年金研究
Online ISSN : 2189-969X
ISSN-L : 2189-969X
最新号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 杉田 健
    2025 年27 巻 p. 1-
    発行日: 2025/12/03
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    本稿はチリの軍人・警察官の年金制度および他国への影響について論じるものである。チリは公的年金のDC(確定拠出年金)化で有名であるが、このDC化を推進した軍事政権は自分たち軍人の年金制度をDC化しなかった。また、当時、国防省に所属していた警察官の年金制度もDC化しなかった。その結果、軍人と警察官は今でも一般市民よりも潤沢な年金を享受し、しかも財源は多くを国庫負担に頼っている。さらにチリを模範として公的年金のDC化を実施した多くの国で、軍人と警察官の年金はDC化から除外されている。

  • 柴田 洋二郎
    2025 年27 巻 p. 20-
    発行日: 2025/12/03
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     フランスには、強制加入・賦課方式・報酬比例給付を特徴とする強制加入の年金制度に加え、任意加入・積立方式による上乗せの年金制度が存在する。現在のところ、上乗せ制度は、強制加入制度に対して副次的な位置づけにとどまるため、先行研究も極めて少ない。しかし、給付総額や掛金額等が少しずつ上昇しており、今後、上乗せ制度の役割が大きくなっていく可能性があり、近年の動向とその特徴を把握しておくことは重要であると思われる。  2019 年のPACTE 法は、従前、多様に存在していた拠出建て上乗せ制度を、引退貯蓄制度(PER)に編成し直す抜本的な改革を行った。PER により、拠出建て制度に共通の法規制(特に、税制および社会保障負担上の優遇を受ける条件)が 設けられ、また、貯蓄額の移換や早期引出し、受給方法が柔軟化された。  これらは、拠出建て上乗せ制度を、①利用者にわかりやすくし、また、②利用者のニーズに合わせて利用しやすくしたものである。しかし同時に、拠出建て上乗せ制度の「老齢リスクのカバー」(社会保障の補足)としての性格が弱まり、経済政策としての側面が重視されるものとなっている。
feedback
Top