火SUS304J1HTBのσ相析出挙動に及ぼす化学成分,応力状態ならびに予ひずみの影響を調査し,σ相を用いた温度推定手法について検討した。規格範囲内で生じる化学成分の違いはσ相平均粒子径にほとんど影響を及ぼさないものの,個数密度および面積率には影響を及ぼした。また,単軸クリープ試験片と内圧クリープ試験体ではσ相平均粒子径に大きな差は認められず,応力状態の影響はほとんど認められないことが明らかとなった。一方,予ひずみはクリープ試験中に析出するσ相の平均粒子径にはほとんど影響を及ぼさないものの,個数密度および面積率を増加させることが確認された。本鋼のσ相平均粒子径は化学成分や応力状態,予ひずみの有無によらずラーソン・ミラー・パラメータ(LMP)で整理でき,この関係を用いることで実機ボイラ伝熱管の使用温度を精度良く推定できると考えられる。