熱帯農業研究
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1 巻, 1 号
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原著論文
  • 入江 憲治, Aye Khin, 長峰 司, 白田 和人, 藤巻 宏, 菊池 文雄
    2008 年 1 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/10/12
    ジャーナル フリー
    イネ遺伝資源の導入に伴う特性情報の有効活用をねらいとして,ミャンマーのイネ地方品種の中から,出穂特性の異なる代表的な 19品種を選び,ミャンマーの Yezin(北緯19°16´,東経 96°49´)と日本のつくば市(北緯36°01´,東経140°06´)において栽培し,出穂期の変動を解析した.Yezinでは,6月に播種する普通期栽培区の他に,比較的日長の長い3月に播種する乾期栽培区を設けた.つくば市では,ジ-ンバンクの防疫隔離温室において 5月播種で温室栽培を行った.また,これらの地方品種の基本栄養成長性と感光性を推定するため,短日処理施設におけるポット栽培ならびに自然日長下での圃場栽培を行った.ミャンマーの19地方品種は感光性に関して大きな変異をもち,感光性と基本栄養成長性に関して4グループに大別できた.Yezinの普通期栽培とつくば市の温室栽培における到穂日数の間には,高い正の相関関係(r=0.81**)がみられた.つくば市の温室栽培は長日条件であるため到穂日数の品種間変異は感光性程度の差を反映した.他方,Yezinの普通期栽培では短日条件のため感光性程度が十分発現しなかった.しかし,Yezinの乾期栽培とつくば市の温室栽培における到穂日数との間には,極めて高い正の相関関係(r=0.96**)が認められた.これは,いずれにおいても栄養成長期が長日となっており,感光性が発現する条件下になかったためだと考えられる.本研究の結果から,わが国へのイネ遺伝資源の導入ならびに特性評価にあたっては,導入元の自然環境や栽培条件などに関する情報を収集しておくことが必要になると考えられる.
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