ビフェニレンエーテル構造を持つエポキシ樹脂(BGPB)を合成し,フェノール系硬化剤により硬化させて得られる硬化物を得て,ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(GBPAR)およびビスフェノールA 型エポキシ樹脂(DGBPA)を用いた硬化物との物性を比較した。フェノールノボラックを硬化剤として用いた場合,BGPB 硬化物のガラス転移温度は159 ℃であり,DGBPA 硬化物に対して32 ℃,GBPAR 硬化物に対して7 ℃高い値を示した。また,700 ℃での残炭率は37.8 wt%とGBPAR の28.0 wt%よりも高く,かつ10%重量減少温度(Td10)も408 ℃であり,BGPB 硬化物の高い熱分解安定性が確認された。さらに,4,4’- オキシビスフェノール(OBP)との反応物は257.4 ℃と高い融点を持つ結晶性の硬化物を与えるとともに,熱伝導率は0.32 W/m・K であり,非結晶性のDGBPA 硬化物に対して約1.5 倍の値を示した。
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