の環境影響評価を実施し,慣行生産と比較した.解析では,エコフィード活用による廃棄物処理の不要化がもたらす環境負荷のオフセット効果を考慮した.エコフィード牛生産の飼料生産における温室効果ガス(GHG)排出量,酸性化・富栄養化ポテンシャルおよびエネルギー消費量は,慣行生産をそれぞれ27%,17%,15%および26%下回った.飼料輸送プロセスでは同様に,14%,12%,12%および16%下回った.エコフィード原料の廃棄物処理(ほぼすべて埋め立て)回避によるGHG排出量のオフセット効果は他のプロセスの合計の88%に相当した.システム全体では,エコフィード牛生産が慣行生産を,GHG排出量,酸性化・富栄養化ポテンシャルおよびエネルギー消費量でそれぞれ89%,9%,3%および26%下回った.食品製造副産物や余剰食品のエコフィードとしての活用により,GHG排出量およびエネルギー消費量が大きく低減されることが示された.

  • 髙田 教臣, 齋藤 寿広, 西尾 聡悟, 加藤 秀憲, 寺上 伸吾, 澤村 豊, 竹内 由季恵, 平林 利郎, 佐藤 明彦, 尾上 典之
    2025 年2025 巻22 号 p. 33-
    発行日: 2025/07/14
    公開日: 2025/07/14
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    「蒼月」は,2007年に「なつしずく」に「はつまる」を交雑して育成した実生から選抜した極早生の青ナシのニホンナシ新品種である.2015年からナシ第9回系統適応性検定試験にナシ筑波59号として供試し,2021年2月の果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会で新品種候補にふさわしいとの合意が得られ,種苗法において2025年3月12日に第30869号として品種登録された.系統適応性検定試験の結果では,樹勢および枝梢の発生程度は中,短果枝およびえき花芽の着生はいずれもやや少である.開花期は「幸水」と同時期である.S遺伝子型はS1S3で,同一遺伝子型となる「凜夏」とは交雑不和合であるが,「幸水」や「豊水」等の主要品種とは交雑和合である.成熟期は8月上旬で「幸水」よりも2週間程度早い.黒斑病には抵抗性,黒星病には罹病性である.果実は円形の青ナシで果面のサビの発生は中程度,果実の大きさは356 gで「幸水」より30 g程度小さい.果肉は硬度が4.8ポンドで「幸水」よりも軟らかく,果汁の糖度は12.5%,pHは5.2でいずれも「幸水」と同程度であり食味は良好である.果実の日持ち性は7日程度で「幸水」と同程度である.極早生の青ナシ品種として普及が期待される.

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