ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
42 巻, 5 号
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報文
  • 宮本 祐樹, 天野 良洋, 斉藤 晃一
    原稿種別: 報文
    2021 年 42 巻 5 号 p. 176-183
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2022/01/15
    ジャーナル 認証あり

    昨今,光照射で固体が液化する材料(光融解樹脂)が数多く報告されているが,既報の光融解材料は設計,メカニズム,合成経路が複雑な傾向にある。本研究では,既存化学物質のみを原料として使用する光融解樹脂を設定した。その光融解反応は,ジスルフィド結合と光開始剤から発生するラジカルの反応による分子鎖切断によるものであることが推定された。得られた光融解樹脂はゴム弾性体となり,露光後に液化することが確認され,本樹脂を接着剤に適用した際,露光による接着性の大幅な低下が認められた。当該技術は今後,易解体接着剤,仮止め接着剤,光軟化性粘着材,コーティング材,新規パターニング材料などへの展開が期待される。

  • 大賀 将範, 大橋 賢治
    原稿種別: 報文
    2021 年 42 巻 5 号 p. 184-193
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2022/01/15
    ジャーナル 認証あり

    硬化促進剤としてオニウム塩を用いると,一般的に潜在性の優れた樹脂組成物が得られることが知られている。本研究において,各種ホスホニウムカルボキシレート,アンモニウムカルボキシレート,および2- フェニルイミダゾールを用いて,エポキシ樹脂組成物,ビスマレイミド樹脂組成物,ビスマレイミド-エポキシ樹脂組成物のアニオン重合における潜在性硬化促進剤としての特性を検討した。その結果,潜在性は,ピロメリット酸ジアニオン>1,2- シクロヘキサンジカルボン酸モノアニオン>1,4- シクロヘキサンジカルボン酸モノアニオン≒ラウリン酸アニオン≒2- フェニルイミダゾールの順で良好であることが分かった。また,ホスホニウム塩を配合したエポキシ樹脂硬化物は,アンモニウム塩を配合した硬化物より,耐熱性が高いことが分かった。これらの実験結果より,BTBP-pyromellitate,TBP-3S(いずれも北興化学工業㈱製品)が,樹脂組成物の潜在性と硬化物の耐熱性が両立可能な硬化促進剤として最も有望であることが示された。

  • 梶 正史, 大神 浩一郎
    原稿種別: 報文
    2021 年 42 巻 5 号 p. 194-200
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2022/01/15
    ジャーナル 認証あり

    ベンゾフェノン構造を持つエポキシ樹脂(DGBZP)と4,4’- ジヒドロキシベンゾフェノン(DHBZP)を反応させて得られる結晶性硬化物の物性を評価した。DGBZP 硬化物の融点(Tm)は234.6℃であり,ジフェニレンエーテル構造のエポキシ樹脂(DGDPE)に比べて,56.7℃高い値を示すとともに,Tg も43.3℃高くなった。また,線膨張係数は4.2 × 10-5-1 であり,結晶化により大幅に低下した。さらに,熱拡散率はTm に対応して,230℃付近まで高い値を持つことが確認された。

総説
解説
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