農研機構研究報告
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最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
表紙・目次・編集委員会・奥付
原著論文
  • 細野 達夫, 池田 順一, 加藤 仁, 関 正裕
    2026 年2026 巻25 号 p. 1-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    電子付録

    北陸地域の重粘土転換畑での,秋播き直播タマネギ栽培の適応性を明らかにするため,農研機構上越研究拠点(新潟県上越市)内の水田転換畑圃場を用いて,2016~2019年の4カ年の秋播きにて,タマネギ(品種「ターザン」)の直播および対照の移植栽培試験を実施した.副処理として,「慣行追肥」と,被覆尿素を基肥と同時施用する「同時施肥」(追肥なし)の2つの施肥法を試験した.直播の出芽は4年とも良好であった.慣行追肥の場合,直播の収量は移植に対して,2016年と2019年の秋播きで100%以上,2018年秋播きで約68%であった.2017年秋播きでは生育初期の圃場冠水等が原因と思われる著しい欠株が生じて収量は評価できなかった.同時施肥では慣行追肥より抽苔の発生が多く減収した.また,雨よけハウスでのポット試験のデータも加えて抽苔モデルの検証を行い,モデルシミュレーションにより抽苔を避ける播種期を推定した.慣行追肥の場合,9月中旬の播種で,越冬前の生育量を確保しつつ抽苔発生を抑制できると考えられた.以上の結果,当該地域における秋播きタマネギ直播において,移植と同等以上の収量を得られる可能性が示された.

  • 小野崎 隆, 藤本 卓生, 東 未来
    2026 年2026 巻25 号 p. 17-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    ダリアは切り花の日持ち性に劣るため,2014年から日持ち性の向上を目標としたダリア育種を開始した.22品種を育種材料として品種間交雑を行い,日持ち日数による選抜とその選抜系統間での交雑を,2014年から2021年まで4世代繰り返した.2022~2023年に育成系統評価試験を実施した結果,鮮明な濃赤色ボール咲きの第4世代系統012-32が新品種候補として有望と判定され,2024年7月に,「エターニティファイヤー」として品種登録出願した.その主な特徴は,シリーズ初のボール咲きの花型と優れた日持ち性である.2022~2023年の調査で,「エターニティファイヤー」の日持ち日数は,蒸留水で9.1~11.0日(切り花用主要品種「かまくら」の1.7~2.1倍),品質保持剤のGLA液で10.2~12.8日(「かまくら」の1.6~2.3倍)であった.2022年夏秋期8処理区の総平均値でエターニティシリーズ既存7品種と日持ち日数を比較すると,「かまくら」の6.3日に対して「エターニティファイヤー」では10.3日と,エターニティシリーズ8品種中で日持ち性が最も優れていた.2022~2023年に全国5カ所で栽培時期の異なる作型で栽培した切り花も同様の良日持ち性を示したことから,その優れた日持ち性は環境によるものではなく,品種特性であることが明確に示された.

  • 國賀 武, 根角 博久, 吉岡 照高, 喜多 正幸, 太田 智, 濱田 宏子, 瀧下 文孝, 野々村 睦子, 吉田 俊雄
    2026 年2026 巻25 号 p. 33-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    「璃の香」は1991年に農林水産省果樹試験場 興津支場(現 農研機構果樹茶業研究部門 カンキツ研究拠点)において「リスボン」レモンとヒュウガナツの交配により育成した品種で2001年に選抜された.2008年カンキツ第10回系統適応性・特性検定試験に系統名「カンキツ興津66号」として供試され,2013年に種苗法に基づいて品種登録出願,2015年に第24081号として登録された.その樹勢は強く,枝梢は直立性,とげは少なく短い.カンキツかいよう病に強い.果実は200 g程度,果皮は淡黄色,厚さは3 mm位,剥皮性は中程度,果面は滑らかで,レモンに似た香りがあるがそれよりも弱い.11月に果汁は糖度9%程度,酸含量は5.6 g/100mL程度になる.種子は単胚性でその数は平均5粒以下.カンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生は多い.成熟期および収穫適期は11月下旬以降と一般のレモンより早い.系統適応性試験では果実の生理障害の発生,耐寒性の問題の指摘は少なく,カンキツかいよう病に強いことから,多くのカンキツ栽培地帯での栽培が可能で,レモンより果肉歩合が高いため加工用の適性も有すると考えられる.

  • 岡 紀邦, 森本 晶, 大友 量, 中村 卓司, 八木岡 敦
    2026 年2026 巻25 号 p. 49-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    土壌構造の簡易評価法である土塊分析について,篩目サイズと土塊分析時の風乾の有無が及ぼす影響を検討するとともに,本法の実践例をとりまとめた.4種類の篩(目開き4.75, 9.5, 19.0, 31.5 mm)を組み合わせた10通りの篩別画分に平均土塊径を加えた11変数について,一般土壌物理性(固相率,乾燥密度,粗間隙率)との相関を調べた.その結果,最小画分もしくは最大画分を含む外側画分は,それらを含まない中間画分よりも,一般土壌物理性との相関がより強いことが確認できた.風乾の影響について,7圃場で土塊分析を風乾後とオンサイトで行ったところ,その差は圃場間の差よりも小さいことを確認した.土塊分析の実践例として,代かき栽培と無代かき栽培が土壌構造に及ぼす影響を調査した.水稲作を続けると土壌構造が年々悪化すること,無代かき栽培では悪化を緩やかにできることを,土塊分析で捉えることができた.また,生産者圃場における調査を通じて,作物収量との関連を解析した.北海道道央の転換畑で栽培された大豆では,土壌構造が悪化すると収量の低下する圃場が増える傾向を認めた.土塊分析は,一般土壌物理性よりもこれらの傾向をより明確に認めることができた.

短報
  • 太田 光祐, 井之口 曜, 芦澤 武人
    2026 年2026 巻25 号 p. 61-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    イネいもち病は空気伝染性の水稲病害で,感染に好適な気象条件が揃うと急激に蔓延して被害をもたらすが,栽培期間を通じての発生予測は難しい.そこで,アメダスの気象データを利用して本病の感染好適条件および準感染好適条件を判定し,電子メールで連絡する「イネいもち病の発生リスク予測システム」を開発した.本システムは,スマートフォン上で圃場や薬剤を登録すると,発生リスクの積算値を表示し,積算値が高まると電子メールで注意・警戒情報を配信する機能を持つ.この情報は,本病の潜伏期間を利用して発病の7日前から配信されるため,生産者は薬剤の準備や散布日の決定に余裕を持ちつつ,圃場で発生を確認した場合のみ防除できる.

  • -檜山振興局厚沢部町の大規模経営-
    細山 隆夫, 中村 卓司, 鮫島 啓彰
    2026 年2026 巻25 号 p. 67-
    発行日: 2026/07/22
    公開日: 2026/07/22
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    本研究では北海道道南・檜山地域における農業構造の地域性,及び厚沢部町における大規模畑作・露地野菜作経営の展開状況を示した.具体的に,檜山南部では畑作物,露地・施設野菜作のウエイトが高い.このなか,檜山南部・厚沢部町では経営の大規模化も顕著である.同厚沢部町で対象とした大規模畑作・露地野菜作経営では大量の雇用労働力を確保していた.同時に,大規模化のもとでも,農地は少数の団地には収まっていた実態にある.これらによって大面積の畑作物やカボチャを中心とした露地野菜作を遂行しえていた.

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