教育方法学研究
Online ISSN : 2189-907X
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29 巻
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2004 年 29 巻 p. Cover1-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 29 巻 p. App1-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 29 巻 p. Toc1-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 生越 達
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 1-12
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    子どもたちの規範意識が低下していると言われる。一方,相談室で子どもたちとかかわっていると,彼らが示す友達に対する同調性の強さに驚かされる。決して彼らは,勝手気ままに生きているわけではなく,周囲に同調しながら生きているのである。その背景には社会における「大きな物語の喪失」がある。小論においては,はじめに,相談室でのひとつのエピソードを取り上げ,そのエピソードを解釈することを通して,子どもたちの自己や世界を明らかにする。そこからは,彼らが同調の物語をつくりだすことによって,その空間を居場所に変えている様子が理解できる。同調の物語は孤立化を防ぎ,居場所を作りだすのである。だが同時に同調の物語は非日常性を特徴とし,継続性や他者性を備えていない。したがって同調の物語を生きる自己は多元的自己なのである。その後,このような子どもたちの世界の解明に基づいて,道徳教育の可能性を探る。そこでは,自己決定システムの限界を示すと同時に,同調の物語を組み替えていくことができるかどうかを模索する。結論としては,価値項目の押しつけは有効ではないこと,一方日常性を重視した平明な道徳教育が有効であることが導かれる。そして,具体的には,対話を重視し,自己の負性に丁寧につき合うことができる場をつくりだすことが重要であることが明らかになる。
  • 竹川 慎哉
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 13-24
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,リテラシー形成理論と実践構想の比較検討をとおして,リテラシー形成における「批判」の意味を考察することにある。ここでは,アメリカにおいて,相互に議論を交わしている批判的思考論文化的リテラシー論そして批判的リテラシー論をとりあげる。リテラシー形成理論において,「批判」という言葉は多義的である。批判的思考論において,批判的であるということは,客観的・論理的・政治的に中立的になっていくことを意味し,それを支えるスキルの獲得が何より重視される。文化的リテラシー論は,アメリカ国民として政治的・文化的に生活するために必要な選ばれた知識の獲得が,批判的な思考を可能にすると強調する。しかし,前者において,スキルの強調は,学ぶ内容の無視へとつながり,学問の境界や支配的文化に無批判になってしまっている。そして,後者においては,ナショナル・アイデンティティとしての共通知識の強調が支配的文化への同化を促すものになっている。それらと対照的に,批判的リテラシー論によれば,「批判」とは,個人の私的な問題とされるものを社会構造の公的な問題として位置づける意識を持ち,その関係を問い直すこととして理解されている。さらにそれは,文化の差異性やこれまで排除されてきた他者のF声」に対する応答も含むものである。このような政治的かつ倫理的な意味において,「批判」がリテラシー形成に組み込まれることが求められている。
  • 田久保 清志
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 25-36
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    いじめや不登校問題への対応に伴ってスクールカウンセラーの配置が始まり,「臨床教育学」という新たな学問の創成が模索されている。1980年代に子どもの発達のもつれが深刻化すると,集団づくりの生活指導実践では,精神分析学の対象関係論を応用してその解明にとりくみ,それまで否定的に評価されてきた「個人指導」を再検討し,個人指導と集団指導の統一的な展開を図った。本稿では,それを生活指導実践の臨床的側面(教育と医療の近接面)の展開としてとらえ,その経緯と内容を明らかにする。第1章では,子どもの問題行動や校内暴力のメカニズムが,フロイト以後の発展である対象関係論の視点で解明されたこと,それは対象関係に現代日本の「家庭」と「学校」を組み入れ,生活指導実践において教育学と精神分析学とを架橋する試みとなったことを明らかにした。また第2章では,子どもの発達的苦悩に伴走する具体的な指導論の構築過程を追跡し,否定的に評価されてきた「個人指導」の再検討,および「集団指導」との統一的展開のための理論化作業について検討した。結論として,1980年代の生活指導実践の臨床的側面が,(1)家庭と学校を組み入れた対象関係論による子どもの発達矛盾の分析,(2)子どもの発達的苦悩への共感と自立に向けた内面的ドラマの洞察,(3)カウンセリングを含めた個人指導と集団指導との弁証法的統一,の3点において展開され,「臨床教育学」の模索に寄与しうるものであることを指摘した。
  • 保坂 裕子
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 37-48
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    教師の仕事活動は,近年展開されている教育改革をはじめとして,子どもたちや家庭状況,社会状況の変化,学校に対する社会的ニーズの変化に伴い,大きな転換期をむかえている。そこで本研究では,「総合的な学習の時間」のカリキュラム開発を進めるある小学校教師チームに着目し,実践において教師の仕事活動がいかに変化しているのか,またどのようなことが課題となっているのかについて検討することを通して,教師の仕事活動を転換する可能性を探ることを目的とした。研究方法論として,文化-歴史的活動理論を基盤とする「発達的ワークリサーチ」を採用した。当小学校における問題状況として,(1)学校外活動やグループ活動を進めるために,充分な教師の人数が確保できない,(2)総合学習をめぐる教師間の共通理解の不足,の二点があげられた。一点目については,教師を含む大人の人数確保のために,既存の活動形態の変革,外部組織との連携が試みられた。二点目については,教師間のコミュニケーション形態を転換していく必要があることが指摘され,解決は次の課題となった。教師チームは,既存の仕事活動の境界を再定義し,新たな文化的ツールを媒介させることによって活動システムの転換へと向かった。教育実践研究の今後の課題は,実践現場において起こっているこのような教師の学習活動に着目し,新たな転換の契機をとらえ,実質的変化を促進していくことなのではないだろうか。
  • 梶原 郁郎
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 49-60
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    本論文は『デューイ実験学校』(K. C. メイヨー,A. C. エドワーズ,1936年)の縦断的分析を通して,学習者の他者認識の筋道の次元で,J. デューイの経験主義における歴史の学習段階を明らかにしている。この課題に本論文は,歴史の学習段階に関するデューイの仮説(1898年)を検証するかたちで応えている。デューイ実験学校の学習者は次の他者認識の原理に基づいて,歴史学習を進めている。第一に,学習者は生活必需品を作る仕事に従事した後,同様の仕事に従事した歴史の中の他者を認識の中に描き出す。第二に,歴史の情報を通して学習者は,その他者の生活に連結されていた他者の連なり(他者圏)を認識の中に描き上げる。この二つ原理の下で,学習者は次の三段階を通して歴史上の他者圏を認識している。第一段階において(6・7・8歳),学習者はいかなる特定の時間・場所にも関わることなく,歴史上の他者圏の産業生活を認識の中に描き出す。第二段階において(9・10・11歳),学習者はシカゴ植民地時代という特定の時間・場所における他者圏の産業生活を認識の中に描き出す。第三段階(12・13・14〜15歳)において,学習者は時間を越えた世界史的な他者の連なりを認識の中に描き上げ,自らの直接の祖先であるシカゴ植民地時代の上の他者圏を世界史的なその他者圏の一部として認識する。
  • 内藤 由佳子
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 61-72
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    本研究は,ドイツ新教育運動期に設立されたハンブルク協同体学校の授業実践の特質をテレマン街学校の「総合学習」実践を通じて,明らかにすることを目的とする。協同体学校の「協同」概念は,(1)子どもにとって身近な地域社会と密接に結合すること,(2)子どもの内的な創造的個性を支援することで,教室内に新たな関係性を築くこと,(3)通学制によって教師と保護者間に相互主体的な関係を作ることを意味していた。協同体学校設立に当たり,「協同」概念に基づいた教育理念として,子どもの自律的・創造的活動と知的な学びを同時に実現することが掲げられた。そして,教師には授業実践に対する大きな自由裁量が認められ,一人ひとりに応じた柔軟な教育を展開することが可能となった。テレマン街学校では,学校内外の「総合学習」においてこの理念を,子どもの側から柔軟な学習計画や教材の自主編成を構想することによって具体化した。そして,それは,子ども・教師・保護者間の対話的実践に基づいて構築された,目的協同的な関係に支えられていた。また,その際(1)カリキュラムを固定的なプランとしてではなく,柔軟なプロジェクトとして位置づけたこと,(2)総合学習の意味する総合を,教科を寄せ集めた合科的なものとしてではなく,目的に向かって教科や活動を協同させるという意味で捉え直した点に新しい視座を見出すことができる。
  • 金馬 国晴
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 73-84
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    カリキュラムに生活経験,または生活活動を導入する試みは,それだけで批判されるべきものなのか。本稿では,戦後初期のコア・カリキュラムにおける,生活活動と各教科の知識・技能の関係を明らかにする。この作業を通じて,「はいまわらない」経験主義について明らかにする。当時,コアとは社会科を,とくに<生活活動>を意味した。だが,それはコア・カリキュラムの狭義にすぎず,広義には,再構成されたカリキュラム全体を指した。再構成は,教科ごとに分断された教科課程などへの批判を意図して行われ,代わって<単元>というものが導入された。戦後初期,この<単元>に各教科の知識・技能を関連づけるにあたっては,二つの類型があった。一つは「単元内連続」といえる関係である。その代表は,有名な桜田小学校の樋口澄雄による「郵便ごっこ」であった。ここでは,知識・技能は活動を通じて「連続的」に学ぼれるものと見なされた。対して,業平小学校の吉野正男による「ゆうびん」には,「単元外接合」というべき関係が見られ,注目に値する。活動において必要となったときに知識・技能が「とり立て」て教授されたのである。両者を比較した場合,後者の「単元外接合」のように,各教科の知識・技能を教えるべき機会で教えるカリキュラムが重要な意味をもつ。コア・カリキュラムにはこうした類型も含まれていたのである。
  • 渡部 竜也
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 85-96
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,社会問題学習には,科学主義社会科の延長上に位置付く実在型社会問題学習と,科学主義社会科とは別の観点から生み出された唯名型社会問題学習の二つが存在することを踏まえつつ,なぜ,合衆国の社会科教育において,今日後者が注目されるのか,その原理的説明を試みることである。この目的を達成するために,(1)科学主義社会科に向けられた批判にはどのようなものがあり,(2)唯名型(ここでは特にハーバード社会科に注目する)はその問題点をどのように克服しているのか,を明らかにする。本研究で導き出された科学主義社会科の問題点4つのうち主なものと,それに対する唯名型社会問題学習の克服手法を示すと,以下のようになる。1)科学主義社会科の問題の第一は,多様にある学説の中からどれを教えればよいのか,内容編成の基準を明確に示せない点にある。唯名型社会問題学習は,多種多様な見解を持つ人間の論争に注目するので,対立する学説・見解を,時間の許す限り全て授業に持ち込むことができ,この問題を克服できる。2)問題の第二は,この社会科が事実上ある研究者の見解の教え込みをする学習になっている点にある。唯名型社会問題学習は,論争を通して多種多様な見解を比較するために,それらの見解同士を対象化して見ることができるので,これを克服できる。
  • 二宮 利江, 本田 敏明
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 97-106
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
    今日のインターネットやマルチメディアの普及は目覚しく,それらが学校教育における学習環境に今後ますます大きな変化をもたらすことは想像に難くない。筆者らは,このような状況に対応するために教師への実態調査や教員研修を通じて,教育現場でのICT (Information and Communication Technology:情報通信技術)利用を指導してきた。まず,第1回調査でICT設備や指導力量の不足が実態として表れた。これらを改善する目的でICTを利用して時空を超えた教員研修を行ったが,この研修の特色であったCSCL (Computer Supported Collaborative Learning)がうまく機能しなかったため,第2回調査に基づき教員研修システムを改善したところ,教師同士の協調学習が見られ,研修自体は非常によい結果となった。ところが,これらの教員研修の成果が問われる一般の学校現場でICTを利用した新しい学習が積極的に行われていなかったため(第3回調査),設備や指導力量不足ではない「本質的な」問題を明らかにする必要が生まれた。そこで「学習集団の大きさ」「学習形態」「人と人との関わり」という3つの指標を用いて伝統的学級内学習とICTによる学習を比較し,情報化社会の学習環境に必要な学習の「場」について考察した。さらに,3つの指標に関する教師の意識調査から,伝統的指導観がこの情報化社会の学習環境を実現する妨げになっていることを明らかにした。
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 29 巻 p. App2-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 清水 毅四郎
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 107-110
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 寺西 和子
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 110-112
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 梅原 利夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 112-114
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 山住 勝広
    原稿種別: 本文
    2004 年 29 巻 p. 114-117
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 29 巻 p. App3-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 29 巻 p. Toc2-
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー
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