熱帯農業研究
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研究報文
  • 木﨑 賢哉, 内野 浩二, 熊本 修
    2023 年 16 巻 2 号 p. 45-52
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/02
    ジャーナル フリー

    本研究では,ハウス栽培において,仕立て方法の違いがパッションフルーツ‘ルビースター’の生育,収量および果実品質に及ぼす影響を調査した.つり上げ仕立てでは結果枝を上向きに,つり下げ仕立てでは結果枝を下向きに伸ばした.日平均温度は,開花期間には15~23℃,それ以降には20~28℃の範囲を推移した.つり上げ区ではつり下げ区より,列間の照度は低かった.つり上げ区ではつり下げ区に比べて,節間長および個葉の面積が大きくなるなど,栄養成長がおう盛であった.つり上げ区ではつり下げ区に比べて,柱頭直立花率は低く,結実率は高かった.果実の収量は,つり上げ区ではつり下げ区の1.5倍であった.つり上げ区ではつり下げ区に比べて,着色良果率が低く,糖度は低かった.以上の結果から,つり上げ仕立てにより,栄養成長がおう盛になること,収量が増加することを明らかにした.今後は,高品質果実生産に向けて光環境を改善することが必要であるものと考えられる.

  • 内野 浩二, 篠原 和孝, 腰替 大地
    2023 年 16 巻 2 号 p. 53-62
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,‘Irwin’以外の品種の導入に当たり,生産者が品種選択するための基礎的な情報を提供することである.本研究では,加温ハウス栽培において9品種の成熟日数,積算温度,追熟日数および果実品質を比較した.材料には,以下の品種を用いた:‘甘近星’,‘Ataulfo’,‘Bailey’s Marvel’,‘Carrie’,‘Golden Nugget’,‘Irwin’,‘Jubilee’,‘Mallika’および‘Tahar’.成熟日数は,‘Irwin’(117日)に比べて,‘Tahar’では109日と短く,‘Bailey’s Marvel’では142日と長かった.積算温度は,‘Irwin’(2,000℃・日)に比べて,‘Tahar’では1,851℃・日と小さく,‘Bailey’s Marvel’では2,496℃・日と大きかった.追熟日数は,‘Irwin’(6.6日)に比べて,‘Ataulfo’および‘Bailey’s Marvel’では8日以上と長く,これらの品種は輸送性に優れるものと考えられた.果皮の色相角度は,‘Irwin’に比べて,‘Jubilee’では小さい傾向であり,赤色がより鮮明であった.果実重は,‘Irwin’に比べて,‘Jubilee’では大きく,‘Ataulfo’および‘Carrie’では小さかった.糖度は,‘Irwin’に比べて,‘Ataulfo’,‘Bailey’s Marvel’および‘Golden Nugget’では高かった.酸度は,‘Irwin’に比べて,‘甘近星’,‘Ataulfo’,‘Bailey’s Marvel’,‘Golden Nugget’および‘Mallika’では,高い傾向であった.本研究において,‘Ataulfo’および‘Bailey’s Marvel’は輸送性に優れ,‘Jubilee’は果皮の赤色が優れ,‘Ataulfo’,‘Bailey’s Marvel’および‘Golden Nugget’では高糖度であったことから,これらの品種は我が国のマンゴー生産・流通において有望な品種であると考えられた.

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